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第三章

第39話 精霊四天王ゲンブ&スザク!(4)

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 そしてドラゴンに変身したセイリュウは、

「グオオオオォォォッッッ――――!!」
 ものすごい勢いでゲンブに向かって突っこんでいく。

 だけど、

「いかにセイリュウの超パワーといえども、ダイヤモンド・アタックで世界で1番硬くなったワシの甲羅には効かんぞ!」

 ゲンブは余裕の顔をして笑っている。

「確かにオレ様の攻撃でも効かないだろうなぁ! けどな! 効かなくてもこかすことならできるんだぜ!」
 セイリュウがそう言うと、

「むむっ!? しまった! そういう作戦か!」
 ゲンブが急に慌てだしたんだ。

 セイリュウの突撃を受けたゲンブがズシンとこけて、尻もちをついた。
 そしてゲンブはそのまま仰向けに――上を向いて寝転んでしまった。

「くっ、まずい、こけてしまったぞ! ぐぬぬ、立てん……!」

 ゲンブは背中の甲羅が邪魔で起き上がれないみたいだった。
 赤ちゃんみたいに手足をバタバタさせている。

「ガハハハハッ! ゲンブは手と足が短いからな! 上を向いてこけると甲羅がじゃまで、立ちあがるのが大変なのさ!」

「くぅっ、ワシの唯一の弱点をついてくるとは……!」
 ゲンブは何度も手足をバタバタさせるけど、全然ちっとも立ちあがれない。

「すごい! これがセイリュウの考えた作戦だったんだね」

「押してもダメなら引いてみな、ってな! これが頭を使った大人の作戦なのさ!」
「うん、勉強になったよ」

「というわけで勇者ハルト! これでスザクを守るヤツはもういないぜ!」

「うんっ! ありがとうセイリュウ!」

 よしっ、今度はボクの番だ!
 ボクはゲンブの防御がなくなったスザクを見た。

 でもスザクは逆にボクを見てニヤリと笑う。

「おいおい、ゲンブをこかしたくらいで勝った気になるなよ? 今から俺の超必殺技を見せてやるからな!」

 ええっ!?
 スザクも超必殺技を持ってたの!?

「燃え上がれ俺の炎よ! スーパー・ファイヤー・アタックだ! キェェェェェェェイッ!」

 大きな声で叫んだとたん、スザクの体がものすごい炎に包まれた。
 まるで炎の塊だ。
 きっと炎の塊になったままズドン!って突っこんでくるんだ!

 でもそれなら!

「炎の勝負ならボクだって負けないよ!」
「なにィっ!?」

 だってボクには炎を使う最強の炎精霊がいるんだから!

「炎の精霊『イフリート』よ! お願い、ボクに力を貸して! 精霊術『フレイム・ソード』セットアップ!」

『心得た――!』

 真・精霊剣プリズマノワールが、イフリートの精霊炎で真っ赤に燃えあがる!

 それは本の中のカミカゼ・ハルトが使っていた最強無敵の精霊王。
 炎の魔神イフリートだ!

「バカな! 炎の魔神と恐れられる最強の炎精霊イフリートの力を、お前は使うことができるだと!? 俺の炎よりも強い炎じゃないか!」

 真・精霊剣プリズマノワールが、ゴウゴウと激しく音をたてて燃え盛る!

 イフリートはスザクもビビってしまうくらいにすごい力を持っているんだ。
 だけどその分すごく疲れてしまう。

 とても長い時間は使っていられない。
 だからこの1回で決める!

「くぅっ! それでも俺は勝つ! 勇者ハルトにも最強の炎精霊イフリートにもな! 俺の炎は最強なんだ!!」

 ゴォォォッッ!
 スザクの体の炎が、イフリートの炎に対抗するようにもっともっと激しく燃えあがっていく!

「くらえ、スーパー・ファイヤー・アタック! キェェェェェェェェイッッ!!」

 まるでまっ赤な流れ星になったみたいに、スザクがビューンと突っこんでくる!

 ボクはイフリートの精霊炎でまっ赤になった真・精霊剣プリズマノワールを正面にかまえた。

「ボクだって負けられないんだ! 受けてみろ、炎の精霊剣フレイム・ソードの一撃を! てりゃぁぁぁっっ!!」

 そして思いっきりスザクにたたきつけた!
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