30 / 52
第二章
第30話 セフィ、勝利の舞!
しおりを挟む
「すごいですハルトくん! 最強と名高いあの精霊四天王のセイリュウに勝ってしまうなんて!」
お城に帰ったボクに、セフィが勢いよく抱きついてきた。
「ありがとうセフィ。でも半分はセフィおかげだから」
そう言うと、
「わたしのですか……?」
セフィはボクから離れると、キョトンと首をかしげた。
「あの時セフィの応援がなかったら、ボクはきっと勝てなかった。お城の窓から乗り出したセフィの必死な応援が、すごく心に伝わってきたんだよ」
ボクは自分の胸に手を当てた。
あの時もらった温かい応援パワーを、もう一度思いだすように。
「えへへ、あれはちょっと、おてんばしすぎちゃいました」
セフィが恥ずかしそうにうつむいた。
「でもセフィがおてんばしてくれたおかげで、ボクは一人じゃない、セフィと一緒に戦ってるんだって思えたんだ。そうしたら真・精霊剣プリズマノワールが、すごいパワーを出したんだよ」
「あの最後のすごい力ですね! セイリュウの200倍ドラゴン・アタックにも、勝ってしまいました!」
「うん。それもこれもセフィの応援があったおかげだよ。だからありがとうね、セフィ」
「いえいえ、どういたしまして。だってわたしとハルトくんは、真・精霊剣プリズマノワールを2人で一緒に半分ずつ持つパートナーなんですから」
セフィがにっこりと、お日様みたいに笑う。
「うん、これからもよろしくね、セフィ!」
「はい、これからも一緒に頑張りましょう、ハルトくん!」
ボクとセフィは、目と目を合わせると、せーの!
「イェーイ!」「イェーイ!」
ハイタッチをした。
2人ともとびっきりの笑顔だった。
◆
その日の夜。
「今日は勝利のお祝いもかねて、セフィロト・ツリーにささげる舞をハルトくんにお見せします」
セフィの言葉に、
「セフィロト・ツリーにささげる舞?」
ボクはよくわからなくて、おうむ返しに聞き返した。
「セフィロトの姫は先祖代々、生命の樹セフィロト・ツリーの巫女でもあるんですよ」
「あ、そうなんだね」
巫女さんっていうのは、たしか神様に仕える女の子のことだ。
忙しくてなかなか人間の世界にこれない神様の代わりに、おみくじやお守りを売ったり、神様へのお願いごとを聞いてあげたりするのが仕事なんだよね。
「それではハルトくん、どうぞお楽しみください」
お手伝いの巫女精霊たちが演奏する笛や鼓の静かな音楽にあわせて、セフィがしずしずと踊りはじめる。
セフィはいつものお姫さまドレスとは違った、上が白で下が赤の巫女さんの格好をしていた。
手には鈴がたくさんついた棒をもっていて、手首を振るたびにシャン、シャン、シャンと、きれいな澄んだ音が鳴り響く。
いつもつけている髪かざりも、いつもよりもっともっと似合っていた。
「うわっ、すごい……!」
ボクはセフィが舞う姿に見とれてしまっていた。
「きれいだ……」
おすまし顔で舞いおどるセフィの姿を、ボクは引きこまれるようにぼぅっと見つめる。
今のセフィは、ボクと話す時とは違ったちょっとだけ大人のセフィだった。
そんなセフィが、すごくすごくステキだなってボクは感じたんだ。
セイリュウに勝てて良かった。
セフィと、セフィロト城と、そしてセフィロト・ツリーを守ることができて本当に良かった。
「セフィの大切なものを守れて、ほんとうに良かった」
ボクは改めてそう強く思ったのだった。
お城に帰ったボクに、セフィが勢いよく抱きついてきた。
「ありがとうセフィ。でも半分はセフィおかげだから」
そう言うと、
「わたしのですか……?」
セフィはボクから離れると、キョトンと首をかしげた。
「あの時セフィの応援がなかったら、ボクはきっと勝てなかった。お城の窓から乗り出したセフィの必死な応援が、すごく心に伝わってきたんだよ」
ボクは自分の胸に手を当てた。
あの時もらった温かい応援パワーを、もう一度思いだすように。
「えへへ、あれはちょっと、おてんばしすぎちゃいました」
セフィが恥ずかしそうにうつむいた。
「でもセフィがおてんばしてくれたおかげで、ボクは一人じゃない、セフィと一緒に戦ってるんだって思えたんだ。そうしたら真・精霊剣プリズマノワールが、すごいパワーを出したんだよ」
「あの最後のすごい力ですね! セイリュウの200倍ドラゴン・アタックにも、勝ってしまいました!」
「うん。それもこれもセフィの応援があったおかげだよ。だからありがとうね、セフィ」
「いえいえ、どういたしまして。だってわたしとハルトくんは、真・精霊剣プリズマノワールを2人で一緒に半分ずつ持つパートナーなんですから」
セフィがにっこりと、お日様みたいに笑う。
「うん、これからもよろしくね、セフィ!」
「はい、これからも一緒に頑張りましょう、ハルトくん!」
ボクとセフィは、目と目を合わせると、せーの!
「イェーイ!」「イェーイ!」
ハイタッチをした。
2人ともとびっきりの笑顔だった。
◆
その日の夜。
「今日は勝利のお祝いもかねて、セフィロト・ツリーにささげる舞をハルトくんにお見せします」
セフィの言葉に、
「セフィロト・ツリーにささげる舞?」
ボクはよくわからなくて、おうむ返しに聞き返した。
「セフィロトの姫は先祖代々、生命の樹セフィロト・ツリーの巫女でもあるんですよ」
「あ、そうなんだね」
巫女さんっていうのは、たしか神様に仕える女の子のことだ。
忙しくてなかなか人間の世界にこれない神様の代わりに、おみくじやお守りを売ったり、神様へのお願いごとを聞いてあげたりするのが仕事なんだよね。
「それではハルトくん、どうぞお楽しみください」
お手伝いの巫女精霊たちが演奏する笛や鼓の静かな音楽にあわせて、セフィがしずしずと踊りはじめる。
セフィはいつものお姫さまドレスとは違った、上が白で下が赤の巫女さんの格好をしていた。
手には鈴がたくさんついた棒をもっていて、手首を振るたびにシャン、シャン、シャンと、きれいな澄んだ音が鳴り響く。
いつもつけている髪かざりも、いつもよりもっともっと似合っていた。
「うわっ、すごい……!」
ボクはセフィが舞う姿に見とれてしまっていた。
「きれいだ……」
おすまし顔で舞いおどるセフィの姿を、ボクは引きこまれるようにぼぅっと見つめる。
今のセフィは、ボクと話す時とは違ったちょっとだけ大人のセフィだった。
そんなセフィが、すごくすごくステキだなってボクは感じたんだ。
セイリュウに勝てて良かった。
セフィと、セフィロト城と、そしてセフィロト・ツリーを守ることができて本当に良かった。
「セフィの大切なものを守れて、ほんとうに良かった」
ボクは改めてそう強く思ったのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
39
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる