一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
文字の大きさ
大中小
30 / 175
第3章 学園のアイドルと過ごす日々
第30話 ざわざわざわ……
しおりを挟む
「あ、蒼太くんおはよう!」
校門になぜか優香がいた――と思ったら、俺の姿を見た途端に素敵な笑顔とともに優香が手を振ってきた。
「優香、おはよう」
俺は校門で優香が待っていることを不思議に思いつつも、最近教室で挨拶をしているように、何気なく優香に挨拶を返したんだけど――、
「お、おい見ろよあれ」
「えっ、姫宮さんじゃん。なんで姫宮さんが男に手を振ってんだ?」
「あいつを校門で待ってたってことか?」
「あんな冴えないモブを、姫宮さんがか?」
「つーか誰だよアイツ?」
「2年の紺野じゃない?」
「紺野ってあれだよな、美人に捨てられたやつ」
「そういやあったな、そんな噂」
「え、ってことは今度は姫宮さんに乗り換えたってこと?」
「さすがにそりゃないだろ? なんであいつ程度で、極上の美人ばっかり立て続けに仲良くなれるんだよ」
周囲の生徒たちがそれはもう盛大にざわつき始めたのだ。
……まぁそうなるよな。
学園のアイドル姫宮優香が、冴えない俺なんかに手を振っているんだから。
しかも犬が嬉しくて尻尾をぶんぶん振るみたいに、どこかはしゃいだ様子で手を振っているときた。
「なぁ健介。どうも優香が俺を待っていたように見えなくもないんだけど、どういうつもりなのかな?」
俺はまず、隣にいる健介に意見を求めようとしたんだけど、
「蒼太……爆発しろやこのクソリア充めが! だが今度こそ末永く幸せにな!!」
健介は涙声で支離滅裂なことを叫ぶと、俺からダッシュで離れて一目散に校舎の中へと駆け入っていった。
「あ、おい……」
親友の突然の奇行に、唖然としたまま取り残されてしまった俺のところに、優香がちょこちょこと小さく駆け足でやってきた。
「服部くん、走って行っちゃったね。どうしたんだろ? なにか急な用事でも思い出したのかな?」
「ああいや、別にそう言うんじゃないと思うんだけど……」
ちなみに「服部」は健介の名字だ。
服部健介16歳、絶賛彼女募集中(宣伝しておいてやったぞ)。
「そうなの?」
優香が不思議そうに小首をかしげるものの、だがしかしハテナマークで頭がいっぱいなのはむしろ俺の方だった。
「それよりさ。もしかして俺のことを待っててくれたりした? 一緒に行く約束とかしてたっけ?」
優香が俺を待っていた――さすがにそれ以外の状況は考えつかなかったので、ここはストレートに尋ねることにする。
「ううん、そんな約束はしてないよ」
「だよな。でもじゃあなんで待っててくれたんだ?」
「えっと、その……話せば長くなるんだけどね? 私がいつも乗っている時間のバスが、今日は盛大に遅れちゃったの」
「あ、そうだったんだ」
「それで着くのがだいぶ遅くなっちゃったから、もしかしたら蒼太くんが次のバスに乗ってるかなって、ふと思って。それで校門の辺りで振り返ってみたの。そうしたらちょうど蒼太くんが歩いてくるのが見えたから、せっかくだから待ってみようかなって思ったの。ほ、ほら。私たちってクラスメイトだし、一緒に登校するのは全然変じゃないよね?」
優香が妙に説明口調で、やけに長々と俺を待っていた理由を語ってくれた。
つまり優香の話を要約するとだ。
最初から俺を待とうと思っていたわけでもなんでもなく。
バスの遅延でたまたまの偶然が重なった結果、最近仲良くなったクラスメイトを見かけたから、無視する理由もないし待ってみただけだったようだった。
「なるほどな。バス通学はどうしてもバスの遅延が悩みの種だよな」
「でしょう!?」
ちょっとした信号の加減や予想外の渋滞、乗り降りのもたつきでバスが遅れるのはよくあることだ。
だからそれについては俺は特に気にはならなかった。
俺もバスが遅れて1時間目に遅刻しそうになり、バスを降りた瞬間にダッシュで登校した経験が何度もある。
そのたびにもう一本早く行くようにしようと思っては、バス1本分早く起きるのが辛くてやっぱり止めようってなるんだよな。
だからバスが遅れたことは何の問題もなかった。
問題なのは――、
「なんていうかその、待っててくれたのは嬉しいんだけど。だけどその……今の俺たちって変に目立っちゃってるよな……?」
今も道行く生徒たちが皆、校門前で話す俺たちを驚いた顔でガン見していることだった。
「うん、そうみたいだね……もしかして迷惑だった?」
申し訳なさそうにか細い声で尋ねてくる優香に、
「まさか、そんなことはないよ。むしろ嬉しかったし」
俺は素直な気持ちを伝えた。
優香みたいな可愛い女の子に校門前で待ってもらって、嬉しくない男がいるだろうか?
