一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
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第8章 深まりゆく関係
第132話 結婚(仮)
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それにしても、さっきから優香は『俺と美月ちゃんが付き合う(仮)』ことについて、やけに強く反対してくるな?
これはつまり、美月ちゃんと仲良くなるのはいいけど、さらに踏み込んで『そういう関係(仮)』にはなって欲しくはないってことなのではないだろうか。
理由はなんとなく分かる。
美月ちゃんは将来モテるだろう。
それは約束された未来――いやほぼ確定的な事実だ。
そんな可愛い可愛い妹の美月ちゃんが、よりにもよって俺みたいな年の離れたモブ男子にひっかからないように、妹思いな優香は、陰に日向に見守ってあげているんだろうと、俺は察しを付けた。
察しの良い男・蒼太お得意の鋭い観察眼&シャーロック・ホームズがごとき名推理である。
ま、この程度の推理はこの俺にかかれば初歩的なことだよ、ワトソン君(心の中で超ドヤ顔)。
俺が優香に嫌われてるってことはないと思うんだけど、やっぱり恋愛とか結婚とか、そういう風に異性としての特別な存在としては、見られていないんだろうな。
そして俺が優香に告白して振られたら、こうやって優香の家に遊びに行くのも難しくなってしまう。
そうしたら悲しむのは美月ちゃんだ。
それだけは絶対に避けないと。
俺は改めて『そういう気持ち』を持たないように、強く自分に言い聞かせた。
優香への好意を自覚して以来、最近の俺はどうにも自分に都合のいいことばかり考えがちだ。
優香が俺に気があるんじゃないか、とか。
今のは好意の裏返しじゃないか、とか。
そんな自分に都合のいい想像を、ついついしてしまう。
まだ優香と仲良くなって1月半くらいしか経っていないっていうのにさ。
だけど俺と優香は、美月ちゃんを介して繋がっているだけの関係なんだ。
もう既に『だけ』ではないかもしれないが、でもそこ『だけ』は間違えちゃいけないんだ。
事あるごとに顔出そうとする優香への恋心を、俺は必死に心の奥へと押し込んだ。
「でも、それだと蒼太おにーちゃんと美月は結婚できないんですね……。結婚はお付き合いをしてからするんですもんね……。おねーちゃんがしないなら、美月がって思ったんですけど……」
優香に否定されて、美月ちゃんの声はそれはもうションボリとしていた。
まるで捨てられた子犬のようだった。
ションボリわんわん美月ちゃんだった。
「それはその、だな……」
くっ、しまったぞ!
幼気で純真無垢な少女を落ち込ませてしまった。
優香が否定してくれるのを待つか?
だがそれは優香に責任転嫁することに他ならず、まったくもって男らしくない行動だ。
俺が、俺の責任でなんとかしないと――!
ションボリわんわんな美月ちゃんになんと言ったものかと、俺がかける言葉を必死に探していたのだが――、
「だったら、やっぱりおねーちゃんと蒼太おにーちゃんが結婚するのが一番ですね!」
しかし美月ちゃんはションボリわんわんから一転、これ以上ない笑顔で言った。
「あ、ああ、うん……」
ここでまた否定をすると美月ちゃんを悲しませるだろうし、否定することがなんとなく嫌だったこともあって、俺は曖昧にうなずいた。
っていうか、いつの間にか『付き合う(仮)』から『結婚(仮)』にハードルが激上がりしてしまっているんだが?
