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第一章
第11話 精霊四天王ビャッコとの戦い(2)
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「うわわっ!?」
必殺技を使ったビャッコの動きはすごく速くて!
だからボクは目で追いかけるのがやっとだった。
ガキン――!
チーターのような素早い動きから繰り出されるビャッコの鋭いツメを、ボクはどうにかこうにか防御する。
「ほほぅ。これも止めるとはやるな! だが勇者ハルト、いつまでオレの必殺技シンカンセン・アタックを防御していられるかな?」
ビャッコの怒涛の連続攻撃が始まった!
ビュン! ビュンビュン!
ビャッコは風のように素早く動き回りながら鋭いツメで攻撃してくる。
「くうぅっ、ものすごいスピードだよ!」
今のビャッコは速すぎる。
このままじゃ、やられちゃう――!
「オラオラ、どうしたぁ?」
「くぅっ――!」
ボクはビャッコのシンカンセン・アタックを、それでもどうにかこうにか防御する。
でもこれじゃ、いつかやられちゃうよ!
大ピンチにボクの心臓がバクバクと激しく鳴りはじめる。
でも焦っちゃだめだ。
焦っちゃいけないぞ加瀬大翔。
思いだすんだ。
こんな時に物語のハルトはどうしてたっけ?
そうだ――!
速さには速さで勝負するんだ!
「素早さの精霊『スプリンター』よ! お願い、ボクに力を貸して! 精霊術『ボルトウサイン』セットアップ!」
『ナンクルナイサー』
ボクは必死に防御しながら、短い時間だけだけどものすごいスピードで動くことができる、精霊術『ボルトウサイン』を使った。
ビャッコはとても速い、そして強い。
だからきっと、同じことを2回やっても効かないはずだ。
だからチャンスは最初の1回きりだ!
「行くぞぉ!」
ボクは息をおおきく吸いこむと地面を強く強く、蹴った!
すると、
「なにっ!? 消えただと!?」
ビャッコがボクの姿を見失って驚いた声をあげる。
でもボクは本当に消えたわけじゃない。
消えたと勘ちがいしてしまうくらいにボクが速く動いたんだ!
この時、ボクはもうビャッコの後ろに回りこんでいた。
「うおおおぉぉぉっっっっ!!」
ボクは精霊剣プリズマノワールをビャッコの背中めがけて思いっきり降りおろす!
ザシュン!!
「なっ、バカな、後ろだと……!? 精霊四天王最速のこのオレが、後ろをとられるなんて……」
斬られたビャッコがふらつきながら、ボクをふり返る。
「どうだ、ボクの勝ちだ!」
「くっ、くくっ……驚いたぞ。まさかオレの速さよりも、必殺技シンカンセン・アタックよりも速く動くとはな……」
「精霊使いは精霊の力を借りることで色んな技を使えるんだ。短い時間だけど、こうやって誰よりも速く動くことだってできるのさ!」
「そういうことか……ならば勇者ハルト、オレの速さを上まわった褒美にいいことを教えてやろう」
「いいこと?」
うわっ、なんだかすっごく、イヤな予感がしてきたんだけど。
だってこういう時って絶対に「いいこと」は教えてくれないよね。
「くっくっく。オレはな、精霊四天王の中で一番弱いんだ。だからオレに勝ったからっていい気になるなよ……くくくく……」
「やっぱり全然いいことじゃないじゃん!?」
「くくくっ、恐怖に絶望するがいい……」
そのままビャッコはすうっと、空気にとけるように消えていった。
「ううっ、イヤな話を聞いちゃったけど……でもとりあえず。これで一件落着だよね」
ボクとビャッコが戦っていたあいだに、セフィロト軍は闇の精霊たちをあらかた追い払っていた。
昨日に続いてボクたちの完全勝利だった。
「でも、こんなに強かったビャッコが、まさか精霊四天王の中で1番弱いだなんて――」
信じられない事実を知ってしまって、ボクの心には小さな不安が生まれていた……。
だって精霊四天王は4人組。
つまり後3人もいるんだから――。
必殺技を使ったビャッコの動きはすごく速くて!
