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INTERLUDE13
INTERLUDE13
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愛宕中央署の津浪刑事は、両手両足を縛られたまま正座させられていた。
コンビを組んでいた本庁の女性刑事が、目の前で全裸の状態で犯されているのを、ただ黙って指を咥えて見ているだけだった。男の性というのか、無情にも下半身は反応し、津浪の意思に反して勃起していた。
あれは女だ。身形は男の格好をしているが、性犯罪捜査第三係の友田昌枝巡査部長を犯している奴は、紛れもなく女性だ。
津浪は、目の前で繰り広げられている地獄のような光景を脳裏に焼き付けようと必死だった。
両サイド奇麗に刈り上げた短髪の瓜実顔の女が、腰にペニスバンドを着け、友田を犯している。冷酷さを物語る切れ長の目と酷薄な薄い唇を持つ女が、振り向き様に津波に告げた。
「次は、お前だよ」
その瞬間、津浪は背筋に冷たいものを感じ、痙攣した。
女の右乳房には、髑髏のピアスがついていた。だが、左乳房は大きく抉られて、痛々しい傷痕があった。
この数時間前、津波と友田は、芝公園付近の防犯カメラに映っていた当該車両ホンダシビックTypeRのナンバーを割り出し、所有者を特定した。
所有者は、二階堂恵美という名前の女性だった。
女には前科があった。十二年前、当時T女子医大二回生だった二階堂恵美は、同じ大学の看護学科に通う藤代真由美という女性を拉致して強姦した。
事件後、真由美は自殺した。
恵美は、裁判過程で彼女の精神鑑定を行った精神科医平泉准教授の鑑定結果が採用され、重度の解離性同一性障害、つまり俗にいう多重人格症ということで、刑法第三十九条に基づき無罪となった。恵美には、解離性同一性障害の他にも性同一性障害と反社会性人格障害が認められた。
釈放後、当時警察官だった真由美の兄が恵美を襲い、辱めを受け自殺した妹と同じことを犯人に対し行った。左乳房を抉り取ったのだ。
真由美の兄は駆け付けた警察官によってその場で取り押さえられ逮捕された。そして懲戒免職となった。
所有者を割り出した津浪と友田の二人は、彼女の自宅アパートの前で網を張り待つことにした。新宿区佐門町○○‐○の『メゾン四谷』四階の角部屋、四〇八号室だ。
午後一時前。当該車両ホンダシビックTypeRを運転する被疑者二階堂恵美が『メゾン四谷』に現れ、駐車場に車を停めた。
功を急いだ津浪と友田は、応援を呼ばずに被疑者に接近して接触した。それが間違いだった。
「二階堂恵美さんですね?」
津波は警察手帳を提示した。
「はい。そうですけど」
デニムに黒地のロングTシャツにジャケットというラフでボーイッシュなスタイルの彼女は、微笑を浮かべ頷いた。
「お話があります。我々とご同行して頂けますか?」
「任意ですか?」
「はい」
「……わかりました。このなりじゃちょっと変ですので、上で着替えてきます。あのここじゃ人目に付きますので、よかったら私の部屋に入ってください」
恵美は、津浪ともう一人の女性刑事に柔らかい口調で声を掛けた。
二人はお互いの顔を見て、頷き合ったあと、
「わかりました」
と返事した。
恵美がポケットから部屋の鍵を取り出し、ドアを開けた。
「狭い部屋ですがどうぞ」
と二人を招き入れた。
恵美は突然、玄関の下駄箱の上に置かれた何かのスプレー缶を手に取り、自分の鼻をハンカチで押さえると、それを辺りに捲いた。捲かれた瞬間、津浪は目と鼻に強烈な痛みを感じた。
「な、何をするんだぁ!?」
恵美は臆することなく、下駄箱の上のスタンガンを手に取り、素早く津浪と友田の自由を奪った。
津浪が次に気付くと、目の前に悪夢のような光景が広がっていた。
完全に抵抗する気も失せた友田が、全裸のまま恵美に犯されていたのだ。友田は淫らな声を出していた。
「おい、止めろ。俺たちをどうする気だ?」
「どうされたい?」
恵美は悪魔のような微笑を唇の端に浮かべた。まるで蜥蜴のような長いその真っ赤な舌を出し、薄い上唇をひと舐めすると、次に友田の背骨に沿って舐めていった。
「お前、助けて欲しければこの女を犯せ」
「何をいっているんだぁ!? そんなことできる訳ないだろう」
「お前がこの女を犯さなかったら、殺すぞ……」
「殺すって……? おい」
「勿論、お前じゃない。この女の方だ。さあ、どうする?」
酷薄な唇の端に薄ら笑いを浮かべいうと、恵美はメスを友田の背中に当てた。そして背骨に沿って滑らせていった。一筋の赤い線が浮き上がった。そこから鮮血が滴り落ちた。
恵美は津浪に悪魔の選択を迫ったのだ。