「ね、おねーちゃん♪」
と、ここで美月ちゃんが優香にも矛先を向けた。
優香も俺同様に、答えに窮するに違いない――、
「ふふっ、そうね。そうなったら、みんなで一緒にいられるわね」
さすが優香、大人の対応だった。
どこか弾んだような声からは、むしろ嬉しそうに言っているようにまで見える。
まるで本心からそう思っているかのような、もの凄い演技力だった。
優香は演技も得意なんだなぁ。
すごいなぁ。
俺の方も、優香みたいにさらっとなんでもないように答えられたらよかったんだけどな。
優香と付き合ったり結婚したり、そういう関係になりたいって思っていることを見透かされるのが怖くて、俺はどうしてもそれができなかったのだ。
これはつまり、美月ちゃんと仲良くなるのはいいけど、さらに踏み込んで『そういう関係(仮)』にはなって欲しくはないってことなのではないだろうか。
理由はなんとなく分かる。
美月ちゃんは将来モテるだろう。
それは約束された未来――いやほぼ確定的な事実だ。
そんな可愛い可愛い妹の美月ちゃんが、よりにもよって俺みたいな年の離れたモブ男子にひっかからないように、妹思いな優香は、陰に日向に見守ってあげているんだろうと、俺は察しを付けた。
察しの良い男・蒼太お得意の鋭い観察眼&シャーロック・ホームズがごとき名推理である。
ま、この程度の推理はこの俺にかかれば初歩的なことだよ、ワトソン君(心の中で超ドヤ顔)。
俺が優香に嫌われてるってことはないと思うんだけど、やっぱり恋愛とか結婚とか、そういう風に異性としての特別な存在としては、見られていないんだろうな。
そして俺が優香に告白して振られたら、こうやって優香の家に遊びに行くのも難しくなってしまう。
そうしたら悲しむのは美月ちゃんだ。
それだけは絶対に避けないと。
俺は改めて『そういう気持ち』を持たないように、強く自分に言い聞かせた。
優香への好意を自覚して以来、最近の俺はどうにも自分に都合のいいことばかり考えがちだ。
優香が俺に気があるんじゃないか、とか。
今のは好意の裏返しじゃないか、とか。
そんな自分に都合のいい想像を、ついついしてしまう。
まだ優香と仲良くなって1月半くらいしか経っていないっていうのにさ。
だけど俺と優香は、美月ちゃんを介して繋がっているだけの関係なんだ。
もう既に『だけ』ではないかもしれないが、でもそこ『だけ』は間違えちゃいけないんだ。
事あるごとに顔出そうとする優香への恋心を、俺は必死に心の奥へと押し込んだ。
「でも、それだと蒼太おにーちゃんと美月は結婚できないんですね……。結婚はお付き合いをしてからするんですもんね……。おねーちゃんがしないなら、美月がって思ったんですけど……」
優香に否定されて、美月ちゃんの声はそれはもうションボリとしていた。
まるで捨てられた子犬のようだった。
ションボリわんわん美月ちゃんだった。
「それはその、だな……」
くっ、しまったぞ!
幼気で純真無垢な少女を落ち込ませてしまった。
優香が否定してくれるのを待つか?
だがそれは優香に責任転嫁することに他ならず、まったくもって男らしくない行動だ。
俺が、俺の責任でなんとかしないと――!
ションボリわんわんな美月ちゃんになんと言ったものかと、俺がかける言葉を必死に探していたのだが――、
「だったら、やっぱりおねーちゃんと蒼太おにーちゃんが結婚するのが一番ですね!」
しかし美月ちゃんはションボリわんわんから一転、これ以上ない笑顔で言った。
「あ、ああ、うん……」
ここでまた否定をすると美月ちゃんを悲しませるだろうし、否定することがなんとなく嫌だったこともあって、俺は曖昧にうなずいた。
っていうか、いつの間にか『付き合う(仮)』から『結婚(仮)』にハードルが激上がりしてしまっているんだが?
「ね、おねーちゃん♪」
と、ここで美月ちゃんが優香にも矛先を向けた。
優香も俺同様に、答えに窮するに違いない――、
「ふふっ、そうね。そうなったら、みんなで一緒にいられるわね」
さすが優香、大人の対応だった。
どこか弾んだような声からは、むしろ嬉しそうに言っているようにまで見える。
まるで本心からそう思っているかのような、もの凄い演技力だった。
優香は演技も得意なんだなぁ。
すごいなぁ。
俺の方も、優香みたいにさらっとなんでもないように答えられたらよかったんだけどな。
優香と付き合ったり結婚したり、そういう関係になりたいって思っていることを見透かされるのが怖くて、俺はどうしてもそれができなかったのだ。
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