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ARKADIA──それが人であるということ──
海へ行こう──青年、甘き匂いに溺れて
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穏やかであったはずの海中から、突如現れた島と見紛うほどに巨大なイカ。その姿を眺めながら、フィーリアが呟く。
「〝絶滅級〟クラーケン──超大型のイカの魔物。話には聞いてましたけど、実際に見るのは初めてですね」
そう呟く彼女の視界で、イカ──クラーケンの無数にある、極太の触手がウネウネと宙で蠢く。
「この辺りの海の大主ってところでしょうねー」
「うむ。あの貫禄ある佇まい……それで間違いないだろう」
〝絶滅級〟──魔物の中でも天災と評される強大な存在を前にしているというのに、フィーリアとサクラは至って平常である。
まあ、それも当然だろう。彼女たちにとって、〝絶滅級〟も〝微有害級〟も、そう大差ないのだから。
しかし、そんな彼女たち二人でも、一つの気がかりはあった。
「ウインドアとラグナ嬢は無事だろうか?恐らくあの触手の一つに捕らえられていると思うが……」
「そうですね。十中八九捕食するために捕まえたんでしょうし。早めに救出しないと危ないかもしれませんね」
と、その時だった。宙を畝るだけであったクラーケンの触手が、不意に止まった。
「む?」
そのことに対してサクラが訝しげな声を漏らす──と同時に、静止していた無数の触手は、いきなり目にも留まらぬ速さで二人に殺到する。
常人であれば視認すらできない速度──だが、サクラは難なく己の視界にその全てを捉える。
半ば反射的に、彼女は宙に手を翳す。
「【次元箱】」
そして淡々とそう呟いた。瞬間、虚空に微小の裂け目が現れ、そこから彼女の得物である刀の柄が突き出てくる。
それを掴み、そのまま引き抜く。柄、鍔──鞘。サクラの得物の全容が、余すことなく今この場に露出する。
「ふッ……」
鋭く息を吐き、すぐさま抜刀。鈍色の刀身が晒され、太陽に照らされ冷たく輝く。
そうしてサクラは抜き放った己の得物を、遠慮なく振るった。銀色の閃光が宙を疾駆するのと、クラーケンの触手が届くのはほぼ同時だった。
幾度にも走る銀色の閃光に妨げられ、殺到していたクラーケンの触手は悉く弾かれる。得物の刀身を通して伝わる手応えに、サクラが眉を顰めた。
「む……?」
斬れない。斬るつもりで振るっているのに、クラーケンの触手は全く斬れず、弾くことしかできない。
彼女はすぐさま理解する。何故斬れないのか──その原因は、この触手が持つ弾力性にある。柔らか過ぎるのだ。柔らか過ぎて、刃が通らない。刃が通らなければ、斬ることはできない。
「…………」
厄介──触手が斬れぬなら、恐らくクラーケンも斬ることは叶わないだろう。どうしたものかと思った、瞬間だった。
「【氷結】」
パキパキッ──その呟きと共に、一瞬にしてサクラの視界に映る全ての触手が、例外なく凍りついた。
「これで斬れますよね?」
ザンッ──得意げなフィーリアの声に続くようにして、凍りついていた全ての触手が、一太刀で斬られ宙を舞う。
「助かった、フィーリア」
「どういたしまして、です」
サクラによって斬られ、宙を舞った触手がボトボトと次々に、さながら雨のように砂浜にへと落下する。それを避けつつ、二人は前に進む。
眼下に広がる海を眺めながら、とにかくこの状況から脱しようと僕は努力する。しかし、なんとか手足は動かせるのだが、それも少しだけ。とてもではないが、先輩と共にこの拘束から抜け出せない。
身体を包むブニブニとした触手の感触を感じながら、先輩に声をかける。
「だ、大丈夫ですか先輩?」
「…………」
「先輩?」
僕の呼びかけに、何故か先輩は反応してくれない。顔を俯かせたまま、微動だにしない。
そのことを不審に思い、顔を覗き込んでみると──
「せ、先輩……?どうしたんですか?」
──まるで僕のことなど眼中にないとでも言うように、先輩はただ下の海を見つめていた。瞳を見開かせ、固い表情で。
──本当に一体どうし……て……。
何故先輩がそんな様子になっているのか、鑑みて──僕は思い出した。とても重要なことを、思い出してしまった。
海に向かう前、先輩は何処か不安そうで、怯えていた様子だった。砂浜から海を眺める時、先輩は苦々しい表情を浮かべていた。
先輩がそうなるのも、無理はない。何故なら、この人は────
「海ぃぃいいいいっ!?」
────海が、大の苦手なのだから。
