一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった
マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫
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第4章 プールデート
第52話 待ち合わせ
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そうして迎えた土曜日。
健介からの『まさか姫宮さんと遊びに行くんじゃないだろうな?』とかいう無駄に察しのいいメールをサクッと無視した俺は、約束していた時間の15分前に、待ち合わせ場所のJRの駅の改札前へとやってきた。
土曜日の朝遅めの時間ということもあって利用者はまばらだ。
軽く周囲を見渡してみたが、優香と美月ちゃんの姿はまだ見当たらなかった。
「よしよし、先に到着できたみたいだな」
俺もいっぱしの男の子なので、待ち合わせで女の子を待たせるような無粋はしたくないのである。
さらにはスマホを自撮りモードにして髪形やらなんやらの最終チェックを入念に行った。
うん、悪くない(俺にしては)。
しばらくすると、
「あ、蒼太おにーちゃん発見です!」
元気な声が聞こえてきて、
「蒼太くん、おはよう」
「蒼太おにーちゃん、おはようございます!」
待ち合わせ場所に優香と美月ちゃんがやって来た。
「2人ともおはよう。美月ちゃん、昨日はよく眠れた?」
「はいっ! しっかり寝たので、準備は万全です!」
「それはなによりだ。あと難しい言葉を知ってるなぁ」
美月ちゃんの頭をそっと撫でて「えらいえらい」をしてあげると、
「えへへへ……」
美月ちゃんは嬉しそうに目を細めた。
そしてここで改めて俺は2人の服装に目を向ける。
優香は少し大人っぽいフレアスカートに、清楚な白のブラウスを着て。
さらにその上から春と初夏の合間らしい薄い萌黄色のカーディガンを羽織っていた。
フレアスカートについた大きなリボンがすごく似合っている。
少し大きめのバッグがちょっとだけアンバランスだけど、水着とかバスタオルが入っているだろうからそれは仕方ない。
同じように俺も今日は大きなバッグで来てるしな。
「春らしくていいね。大人っぽくてよく似合ってるよ」
俺は優香の服装を手放しで褒め称えた。
いやほんと、控えめに言って可愛すぎだろ。
これを見れただけで余は大満足じゃ。
「えへへ、そう? ありがと♪」
優香が嬉しそうに微笑む。
「ねーねー、美月も! 美月もおしゃれしてきました!」
すると美月ちゃんが元気よく右手を上げてアピールをしてきた。
美月ちゃんは優香とよく似たフレアスカートに、上はボーダーの入った長袖シャツを着ている。
美月ちゃんらしい、元気の良さと可愛さを両立させたような服装だな。
「美月ちゃんもよく似合ってるね。スカートは優香とお揃いかな?」
「そうなんです! おねーちゃんみたいに綺麗になりたいので、マネっこしています!」
「そっかぁ。でも美月ちゃんはもう充分すぎるほどに可愛いから、そこは自信を持っても大丈夫だぞ?」
既に現時点で、美月ちゃんはそう遠くない未来、優香のような美少女になるのがはっきりと分かるからな。
「お褒めいただき光栄です」
「あはは、ほんと難しい言い回しを知ってるなぁ」
おませな美月ちゃんに俺は感心せずにはいられなかった。
「それじゃあ立ち話しているのもなんだし、そろそろ電車に乗りましょうか」
そんな俺たちに優香が移動を促してきた。
「じゃあ行くか」
「はいっ」
俺たちはまずは切符を買うために券売機に向かって歩き出した。
「あの、おねーちゃん」
「なぁに?」
「美月、電車の切符を買いたいです。切符の機械でピッピッしたいです」
俺と優香に挟まれるようにして歩きながら、元気よく手を上げてお願いをしてくる美月ちゃん。
券売機で切符を買いたいだなんて本当に可愛いなぁ。
俺の頬もついつい、縁側で孫娘を見守るお爺さんのように緩んでしまうよ。
「いいわよ? でもちゃんと買えるかな?」
難しい言葉を知っていてもやっぱり年相応に子供らしいところを見せる美月ちゃんに、優香が母親のような優しい笑みを向ける。
「それなら大丈夫です! 失敗しても駅員さんを呼んだらいいって、クラスの子が言っていましたので!」
「うーんと、それはちょっと迷惑かもだから、お姉ちゃんが見ていてあげるわね」
美月ちゃんの答えに優香が思わずと言った様子で苦笑した。
「ええと、まずはお金を入れて……美月は小学生なので子供用ボタンを押して……最後に駅の名前が書いてあるボタンを押すんです」
美月ちゃんが言葉で確認をしながら切符を購入する。
「はい、よくできました」
「えへへー」
「なぁ美月ちゃん。せっかくだし、俺の分の切符も買ってみるか?」
「買いたいです!」
「オッケー。じゃあ美月ちゃんにお願いするな。はいこれお金。あ、今度は大人用の切符を買うんだぞ?」
「初めての大人用切符、がんばります……!」
俺の切符と、続けて優香の切符も美月ちゃんに買ってもらい。
そして普通電車に揺られること15分ほどで、屋内プールのある駅に到着する。
この駅周辺で他にする用事はなかったのでプールに直行すると、ちょうど施設入り口のゲートが開くところだった。
