S級【バッファー】(←不遇職)の俺、結婚を誓い合った【幼馴染】を【勇者】に寝取られパーティ追放されヒキコモリに→美少女エルフに養って貰います
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
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第一部「大勇者の家庭教師」 第1章
第8話 初クエスト!
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俺が記念すべきパーティ『アルケイン』の初クエストに選んだのは、
「魔獣イービル・イノシシの群れの討伐ですか……」
真剣な表情のアイセルが、ごくりとのどをならした。
「ああ、初クエストにはちょうどいいと思うんだ」
魔獣イービル・イノシシとは、攻撃性が高く凶暴なイノシシだ。
硬いオデコとキバによる集団突進攻撃は、時に複数のBランクパーティですら手に負えないと言われている。
「1対1ならまだしも群れが相手となると、わたしとケースケ様の2人だけでは、さすがにちょっと荷が重すぎないでしょうか?」
イービル・イノシシがよく出没しているという村の近くに向かって歩きながら、アイセルが不安そうに尋ねてくる。
「イービル・イノシシは単体だとCランク案件だよ。常に1対1の局面を作り続ければ余裕で勝てるさ」
「そうは言ってもわたしはまだレベル13の駆け出しですし、実戦経験もほとんどなくて――あ、待って下さい。見えました、イービル・イノシシです。1.5キロくらい先の開けた草原です」
「さすがエルフは目がいいな。俺にはまだ草や低木が生えてるのしか見えてないよ」
エルフをパーティに加えるメリットの一つが、視力や勘の良さだった。
エルフは人間よりもはるかに優れた索敵能力を持っているのだ。
「でもうわぁ。これ20体以上いそうですよ!? 緊張してきちゃいましたし、や、やっぱり辞めたほうが――」
これまで失敗続きだったせいか、アイセルはどうにも弱気だった。
だから俺は、
「S級スキル『天使の加護――エンジェリック・レイヤー』発動」
アイセルの言葉を遮るようにして、有無を言わさずS級のバフスキルを発動した。
すると、
「わわっ!? なんですかこれ、なんだか力がみなぎってきました――!」
アイセルがすぐに驚きで目をぱちくりとさせた。
「どうだ? やれそうな気がしてきただろ?」
「は、はい……! それに不思議なほどに落ち着いています。敵がもうすぐそこにいるっていうのに、全然あがってません」
「全ステータスの25%の大幅向上と精神安定、他にも諸々ついた、これが最強のS級バフスキル『天使の加護――エンジェリック・レイヤー』の効果だよ」
「すごいです……っ!」
「というわけで後は任せた。もう少し距離を詰めたら突撃で。囲まれさえしなければ、今のアイセルなら余裕で勝てるはずだよ」
「わかりました! 行ってまいります!」
アイセルは指示通りにある程度距離を詰めると、一気にイービル・イノシシの群れに向かって突っこんでいった。
まずは先制攻撃で右翼の数体を撃破すると、今度はアイセルに向かってくるイービル・イノシシを次々と斬って捨てていく。
そして俺が最初に指示した通りに、アイセルは低木を背中に背負いながら巧みな位置取りで常に1対1の局面を作りだし、ものの10分もかからずにイービル・イノシシの群れを全滅させたのだった。
ちなみに俺は離れたところで見てるだけだった。
開幕バフったら後は味方の邪魔をしないように待機する――それがバッファーという支援専門の職業だから。
戦闘が終わるのを見計らって、俺はアイセルの元に向かった。
「すごいです、B級の魔獣討伐クエストを、1日もたたないうちにクリアしてしまいました……!」
興奮冷めやらぬアイセルに俺も大満足だ。
普段の身のこなしを見てたから、かなりやれそうな気はしてたんだけど、まさかここまで戦えるとはなぁ。
「な、アイセルなら十分やれるって言っただろ?」
「はい、あがり症がまったく出なくて……こんなすごいスキルを使えるなんて、さすがですケースケ様!」
「いやさすがなのはアイセルだよ。よくやったなアイセル、えらいぞ」
「えへへ、ケースケ様に褒められちゃいまいた……」
「でもそれよりもなによりも、アイセルの筋のよさに驚いたよ。実はかなり本格的に剣術を習ってたのか?」
あれは明らかに我流じゃなかった。
素人剣術ではなく、誰かに師事して体系的に学んだ高度な剣術だった。
「昔、とある王国騎士団の方がわたしの住む村に滞留されていたことがありまして。その時に剣術を教えてもらったんです」
「なるほど、正統騎士剣術か。どうりで洗練されてると思ったよ」
あがり症さえなければ、今頃はとっくに名の知れた魔法戦士になってたのかもな。
「あ、レベルが上がってます。レベル――18です! 一気に5もあがりました!」
「20体以上のイービル・イノシシを倒したわけだからな。そんなもんだろう」
ちなみに経験値は見ているだけの俺にも等分加算されているんだけど、残念ながらレベル120にとっては微々たるプラスにしかなりはしなかった。
「さてと、じゃあ後処理をするか」
「後処理ですか?」
アイセルがキョトンと首をかしげる。
「キバを持って帰るんだよ。イービル・イノシシのキバは薬の材料として、いい値で売れるんだ」
俺がこのクエストを受けたのは、追加のこれが地味に美味しいからでもあった。
1体に付き2本のキバが生えていて。
それが20体以上いるから合計で50本近いキバが手に入るのだ。
ふふふ、これは相当な金額になりそうだな……。
全てのキバをアイセルに切り取ってもらうと、俺たちは意気揚々と冒険者ギルドに報告に向かった。
【ケースケ(バッファー) レベル120】
・スキル
S級スキル『天使の加護――エンジェリック・レイヤー』
【アイセル(魔法戦士) レベル13→18】
・スキル
『疲労軽減』レベル14
『筋力強化』レベル14
『体力強化』レベル14
『武器強化』レベル14
『防具強化』レベル14
『集中』レベル14
『見切り』レベル14
『ツボ押し』レベル14
「魔獣イービル・イノシシの群れの討伐ですか……」
真剣な表情のアイセルが、ごくりとのどをならした。
「ああ、初クエストにはちょうどいいと思うんだ」
魔獣イービル・イノシシとは、攻撃性が高く凶暴なイノシシだ。
硬いオデコとキバによる集団突進攻撃は、時に複数のBランクパーティですら手に負えないと言われている。
「1対1ならまだしも群れが相手となると、わたしとケースケ様の2人だけでは、さすがにちょっと荷が重すぎないでしょうか?」
イービル・イノシシがよく出没しているという村の近くに向かって歩きながら、アイセルが不安そうに尋ねてくる。
「イービル・イノシシは単体だとCランク案件だよ。常に1対1の局面を作り続ければ余裕で勝てるさ」
「そうは言ってもわたしはまだレベル13の駆け出しですし、実戦経験もほとんどなくて――あ、待って下さい。見えました、イービル・イノシシです。1.5キロくらい先の開けた草原です」
「さすがエルフは目がいいな。俺にはまだ草や低木が生えてるのしか見えてないよ」
エルフをパーティに加えるメリットの一つが、視力や勘の良さだった。
エルフは人間よりもはるかに優れた索敵能力を持っているのだ。
「でもうわぁ。これ20体以上いそうですよ!? 緊張してきちゃいましたし、や、やっぱり辞めたほうが――」
これまで失敗続きだったせいか、アイセルはどうにも弱気だった。
だから俺は、
「S級スキル『天使の加護――エンジェリック・レイヤー』発動」
アイセルの言葉を遮るようにして、有無を言わさずS級のバフスキルを発動した。
すると、
「わわっ!? なんですかこれ、なんだか力がみなぎってきました――!」
アイセルがすぐに驚きで目をぱちくりとさせた。
「どうだ? やれそうな気がしてきただろ?」
「は、はい……! それに不思議なほどに落ち着いています。敵がもうすぐそこにいるっていうのに、全然あがってません」
「全ステータスの25%の大幅向上と精神安定、他にも諸々ついた、これが最強のS級バフスキル『天使の加護――エンジェリック・レイヤー』の効果だよ」
「すごいです……っ!」
「というわけで後は任せた。もう少し距離を詰めたら突撃で。囲まれさえしなければ、今のアイセルなら余裕で勝てるはずだよ」
「わかりました! 行ってまいります!」
アイセルは指示通りにある程度距離を詰めると、一気にイービル・イノシシの群れに向かって突っこんでいった。
まずは先制攻撃で右翼の数体を撃破すると、今度はアイセルに向かってくるイービル・イノシシを次々と斬って捨てていく。
そして俺が最初に指示した通りに、アイセルは低木を背中に背負いながら巧みな位置取りで常に1対1の局面を作りだし、ものの10分もかからずにイービル・イノシシの群れを全滅させたのだった。
ちなみに俺は離れたところで見てるだけだった。
開幕バフったら後は味方の邪魔をしないように待機する――それがバッファーという支援専門の職業だから。
戦闘が終わるのを見計らって、俺はアイセルの元に向かった。
「すごいです、B級の魔獣討伐クエストを、1日もたたないうちにクリアしてしまいました……!」
興奮冷めやらぬアイセルに俺も大満足だ。
普段の身のこなしを見てたから、かなりやれそうな気はしてたんだけど、まさかここまで戦えるとはなぁ。
「な、アイセルなら十分やれるって言っただろ?」
「はい、あがり症がまったく出なくて……こんなすごいスキルを使えるなんて、さすがですケースケ様!」
「いやさすがなのはアイセルだよ。よくやったなアイセル、えらいぞ」
「えへへ、ケースケ様に褒められちゃいまいた……」
「でもそれよりもなによりも、アイセルの筋のよさに驚いたよ。実はかなり本格的に剣術を習ってたのか?」
あれは明らかに我流じゃなかった。
素人剣術ではなく、誰かに師事して体系的に学んだ高度な剣術だった。
「昔、とある王国騎士団の方がわたしの住む村に滞留されていたことがありまして。その時に剣術を教えてもらったんです」
「なるほど、正統騎士剣術か。どうりで洗練されてると思ったよ」
あがり症さえなければ、今頃はとっくに名の知れた魔法戦士になってたのかもな。
「あ、レベルが上がってます。レベル――18です! 一気に5もあがりました!」
「20体以上のイービル・イノシシを倒したわけだからな。そんなもんだろう」
ちなみに経験値は見ているだけの俺にも等分加算されているんだけど、残念ながらレベル120にとっては微々たるプラスにしかなりはしなかった。
「さてと、じゃあ後処理をするか」
「後処理ですか?」
アイセルがキョトンと首をかしげる。
「キバを持って帰るんだよ。イービル・イノシシのキバは薬の材料として、いい値で売れるんだ」
俺がこのクエストを受けたのは、追加のこれが地味に美味しいからでもあった。
1体に付き2本のキバが生えていて。
それが20体以上いるから合計で50本近いキバが手に入るのだ。
ふふふ、これは相当な金額になりそうだな……。
全てのキバをアイセルに切り取ってもらうと、俺たちは意気揚々と冒険者ギルドに報告に向かった。
【ケースケ(バッファー) レベル120】
・スキル
S級スキル『天使の加護――エンジェリック・レイヤー』
【アイセル(魔法戦士) レベル13→18】
・スキル
『疲労軽減』レベル14
『筋力強化』レベル14
『体力強化』レベル14
『武器強化』レベル14
『防具強化』レベル14
『集中』レベル14
『見切り』レベル14
『ツボ押し』レベル14
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