上目遣いで「迷惑だった?」なんて聞かれて、顔がにやけそうにならない男子がいるだろうか?
いいや、そんな男子は存在しない。
だけどそうは言ってもだ。
こうも目立ってしまうとさすがに恥ずかしいわけで。
だけどそれもこれも、優香から笑顔を向けてもらえる特別さの代償と思えば、全然ちっとも大したことなんてなかった。
それくらい、俺は自分の心がぴょんぴょんウキウキと弾んでいることを自覚していた。
「ほんと? 良かったぁ……」
俺の返事を聞いた優香が嬉しそうに微笑む。
「う――っ」
そのとびっきりの笑顔を目の前で見せられた俺の頭に、またもや「優香って俺のことが好きなんじゃね?」などというアタオカな妄想がよぎってしまう。
校門になぜか優香がいた――と思ったら、俺の姿を見た途端に素敵な笑顔とともに優香が手を振ってきた。
「優香、おはよう」
俺は校門で優香が待っていることを不思議に思いつつも、最近教室で挨拶をしているように、何気なく優香に挨拶を返したんだけど――、
「お、おい見ろよあれ」
「えっ、姫宮さんじゃん。なんで姫宮さんが男に手を振ってんだ?」
「あいつを校門で待ってたってことか?」
「あんな冴えないモブを、姫宮さんがか?」
「つーか誰だよアイツ?」
「2年の紺野じゃない?」
「紺野ってあれだよな、美人に捨てられたやつ」
「そういやあったな、そんな噂」
「え、ってことは今度は姫宮さんに乗り換えたってこと?」
「さすがにそりゃないだろ? なんであいつ程度で、極上の美人ばっかり立て続けに仲良くなれるんだよ」
周囲の生徒たちがそれはもう盛大にざわつき始めたのだ。
……まぁそうなるよな。
学園のアイドル姫宮優香が、冴えない俺なんかに手を振っているんだから。
しかも犬が嬉しくて尻尾をぶんぶん振るみたいに、どこかはしゃいだ様子で手を振っているときた。
「なぁ健介。どうも優香が俺を待っていたように見えなくもないんだけど、どういうつもりなのかな?」
俺はまず、隣にいる健介に意見を求めようとしたんだけど、
「蒼太……爆発しろやこのクソリア充めが! だが今度こそ末永く幸せにな!!」
健介は涙声で支離滅裂なことを叫ぶと、俺からダッシュで離れて一目散に校舎の中へと駆け入っていった。
「あ、おい……」
親友の突然の奇行に、唖然としたまま取り残されてしまった俺のところに、優香がちょこちょこと小さく駆け足でやってきた。
「服部くん、走って行っちゃったね。どうしたんだろ? なにか急な用事でも思い出したのかな?」
「ああいや、別にそう言うんじゃないと思うんだけど……」
ちなみに「服部」は健介の名字だ。
服部健介16歳、絶賛彼女募集中(宣伝しておいてやったぞ)。
「そうなの?」
優香が不思議そうに小首をかしげるものの、だがしかしハテナマークで頭がいっぱいなのはむしろ俺の方だった。
「それよりさ。もしかして俺のことを待っててくれたりした? 一緒に行く約束とかしてたっけ?」
優香が俺を待っていた――さすがにそれ以外の状況は考えつかなかったので、ここはストレートに尋ねることにする。
「ううん、そんな約束はしてないよ」
「だよな。でもじゃあなんで待っててくれたんだ?」
「えっと、その……話せば長くなるんだけどね? 私がいつも乗っている時間のバスが、今日は盛大に遅れちゃったの」
「あ、そうだったんだ」
「それで着くのがだいぶ遅くなっちゃったから、もしかしたら蒼太くんが次のバスに乗ってるかなって、ふと思って。それで校門の辺りで振り返ってみたの。そうしたらちょうど蒼太くんが歩いてくるのが見えたから、せっかくだから待ってみようかなって思ったの。ほ、ほら。私たちってクラスメイトだし、一緒に登校するのは全然変じゃないよね?」
