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INTERLUDE 3
INTERLUDE3
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小林清志の実母野瀬佐和子という女性は、完全なネグレストだった。清志は、蛍光管ベビーとして育った。そのことが、彼をあの残忍な犯行に駆り立てた一因となった。清志の父親瀬野清春という男性には、サイコパシー傾向があった。非常に酒癖が悪く、屡々妻の佐和子や息子の清志に暴力を振るっていた。更に定職にも就かず、職を転々としており、一時期は広域指定暴力団Y組系の組織に所属していた。母佐和子も、夫の舎弟に当たる人物と不倫関係にあった。清志は、両親から全く愛情を受けず成長したのだ。
清志が小学校二年の夏、父清春が覚醒剤の中毒で急死すると、母佐和子の実家がある八王子市犬目町へ転居した。だが相変わらず母佐和子は男癖が悪く自堕落な生活を送っていた。小学校での清志は、目立たない存在で友人も少なく、孤独を好む少年だった。そのため高学年になると、同級生からいじめを受ける対象となった。
中学校時代には、同級生から悪魔と呼ばれ、二年に進級すると不登校気味となり、三年の時は殆ど学校へ来ることはなかった。中学卒業と同時に、地元の八王子の新聞配達店でアルバイトをするが、それも長続きはせず、父親同様職を転々と変えていた。
母親殺害犯行当日、清志は体調不良を理由にして、アルバイト先のスーパーから午後三時に帰宅した。その時、母佐和子は、男を自宅に連れ込んでいた。近所に住む、石井明憲という四十路の独身男性だった。清志が帰宅した時には既に情事は終わっており、石井は脱ぎ捨てたシャツを拾い上げ、袖を通すところだった。石井が帰った後、清志は母佐和子と口論となった。
「お前の目は、死んだお前の父さんにそっくりだよ。お前を見ているとあの男を思い出すから、私の前から消えてくれ」
母佐和子は平然と言い捨てると、畳の上に脱ぎ捨てあった自分のショーツを手に取った。
この瞬間、清志の中で何かが切れた。
頭に血が上った彼は、自分の部屋に隠し持っていたサバイバルナイフで、母を滅多刺しにした。
この日、母方の祖父小松繁蔵は朝から不在だった。千葉県市川市に嫁いだ次女の見舞いへ行っていたのだ。繁蔵は娘と孫を誘ったが、二人に断られ老夫婦だけで行くことにした。
殺害後、死体の処理に困った清志は、祖父が親しくしていた横山茂道の納屋へ運ぶことに決めた。清志親子が間借りしていた小松家の母屋から横山の納屋までは、直線距離にして二十メートルほどだった。清志は母親の死体を運び出し、裏庭を通り納屋まで運んだ。
その後清志は、納屋の中で母親の身体を引き裂き、内臓を取り出した。更に納屋の中にあった鎖を使い、天井の梁に死体をぶら下げたのだ。しかし運悪く、一連の作業で発生した物音が、横山の耳に留まり、通報されることとなった。
比嘉可南子に逮捕された時、清志は自分自身も気付かないうちに射精していた。その後、所轄の八王子中央署での取り調べでは、完全黙秘を貫き、雑談に応じることもなかった。
弁護側の要請で、清志の精神鑑定を行ったT医科大教授の精神科医平泉眞は、この少年が反社会性パーソナリティ障害、或いはスキゾイドパーソナリティ障害を患っており、精神病質者であると診断した。この診断結果が考慮され、医療少年院送致が相当と判断され、身柄を関東医療少年院へ送られたのだ。
清志が小学校二年の夏、父清春が覚醒剤の中毒で急死すると、母佐和子の実家がある八王子市犬目町へ転居した。だが相変わらず母佐和子は男癖が悪く自堕落な生活を送っていた。小学校での清志は、目立たない存在で友人も少なく、孤独を好む少年だった。そのため高学年になると、同級生からいじめを受ける対象となった。
中学校時代には、同級生から悪魔と呼ばれ、二年に進級すると不登校気味となり、三年の時は殆ど学校へ来ることはなかった。中学卒業と同時に、地元の八王子の新聞配達店でアルバイトをするが、それも長続きはせず、父親同様職を転々と変えていた。
母親殺害犯行当日、清志は体調不良を理由にして、アルバイト先のスーパーから午後三時に帰宅した。その時、母佐和子は、男を自宅に連れ込んでいた。近所に住む、石井明憲という四十路の独身男性だった。清志が帰宅した時には既に情事は終わっており、石井は脱ぎ捨てたシャツを拾い上げ、袖を通すところだった。石井が帰った後、清志は母佐和子と口論となった。
「お前の目は、死んだお前の父さんにそっくりだよ。お前を見ているとあの男を思い出すから、私の前から消えてくれ」
母佐和子は平然と言い捨てると、畳の上に脱ぎ捨てあった自分のショーツを手に取った。
この瞬間、清志の中で何かが切れた。
頭に血が上った彼は、自分の部屋に隠し持っていたサバイバルナイフで、母を滅多刺しにした。
この日、母方の祖父小松繁蔵は朝から不在だった。千葉県市川市に嫁いだ次女の見舞いへ行っていたのだ。繁蔵は娘と孫を誘ったが、二人に断られ老夫婦だけで行くことにした。
殺害後、死体の処理に困った清志は、祖父が親しくしていた横山茂道の納屋へ運ぶことに決めた。清志親子が間借りしていた小松家の母屋から横山の納屋までは、直線距離にして二十メートルほどだった。清志は母親の死体を運び出し、裏庭を通り納屋まで運んだ。
その後清志は、納屋の中で母親の身体を引き裂き、内臓を取り出した。更に納屋の中にあった鎖を使い、天井の梁に死体をぶら下げたのだ。しかし運悪く、一連の作業で発生した物音が、横山の耳に留まり、通報されることとなった。
比嘉可南子に逮捕された時、清志は自分自身も気付かないうちに射精していた。その後、所轄の八王子中央署での取り調べでは、完全黙秘を貫き、雑談に応じることもなかった。
弁護側の要請で、清志の精神鑑定を行ったT医科大教授の精神科医平泉眞は、この少年が反社会性パーソナリティ障害、或いはスキゾイドパーソナリティ障害を患っており、精神病質者であると診断した。この診断結果が考慮され、医療少年院送致が相当と判断され、身柄を関東医療少年院へ送られたのだ。
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