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第三章

第45話 最後の決戦(2)

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 キンキンキンキンキンキンキン!

 ボクの真・精霊剣プリズマノワールと、闇の精霊王の精霊剣セフィロト・ブレードが激しくぶつかり合う!

「てりゃぁぁぁっっ!」

 たくさんの強敵たちを倒してきた真・精霊剣プリズマノワールの攻撃を、

「ククク、効かぬわ!」

 闇の精霊王は、精霊剣セフィロト・ブレードで簡単にはじき返してきた。

「うぐっ、すごく強い……!」

「当然だ! 我はこの世界の全ての力を手に入れたのだから!」

「くぅっ! こなくそー!」

 ボクは体勢をたてなおすともう1度攻撃をする。

 キンキンキンキンキンキンキン!

 でも真・精霊剣プリズマノワールの攻撃は、また全部はね返されてしまったんだ!

「ククク、効かぬと言っただろう! 精霊剣セフィロト・ブレードは世界そのものでもあるセフィロト・ツリーの力を、ギュッと集めた剣なのだから!」

「な、なんだって!?」

「最強の精霊剣といわれる真・精霊剣プリズマノワールとて、世界そのものの超パワーには勝てはせぬのだ! セヤァッ!」

 カキーン!

「くぅ……!」

 闇の精霊王の強烈な一撃をボクはどうにかこうにか防御した。

「ククク、よく今のを防御したな? だが世界そのものの力はまだまだこんなものではないぞ?」

 闇の精霊王がさらに激しい攻撃を仕掛けてくる!

「くぅっ! 闇の精霊王、どうしてお前はそこまで力にこだわるんだ!」

「どうしてだと? 世界を征服するのに理由などないわ。欲しいから征服するのだ」

 なにそれ!
 意味わかんないよ!

「そんなのお前のワガママじゃないか! みんなが平和に暮らしてるのに、戦争をするなんておかしいよ! 憲法9条を知らないの?」

「ククク、ならばお前はワガママを言ったことがないのか? ステーキを食べたい、唐揚げを食べたいとママに言ったことはないのか? それと同じだ」

「同じなわけないでしょ! 他の人に迷惑かけちゃダメなんだよ!」

「ククク、同じなのだよ。なにも知らない子供には同じだと分からないだけだ! いくぞ、喰らえっ! セフィロト・ビーム砲!」

 精霊剣セフィロト・ブレードからいきなり精霊ビームが発射される!

「ちょっと! 剣で戦ってたのに急にビームを撃つなんてずるいよ!」

「ククク、大人はずるい生き物なのだよ」

 セフィロト・ビーム砲はボクにまっすぐ飛んでくる。
 そしてそれが当たって――、

 スゥ――。

「なにィっ!? 姿が消えただたと!?」
 ビームが当たったボクの姿は、スゥっとかすみのように消えていったのだ――!

「ひっかかったな! 今やられたのは、自分そっくりのニセモノの残像を作りだす、光の精霊『ルミナリア』の精霊術『ドッペル・ゲンガー』さ!」

「クッ、後ろにいるだと!?」
 この時既に、本物のボクは闇の精霊王の後ろに回り込んでいたんだ!

 素早さの精霊『スプリンター』の精霊術『ボルトウサイン』で、あのビャッコよりも速い超スピードで移動したんだ!

 よしっ!
 今がチャンスだ!

「お願い、プリズマノワール。ボクに力を貸して!」

 ボクの言葉に、

 ブォォォンン!

 真・精霊剣プリズマノワールが唸るように震えた!

 真・精霊剣プリズマノワールから、ものすごい精霊パワーがボクの中に流れこんでくる!
 ボクの体に、光と黒の超精霊パワーがみなぎってくる!

「うおおおおおぉぉぉぉっっ!! いくぞ! 必殺! 光と黒の協力剣ライト・アンド・ダークネス!!」

 ボクは闇の精霊王の背中に必殺技を振りおろした!
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