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第二章
第19話 精霊ばぁやの、洞くつ(3)
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目の前に現れた川は、向こう岸まで50メートルくらいある大きくて、流れの急な川だった。
しかも大雨が降ったあとみたいに、ゴォゴォゴゴゴとものすごい音をたてて、勢いよく流れている。
「なんで、洞くつのなかに川があるの!?」
「これは地下水脈と言うんです。洞くつの中に雨の水が溜まってできるんです」
「すごい! セフィは物知りだなぁ」
「わたしは運動が苦手ですが、勉強は得意なんですよ。でもどうしましょうか。流れが急なので向こう岸まで泳いで渡るのは、難しそうです」
後ろからは大きな岩が転がってきて。
でも前に進もうにも大きな川があって。
「ボクたち、挟みうちされちゃったってこと!?」
絶体絶命の大ピンチだった。
そんな時、
「あっ、ハルトくん! あれを見てください!」
セフィがなにかに気づいたみたいだった。
天井を指さしている。
「どこ?」
「天井のあそこです! つかまれそうな出っ張りがあります。ジャンプしてあの出っ張りにぶら下がれば、岩を避けられるんじゃないかと思います!」
「ほんとだ!」
洞くつの天井が少し出っ張っていて、なんとかつかまれそうになっているのだ。
あそこにつかまってぶら下がれば、岩を避けられるかも!
もう大岩はすぐそこまできている。
悩んでいる暇はないよね!
「風の精霊『シルフィード』よ! お願い、ボクに力を貸して! 精霊術『天まで届け』セットアップ!」
『はーい♪』
ボクは高くジャンプできる風の精霊術を使うと、
「てーーーーーい!!」
セフィをおんぶしたまま、天井の出っ張りに向かって、思いっきり跳び上がった!
そのままガシっと、でっぱりをつかむと、
「根性の精霊『ガッツ』よ! お願い、ボクに力を貸して! 精霊術『ファイト、一発!』セットアップ!」
『ファイトォォ、いっぱーつ!』
ボクはものすごいド根性で、天井の出っ張りにぶらさがった!
「ぐぬぬぬぬぬぬっっ!!」
セフィの体重もボクがまとめて支えるからかなり大変だ。
それでも根性の精霊『ガッツ』のおかげで、ぎりぎり落ちないで耐えることができる!
「セフィ、しっかりボクにつかまって落ちないでね!」
「は、はい!」
大岩がゴロゴロと音をたてながら、ボクたちの下を通り過ぎていく。
そして――、
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ――――、ザブーン!
ボクたちの下を通りすぎた大岩は、川に落ちるとそのまま底へ沈んでいった。
「ふぅ……あぶないところだった」
安心したボクは出っ張りから手をはなすと、地面に飛びおりた。
「やりましたね、ハルトくん! 完ぺきなジャンプとぶらさがりでした! やっぱり、ハルトくんはすごいです!」
「ありがとうセフィ。でも、もとはと言えばセフィが天井の出っ張りに気づいてくれたおかげだよ。ありがとうね、セフィ!」
「いえいえ、どうしたしまして!」
ボクとセフィ、2人の協力作戦によって、ボクたちは大岩と川の挟みうちの大ピンチから、見事に脱出したのだった。
「それでこれからどうしよう? このまま進む?」
「進まないと精霊ばぁやには会えません。どうにかしてこの大きな川を渡れないでしょうか?」
「川を渡る、か……多分いけると思う」
ボクは少し考えこんでから言った。
「本当ですか!?」
「うん、ちょっと待ってね――。忍者精霊『クノイチ』よ! お願い、ボクに力を貸して! 精霊術『アメンボ』セットアップ!」
『ハハァ!』
ボクは忍者精霊の力を借りると、
「怖くないから、安心してね」
「わ、わかりました」
セフィをおんぶしたまま、アメンボのように水の上をスイーっと滑り始めた。
「すごいです! まるで氷の上を滑っているみたいに、水の上を滑っています!」
おんぶしたセフィがビックリしたように言った。
そのまま無事に向こう岸につくと、ボクはセフィをおろしてあげる。
「よかった、うまくいったみたい」
「ありがとうございました、ハルトくん」
「ううん、これくらい楽勝だし。さっ、先に進もう」
「はい!」
大岩に続いて大きな川もクリアしたボクとセフィは、精霊の洞くつのさらに奥へと進すんでいった。
しかも大雨が降ったあとみたいに、ゴォゴォゴゴゴとものすごい音をたてて、勢いよく流れている。
「なんで、洞くつのなかに川があるの!?」
「これは地下水脈と言うんです。洞くつの中に雨の水が溜まってできるんです」
「すごい! セフィは物知りだなぁ」
「わたしは運動が苦手ですが、勉強は得意なんですよ。でもどうしましょうか。流れが急なので向こう岸まで泳いで渡るのは、難しそうです」
後ろからは大きな岩が転がってきて。
でも前に進もうにも大きな川があって。
「ボクたち、挟みうちされちゃったってこと!?」
絶体絶命の大ピンチだった。
そんな時、
「あっ、ハルトくん! あれを見てください!」
セフィがなにかに気づいたみたいだった。
天井を指さしている。
「どこ?」
「天井のあそこです! つかまれそうな出っ張りがあります。ジャンプしてあの出っ張りにぶら下がれば、岩を避けられるんじゃないかと思います!」
「ほんとだ!」
洞くつの天井が少し出っ張っていて、なんとかつかまれそうになっているのだ。
あそこにつかまってぶら下がれば、岩を避けられるかも!
