『帰還勇者のRe:スクール(学園無双)』~リエナIf~異世界を救って帰還したら聖女がついてきたのでイチャコラ同棲して面倒をみようと思います。
マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫
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第3章 文化祭
第57話 再戦の約束
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「お前が俺と戦いたくてしょうがないのはよく分かった。そこについてはもう議論はしない」
「うむ、勇者殿は物分かりが良くて助かるのじゃ」
「だけど俺にも譲れない条件がある」
「ふむ、なんじゃ?」
「俺の出す条件はただ1つ、戦うための場所を用意してくれ。砂漠でもどこでもいい、周辺に人がいなくてお互いに全力を出せる場所だ。そこでなら戦ってやってもいい。それが俺が出す最低限かつ絶対の条件だ」
「うむ、ならば戦いに相応しい場所は妾が用意するとしよう。余計なことに気を使って本来の力が出せぬなどと言われては、興ざめじゃからの」
「その言い方……どこか当てでもあるのか?」
「なくはないのじゃよ。しかしさすがの妾もすぐには少々難しくてのぅ。少し待つがよいのじゃ」
「分かった」
「ではまた近いうちに会おうぞ勇者シュウヘイ=オダ。今日は実に楽しかったのじゃ。次は思う存分戦おうぞ?」
「万が一気が変わったらいつでも連絡してくれて構わないからな?」
「心配せずとも、億が一にもこの焦がれる気持ちは変わることはないのじゃよ」
「だよな。ちなみにどうやって俺にコンタクトとるんだ? 俺の家は知らないよな? 連絡が付かないからって、逃げたと思って暴れられると困るんだがな?」
「ドラゴンの知覚能力は極めて鋭敏じゃ。既に勇者殿の気配は覚えたゆえ問題はない。この辺りに住んでおれば、気配を隠して忍んでおっても見つけることは容易いのじゃよ」
「リエナよりも鋭い探知能力を持っているってことかよ。まったくこれだからドラゴンってのは規格外で嫌になるんだ……」
単純な戦闘時の強さだけでなく、何をさせても最高クラスのスペックを誇るのがこのドラゴンという超越種なのだ。
やれやれまったく。
やっと元の世界に戻ってこれたってのに、よりにもよってドラゴンに追いかけてこられるとか、さすがの鋼メンタルの俺も溜息しか出てこないぞ。
「ではさらばじゃ」
言いたいことを言い終えたドラグレリアが踵を返して立ち去っていく。
「じゃあな」
俺は悟りにも似た諦めの境地で小さく手を振りながら、遠ざかっていくドラグレリアの背中を見送った。
こうして皇竜姫ドラグレリアとの腕相撲は、引き分けという形で終わったのだった。
その後。
俺は速攻で『運動部有志連合プレゼンツ! 腕相撲チャレンジ! 参加無料、乞う、力自慢!!』の皆さんに謝罪した。
「腕相撲台を壊してしまって申し訳ありませんでした」
当たり前だが器物破損である。
しかもかなり派手にやってしまった。
もちろん腕相撲とはいえ勇者とドラゴンが力を開放して戦ったのだから、腕相撲台が壊れて引き分けという程度で済んだのはある意味ラッキーではあるんだけれど。
それはあくまでこっちの事情なわけで。
「いやいや、対戦中に壊れちゃったのはこっちの落ち度だから」
「大丈夫だった? 怪我はない?」
しかしそういった事情を何も知らない皆さんは、俺に優しい言葉で心配の言葉をかけてくれる。
事情は言えないとはいえ、こうやって親身に心配してくれる相手に何も説明できないのはかなり申し訳なく感じるな……。
「はい、怪我とかは全くないのでそこは大丈夫です。でも弁償は厳しいのでなんとか作り直します。こう見えて工作は得意なんですよ」