「ちょ、先輩!落ち着いて……!」
ああ、僕はなんて馬鹿なのだろう。こんな重大なことを忘れてしまっていたとは。まあここ数年先輩と海など訪れていなかったし、仕方ない部分もあるのだが。
固かった表情はあっという間に青ざめ、恥も体裁も捨て、半狂乱になって先輩は騒ぐ。全身をぶるぶると震わせ、その瞳に大粒の涙を浮かべて。
「助けてくらはぁあああっ!!」
そう叫ぶや否や、必死になって先輩は僕に抱きついてきた。元々密着していたお互いの身体が、さらに密着する。
「ちょ、ちょっぉせんぱ……!」
今、僕と先輩は水着である。全裸に限りなく近い、装いである。なので当然僕の肌に、僕の身体に先輩の肌の、先輩の身体の感触がほぼ直接、そして大胆に伝わってくる。
先輩は、柔らかくて、温かくて。それはもう、素晴らしい抱き心地で。その上仄かに甘い、良い匂いもする。思わず抱き返しそうになって、その直前で僕はなんとか堪えた。
──待て待て待てクラハ=ウインドア。落ち着くんだ。ここは一旦先輩に離れてもらって、先輩にも落ち着いてもらわないと……!
別に、これが先輩との身体的な初めての接触ではない。添い寝だってしてるし、それこそつい先月には(ほとんど不慮の事故のようなものだが)風呂を共にし、水着どころか全裸で背中越しに、その小さ過ぎず大き過ぎず、実に理想的なサイズの胸だって押しつけられたのだ。
今さらこの程度のことで狼狽える僕ではない。……もう既に狼狽えてしまっている気はするが、ともかくこの程度はもうどうってことないのだ。
「せ、先輩。まず落ち着きましょう。落ち着いて」
ブォン──突然、視界が無理矢理掻き回された。
「うおっ…わっ?」
さっきまで僕と先輩を拘束するだけだった触手が、一体どうしたことか急に激しく畝り出した。それによって僕と先輩は揺さぶられ、振り回される。
堪らず僕は驚き、声を漏らしたが──先輩の場合、その程度では済まなかった。
「ひぁやああああっ?!」
やたら可愛らしい悲鳴を少しも隠さずに上げて、先輩は無我夢中になって僕の身体により一層抱きつき──瞬間、
「むぐ!?」
僕の視界が一面肌色に染められた。直後、例えようのない、今まで触れてきたどんなものよりも柔らかい感触に己の顔面が包み込まれる。
──な、なんだなんだ!?今度はなにが起こってるんだ!?
混乱する僕はとにかく状況を整理しようと頭を働かせようとして──鼻腔に雪崩れ込んだ濃厚濃密で、いっそ毒々しいとも思えてしまうほどに甘ったるい匂いによって阻まれた。
「むぐぉ……」
その匂いは僕の鼻腔にあっという間に充満し、優しく無遠慮に犯していく。脳髄の奥が痺れ、瞬く間に思考が鈍る。
「う、海!海ぃ!落ちるっ!落ちちまうぅ!」
触手に揺さぶられ、振り回されたことにより完全にパニック状態に陥った先輩がさっき以上の勢いで泣き叫び、それに比例するように僕の顔面を覆う、大変柔らかい謎の物体がさらに強く押しつけられた。
──ぅ、ぁ…………。
同時にその強烈さを増す、蕩けるように甘い匂い。その刺激は想像を絶するもので、幸福感にも似た感情が僕の心を満たしていく。それが、とてつもなく、この上なく心地良い。
それは抗いようのない、いやそもそも抗うという意思そのものを根こそぎ奪う心地良さで、その心地良さの前に僕は──呆気なく屈してしまった。
──……もう、なんか……どうでもいいや…………。
顔面を覆い隠すこれが一体なんなのかも。この匂いの正体も。先ほどから覚え始めた息苦しさも。その全部全部がどうでもよくなって。考えるのがとにかく億劫になって。次第に頭の中が空っぽになっていく。だんだん溶けていく。
けれど、片隅にほんの僅かばかりに残っていた理性が、奇跡的にもその答えを導き出した。
──ああ、わかった。今、僕の顔に押しつけられてるのは……先輩の胸、かぁ。
そうして急速に肌色一色だった目の前が白み始め、意識が遠のく────その時、だった。
ザンッッッ──突如として、そんな斬撃音が周囲に響き渡った。
「〝絶滅級〟クラーケン──超大型のイカの魔物。話には聞いてましたけど、実際に見るのは初めてですね」
そう呟く彼女の視界で、イカ──クラーケンの無数にある、極太の触手がウネウネと宙で蠢く。
「この辺りの海の大主ってところでしょうねー」
「うむ。あの貫禄ある佇まい……それで間違いないだろう」
〝絶滅級〟──魔物の中でも天災と評される強大な存在を前にしているというのに、フィーリアとサクラは至って平常である。
まあ、それも当然だろう。彼女たちにとって、〝絶滅級〟も〝微有害級〟も、そう大差ないのだから。
しかし、そんな彼女たち二人でも、一つの気がかりはあった。
「ウインドアとラグナ嬢は無事だろうか?恐らくあの触手の一つに捕らえられていると思うが……」
「そうですね。十中八九捕食するために捕まえたんでしょうし。早めに救出しないと危ないかもしれませんね」
と、その時だった。宙を畝るだけであったクラーケンの触手が、不意に止まった。
「む?」
そのことに対してサクラが訝しげな声を漏らす──と同時に、静止していた無数の触手は、いきなり目にも留まらぬ速さで二人に殺到する。
常人であれば視認すらできない速度──だが、サクラは難なく己の視界にその全てを捉える。
半ば反射的に、彼女は宙に手を翳す。
「【次元箱】」
そして淡々とそう呟いた。瞬間、虚空に微小の裂け目が現れ、そこから彼女の得物である刀の柄が突き出てくる。
それを掴み、そのまま引き抜く。柄、鍔──鞘。サクラの得物の全容が、余すことなく今この場に露出する。
「ふッ……」
鋭く息を吐き、すぐさま抜刀。鈍色の刀身が晒され、太陽に照らされ冷たく輝く。
そうしてサクラは抜き放った己の得物を、遠慮なく振るった。銀色の閃光が宙を疾駆するのと、クラーケンの触手が届くのはほぼ同時だった。
幾度にも走る銀色の閃光に妨げられ、殺到していたクラーケンの触手は悉く弾かれる。得物の刀身を通して伝わる手応えに、サクラが眉を顰めた。
「む……?」
斬れない。斬るつもりで振るっているのに、クラーケンの触手は全く斬れず、弾くことしかできない。
彼女はすぐさま理解する。何故斬れないのか──その原因は、この触手が持つ弾力性にある。柔らか過ぎるのだ。柔らか過ぎて、刃が通らない。刃が通らなければ、斬ることはできない。
「…………」
厄介──触手が斬れぬなら、恐らくクラーケンも斬ることは叶わないだろう。どうしたものかと思った、瞬間だった。
「【氷結】」
パキパキッ──その呟きと共に、一瞬にしてサクラの視界に映る全ての触手が、例外なく凍りついた。
「これで斬れますよね?」
ザンッ──得意げなフィーリアの声に続くようにして、凍りついていた全ての触手が、一太刀で斬られ宙を舞う。
「助かった、フィーリア」
「どういたしまして、です」
サクラによって斬られ、宙を舞った触手がボトボトと次々に、さながら雨のように砂浜にへと落下する。それを避けつつ、二人は前に進む。
眼下に広がる海を眺めながら、とにかくこの状況から脱しようと僕は努力する。しかし、なんとか手足は動かせるのだが、それも少しだけ。とてもではないが、先輩と共にこの拘束から抜け出せない。
身体を包むブニブニとした触手の感触を感じながら、先輩に声をかける。
「だ、大丈夫ですか先輩?」
「…………」
「先輩?」
僕の呼びかけに、何故か先輩は反応してくれない。顔を俯かせたまま、微動だにしない。
そのことを不審に思い、顔を覗き込んでみると──
「せ、先輩……?どうしたんですか?」
──まるで僕のことなど眼中にないとでも言うように、先輩はただ下の海を見つめていた。瞳を見開かせ、固い表情で。
──本当に一体どうし……て……。
何故先輩がそんな様子になっているのか、鑑みて──僕は思い出した。とても重要なことを、思い出してしまった。
海に向かう前、先輩は何処か不安そうで、怯えていた様子だった。砂浜から海を眺める時、先輩は苦々しい表情を浮かべていた。
先輩がそうなるのも、無理はない。何故なら、この人は────
「海ぃぃいいいいっ!?」
────海が、大の苦手なのだから。
「ちょ、先輩!落ち着いて……!」
ああ、僕はなんて馬鹿なのだろう。こんな重大なことを忘れてしまっていたとは。まあここ数年先輩と海など訪れていなかったし、仕方ない部分もあるのだが。
固かった表情はあっという間に青ざめ、恥も体裁も捨て、半狂乱になって先輩は騒ぐ。全身をぶるぶると震わせ、その瞳に大粒の涙を浮かべて。
「助けてくらはぁあああっ!!」
そう叫ぶや否や、必死になって先輩は僕に抱きついてきた。元々密着していたお互いの身体が、さらに密着する。
「ちょ、ちょっぉせんぱ……!」
今、僕と先輩は水着である。全裸に限りなく近い、装いである。なので当然僕の肌に、僕の身体に先輩の肌の、先輩の身体の感触がほぼ直接、そして大胆に伝わってくる。
先輩は、柔らかくて、温かくて。それはもう、素晴らしい抱き心地で。その上仄かに甘い、良い匂いもする。思わず抱き返しそうになって、その直前で僕はなんとか堪えた。
──待て待て待てクラハ=ウインドア。落ち着くんだ。ここは一旦先輩に離れてもらって、先輩にも落ち着いてもらわないと……!
