一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
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第2章 変わり始めた関係
第21話 放課後おうちデートのお誘い
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「おはよう蒼太くん」
「おはよう優香」
「蒼太くん、また明日ね」
「バイバイ優香。また明日な」
あの日から俺と優香は、朝と帰りに挨拶をするようになったものの。
だけどそれ以外に優香とは特に何があるわけでもなく。
時おり俺が葛谷に振られた話が聞こえてくるのを耳にしては溜息をつきながらも、俺の高校生活はそれなりに順調に続いていったある日のこと。
午前の授業が全て終わって、昼休みに学食で健介と昼飯を食べた後、スマホ片手にだらだらバカ話をしてだべっていると、
ポコパペ♪
軽快な音が鳴って、俺のスマホがラインメッセージが着信したことを告げてきた。
ちなみに俺は仲のいい友達が少ないため、健介以外からラインが来ることはほとんどない(そして健介は今まさに目の前にいるから送り主ではない)。
いったい誰からだろうと思ってスマホに視線を落とすと、
『今日の放課後、蒼太くんは空いていますか?』
メッセージを送ってきたのはまさかの優香だった。
「でさ、相羽のやつその後なんて言ったと思う? なんと――」
「悪い健介、ラインでメッセージ入ったからちょっと返信させてくれ」
「うーい、適当に動画見てるから終わったら教えてくれー」
「了解」
優香からのメッセージであることを万が一にも健介に悟られないように、俺はさりげなく断りを入れた。
……いや、ね?
別に悪いことをしているわけでもないし、悟られても何の問題もないわけなんだけどさ?
でもほら単なるラインのやり取りなのに、そこに尾ひれが山ほどついて変な噂にでもなったら、それこそ優香が困るだろ?
健介は俺が優香と付き合ってるんじゃないかって、まだ邪推しているみたいだし。
しかも健介はナチュラルに声がデカいから、話している内容が周囲に丸聞こえだしさ。
そんな風に心の中で、する必要のない言い訳をしつつ、
『帰宅部だし放課後はいつも用はないよ』
俺がこっそり優香に返信を送ると、
『良かった! だったら今日の放課後うちに来ませんか?』
驚くような内容の文面が、可愛らしいスタンプと一緒にほとんど間を置かずに返ってきた。
「え――っ!?」
「どうした蒼太?」
胸の高鳴りを抑えきれず、思わず小さく声に出してしまった俺を、スマホから視線を上げた健介が怪訝そうに見つめてくる。
「ああいや、なんでもないんだ」
「そっか?」
特に興味はなかったのだろう、健介は再びスマホへと視線を落とした。
健介の態度に内心ほっとしながら、俺は改めて送られてきた文面を見返した。
『良かった! だったら今日の放課後うちに来ませんか?』
何度見返しても、たしかにそう書いてある。
うちに来ないか――だって?
これってまさか優香からの放課後おうちデートのお誘いじゃ――。
『美月が「蒼太おにーちゃんは今度いつ来るの? 明日? 明後日?」って言って聞かなくて』
しかし続けてそんな一文が送られてきたことで、俺は色々と納得をした。
ま、そうだよな。
「そういうこと」だよな。
美月ちゃんが俺に会いたがってるんだよな。
そりゃそうだ。
なにが優香からの放課後おうちデートのお誘いだよ。
俺はどこまで痛々しい勘違いをしたら気が済むんだっての。
優香は繁華街を歩いただけで大手芸能事務所から立て続けにスカウトをされるような、学園のアイドルなんだぞ?