優香が妙に説明口調で、やけに長々と俺を待っていた理由を語ってくれた。
つまり優香の話を要約するとだ。
最初から俺を待とうと思っていたわけでもなんでもなく。
バスの遅延でたまたまの偶然が重なった結果、最近仲良くなったクラスメイトを見かけたから、無視する理由もないし待ってみただけだったようだった。
「なるほどな。バス通学はどうしてもバスの遅延が悩みの種だよな」
「でしょう!?」
ちょっとした信号の加減や予想外の渋滞、乗り降りのもたつきでバスが遅れるのはよくあることだ。
だからそれについては俺は特に気にはならなかった。
俺もバスが遅れて1時間目に遅刻しそうになり、バスを降りた瞬間にダッシュで登校した経験が何度もある。
そのたびにもう一本早く行くようにしようと思っては、バス1本分早く起きるのが辛くてやっぱり止めようってなるんだよな。
だからバスが遅れたことは何の問題もなかった。
問題なのは――、
「なんていうかその、待っててくれたのは嬉しいんだけど。だけどその……今の俺たちって変に目立っちゃってるよな……?」
今も道行く生徒たちが皆、校門前で話す俺たちを驚いた顔でガン見していることだった。
「うん、そうみたいだね……もしかして迷惑だった?」
申し訳なさそうにか細い声で尋ねてくる優香に、
「まさか、そんなことはないよ。むしろ嬉しかったし」
俺は素直な気持ちを伝えた。
優香みたいな可愛い女の子に校門前で待ってもらって、嬉しくない男がいるだろうか?
上目遣いで「迷惑だった?」なんて聞かれて、顔がにやけそうにならない男子がいるだろうか?
いいや、そんな男子は存在しない。
だけどそうは言ってもだ。
こうも目立ってしまうとさすがに恥ずかしいわけで。
だけどそれもこれも、優香から笑顔を向けてもらえる特別さの代償と思えば、全然ちっとも大したことなんてなかった。
それくらい、俺は自分の心がぴょんぴょんウキウキと弾んでいることを自覚していた。
「ほんと? 良かったぁ……」
俺の返事を聞いた優香が嬉しそうに微笑む。
「う――っ」
そのとびっきりの笑顔を目の前で見せられた俺の頭に、またもや「優香って俺のことが好きなんじゃね?」などというアタオカな妄想がよぎってしまう。
0
お気に入りに追加
596
あなたにおすすめの小説
兄貴がイケメンすぎる件
みららぐ
恋愛
義理の兄貴とワケあって二人暮らしをしている主人公の世奈。
しかしその兄貴がイケメンすぎるせいで、何人彼氏が出来ても兄貴に会わせた直後にその都度彼氏にフラれてしまうという事態を繰り返していた。
しかしそんな時、クラス替えの際に世奈は一人の男子生徒、翔太に一目惚れをされてしまう。
「僕と付き合って!」
そしてこれを皮切りに、ずっと冷たかった幼なじみの健からも告白を受ける。
「俺とアイツ、どっちが好きなの?」
兄貴に会わせばまた離れるかもしれない、だけど人より堂々とした性格を持つ翔太か。
それとも、兄貴のことを唯一知っているけど、なかなか素直になれない健か。
世奈が恋人として選ぶのは……どっち?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
最底辺の落ちこぼれ、実は彼がハイスペックであることを知っている元幼馴染のヤンデレ義妹が入学してきたせいで真の実力が発覚してしまう!
