『帰還勇者のRe:スクール(学園無双)』~リエナIf~異世界を救って帰還したら聖女がついてきたのでイチャコラ同棲して面倒をみようと思います。
マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫
文字の大きさ
大中小
3 / 88
第1章 異世界を救った勇者、リエナと共に現実世界に帰還する。
第3話 現状確認
しおりを挟む
「わわっ、勇者スキルもそっくりそのままこちらの世界でも使えるんですね! ということはこの世界に来ても、女神アテナイの加護はちゃんと繋がっているんですね」
異世界『オーフェルマウス』での俺は女神アテナイから強力な加護を授かり、それを様々な勇者スキルとして使用することができた。
『女神の祝福』はその中でも最強のスキルで。
身体能力を大幅に底上げするとともに、強大な聖なる力を使えるようになる、言わば勇者の力そのものと言ってもいい戦闘用のスキルだ。
そして女神アテナイに与えられた勇者の力は、元の世界に戻ってきた今も使えるようだった。
おそらくリエナも同じように神術を使えることだろう。
「でもこれって現実世界に異世界のスキルを持ち込む――いわゆるチートってやつだよな?」
しかも俺の場合は世界を救った勇者の力という、文字通り最強のスキルだ。
100メートルをわずか5秒で駆け、軽く20メートルを跳び、巨大な岩をワンパンで粉々に粉砕するその力は、チートの中でも最上級なのは間違いない。
「そうなりますね。女神アテナイの加護が薄いせいか少し神術の発動と効果が鈍い気はしますけど、私もほぼ問題なく神術が使えますし」
リエナが光を発生させたり風を起こしたりと簡単な神術をいくつか適当に使ってみながら、その使用感を確かめている。
「そうか? 俺は特に性能が落ちてるとかそういう風には感じないんだけどな?」
俺としてはスキルを使用した感覚は、異世界『オーフェルマウス』にいた時と全く同じだ。
「そこはやはり勇者様が特別なんでしょう。なにせ勇者様は、史上最も強く女神アテナイの加護を受けられる伝説級の人間なんですから」
ちなみに俺が異世界召喚されたのもそれが理由だった。
現地の人間より、女神アテナイとは縁もゆかりもない異世界の俺の方が勇者としての適正値が高いってのも、ちょっと不思議な感じだけど。
まあその話は全て終わった今となっては今さらだな。
「それでもさすがに聖剣『ストレルカ』まではついてこなかったみたいだけどな」
5年に渡って共に激闘を潜り抜けた俺の愛剣は、向こうの世界にいた時はたとえ手を放していても常に俺と繋がっている不思議な感覚があった。
だけど今はもうその強大な存在感を、俺はほんの少しも感じることができないでいた。
「それは仕方ありませんよ。聖剣『ストレルカ』は女神アテナイの神力をそのまま分け与えられたと言い伝えられる、まさに神の力そのものなんですから」
「まぁ聖剣を持ってこれたとしても銃刀法違反とかで捕まるだけだしな。この世界には聖剣が必要になる強大な魔王がいるわけでもないし、いらないっちゃいらないか」
魔王を倒すための聖剣とか、日本じゃ宝の持ち腐れもいいところだ。
あれはこの先また現れるであろう、新しい神託の勇者に受け継いでもらおう。
「えっ、この世界では勇者様が聖剣を持っていても捕まるんですか?」
そして俺が気にも留めなかったところに反応するリエナ。
「ああうん、残念ながら俺はこの世界じゃ勇者じゃなくてただの平凡な高校生なんだよ。リエナもそのつもりでいてくれな」
「分かりました」
「ついでに日本――えっと今いる国じゃ、武器を正当な理由なく所持するのは禁止なんだ。料理に使う包丁ですら、特に理由持ち歩くと逮捕されるくらいで」
「そう言えば転移する前はとても治安がいい国に住んでいたと言っておられたような……本当に平和な国なんですね。ビックリです」
「ま、異世界で5年も勇者として戦ったんだ。こっちの世界ではちょっとくらい楽させてもらっても罰は当たらないよな」
「ですね♪」
――と、
「修平、いつまで寝てるの。今日から2学期でしょ。そろそろ起きないと始業式から遅刻するわよ」
とても懐かしい声がしたかと思うと。
ガチャリ。
ノックもなしに母さんが部屋のドアを開けて入ってこようとした――!
