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追放編
第3話 婚約破棄&コンニャク破棄
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そのあまりに飛躍しすぎた穴だらけの論理展開に、メルビルは思わず頭を抱えそうになった。
ユベリアス王太子は、長年子供ができなかった国王夫妻が年老いてから生まれた初めての子供であり、そのためかなり甘やかされて育っていた。
だから多分に感情的なタイプの人間だったのだ。
しかも王太子という地位と権力に対して周囲がかしづいているのに、そうではなく自分がとても頭のいい人間だから皆が言うことを聞いているのだと勘ちがいしている、手に負えない系の人間だったのだ。
しかしそれを差し引いても、これはあまりにひどすぎる発想の飛躍ではないだろうか。
さすがの忠義心あついメルビルもやや呆れながら、先ほどの発言に対して論理的に反論を始める。
「殿下、お言葉ですがコンニャクに限らず毎年千人以上もの人間が、食べ物をのどに詰まらせて窒息して死んでおります。殿下の好物であるお餅に至っては、コンニャクの10倍以上の死者を出しているというデータもあります」
「ええい、まだ詭弁を弄して白を切る気か! もうよい! 衛兵よ、この不届き者をただちにここから追い出せ!」
「殿下、どうか冷静になって私の話をお聞きください」
しかしユベリアス王太子ときたらもう完全に頭の中が凝り固まってしまっていて、メルビルの話に耳を貸そうとはしなかった。
「お前の話などもはやこれっぽっちも聞きたくはないわ! メルビル=オーバーハウゼン、国家反逆罪により今をもって侯爵家の娘としての地位を剥奪、国外追放とする! また金輪際、フライブルク王国内での改良コンニャクの生産を全面禁止とする!」
「なっ!? お待ちください殿下。私の追放は百歩譲ってもはや致し方ないとしても、改良コンニャクの生産禁止だけはどうかお考え直し下さいませ!」
自分が追放されるだけではなく改良コンニャクまで禁止と聞いて、メルビルは血相を変えた。
「ならん! 王太子であるボクを暗殺しようとした女の考案したものをそのまま流通させておくなど、不愉快極まりないからな! これより改良コンニャクは国家反逆コンニャクに指定する! 栽培した者は謀反の疑いありと見て重罪に問う!」
「ですが改良コンニャクは他国にも輸出され、安価で品質がよいことから、多数の外貨を稼ぐ我が国の主力産業の1つにまでなっております。他国の上流階級の皆さま方にもフライブルク産改良コンニャクとして高い人気を誇っています」
「ふん、それがどうした?」
「もしここで改良コンニャクの生産を禁止してしまえば、国内外で高い評価を受ける基幹産業が一つ消し飛んでしまいます。ひいては我が国の国力の低下を招き、国民生活にも大きなダメージを与えることは必死です」
メルビルは言葉を尽くして改良コンニャクの価値を説明していく。
自分が改良コンニャクを開発したという自負からではない。
メルビルは決してそのような器の小さな女ではなかった。
歴史と伝統ある上級貴族にして心からの忠臣たるオーバーハウゼン侯爵家の娘として、国を代表する一大産業ともなった改良コンニャクを失うことを、見過ごすことはできなかったからだ。
ユベリアス王太子は、長年子供ができなかった国王夫妻が年老いてから生まれた初めての子供であり、そのためかなり甘やかされて育っていた。
だから多分に感情的なタイプの人間だったのだ。
しかも王太子という地位と権力に対して周囲がかしづいているのに、そうではなく自分がとても頭のいい人間だから皆が言うことを聞いているのだと勘ちがいしている、手に負えない系の人間だったのだ。
しかしそれを差し引いても、これはあまりにひどすぎる発想の飛躍ではないだろうか。
さすがの忠義心あついメルビルもやや呆れながら、先ほどの発言に対して論理的に反論を始める。
「殿下、お言葉ですがコンニャクに限らず毎年千人以上もの人間が、食べ物をのどに詰まらせて窒息して死んでおります。殿下の好物であるお餅に至っては、コンニャクの10倍以上の死者を出しているというデータもあります」
「ええい、まだ詭弁を弄して白を切る気か! もうよい! 衛兵よ、この不届き者をただちにここから追い出せ!」
「殿下、どうか冷静になって私の話をお聞きください」
しかしユベリアス王太子ときたらもう完全に頭の中が凝り固まってしまっていて、メルビルの話に耳を貸そうとはしなかった。
「お前の話などもはやこれっぽっちも聞きたくはないわ! メルビル=オーバーハウゼン、国家反逆罪により今をもって侯爵家の娘としての地位を剥奪、国外追放とする! また金輪際、フライブルク王国内での改良コンニャクの生産を全面禁止とする!」
「なっ!? お待ちください殿下。私の追放は百歩譲ってもはや致し方ないとしても、改良コンニャクの生産禁止だけはどうかお考え直し下さいませ!」
自分が追放されるだけではなく改良コンニャクまで禁止と聞いて、メルビルは血相を変えた。
「ならん! 王太子であるボクを暗殺しようとした女の考案したものをそのまま流通させておくなど、不愉快極まりないからな! これより改良コンニャクは国家反逆コンニャクに指定する! 栽培した者は謀反の疑いありと見て重罪に問う!」
「ですが改良コンニャクは他国にも輸出され、安価で品質がよいことから、多数の外貨を稼ぐ我が国の主力産業の1つにまでなっております。他国の上流階級の皆さま方にもフライブルク産改良コンニャクとして高い人気を誇っています」
「ふん、それがどうした?」
「もしここで改良コンニャクの生産を禁止してしまえば、国内外で高い評価を受ける基幹産業が一つ消し飛んでしまいます。ひいては我が国の国力の低下を招き、国民生活にも大きなダメージを与えることは必死です」
メルビルは言葉を尽くして改良コンニャクの価値を説明していく。
自分が改良コンニャクを開発したという自負からではない。
メルビルは決してそのような器の小さな女ではなかった。
歴史と伝統ある上級貴族にして心からの忠臣たるオーバーハウゼン侯爵家の娘として、国を代表する一大産業ともなった改良コンニャクを失うことを、見過ごすことはできなかったからだ。
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