平凡な容姿の俺とは存在からして違ってるんだ。
現実を見ろよ紺野蒼太。
お前は学園のアイドルと比べるのもおこがましい一山いくらのモブ男子なんだからな。
『了解。俺も美月ちゃんに会いたかったし、今日の放課後に優香の家にお邪魔させてもらおうかな』
俺はイタい勘違いをしかけたことが優香に伝わらないように、言葉を選びに選び抜いて慎重に返信をした。
「おはよう優香」
「蒼太くん、また明日ね」
「バイバイ優香。また明日な」
あの日から俺と優香は、朝と帰りに挨拶をするようになったものの。
だけどそれ以外に優香とは特に何があるわけでもなく。
時おり俺が葛谷に振られた話が聞こえてくるのを耳にしては溜息をつきながらも、俺の高校生活はそれなりに順調に続いていったある日のこと。
午前の授業が全て終わって、昼休みに学食で健介と昼飯を食べた後、スマホ片手にだらだらバカ話をしてだべっていると、
ポコパペ♪
軽快な音が鳴って、俺のスマホがラインメッセージが着信したことを告げてきた。
ちなみに俺は仲のいい友達が少ないため、健介以外からラインが来ることはほとんどない(そして健介は今まさに目の前にいるから送り主ではない)。
いったい誰からだろうと思ってスマホに視線を落とすと、
『今日の放課後、蒼太くんは空いていますか?』
メッセージを送ってきたのはまさかの優香だった。
「でさ、相羽のやつその後なんて言ったと思う? なんと――」
「悪い健介、ラインでメッセージ入ったからちょっと返信させてくれ」
「うーい、適当に動画見てるから終わったら教えてくれー」
「了解」
優香からのメッセージであることを万が一にも健介に悟られないように、俺はさりげなく断りを入れた。
……いや、ね?
別に悪いことをしているわけでもないし、悟られても何の問題もないわけなんだけどさ?
でもほら単なるラインのやり取りなのに、そこに尾ひれが山ほどついて変な噂にでもなったら、それこそ優香が困るだろ?
健介は俺が優香と付き合ってるんじゃないかって、まだ邪推しているみたいだし。
しかも健介はナチュラルに声がデカいから、話している内容が周囲に丸聞こえだしさ。
そんな風に心の中で、する必要のない言い訳をしつつ、
『帰宅部だし放課後はいつも用はないよ』
俺がこっそり優香に返信を送ると、
『良かった! だったら今日の放課後うちに来ませんか?』
驚くような内容の文面が、可愛らしいスタンプと一緒にほとんど間を置かずに返ってきた。
「え――っ!?」
「どうした蒼太?」
胸の高鳴りを抑えきれず、思わず小さく声に出してしまった俺を、スマホから視線を上げた健介が怪訝そうに見つめてくる。
「ああいや、なんでもないんだ」
「そっか?」
特に興味はなかったのだろう、健介は再びスマホへと視線を落とした。
健介の態度に内心ほっとしながら、俺は改めて送られてきた文面を見返した。
『良かった! だったら今日の放課後うちに来ませんか?』
何度見返しても、たしかにそう書いてある。
うちに来ないか――だって?
これってまさか優香からの放課後おうちデートのお誘いじゃ――。
『美月が「蒼太おにーちゃんは今度いつ来るの? 明日? 明後日?」って言って聞かなくて』
しかし続けてそんな一文が送られてきたことで、俺は色々と納得をした。
ま、そうだよな。
「そういうこと」だよな。
美月ちゃんが俺に会いたがってるんだよな。
そりゃそうだ。
なにが優香からの放課後おうちデートのお誘いだよ。
俺はどこまで痛々しい勘違いをしたら気が済むんだっての。
優香は繁華街を歩いただけで大手芸能事務所から立て続けにスカウトをされるような、学園のアイドルなんだぞ?
平凡な容姿の俺とは存在からして違ってるんだ。
現実を見ろよ紺野蒼太。
お前は学園のアイドルと比べるのもおこがましい一山いくらのモブ男子なんだからな。
『了解。俺も美月ちゃんに会いたかったし、今日の放課後に優香の家にお邪魔させてもらおうかな』
俺はイタい勘違いをしかけたことが優香に伝わらないように、言葉を選びに選び抜いて慎重に返信をした。
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