「じゃあ着替えてくるわね。10分後にそこの大時計の下で待ち合わせにしましょう」
「了解だ」
「蒼太おにーちゃん、また後でね!」
「また後でな美月ちゃん」
着替えたらすぐに会えるっていうのに、何度も振り返っては手を振ってくる美月ちゃんが更衣室に入って見えなくなるまで、俺はその場で手を振り続けた。
健介からの『まさか姫宮さんと遊びに行くんじゃないだろうな?』とかいう無駄に察しのいいメールをサクッと無視した俺は、約束していた時間の15分前に、待ち合わせ場所のJRの駅の改札前へとやってきた。
土曜日の朝遅めの時間ということもあって利用者はまばらだ。
軽く周囲を見渡してみたが、優香と美月ちゃんの姿はまだ見当たらなかった。
「よしよし、先に到着できたみたいだな」
俺もいっぱしの男の子なので、待ち合わせで女の子を待たせるような無粋はしたくないのである。
さらにはスマホを自撮りモードにして髪形やらなんやらの最終チェックを入念に行った。
うん、悪くない(俺にしては)。
しばらくすると、
「あ、蒼太おにーちゃん発見です!」
元気な声が聞こえてきて、
「蒼太くん、おはよう」
「蒼太おにーちゃん、おはようございます!」
待ち合わせ場所に優香と美月ちゃんがやって来た。
「2人ともおはよう。美月ちゃん、昨日はよく眠れた?」
「はいっ! しっかり寝たので、準備は万全です!」
「それはなによりだ。あと難しい言葉を知ってるなぁ」
美月ちゃんの頭をそっと撫でて「えらいえらい」をしてあげると、
「えへへへ……」
美月ちゃんは嬉しそうに目を細めた。
そしてここで改めて俺は2人の服装に目を向ける。
優香は少し大人っぽいフレアスカートに、清楚な白のブラウスを着て。
さらにその上から春と初夏の合間らしい薄い萌黄色のカーディガンを羽織っていた。
フレアスカートについた大きなリボンがすごく似合っている。
少し大きめのバッグがちょっとだけアンバランスだけど、水着とかバスタオルが入っているだろうからそれは仕方ない。
同じように俺も今日は大きなバッグで来てるしな。
「春らしくていいね。大人っぽくてよく似合ってるよ」
俺は優香の服装を手放しで褒め称えた。
いやほんと、控えめに言って可愛すぎだろ。
これを見れただけで余は大満足じゃ。
「えへへ、そう? ありがと♪」
優香が嬉しそうに微笑む。
「ねーねー、美月も! 美月もおしゃれしてきました!」
すると美月ちゃんが元気よく右手を上げてアピールをしてきた。
美月ちゃんは優香とよく似たフレアスカートに、上はボーダーの入った長袖シャツを着ている。
美月ちゃんらしい、元気の良さと可愛さを両立させたような服装だな。
「美月ちゃんもよく似合ってるね。スカートは優香とお揃いかな?」
「そうなんです! おねーちゃんみたいに綺麗になりたいので、マネっこしています!」
「そっかぁ。でも美月ちゃんはもう充分すぎるほどに可愛いから、そこは自信を持っても大丈夫だぞ?」
既に現時点で、美月ちゃんはそう遠くない未来、優香のような美少女になるのがはっきりと分かるからな。
「お褒めいただき光栄です」
「あはは、ほんと難しい言い回しを知ってるなぁ」
おませな美月ちゃんに俺は感心せずにはいられなかった。
「それじゃあ立ち話しているのもなんだし、そろそろ電車に乗りましょうか」
そんな俺たちに優香が移動を促してきた。
「じゃあ行くか」
「はいっ」
俺たちはまずは切符を買うために券売機に向かって歩き出した。
「あの、おねーちゃん」
「なぁに?」
「美月、電車の切符を買いたいです。切符の機械でピッピッしたいです」
俺と優香に挟まれるようにして歩きながら、元気よく手を上げてお願いをしてくる美月ちゃん。
券売機で切符を買いたいだなんて本当に可愛いなぁ。
俺の頬もついつい、縁側で孫娘を見守るお爺さんのように緩んでしまうよ。
「いいわよ? でもちゃんと買えるかな?」
難しい言葉を知っていてもやっぱり年相応に子供らしいところを見せる美月ちゃんに、優香が母親のような優しい笑みを向ける。
「それなら大丈夫です! 失敗しても駅員さんを呼んだらいいって、クラスの子が言っていましたので!」
「うーんと、それはちょっと迷惑かもだから、お姉ちゃんが見ていてあげるわね」
美月ちゃんの答えに優香が思わずと言った様子で苦笑した。
「ええと、まずはお金を入れて……美月は小学生なので子供用ボタンを押して……最後に駅の名前が書いてあるボタンを押すんです」
美月ちゃんが言葉で確認をしながら切符を購入する。
「はい、よくできました」
「えへへー」
「なぁ美月ちゃん。せっかくだし、俺の分の切符も買ってみるか?」
「買いたいです!」
「オッケー。じゃあ美月ちゃんにお願いするな。はいこれお金。あ、今度は大人用の切符を買うんだぞ?」
「初めての大人用切符、がんばります……!」
俺の切符と、続けて優香の切符も美月ちゃんに買ってもらい。
そして普通電車に揺られること15分ほどで、屋内プールのある駅に到着する。
この駅周辺で他にする用事はなかったのでプールに直行すると、ちょうど施設入り口のゲートが開くところだった。
「じゃあ着替えてくるわね。10分後にそこの大時計の下で待ち合わせにしましょう」
「了解だ」
「蒼太おにーちゃん、また後でね!」
「また後でな美月ちゃん」
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