もう大岩はすぐそこまできている。
悩んでいる暇はないよね!
「風の精霊『シルフィード』よ! お願い、ボクに力を貸して! 精霊術『天まで届け』セットアップ!」
『はーい♪』
ボクは高くジャンプできる風の精霊術を使うと、
「てーーーーーい!!」
セフィをおんぶしたまま、天井の出っ張りに向かって、思いっきり跳び上がった!
そのままガシっと、でっぱりをつかむと、
「根性の精霊『ガッツ』よ! お願い、ボクに力を貸して! 精霊術『ファイト、一発!』セットアップ!」
『ファイトォォ、いっぱーつ!』
ボクはものすごいド根性で、天井の出っ張りにぶらさがった!
「ぐぬぬぬぬぬぬっっ!!」
セフィの体重もボクがまとめて支えるからかなり大変だ。
それでも根性の精霊『ガッツ』のおかげで、ぎりぎり落ちないで耐えることができる!
「セフィ、しっかりボクにつかまって落ちないでね!」
「は、はい!」
大岩がゴロゴロと音をたてながら、ボクたちの下を通り過ぎていく。
そして――、
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ――――、ザブーン!
ボクたちの下を通りすぎた大岩は、川に落ちるとそのまま底へ沈んでいった。
「ふぅ……あぶないところだった」
安心したボクは出っ張りから手をはなすと、地面に飛びおりた。
「やりましたね、ハルトくん! 完ぺきなジャンプとぶらさがりでした! やっぱり、ハルトくんはすごいです!」
「ありがとうセフィ。でも、もとはと言えばセフィが天井の出っ張りに気づいてくれたおかげだよ。ありがとうね、セフィ!」
「いえいえ、どうしたしまして!」
ボクとセフィ、2人の協力作戦によって、ボクたちは大岩と川の挟みうちの大ピンチから、見事に脱出したのだった。
「それでこれからどうしよう? このまま進む?」
「進まないと精霊ばぁやには会えません。どうにかしてこの大きな川を渡れないでしょうか?」
「川を渡る、か……多分いけると思う」
ボクは少し考えこんでから言った。
「本当ですか!?」
「うん、ちょっと待ってね――。忍者精霊『クノイチ』よ! お願い、ボクに力を貸して! 精霊術『アメンボ』セットアップ!」
『ハハァ!』
ボクは忍者精霊の力を借りると、
「怖くないから、安心してね」
「わ、わかりました」
セフィをおんぶしたまま、アメンボのように水の上をスイーっと滑り始めた。
「すごいです! まるで氷の上を滑っているみたいに、水の上を滑っています!」
おんぶしたセフィがビックリしたように言った。
そのまま無事に向こう岸につくと、ボクはセフィをおろしてあげる。
「よかった、うまくいったみたい」
「ありがとうございました、ハルトくん」
「ううん、これくらい楽勝だし。さっ、先に進もう」
「はい!」
大岩に続いて大きな川もクリアしたボクとセフィは、精霊の洞くつのさらに奥へと進すんでいった。
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