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第二章
第29話 セイリュウとの2度目の戦い(3)
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「くっ、なんてパワーだ! だけどオレ様だって負けるもんか! 今ある全てのパワーを注ぎ込んだドラゴン・アタックの全力を見せてやるぜ! これでオレ様はさらに2倍のパワーが出るのだ!」
「ここからさらに2倍だって!?」
「10×10×2で200倍の超パワーを受けてみろ!! ぐぉぉぉぉおおおおおおおおおおっっっっっっ――――――――!!」
全力のドラゴン・アタック。
200倍という今までで1番の超・超パワーで突っこんできたセイリュウ。
だけど今のボクは、そんなセイリュウですら恐れることはなかった。
ボクは真・精霊剣プリズマノワールを振り上げると、
「いくぞ! 必殺! 光と黒の協力剣!!」
思いっきり力いっぱいに降りおろした!
光と黒の超精霊パワーが、200倍パワーのドラゴンになったセイリュウを激しく打ち叩く!
そして――!
「ぐ、ぐはぁ――っっ!!」
そのままセイリュウを地面へと叩きつけたのだった!
ズド――――ンン!!
セイリュウの巨体が大きな音をたてて地面にめりこむ。
あまりの衝撃に、地震でも起こったみたいに地面がグラグラっと揺れた。
「どうだセイリュウ、ボクの勝ちだ!」
「かはっ……バカな……このオレ様が、パワー勝負で負けるなんて……」
地面で伸びているセイリュウはとても驚いた顔をしていた。
なのにちょっと笑っていて、とても嬉しそうだった。
ちなみにドラゴン・アタックの変身がとけて、元の姿に戻っている。
「なんでセイリュウは笑ってるの? 負けたのに。すごく嫌いなんでしょ、負けるの」
「ふっふっふ、お互いに本気を出して正々堂々全力で戦って負けたからな! 負けるのは好きじゃないが、今に限ってはすごくいい気分だぜ!」
「……変なやつ」
負けるのは嫌いって言いながら、本気で戦ったから負けてもいい気分だなんて。
「ハッハッハハ! これがオレ様の生き方、オレ流なのさ! ほら、どうした勇者ハルト。はやく止めを刺すがいい! オレ様は逃げも隠れもしないぞ!」
セイリュウはそういうと静かに目を閉じた。
男らしく自分の負けを認めたんだ。
そんなセイリュウに、ボクは真・精霊剣プリズマノワールをふり下ろした――セイリュウの頭のすぐ横に。
真・精霊剣プリズマノワールが、地面にザクっと突き刺さる。
「なんのマネだ?」
セイリュウが目を開けて聞いてくる。
だからボクは答えてあげた。
「セイリュウはボクを1度見逃がしてくれたからね。だからボクも1度だけセイリュウを見逃がすんだ。これで貸し借りなしだよ?」
「見逃がすだって? おいおい、元気になったオレ様が復讐にきたらどうするつもりだ? オレ様は最強の精霊四天王なんだぞ?」
「うーん、それはちょっと困るかも。できれば来ないでくれないかな?」
だってセイリュウってば、ほんと強いんだもん。
もう1回セイリュウと戦うなんてボクはもうこりごりだよ。
「でもね。なんとなくだけど、セイリュウは悪いヤツじゃないんじゃないかって、ボクそう思うんだ。なんとなくだけどね」
「……変なやつだな、おまえ」
「あはは、ボクよりセイリュウのほうがよっぽど変だよ」
「いいや、おまえのほうが変だ!」
「セイリュウのほうが変だよ」
「いいやおまえだ! 100倍は変だぞ」
「セイリュウだよ、1000倍変かも」
「プ――ッ!」
「あはは――」
どっちが変かを言い合ってたボクとセイリュウは、なんかもうおかしくなって、いつの間にか笑いだしていた。
「じゃあ勇者ハルト、変勝負は引き分けだ! 分かったな!」
「別にボクの負けでいいよ。変勝負で負けてもちっとも悔しくないし」
「いいや、引き分けだ! オレ様は勝ち負けには人一倍うるさいんだ! 引き分けといったら、引き分けだからな!」
「はいはい」
なんだかもう面倒くさくなったボクがそうなげやりに答えると、セイリュウがのっそりと立ち上がった。
「じゃあオレ様は帰る。また戦おうな、勇者ハルト!」
「せめて、また会おうにしてよね……」
「ガハハハ! では、また会おう、勇者ハルト! さらばだ!!」
セイリュウは最後に今日一番元気よくそう言うと、
「またね、セイリュウ」
ボクの返事に軽く手を振ってから、バトル・アックスを拾ってどこかに帰っていった。
「ふぅ……やれやれ……」
セイリュウが去っていくのを見ながら、ボクは小さく息をはいた。
「やっとセイリュウとの戦いが終わったんだ」
いきなり戦いたいと言われて。
負けてしまって。
精霊ばぁやの洞くつに行って。
真・精霊剣プリズマノワールを使えるようになって。
そしてドラゴン・アタックを使うセイリュウに勝ったんだ。
「ちょっと疲れたよ。ご飯をいっぱい食べてぐっすり寝たいな」
ボクはそんなことを考えながら、セフィのいるお城に戻ったのだった。
「ここからさらに2倍だって!?」
「10×10×2で200倍の超パワーを受けてみろ!! ぐぉぉぉぉおおおおおおおおおおっっっっっっ――――――――!!」
全力のドラゴン・アタック。
200倍という今までで1番の超・超パワーで突っこんできたセイリュウ。
だけど今のボクは、そんなセイリュウですら恐れることはなかった。
ボクは真・精霊剣プリズマノワールを振り上げると、
「いくぞ! 必殺! 光と黒の協力剣!!」
思いっきり力いっぱいに降りおろした!
