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第二章

第28話 セイリュウとの2度目の戦い(2)

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「必殺技を越える、超必殺技のドラゴン・アタックだって!?」

「そうだ! ドラゴン・アタックによってオレ様の筋肉はさらに10倍のパワーになるのだ!」

「な、なんだって――っ!?」

「つまり10倍×かける10倍で、はじめの100倍の筋肉になるのさ!」
「100倍の筋肉だって!? そんなっ!」

「ククク……ドラゴン・アタックを使うのは久しぶりだぜ! ありがとうよ、オレ様に本気を出させてくれてな!」

 ドラゴンの姿になったセイリュウは、まるで恐竜のティラノサウルスみたいだった。
 大きな歯のついた口はボクなんて丸のみにできそうだ。
 しかも背中にはプテラノドンみたいに羽が生えている。

 そんな怖いドラゴンに変身したセイリュウが、

「グゥオオオォォォォォッッッッッ――!!」
 大きな声で吠えながら、ボクに向かって突っこんできた!

 ボクは真・精霊剣プリズマノワールで、セイリュウの突撃を必死の思いで受けとめた。

 だけど、
「うわわっ!?」
 セイリュウの圧倒的パワーで、ボクは軽々と跳ね飛ばされてしまう。

「ううっ、なんだこれ……まるでダンプカーが突っこんできたみたいだ……」

 精霊たちの力と真・精霊剣プリズマノワールがなければ、今ので大怪我をしてたよ。

「がはは、どうしたどうした!」

「くっそぉ! このっ! そりゃぁ!」

 ボクは真・精霊剣プリズマノワールで必死に攻撃するけど、ドラゴン・アタックを使ったセイリュウには全然通じなかった。

「がははははは! 痛くもかゆくもないぞ! 言っただろう、体は筋肉におおわれているのだと! 今のオレ様は、100倍となった筋肉で守られているのさ!」

「くっ! 本当に硬い、硬すぎるよ!」

 まさか真・精霊剣プリズマノワールですら歯が立たないなんて――。

「どうやらオレ様のほうが強かったようだな! やっぱりオレ様は最強の精霊なのだ!」

「そんな……真・精霊剣プリズマノワールでも勝てないなんて……」

 セイリュウのドラゴン・アタックは強すぎるよ。
 セイリュウの無敵の超パワーの前に、ボクの心が弱りかけた時だった。

「ハルトくん、負けないでください!」
 ボクのことを応援してくれるセフィの声が聞こえてきたんだ――!

 声のした方に振りかえると、

「ハルトくん! がんばって! がんばって!」

 お城の窓から、体を乗りだすようにして応援しているセフィが見えた。
 しかも乗り出した態勢で、大きく手を振ってるんだ。

 わわっ、そんなに窓から体を出して手を振ったら落ちるかもしれないよっ!

「ハルトくん、わたしがついてますから! わたしも一緒ですから!」

「セフィ──」
 その言葉でボクはハッと思いだした。

 そうだよ、ボクとセフィは2人で一緒に戦ってたんじゃないか。

 真・精霊剣プリズマノワールは、ボクとセフィが2人で使う剣なんだ。
 だから今この瞬間も、ボクとセフィは一緒に戦ってるんだ!

 だったら!
 セフィが応援してくれてるのに、ボクが勝手に諦めちゃ絶対にだめだよね!

 そうだ、ボクは絶対に諦めないぞ!
 絶対の絶対に諦めるもんか――!

 ボクは手の中にある真・精霊剣プリズマノワールをじっと見た。
 そして、言った。

「お願い、プリズマノワール。ボクに力を貸して」

 ボクの言葉に、

 ブォン!
 真・精霊剣プリズマノワールが大きく一度震えた。

 それはまるで真・精霊剣プリズマノワールが、「わかった」って返事をしてくれたみたいだった。

 そしてその直後――!

 真・精霊剣プリズマノワールから、ものすごい精霊パワーがボクの中に流れこんできたんだ!

 ボクの体に、光と黒の超精霊パワーがみなぎってくる!

「うおおおおおぉぉぉぉっっ!!」
 あふれ出る力に突き動かされるように、ボクは雄たけびを上げた!

「な、なんだその力は!」
 それを見て、セイリュウが焦ったように叫ぶ。

 そしてすごい力で突っこんでくるけど、

「でりゃぁぁぁっ!」
 ボクは真・精霊剣プリズマノワールで、セイリュウの大きな体をはじき返した!

「ぐぁっ! なにィっ!? オレ様の超必殺技ドラゴン・アタックが、いとも簡単に跳ね返されただと!?」

「真・精霊剣プリズマノワールは、2人で使う1つの剣! もう1人の使い手、セフィの応援でさらにパワーアップしたんだよ!」

「な、なんだそりゃぁ!?」

「いくぞセイリュウ、今度こそ決着をつけてやる! はぁぁぁぁぁぁっっっっ!!」

 ボクの気合いっぱいのかけ声とともに、真・精霊剣プリズマノワールが光と闇のものすごいパワーを出しはじめた!
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