一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった
マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫
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第2部 第5章 中間テストの勉強会
第69話 1学期中間テストの話題(2)
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「もしかして蒼太くんって、今回の中間テスト、結構ピンチな感じだったりする?」
「どうだろ? そもそもまだ試験勉強を始めてないから、ピンチかどうかすら分からないかなぁ」
「え!? まだ試験勉強を全くしてないの?」
「えっと、まぁ、うん」
目を見開いて驚く優香に、俺はややバツが悪い気持ちを覚えながらも正直に答えた。
でもさ、まだ中間テストが始まる1週間前だぞ?
本格的に試験勉強を始めるには全然早いだろ?
「それってつまり、ピンチってことだよね……?」
「1年の間は一応こんな感じで何とかなったから、大丈夫かなって思うんだけどな?」
確証はないが、2年生になってからも授業には全教科ついていけてるし、なんとかなるだろ?
知らんけど。
だがしかし。
俺のなんとも微妙な答えを聞いた優香の顔は、どんどんと不安に彩られていった。
「本当に大丈夫? 留年とかしない? 私嫌だよ、蒼太くんの先輩になっちゃうの」
「俺も優香をセンパイって呼ぶのは嫌かなぁ」
万が一そんなことになってしまったら、恥ずかしすぎて俺はもう2度と優香と同じ時間の通学バスには乗れないだろう。
俺をやたらと信頼してくれている美月ちゃんにも、とても顔向けできない。
あと絶対に健介が、超嬉しそうに「おい蒼太、服部センパイって呼んでみろよ? んん? ほれほれどうした?」とか言ってくるだろうし。
「でしょでしょ?」
「でも、そんなに心配しなくても大丈夫だって。こう見えて俺はやる時はやる男だから」
「美月を助けてくれたり、私もナンパから助けてもらったし、蒼太くんがここぞですごい男の子なのは知ってるけど……」
「最悪、一夜漬けって手もあるしさ。疲れる上に終わった瞬間に頭から抜けていくから、あんまり使いたくはないんだけどな」
やけに心配性な優香を安心させようと、俺は奥の手である「一夜漬け」の存在も明らかにしたのだが。
「もぅ、一夜漬けってその場しのぎだよ? あーん、蒼太くんの話を聞いてたら、なんだか私の方が不安になってきちゃった」
しかし優香は、むしろ余計に心配そうな顔になってしまった。
「えーと、余計な心配させて悪かったな。ごめんな優香」
行き当たりばったりの、アホで無計画な男子高校生でほんと申し訳ない。
「全然、謝られることでもないんだけどね……あ、そうだ! ねぇねぇ、じゃあさ?」
と、そこで優香が名案を思い付いたかのように、胸の前でポンと軽く手の平を合わせた。
「どうした?」
「今日の放課後、蒼太くんは暇だったりする?」
「帰宅部だし、基本的にいつも暇してはいるよ」
優香(と健介)以外には、あまり友達もいないしな。
「だったら……う、うちで一緒に中間テストの勉強会をしないかな?」
「優香の家でか? 今から?」
「だ、誰かと一緒だとダラけにくいでしょ? ……な、なんちゃって?」
「そっか、それはあるよな」
特に優香の前なら、間違ってもダラけた姿なんて見せられないって思うだろうしな。
むしろ一生懸命に勉強に取り組む真面目なところを、ここぞとばかりにアピールするに違いない。
俺も年頃の男の子なので、それくらいの見栄は張るのである。
「でしょ? 多分なんだけど、蒼太くんって土壇場に強いから、テストはまだ少し先だし今日はまだ勉強しなくてもいいや、とか結構ギリギリ直前まで思っちゃうタイプじゃない?」
「まるで刑事ドラマのプロファイリングのように、俺の普段のテスト前の行動を寸分たがわず見抜かれたんだが……」
優香、実はこっそり俺の個人情報を集めてプロファイリングとかしてない?
美月ちゃんと仲良くなるにふさわしい男子かどうか、性格とかそういうのをチェックしてない?
「やっぱりー。なんでも早めにやっておいた方がいいと思うけどなー。ね、一緒に勉強会しよう?」
ダメ押しのように、優香が上目づかいで言った。
果たして、学園のアイドルに上目づかいで「家で一緒に勉強会をしないか」と問われて、ノーと答えるお年頃な男子高校生がいるだろうか?
いやそんな男子高校生など存在しない(確信)。
そして俺はお年頃な男子高校生だった。
というわけで。
今日は学校帰りに優香の家に寄って、中間テストに向けての勉強会をすることになった。
「どうだろ? そもそもまだ試験勉強を始めてないから、ピンチかどうかすら分からないかなぁ」
「え!? まだ試験勉強を全くしてないの?」
「えっと、まぁ、うん」
目を見開いて驚く優香に、俺はややバツが悪い気持ちを覚えながらも正直に答えた。
でもさ、まだ中間テストが始まる1週間前だぞ?
本格的に試験勉強を始めるには全然早いだろ?
「それってつまり、ピンチってことだよね……?」
「1年の間は一応こんな感じで何とかなったから、大丈夫かなって思うんだけどな?」
確証はないが、2年生になってからも授業には全教科ついていけてるし、なんとかなるだろ?
知らんけど。
だがしかし。
俺のなんとも微妙な答えを聞いた優香の顔は、どんどんと不安に彩られていった。
「本当に大丈夫? 留年とかしない? 私嫌だよ、蒼太くんの先輩になっちゃうの」
「俺も優香をセンパイって呼ぶのは嫌かなぁ」
万が一そんなことになってしまったら、恥ずかしすぎて俺はもう2度と優香と同じ時間の通学バスには乗れないだろう。
俺をやたらと信頼してくれている美月ちゃんにも、とても顔向けできない。
あと絶対に健介が、超嬉しそうに「おい蒼太、服部センパイって呼んでみろよ? んん? ほれほれどうした?」とか言ってくるだろうし。
「でしょでしょ?」
「でも、そんなに心配しなくても大丈夫だって。こう見えて俺はやる時はやる男だから」
「美月を助けてくれたり、私もナンパから助けてもらったし、蒼太くんがここぞですごい男の子なのは知ってるけど……」
「最悪、一夜漬けって手もあるしさ。疲れる上に終わった瞬間に頭から抜けていくから、あんまり使いたくはないんだけどな」
やけに心配性な優香を安心させようと、俺は奥の手である「一夜漬け」の存在も明らかにしたのだが。
「もぅ、一夜漬けってその場しのぎだよ? あーん、蒼太くんの話を聞いてたら、なんだか私の方が不安になってきちゃった」
しかし優香は、むしろ余計に心配そうな顔になってしまった。
「えーと、余計な心配させて悪かったな。ごめんな優香」
行き当たりばったりの、アホで無計画な男子高校生でほんと申し訳ない。
「全然、謝られることでもないんだけどね……あ、そうだ! ねぇねぇ、じゃあさ?」
と、そこで優香が名案を思い付いたかのように、胸の前でポンと軽く手の平を合わせた。
「どうした?」
「今日の放課後、蒼太くんは暇だったりする?」
「帰宅部だし、基本的にいつも暇してはいるよ」
優香(と健介)以外には、あまり友達もいないしな。
「だったら……う、うちで一緒に中間テストの勉強会をしないかな?」
「優香の家でか? 今から?」
「だ、誰かと一緒だとダラけにくいでしょ? ……な、なんちゃって?」
「そっか、それはあるよな」
特に優香の前なら、間違ってもダラけた姿なんて見せられないって思うだろうしな。
むしろ一生懸命に勉強に取り組む真面目なところを、ここぞとばかりにアピールするに違いない。
俺も年頃の男の子なので、それくらいの見栄は張るのである。
「でしょ? 多分なんだけど、蒼太くんって土壇場に強いから、テストはまだ少し先だし今日はまだ勉強しなくてもいいや、とか結構ギリギリ直前まで思っちゃうタイプじゃない?」
「まるで刑事ドラマのプロファイリングのように、俺の普段のテスト前の行動を寸分たがわず見抜かれたんだが……」
優香、実はこっそり俺の個人情報を集めてプロファイリングとかしてない?
美月ちゃんと仲良くなるにふさわしい男子かどうか、性格とかそういうのをチェックしてない?
「やっぱりー。なんでも早めにやっておいた方がいいと思うけどなー。ね、一緒に勉強会しよう?」
ダメ押しのように、優香が上目づかいで言った。
果たして、学園のアイドルに上目づかいで「家で一緒に勉強会をしないか」と問われて、ノーと答えるお年頃な男子高校生がいるだろうか?
いやそんな男子高校生など存在しない(確信)。
そして俺はお年頃な男子高校生だった。
というわけで。
今日は学校帰りに優香の家に寄って、中間テストに向けての勉強会をすることになった。
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