別に、これが先輩との身体的な初めての接触ではない。添い寝だってしてるし、それこそつい先月には(ほとんど不慮の事故のようなものだが)風呂を共にし、水着どころか全裸で背中越しに、その小さ過ぎず大き過ぎず、実に理想的なサイズの胸だって押しつけられたのだ。
今さらこの程度のことで狼狽える僕ではない。……もう既に狼狽えてしまっている気はするが、ともかくこの程度はもうどうってことないのだ。
「せ、先輩。まず落ち着きましょう。落ち着いて」
ブォン──突然、視界が無理矢理掻き回された。
「うおっ…わっ?」
さっきまで僕と先輩を拘束するだけだった触手が、一体どうしたことか急に激しく畝り出した。それによって僕と先輩は揺さぶられ、振り回される。
堪らず僕は驚き、声を漏らしたが──先輩の場合、その程度では済まなかった。
「ひぁやああああっ?!」
やたら可愛らしい悲鳴を少しも隠さずに上げて、先輩は無我夢中になって僕の身体により一層抱きつき──瞬間、
「むぐ!?」
僕の視界が一面肌色に染められた。直後、例えようのない、今まで触れてきたどんなものよりも柔らかい感触に己の顔面が包み込まれる。
──な、なんだなんだ!?今度はなにが起こってるんだ!?
混乱する僕はとにかく状況を整理しようと頭を働かせようとして──鼻腔に雪崩れ込んだ濃厚濃密で、いっそ毒々しいとも思えてしまうほどに甘ったるい匂いによって阻まれた。
「むぐぉ……」
その匂いは僕の鼻腔にあっという間に充満し、優しく無遠慮に犯していく。脳髄の奥が痺れ、瞬く間に思考が鈍る。
「う、海!海ぃ!落ちるっ!落ちちまうぅ!」
触手に揺さぶられ、振り回されたことにより完全にパニック状態に陥った先輩がさっき以上の勢いで泣き叫び、それに比例するように僕の顔面を覆う、大変柔らかい謎の物体がさらに強く押しつけられた。
──ぅ、ぁ…………。
同時にその強烈さを増す、蕩けるように甘い匂い。その刺激は想像を絶するもので、幸福感にも似た感情が僕の心を満たしていく。それが、とてつもなく、この上なく心地良い。
それは抗いようのない、いやそもそも抗うという意思そのものを根こそぎ奪う心地良さで、その心地良さの前に僕は──呆気なく屈してしまった。
──……もう、なんか……どうでもいいや…………。
顔面を覆い隠すこれが一体なんなのかも。この匂いの正体も。先ほどから覚え始めた息苦しさも。その全部全部がどうでもよくなって。考えるのがとにかく億劫になって。次第に頭の中が空っぽになっていく。だんだん溶けていく。
けれど、片隅にほんの僅かばかりに残っていた理性が、奇跡的にもその答えを導き出した。
──ああ、わかった。今、僕の顔に押しつけられてるのは……先輩の胸、かぁ。
そうして急速に肌色一色だった目の前が白み始め、意識が遠のく────その時、だった。
ザンッッッ──突如として、そんな斬撃音が周囲に響き渡った。
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