「……わ、わかった。やる、やるよ。だからもう彼女を傷付けるのは止めてくれ……」
津浪は泣きながら懇願した。
コンビを組んでいた本庁の女性刑事が、目の前で全裸の状態で犯されているのを、ただ黙って指を咥えて見ているだけだった。男の性というのか、無情にも下半身は反応し、津浪の意思に反して勃起していた。
あれは女だ。身形は男の格好をしているが、性犯罪捜査第三係の友田昌枝巡査部長を犯している奴は、紛れもなく女性だ。
津浪は、目の前で繰り広げられている地獄のような光景を脳裏に焼き付けようと必死だった。
両サイド奇麗に刈り上げた短髪の瓜実顔の女が、腰にペニスバンドを着け、友田を犯している。冷酷さを物語る切れ長の目と酷薄な薄い唇を持つ女が、振り向き様に津波に告げた。
「次は、お前だよ」
その瞬間、津浪は背筋に冷たいものを感じ、痙攣した。
女の右乳房には、髑髏のピアスがついていた。だが、左乳房は大きく抉られて、痛々しい傷痕があった。
この数時間前、津波と友田は、芝公園付近の防犯カメラに映っていた当該車両ホンダシビックTypeRのナンバーを割り出し、所有者を特定した。
所有者は、二階堂恵美という名前の女性だった。
女には前科があった。十二年前、当時T女子医大二回生だった二階堂恵美は、同じ大学の看護学科に通う藤代真由美という女性を拉致して強姦した。
事件後、真由美は自殺した。
恵美は、裁判過程で彼女の精神鑑定を行った精神科医平泉准教授の鑑定結果が採用され、重度の解離性同一性障害、つまり俗にいう多重人格症ということで、刑法第三十九条に基づき無罪となった。恵美には、解離性同一性障害の他にも性同一性障害と反社会性人格障害が認められた。
釈放後、当時警察官だった真由美の兄が恵美を襲い、辱めを受け自殺した妹と同じことを犯人に対し行った。左乳房を抉り取ったのだ。
真由美の兄は駆け付けた警察官によってその場で取り押さえられ逮捕された。そして懲戒免職となった。
所有者を割り出した津浪と友田の二人は、彼女の自宅アパートの前で網を張り待つことにした。新宿区佐門町○○‐○の『メゾン四谷』四階の角部屋、四〇八号室だ。
午後一時前。当該車両ホンダシビックTypeRを運転する被疑者二階堂恵美が『メゾン四谷』に現れ、駐車場に車を停めた。
功を急いだ津浪と友田は、応援を呼ばずに被疑者に接近して接触した。それが間違いだった。
「二階堂恵美さんですね?」
津波は警察手帳を提示した。
「はい。そうですけど」
デニムに黒地のロングTシャツにジャケットというラフでボーイッシュなスタイルの彼女は、微笑を浮かべ頷いた。
「お話があります。我々とご同行して頂けますか?」
「任意ですか?」
「はい」
「……わかりました。このなりじゃちょっと変ですので、上で着替えてきます。あのここじゃ人目に付きますので、よかったら私の部屋に入ってください」
恵美は、津浪ともう一人の女性刑事に柔らかい口調で声を掛けた。
二人はお互いの顔を見て、頷き合ったあと、
「わかりました」
と返事した。
恵美がポケットから部屋の鍵を取り出し、ドアを開けた。
「狭い部屋ですがどうぞ」
と二人を招き入れた。
恵美は突然、玄関の下駄箱の上に置かれた何かのスプレー缶を手に取り、自分の鼻をハンカチで押さえると、それを辺りに捲いた。捲かれた瞬間、津浪は目と鼻に強烈な痛みを感じた。
「な、何をするんだぁ!?」
恵美は臆することなく、下駄箱の上のスタンガンを手に取り、素早く津浪と友田の自由を奪った。
津浪が次に気付くと、目の前に悪夢のような光景が広がっていた。
完全に抵抗する気も失せた友田が、全裸のまま恵美に犯されていたのだ。友田は淫らな声を出していた。
「おい、止めろ。俺たちをどうする気だ?」
「どうされたい?」
恵美は悪魔のような微笑を唇の端に浮かべた。まるで蜥蜴のような長いその真っ赤な舌を出し、薄い上唇をひと舐めすると、次に友田の背骨に沿って舐めていった。
「お前、助けて欲しければこの女を犯せ」
「何をいっているんだぁ!? そんなことできる訳ないだろう」
「お前がこの女を犯さなかったら、殺すぞ……」
「殺すって……? おい」
「勿論、お前じゃない。この女の方だ。さあ、どうする?」
酷薄な唇の端に薄ら笑いを浮かべいうと、恵美はメスを友田の背中に当てた。そして背骨に沿って滑らせていった。一筋の赤い線が浮き上がった。そこから鮮血が滴り落ちた。
恵美は津浪に悪魔の選択を迫ったのだ。
「……わ、わかった。やる、やるよ。だからもう彼女を傷付けるのは止めてくれ……」
津浪は泣きながら懇願した。
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