光と黒の超精霊パワーが、200倍パワーのドラゴンになったセイリュウを激しく打ち叩く!
そして――!
「ぐ、ぐはぁ――っっ!!」
そのままセイリュウを地面へと叩きつけたのだった!
ズド――――ンン!!
セイリュウの巨体が大きな音をたてて地面にめりこむ。
あまりの衝撃に、地震でも起こったみたいに地面がグラグラっと揺れた。
「どうだセイリュウ、ボクの勝ちだ!」
「かはっ……バカな……このオレ様が、パワー勝負で負けるなんて……」
地面で伸びているセイリュウはとても驚いた顔をしていた。
なのにちょっと笑っていて、とても嬉しそうだった。
ちなみにドラゴン・アタックの変身がとけて、元の姿に戻っている。
「なんでセイリュウは笑ってるの? 負けたのに。すごく嫌いなんでしょ、負けるの」
「ふっふっふ、お互いに本気を出して正々堂々全力で戦って負けたからな! 負けるのは好きじゃないが、今に限ってはすごくいい気分だぜ!」
「……変なやつ」
負けるのは嫌いって言いながら、本気で戦ったから負けてもいい気分だなんて。
「ハッハッハハ! これがオレ様の生き方、オレ流なのさ! ほら、どうした勇者ハルト。はやく止めを刺すがいい! オレ様は逃げも隠れもしないぞ!」
セイリュウはそういうと静かに目を閉じた。
男らしく自分の負けを認めたんだ。
そんなセイリュウに、ボクは真・精霊剣プリズマノワールをふり下ろした――セイリュウの頭のすぐ横に。
真・精霊剣プリズマノワールが、地面にザクっと突き刺さる。
「なんのマネだ?」
セイリュウが目を開けて聞いてくる。
だからボクは答えてあげた。
「セイリュウはボクを1度見逃がしてくれたからね。だからボクも1度だけセイリュウを見逃がすんだ。これで貸し借りなしだよ?」
「見逃がすだって? おいおい、元気になったオレ様が復讐にきたらどうするつもりだ? オレ様は最強の精霊四天王なんだぞ?」
「うーん、それはちょっと困るかも。できれば来ないでくれないかな?」
だってセイリュウってば、ほんと強いんだもん。
もう1回セイリュウと戦うなんてボクはもうこりごりだよ。
「でもね。なんとなくだけど、セイリュウは悪いヤツじゃないんじゃないかって、ボクそう思うんだ。なんとなくだけどね」
「……変なやつだな、おまえ」
「あはは、ボクよりセイリュウのほうがよっぽど変だよ」
「いいや、おまえのほうが変だ!」
「セイリュウのほうが変だよ」
「いいやおまえだ! 100倍は変だぞ」
「セイリュウだよ、1000倍変かも」
「プ――ッ!」
「あはは――」
どっちが変かを言い合ってたボクとセイリュウは、なんかもうおかしくなって、いつの間にか笑いだしていた。
「じゃあ勇者ハルト、変勝負は引き分けだ! 分かったな!」
「別にボクの負けでいいよ。変勝負で負けてもちっとも悔しくないし」
「いいや、引き分けだ! オレ様は勝ち負けには人一倍うるさいんだ! 引き分けといったら、引き分けだからな!」
「はいはい」
なんだかもう面倒くさくなったボクがそうなげやりに答えると、セイリュウがのっそりと立ち上がった。
「じゃあオレ様は帰る。また戦おうな、勇者ハルト!」
「せめて、また会おうにしてよね……」
「ガハハハ! では、また会おう、勇者ハルト! さらばだ!!」
セイリュウは最後に今日一番元気よくそう言うと、
「またね、セイリュウ」
ボクの返事に軽く手を振ってから、バトル・アックスを拾ってどこかに帰っていった。
「ふぅ……やれやれ……」
セイリュウが去っていくのを見ながら、ボクは小さく息をはいた。
「やっとセイリュウとの戦いが終わったんだ」
いきなり戦いたいと言われて。
負けてしまって。
精霊ばぁやの洞くつに行って。
真・精霊剣プリズマノワールを使えるようになって。
そしてドラゴン・アタックを使うセイリュウに勝ったんだ。
「ちょっと疲れたよ。ご飯をいっぱい食べてぐっすり寝たいな」
ボクはそんなことを考えながら、セフィのいるお城に戻ったのだった。
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