どんな武器でも超一流で扱えるようになる勇者スキル『ブレードマスター』は、本来は聖剣『ストレルカ』を扱うための戦闘用スキルだ。
だけどのこぎりや金づちといった、武器とよく似た性質を持つ工作道具にはまず間違いなくスキルの効果が発動してくれるので、俺は大工仕事もお手の物なのだ。
「うむ、勇者殿は物分かりが良くて助かるのじゃ」
「だけど俺にも譲れない条件がある」
「ふむ、なんじゃ?」
「俺の出す条件はただ1つ、戦うための場所を用意してくれ。砂漠でもどこでもいい、周辺に人がいなくてお互いに全力を出せる場所だ。そこでなら戦ってやってもいい。それが俺が出す最低限かつ絶対の条件だ」
「うむ、ならば戦いに相応しい場所は妾が用意するとしよう。余計なことに気を使って本来の力が出せぬなどと言われては、興ざめじゃからの」
「その言い方……どこか当てでもあるのか?」
「なくはないのじゃよ。しかしさすがの妾もすぐには少々難しくてのぅ。少し待つがよいのじゃ」
「分かった」
「ではまた近いうちに会おうぞ勇者シュウヘイ=オダ。今日は実に楽しかったのじゃ。次は思う存分戦おうぞ?」
「万が一気が変わったらいつでも連絡してくれて構わないからな?」
「心配せずとも、億が一にもこの焦がれる気持ちは変わることはないのじゃよ」
「だよな。ちなみにどうやって俺にコンタクトとるんだ? 俺の家は知らないよな? 連絡が付かないからって、逃げたと思って暴れられると困るんだがな?」
「ドラゴンの知覚能力は極めて鋭敏じゃ。既に勇者殿の気配は覚えたゆえ問題はない。この辺りに住んでおれば、気配を隠して忍んでおっても見つけることは容易いのじゃよ」
「リエナよりも鋭い探知能力を持っているってことかよ。まったくこれだからドラゴンってのは規格外で嫌になるんだ……」
単純な戦闘時の強さだけでなく、何をさせても最高クラスのスペックを誇るのがこのドラゴンという超越種なのだ。
やれやれまったく。
やっと元の世界に戻ってこれたってのに、よりにもよってドラゴンに追いかけてこられるとか、さすがの鋼メンタルの俺も溜息しか出てこないぞ。
「ではさらばじゃ」
言いたいことを言い終えたドラグレリアが踵を返して立ち去っていく。
「じゃあな」
俺は悟りにも似た諦めの境地で小さく手を振りながら、遠ざかっていくドラグレリアの背中を見送った。
こうして皇竜姫ドラグレリアとの腕相撲は、引き分けという形で終わったのだった。
その後。
俺は速攻で『運動部有志連合プレゼンツ! 腕相撲チャレンジ! 参加無料、乞う、力自慢!!』の皆さんに謝罪した。
「腕相撲台を壊してしまって申し訳ありませんでした」
当たり前だが器物破損である。
しかもかなり派手にやってしまった。
もちろん腕相撲とはいえ勇者とドラゴンが力を開放して戦ったのだから、腕相撲台が壊れて引き分けという程度で済んだのはある意味ラッキーではあるんだけれど。
それはあくまでこっちの事情なわけで。
「いやいや、対戦中に壊れちゃったのはこっちの落ち度だから」
「大丈夫だった? 怪我はない?」
しかしそういった事情を何も知らない皆さんは、俺に優しい言葉で心配の言葉をかけてくれる。
事情は言えないとはいえ、こうやって親身に心配してくれる相手に何も説明できないのはかなり申し訳なく感じるな……。
「はい、怪我とかは全くないのでそこは大丈夫です。でも弁償は厳しいのでなんとか作り直します。こう見えて工作は得意なんですよ」
どんな武器でも超一流で扱えるようになる勇者スキル『ブレードマスター』は、本来は聖剣『ストレルカ』を扱うための戦闘用スキルだ。
だけどのこぎりや金づちといった、武器とよく似た性質を持つ工作道具にはまず間違いなくスキルの効果が発動してくれるので、俺は大工仕事もお手の物なのだ。
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