S級【バッファー】(←不遇職)の俺、結婚を誓い合った【幼馴染】を【勇者】に寝取られパーティ追放されヒキコモリに→美少女エルフに養って貰います
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
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第2章
第29話 ぶっちゃけ
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「アイセル――」
アイセルの決意の言葉に、だけど俺は満足な言葉を返せないでいて。
でもアイセルはそんな戸惑う俺なんて気にせずに、これでもかとストレートに想いを伝えてくる。
「ねぇケースケ様。せっかくの機会なのでぶっちゃけちゃいますけど、ケースケ様はわたしを大事に思ってくれても、最後の最後で信用はしてくれてないと思うんです」
「ん? いやいや、アイセルのことはめちゃくちゃ頼りにしてるぞ? うちのパーティはアイセルに頼りっきりなんだから。命を託せる相手だってちゃんと思ってる」
それはもう間違いない。
味方をバフするしか能がない究極の後衛不遇職であるバッファーにとって、前衛アタッカーは文字通り一蓮托生の存在だ。
特に今はアイセルと俺の2人だけのパーティなわけで、お前が死んだら俺も死ぬ状態なわけだし。
だけどアイセルは言った。
「それはパーティのメンバーとして信頼しているだけであって、もっと根っこのところと言いますか、人としては実のところ信用はしてくれてないと思うんです」
「それは──そんなことは――」
そんなことはない――俺はそう言いきることができなかった。
「ケースケ様は裏切られるのが怖いから、誰も信じようとしないんです。どんな相手にも最後の最後のところで距離を置いてるんです。絶対に誰も越えられない壁を心の中に用意してるんです」
「そう……かもな……」
「きっと裏切られても、最初から自分は信じてなんかなかったんだって自分に言い訳をするために」
「あはは、本当にぶっちゃけてきたなぁ。っていうか分かるもんなんだなそういうのって」
「そりゃあ分かりますよ。だってわたしはずっとケースケ様のことを見てましたから。いつだってケースケ様のことを考えていたんですから」
「そ、そうか……うん、ありがとう」
ほんとに今日のアイセルはぐいぐい来るな。
「で、ここからが本題なんですけど、もしいつかケースケ様がわたしのことを心から信用できるようになったら、裏切られないと分かったら――そうしたらきっとケースケ様のインポも治ると思うんです」
「そう……かもな」
あのトラウマが解消される日が来れば、そういう日も来るのかもしれないな──。
「だからわたしはアンジュさんを越えてみせます。ケースケ様の心の中で一番になってみせます! 絶対の絶対に一番になって、ケースケ様のインポも治してみせますから。それがわたしの目標になりました!」
そう言うと、アイセルは俺にぎゅっと抱きついてきた。
「アイセル……ありがとうな、そんな風に言ってもらえてすごく嬉しいよ」
「えへへ、ケースケ様にそう言ってもらえるとわたしも嬉しいです」
「でもその、な?」
「はい、なんでしょう?」
「なんていうかその、あまり若い女の子からインポインポ言われると、男として若干ちょっと心にツラいものがあると言うか……」
「はわっ!? す、すみません! ついわたし熱くなっちゃって! そうですよね、インポインポ言われたらケースケ様も傷つきますよね! なりたくてインポになった訳じゃないのに、わたしみたいなひよっこからインポインポ言われたら悲しいですよね!」
「…………」
「えっと、すみません……わたしは今やっと冷静になりました。本当にすみません。心からお詫びします、ごめんなさい」
「いやいいんだよ……アイセルに悪気がないのは分かってるし、俺がインポなのは事実だしな。それよりなにより、アイセルが気持ちを伝えてくれたことが俺は嬉しかったから」
そう言いながら俺はアイセルをそっと包み込むように抱きしめた。
「えへへ、ケースケ様に抱きしめられちゃいました……えへ、えへへへ……」
「俺のことを好きになってくれてありがとうな、アイセル」
俺の腕の中でにまにまと嬉しそうに笑っているアイセルからは、甘くていい匂いが漂ってきて。
大きな胸や、女の子らしい柔らかい身体が押し付けられて――だけどそれでも悲しいかな、俺の身体はピクリとも反応することはない。
自分の不能っぷりを再確認しながら、それでもどこか安心した気持ちでアイセルを抱きしめていると、
「あの、ケースケ様、今日は一緒に寝てもいいでしょうか?」
アイセルが小さな声でおずおずと尋ねてきた。
「そうだな、今日くらい一緒に寝るか」
「えへへ、やったです……♪」
そのまま俺とアイセルは1つのベッドで横になった。
2人で寝るには手狭なので、アイセルの身体を引き寄せて身を寄せ合って布団をかぶる。
「えへへ、ケースケ様の身体あったかいです……ぬくぬくです……」
「アイセルもあったかいぞ。ふぁ……」
横になるとすぐに眠気が襲ってきた。
なんせ今日は疲れに疲れてるからな。
「お疲れですねケースケ様。討伐クエストの後は歩き詰めでしたもんね。実はわたしもそろそろ眠かったりです」
「アイセルは野営の時に徹夜の番もしてくれたもんな。改めてありがとう、俺とパーティを組んでくれて。俺は今、昔に戻ったみたいですごく充実してるし毎日がすごく楽しいんだ」
「もうケースケ様ってば、それはこっちのセリフですってば。あがり症だったわたしを育ててくれて本当に感謝してます。それと大好きです、えへへ」
「うん、それもありがとな。答えはまだ返せないんだけど」
「今はそれで構いません」
そのまま2人で少し話しながら、だけど俺は眠気に耐え切れなくなっていつの間にか眠りについていたのだった――。
アイセルの決意の言葉に、だけど俺は満足な言葉を返せないでいて。
でもアイセルはそんな戸惑う俺なんて気にせずに、これでもかとストレートに想いを伝えてくる。
「ねぇケースケ様。せっかくの機会なのでぶっちゃけちゃいますけど、ケースケ様はわたしを大事に思ってくれても、最後の最後で信用はしてくれてないと思うんです」
「ん? いやいや、アイセルのことはめちゃくちゃ頼りにしてるぞ? うちのパーティはアイセルに頼りっきりなんだから。命を託せる相手だってちゃんと思ってる」
それはもう間違いない。
味方をバフするしか能がない究極の後衛不遇職であるバッファーにとって、前衛アタッカーは文字通り一蓮托生の存在だ。
特に今はアイセルと俺の2人だけのパーティなわけで、お前が死んだら俺も死ぬ状態なわけだし。
だけどアイセルは言った。
「それはパーティのメンバーとして信頼しているだけであって、もっと根っこのところと言いますか、人としては実のところ信用はしてくれてないと思うんです」
「それは──そんなことは――」
そんなことはない――俺はそう言いきることができなかった。
「ケースケ様は裏切られるのが怖いから、誰も信じようとしないんです。どんな相手にも最後の最後のところで距離を置いてるんです。絶対に誰も越えられない壁を心の中に用意してるんです」
「そう……かもな……」
「きっと裏切られても、最初から自分は信じてなんかなかったんだって自分に言い訳をするために」
「あはは、本当にぶっちゃけてきたなぁ。っていうか分かるもんなんだなそういうのって」
「そりゃあ分かりますよ。だってわたしはずっとケースケ様のことを見てましたから。いつだってケースケ様のことを考えていたんですから」
「そ、そうか……うん、ありがとう」
ほんとに今日のアイセルはぐいぐい来るな。
「で、ここからが本題なんですけど、もしいつかケースケ様がわたしのことを心から信用できるようになったら、裏切られないと分かったら――そうしたらきっとケースケ様のインポも治ると思うんです」
「そう……かもな」
あのトラウマが解消される日が来れば、そういう日も来るのかもしれないな──。
「だからわたしはアンジュさんを越えてみせます。ケースケ様の心の中で一番になってみせます! 絶対の絶対に一番になって、ケースケ様のインポも治してみせますから。それがわたしの目標になりました!」
そう言うと、アイセルは俺にぎゅっと抱きついてきた。
「アイセル……ありがとうな、そんな風に言ってもらえてすごく嬉しいよ」
「えへへ、ケースケ様にそう言ってもらえるとわたしも嬉しいです」
「でもその、な?」
「はい、なんでしょう?」
「なんていうかその、あまり若い女の子からインポインポ言われると、男として若干ちょっと心にツラいものがあると言うか……」
「はわっ!? す、すみません! ついわたし熱くなっちゃって! そうですよね、インポインポ言われたらケースケ様も傷つきますよね! なりたくてインポになった訳じゃないのに、わたしみたいなひよっこからインポインポ言われたら悲しいですよね!」
「…………」
「えっと、すみません……わたしは今やっと冷静になりました。本当にすみません。心からお詫びします、ごめんなさい」
「いやいいんだよ……アイセルに悪気がないのは分かってるし、俺がインポなのは事実だしな。それよりなにより、アイセルが気持ちを伝えてくれたことが俺は嬉しかったから」
そう言いながら俺はアイセルをそっと包み込むように抱きしめた。
「えへへ、ケースケ様に抱きしめられちゃいました……えへ、えへへへ……」
「俺のことを好きになってくれてありがとうな、アイセル」
俺の腕の中でにまにまと嬉しそうに笑っているアイセルからは、甘くていい匂いが漂ってきて。
大きな胸や、女の子らしい柔らかい身体が押し付けられて――だけどそれでも悲しいかな、俺の身体はピクリとも反応することはない。
自分の不能っぷりを再確認しながら、それでもどこか安心した気持ちでアイセルを抱きしめていると、
「あの、ケースケ様、今日は一緒に寝てもいいでしょうか?」
アイセルが小さな声でおずおずと尋ねてきた。
「そうだな、今日くらい一緒に寝るか」
「えへへ、やったです……♪」
そのまま俺とアイセルは1つのベッドで横になった。
2人で寝るには手狭なので、アイセルの身体を引き寄せて身を寄せ合って布団をかぶる。
「えへへ、ケースケ様の身体あったかいです……ぬくぬくです……」
「アイセルもあったかいぞ。ふぁ……」
横になるとすぐに眠気が襲ってきた。
なんせ今日は疲れに疲れてるからな。
「お疲れですねケースケ様。討伐クエストの後は歩き詰めでしたもんね。実はわたしもそろそろ眠かったりです」
「アイセルは野営の時に徹夜の番もしてくれたもんな。改めてありがとう、俺とパーティを組んでくれて。俺は今、昔に戻ったみたいですごく充実してるし毎日がすごく楽しいんだ」
「もうケースケ様ってば、それはこっちのセリフですってば。あがり症だったわたしを育ててくれて本当に感謝してます。それと大好きです、えへへ」
「うん、それもありがとな。答えはまだ返せないんだけど」
「今はそれで構いません」
そのまま2人で少し話しながら、だけど俺は眠気に耐え切れなくなっていつの間にか眠りについていたのだった――。
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