精霊の国の勇者ハルト

マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫

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第二章

第24話 ナゾナゾ対決(3)

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 朝は足が4本、朝は足が4本、朝は足が4本……。

 考えろ、考えるんだ。
 4本足のもの、4本足のもの……。

 ふと。
 地面に両手と両ひざをついた、四つんばいになったセフィの姿が気になった。

 ナゾナゾ対決に負けてガックリしちゃったセフィは、ハイハイする赤ちゃんみたいに四つんばいになっていた。

 四つんばい……これって4本足ってことだよね?
 しかも赤ちゃんは生まれてすぐだから、1日の中だと朝にあたるよね!?

 ビビッ!
 っと、ボクの中にヒラメキが走った!

 朝の4本足ってのは赤ちゃんのことだ!

 ってことは、もしかして――!

 ボクは頭のなかを整理する。

 ボクは今、2本足で立っていた。
 子供も大人も、人間はみんな2本の足で立つものだ。
 だからこれがきっと昼なんだ。

 あとは夜の3本足だけど――。

 ボクの頭に、精霊総理大臣の姿が思い浮かぶ。
 精霊総理大臣はお爺さんで、だからいつも杖をついていた!

 そしてお爺さんは長く生きたので、一日の終わりの夜ってことなんだ――!

 つまり杖をついたお年寄りが、夜の3本足だ!

「ナゾは……ナゾはすべて解けた!」

 ボクはキリリと言った。

『ほぅ、この究極のナゾナゾを、お前が解いたというのか?』

「そうだ!」
 ボクが言うと、

「それは本当ですか!?」
 セフィが立ちあがってビックリした顔で言ってくる。

「まぁ、見ててよセフィ」

『自信があるようだな。ではナゾナゾの答えを聞こうか』

「答えはね、『人間』だよ! 赤ちゃんの時は4本足、子供と大人は2本足、そしてお年寄りは杖をつくから3本足になる! どうだ!」

 ボクはガーコイルに、
 ビシィッ!
 っと人さし指をつきつけた!

 犯人を追い詰めた名探偵みたいに。

 なんだかちょっと気持ちいいかも?
 癖になっちゃうかも。

『……』

「どうだ!」

「…………正解だ、おめでとう! これにてナゾナゾ対決は、全てクリアである!』
 ガーゴイルが言った。

「やりましたねハルトくん!」
「うん、やったねセフィ!」

 難問をクリアしてボクとセフィは両手で「イエイ!」とハイタッチ。

「でもすっごくすごいです、こんな難しいナゾナゾを解いちゃうだなんて!」
「あはは。それもこれもセフィのおかげなんだ」

「いいえ。わたしはちっともお役に立てませんでした」
 セフィがしょんぼりと肩を落とした。

「そんなことないよ。気づけたのは本当にセフィのおかげだし」

「でもわたし、何もしませんでしたよ?」
 セフィが首をかしげる。

「さっきセフィが両手を地面についてたでしょ?」

「はぅっ、お姫さまらしくない、お恥ずかしいところを、お見せしました」
 セフィの顔が赤くなる。

「実はあれを見てさ。あ、これって4本足だよね、って思ったのがきっかけだったんだ」
「はわっ、そうだったんですね!」

 あれがなければボクはきっと気づくことができなかった。

「つまりまたまた、ボクとセフィの共同作業だったってこと! それにはじめのナゾナゾ2問を解いたのはセフィだしね」

 解いたナゾナゾの数は、ボクが1つでセフィが2つ。
 セフィの方がボクの2倍がんばってたわけだし。

「そういわけでナゾナゾ精霊ガーゴイル。ここを通してくれるよね?」

『もちろんだとも。なんじらはこの扉を通るにふさわしい知恵を身に着けているからな』

 ガーゴイルがそう言うと同時にガラガラガラと大きな音をたてて、全く動かなかった奥の扉が開いてゆく。

『これにて全てのトラップは終了である。精霊ばぁやは1番奥の部屋にいる。聞きたいことがあれば、思う存分聞いてくるがよい』

 そう言うとガーゴイルはピタッと動かなくなった。
 ナゾナゾを出す役目を終えて、元の石の像に戻ったんだ。

「行こうセフィ、精霊ばぁやに会いに」
「はい!」

 ボクとセフィは精霊ばぁやのいる一番奥の部屋へと向かった。
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