だからボクは目で追いかけるのがやっとだった。
ガキン――!
チーターのような素早い動きから繰り出されるビャッコの鋭いツメを、ボクはどうにかこうにか防御する。
「ほほぅ。これも止めるとはやるな! だが勇者ハルト、いつまでオレの必殺技シンカンセン・アタックを防御していられるかな?」
ビャッコの怒涛の連続攻撃が始まった!
ビュン! ビュンビュン!
ビャッコは風のように素早く動き回りながら鋭いツメで攻撃してくる。
「くうぅっ、ものすごいスピードだよ!」
今のビャッコは速すぎる。
このままじゃ、やられちゃう――!
「オラオラ、どうしたぁ?」
「くぅっ――!」
ボクはビャッコのシンカンセン・アタックを、それでもどうにかこうにか防御する。
でもこれじゃ、いつかやられちゃうよ!
大ピンチにボクの心臓がバクバクと激しく鳴りはじめる。
でも焦っちゃだめだ。
焦っちゃいけないぞ加瀬大翔。
思いだすんだ。
こんな時に物語のハルトはどうしてたっけ?
そうだ――!
速さには速さで勝負するんだ!
「素早さの精霊『スプリンター』よ! お願い、ボクに力を貸して! 精霊術『ボルトウサイン』セットアップ!」
『ナンクルナイサー』
ボクは必死に防御しながら、短い時間だけだけどものすごいスピードで動くことができる、精霊術『ボルトウサイン』を使った。
ビャッコはとても速い、そして強い。
だからきっと、同じことを2回やっても効かないはずだ。
だからチャンスは最初の1回きりだ!
「行くぞぉ!」
ボクは息をおおきく吸いこむと地面を強く強く、蹴った!
すると、
「なにっ!? 消えただと!?」
ビャッコがボクの姿を見失って驚いた声をあげる。
でもボクは本当に消えたわけじゃない。
消えたと勘ちがいしてしまうくらいにボクが速く動いたんだ!
この時、ボクはもうビャッコの後ろに回りこんでいた。
「うおおおぉぉぉっっっっ!!」
ボクは精霊剣プリズマノワールをビャッコの背中めがけて思いっきり降りおろす!
ザシュン!!
「なっ、バカな、後ろだと……!? 精霊四天王最速のこのオレが、後ろをとられるなんて……」
斬られたビャッコがふらつきながら、ボクをふり返る。
「どうだ、ボクの勝ちだ!」
「くっ、くくっ……驚いたぞ。まさかオレの速さよりも、必殺技シンカンセン・アタックよりも速く動くとはな……」
「精霊使いは精霊の力を借りることで色んな技を使えるんだ。短い時間だけど、こうやって誰よりも速く動くことだってできるのさ!」
「そういうことか……ならば勇者ハルト、オレの速さを上まわった褒美にいいことを教えてやろう」
「いいこと?」
うわっ、なんだかすっごく、イヤな予感がしてきたんだけど。
だってこういう時って絶対に「いいこと」は教えてくれないよね。
「くっくっく。オレはな、精霊四天王の中で一番弱いんだ。だからオレに勝ったからっていい気になるなよ……くくくく……」
「やっぱり全然いいことじゃないじゃん!?」
「くくくっ、恐怖に絶望するがいい……」
そのままビャッコはすうっと、空気にとけるように消えていった。
「ううっ、イヤな話を聞いちゃったけど……でもとりあえず。これで一件落着だよね」
ボクとビャッコが戦っていたあいだに、セフィロト軍は闇の精霊たちをあらかた追い払っていた。
昨日に続いてボクたちの完全勝利だった。
「でも、こんなに強かったビャッコが、まさか精霊四天王の中で1番弱いだなんて――」
信じられない事実を知ってしまって、ボクの心には小さな不安が生まれていた……。
だって精霊四天王は4人組。
つまり後3人もいるんだから――。
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