電脳ピエロ
恋愛
時野 玲二はとある事情から真の実力を隠しており、常に退学ギリギリの成績をとっていたことから最底辺の落ちこぼれとバカにされていた。
しかし玲二が2年生になった頃、時を同じくして義理の妹になった人気モデルの神堂 朱音が入学してきたことにより、彼の実力隠しは終わりを迎えようとしていた。
「わたしは大好きなお義兄様の真の実力を、全校生徒に知らしめたいんです♡ そして、全校生徒から羨望の眼差しを向けられているお兄様をわたしだけのものにすることに興奮するんです……あぁんっ♡ お義兄様ぁ♡」
朱音は玲二が実力隠しを始めるよりも前、幼少期からの幼馴染だった。
そして義理の兄妹として再開した現在、玲二に対して変質的な愛情を抱くヤンデレなブラコン義妹に変貌していた朱音は、あの手この手を使って彼の真の実力を発覚させようとしてくる!
――俺はもう、人に期待されるのはごめんなんだ。
そんな玲二の願いは叶うことなく、ヤンデレ義妹の暴走によって彼がハイスペックであるという噂は徐々に学校中へと広まっていく。
やがて玲二の真の実力に危機感を覚えた生徒会までもが動き始めてしまい……。
義兄の実力を全校生徒に知らしめたい、ブラコンにしてヤンデレの人気モデル VS 真の実力を絶対に隠し通したい、実は最強な最底辺の陰キャぼっち。
二人の心理戦は、やがて学校全体を巻き込むほどの大きな戦いへと発展していく。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
助けてください!エリート年下上司が、地味な私への溺愛を隠してくれません
和泉杏咲
恋愛
両片思いの2人。「年下上司なんてありえない!」 「できない年上部下なんてまっぴらだ」そんな2人は、どうやって結ばれる?
「年下上司なんてありえない!」
「こっちこそ、できない年上の部下なんてまっぴらだ」
思えば、私とあいつは初対面から相性最悪だった!
人材業界へと転職した高井綾香。
そこで彼女を待ち受けていたのは、エリート街道まっしぐらの上司、加藤涼介からの厳しい言葉の数々。
綾香は年下の涼介に対し、常に反発を繰り返していた。
ところが、ある時自分のミスを助けてくれた涼介が気になるように……?
「あの……私なんで、壁ドンされてるんですか?」
「ほら、やってみなよ、体で俺を誘惑するんだよね?」
「はあ!?誘惑!?」
「取引先を陥落させた技、僕にやってみなよ」
夜の声
神崎
恋愛
r15にしてありますが、濡れ場のシーンはわずかにあります。
読まなくても物語はわかるので、あるところはタイトルの数字を#で囲んでます。
小さな喫茶店でアルバイトをしている高校生の「桜」は、ある日、喫茶店の店主「葵」より、彼の友人である「柊」を紹介される。
柊の声は彼女が聴いている夜の声によく似ていた。
そこから彼女は柊に急速に惹かれていく。しかし彼は彼女に決して語らない事があった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる