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第3章 新1年生の親睦バスケットボール大会
第41話 勝利の瞬間
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「うぉああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――!!!!」
試合をひっくり返すビクトリーショットを見届けた僕は、本能のおもむくままに獣のような雄たけびを上げると、渾身のガッツポーズをした。
1度きりではなく、2度、3度、4度、5度と、僕は握った拳をブンブンと上下させる。
感情が昂って、燃え盛って、爆発してしまって、それが自分で分かっているのに抑えることができない。
こんなにも感情が溢れたのは、いったいいつ以来だろうか?
たかが親睦球技大会のシュート1本。
成績にもなんにも関係しない、記録すらされない2得点。
だけど今のシュートは僕にとって、これ以上なく重くて、大切で、意味があって、何よりも想いのこもった1本だった。
喜びを爆発させる僕の所に、チームメイトたちが一斉に駆け寄ってくる。
「やりやがったな神崎兄!」
「ナイシュー!」
「今のマジヤバイって!」
「さすがにこの結末は、詰将棋で鍛えた俺の頭脳でも予測できなかったよ」
僕は首にガシッと腕を回され、背中をバシバシと叩かれ、髪の毛をワシャワシャっと荒っぽく撫でられてと、一瞬でもみくちゃにされる。
「みんな、ありがとう! それもこれも、みんなが一丸になって気合でボールを回してくれたおかげだよ!」
手洗い祝福を受けながら、僕はチームメイトたちに最大限の感謝の言葉を伝えた。
あのシュートは、決して僕だけの力で決められたシュートじゃない。
みんなの必死のプレーでボールを奪い、そこから繋がって、最後はひまりちゃんの声援も後押ししてくれて。
つまりみんなの力が合わさって、僕にあのシュートを決めさせてくれたのだ。
「謙遜すんなってーの。見ててバチクソヤバかったからよー! 俺、声出ちゃってたもん。イケーって!」
「そうそう! リングに当てて跳ね返ったのを空中で取ってそのままシュートとか、なかなかのエンターテイナーっぷりだったじゃんか。もうお前、ラノベ作家目指せよ!」
「一人アリウープでブザービーター逆転ゴールとか、おまえ漫画の主人公かよって思ったぜ!」
「まさに神の一手だったね。例えるなら、竜王戦で見せた藤井聡太の▲4一銀。賞賛以外の言葉では語れないよ」
最後の例えだけちょっと意味が分からなかったけど、みんなも僕と同じようにテンションが上がっていることは、これでもかと感じられる。
「あれは狙ったわけじゃないんだけどね。むしろ最初のシュートが入ってくれたら、全然それでよかったんだけど」
僕は苦笑いを返すと「って、それより石崎は怪我は大丈夫なのか?」と、さっきボールを空中でコート内に戻す時に、ちょっと怖い落ち方をした石崎に尋ねた。
あの時はせっかく繋いでくれたボールを、なんとかゴールに繋げるんだって必死だったから後回しにしてしまったけど、石崎が骨折でもしていたら大変だ。
「そういや興奮しすぎてすっかり忘れてた。うん、痛いは痛いけど、わりと大丈夫だな。骨とかは折れてないっぽい」
しかし石崎はケロッとした顔で、落ちた方の肩をグルグル回しながら元気な返事を返してきたので、僕は一安心した。
大事には至らなかったようで、なによりだ。
勝ったのは嬉しいけど、そのためにチームメイトが大怪我をしていたら喜びも半減というものだ。
「あっと、そろそろ整列しないとだよ。行こう」
僕たちは興奮冷めやらぬままに試合終了の礼をすると―─負けた5組のメンバーからも興奮気味にお褒めの言葉を頂いた――コートを後にして、今度は1組のクラス席へと向かう。
すると同じように喜びはしゃぐクラスメイト達の中から、ひまりちゃんがスルスルッと抜け出て話しかけてきた。
試合をひっくり返すビクトリーショットを見届けた僕は、本能のおもむくままに獣のような雄たけびを上げると、渾身のガッツポーズをした。
1度きりではなく、2度、3度、4度、5度と、僕は握った拳をブンブンと上下させる。
感情が昂って、燃え盛って、爆発してしまって、それが自分で分かっているのに抑えることができない。
こんなにも感情が溢れたのは、いったいいつ以来だろうか?
たかが親睦球技大会のシュート1本。
成績にもなんにも関係しない、記録すらされない2得点。
だけど今のシュートは僕にとって、これ以上なく重くて、大切で、意味があって、何よりも想いのこもった1本だった。
喜びを爆発させる僕の所に、チームメイトたちが一斉に駆け寄ってくる。
「やりやがったな神崎兄!」
「ナイシュー!」
「今のマジヤバイって!」
「さすがにこの結末は、詰将棋で鍛えた俺の頭脳でも予測できなかったよ」
僕は首にガシッと腕を回され、背中をバシバシと叩かれ、髪の毛をワシャワシャっと荒っぽく撫でられてと、一瞬でもみくちゃにされる。
「みんな、ありがとう! それもこれも、みんなが一丸になって気合でボールを回してくれたおかげだよ!」
手洗い祝福を受けながら、僕はチームメイトたちに最大限の感謝の言葉を伝えた。
あのシュートは、決して僕だけの力で決められたシュートじゃない。
みんなの必死のプレーでボールを奪い、そこから繋がって、最後はひまりちゃんの声援も後押ししてくれて。
つまりみんなの力が合わさって、僕にあのシュートを決めさせてくれたのだ。
「謙遜すんなってーの。見ててバチクソヤバかったからよー! 俺、声出ちゃってたもん。イケーって!」
「そうそう! リングに当てて跳ね返ったのを空中で取ってそのままシュートとか、なかなかのエンターテイナーっぷりだったじゃんか。もうお前、ラノベ作家目指せよ!」
「一人アリウープでブザービーター逆転ゴールとか、おまえ漫画の主人公かよって思ったぜ!」
「まさに神の一手だったね。例えるなら、竜王戦で見せた藤井聡太の▲4一銀。賞賛以外の言葉では語れないよ」
最後の例えだけちょっと意味が分からなかったけど、みんなも僕と同じようにテンションが上がっていることは、これでもかと感じられる。
「あれは狙ったわけじゃないんだけどね。むしろ最初のシュートが入ってくれたら、全然それでよかったんだけど」
僕は苦笑いを返すと「って、それより石崎は怪我は大丈夫なのか?」と、さっきボールを空中でコート内に戻す時に、ちょっと怖い落ち方をした石崎に尋ねた。
あの時はせっかく繋いでくれたボールを、なんとかゴールに繋げるんだって必死だったから後回しにしてしまったけど、石崎が骨折でもしていたら大変だ。
「そういや興奮しすぎてすっかり忘れてた。うん、痛いは痛いけど、わりと大丈夫だな。骨とかは折れてないっぽい」
しかし石崎はケロッとした顔で、落ちた方の肩をグルグル回しながら元気な返事を返してきたので、僕は一安心した。
大事には至らなかったようで、なによりだ。
勝ったのは嬉しいけど、そのためにチームメイトが大怪我をしていたら喜びも半減というものだ。
「あっと、そろそろ整列しないとだよ。行こう」
僕たちは興奮冷めやらぬままに試合終了の礼をすると―─負けた5組のメンバーからも興奮気味にお褒めの言葉を頂いた――コートを後にして、今度は1組のクラス席へと向かう。
すると同じように喜びはしゃぐクラスメイト達の中から、ひまりちゃんがスルスルッと抜け出て話しかけてきた。
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