異世界『オーフェルマウス』での俺は女神アテナイから強力な加護を授かり、それを様々な勇者スキルとして使用することができた。
『女神の祝福』はその中でも最強のスキルで。
身体能力を大幅に底上げするとともに、強大な聖なる力を使えるようになる、言わば勇者の力そのものと言ってもいい戦闘用のスキルだ。
そして女神アテナイに与えられた勇者の力は、元の世界に戻ってきた今も使えるようだった。
おそらくリエナも同じように神術を使えることだろう。
「でもこれって現実世界に異世界のスキルを持ち込む――いわゆるチートってやつだよな?」
しかも俺の場合は世界を救った勇者の力という、文字通り最強のスキルだ。
100メートルをわずか5秒で駆け、軽く20メートルを跳び、巨大な岩をワンパンで粉々に粉砕するその力は、チートの中でも最上級なのは間違いない。
「そうなりますね。女神アテナイの加護が薄いせいか少し神術の発動と効果が鈍い気はしますけど、私もほぼ問題なく神術が使えますし」
リエナが光を発生させたり風を起こしたりと簡単な神術をいくつか適当に使ってみながら、その使用感を確かめている。
「そうか? 俺は特に性能が落ちてるとかそういう風には感じないんだけどな?」
俺としてはスキルを使用した感覚は、異世界『オーフェルマウス』にいた時と全く同じだ。
「そこはやはり勇者様が特別なんでしょう。なにせ勇者様は、史上最も強く女神アテナイの加護を受けられる伝説級の人間なんですから」
ちなみに俺が異世界召喚されたのもそれが理由だった。
現地の人間より、女神アテナイとは縁もゆかりもない異世界の俺の方が勇者としての適正値が高いってのも、ちょっと不思議な感じだけど。
まあその話は全て終わった今となっては今さらだな。
「それでもさすがに聖剣『ストレルカ』まではついてこなかったみたいだけどな」
5年に渡って共に激闘を潜り抜けた俺の愛剣は、向こうの世界にいた時はたとえ手を放していても常に俺と繋がっている不思議な感覚があった。
だけど今はもうその強大な存在感を、俺はほんの少しも感じることができないでいた。
「それは仕方ありませんよ。聖剣『ストレルカ』は女神アテナイの神力をそのまま分け与えられたと言い伝えられる、まさに神の力そのものなんですから」
「まぁ聖剣を持ってこれたとしても銃刀法違反とかで捕まるだけだしな。この世界には聖剣が必要になる強大な魔王がいるわけでもないし、いらないっちゃいらないか」
魔王を倒すための聖剣とか、日本じゃ宝の持ち腐れもいいところだ。
あれはこの先また現れるであろう、新しい神託の勇者に受け継いでもらおう。
「えっ、この世界では勇者様が聖剣を持っていても捕まるんですか?」
そして俺が気にも留めなかったところに反応するリエナ。
「ああうん、残念ながら俺はこの世界じゃ勇者じゃなくてただの平凡な高校生なんだよ。リエナもそのつもりでいてくれな」
「分かりました」
「ついでに日本――えっと今いる国じゃ、武器を正当な理由なく所持するのは禁止なんだ。料理に使う包丁ですら、特に理由持ち歩くと逮捕されるくらいで」
「そう言えば転移する前はとても治安がいい国に住んでいたと言っておられたような……本当に平和な国なんですね。ビックリです」
「ま、異世界で5年も勇者として戦ったんだ。こっちの世界ではちょっとくらい楽させてもらっても罰は当たらないよな」
「ですね♪」
――と、
「修平、いつまで寝てるの。今日から2学期でしょ。そろそろ起きないと始業式から遅刻するわよ」
とても懐かしい声がしたかと思うと。
ガチャリ。
ノックもなしに母さんが部屋のドアを開けて入ってこようとした――!
0
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!(改訂版)
IXA
ファンタジー
凡そ三十年前、この世界は一変した。
世界各地に次々と現れた天を突く蒼の塔、それとほぼ同時期に発見されたのが、『ダンジョン』と呼ばれる奇妙な空間だ。
不気味で異質、しかしながらダンジョン内で手に入る資源は欲望を刺激し、ダンジョン内で戦い続ける『探索者』と呼ばれる職業すら生まれた。そしていつしか人類は拒否感を拭いきれずも、ダンジョンに依存する生活へ移行していく。
そんなある日、ちっぽけな少女が探索者協会の扉を叩いた。
諸事情により金欠な彼女が探索者となった時、世界の流れは大きく変わっていくこととなる……
人との出会い、無数に折り重なる悪意、そして隠された真実と絶望。
夢見る少女の戦いの果て、ちっぽけな彼女は一体何を選ぶ?
絶望に、立ち向かえ。
【シスコン】シスターコントロール ~兄のダンジョン探索を動画サイトで配信して妹はバズりたい!~【探索配信】
釈 余白(しやく)
ファンタジー
西暦202x年、日本を襲った未曾有の大災害『日本列島地殻変動』により日本での生活環境は一変してしまった。日本中にダンジョンと呼ばれる地下洞窟が口を開き、周辺からは毒ガスが噴出すると言った有様だ。
異変から約一年、毒ガスの影響なのか定かではないが、新生児の中に毒ガスに適応できる肺機能を持った者たちが現れ始めていた。さらにその中の数%には優れた身体能力や頭脳を持つ者や、それだけでなく従来とは異なった超能力と言える特殊な異能力を持つ者もいた。
さらに八十年ほどが過ぎて二十二世紀に入ったころには人々の生活は落ち着き、ダンジョンを初めとする悪辣な環境が当たり前となっていた。そんなすさんだ世の中、人々の娯楽で一番人気なのはダンジョンを探索する限られた者たちの様子をリアルタイムで鑑賞することだった。
この物語は、ダンジョン探索に情熱を燃やす綾瀬六雨(あやせ りくう)と、その様子を配信してバズりたい綾瀬紗由(あやせ さゆ)という、どこにでもいるごく普通の兄妹が身近な人たちと協力し楽しく冒険するお話です。
【草】限定の錬金術師は辺境の地で【薬屋】をしながらスローライフを楽しみたい!
黒猫
ファンタジー
旅行会社に勤める会社の山神 慎太郎。32歳。
登山に出かけて事故で死んでしまう。
転生した先でユニークな草を見つける。
手にした錬金術で生成できた物は……!?
夢の【草】ファンタジーが今、始まる!!
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる