305 / 444
『極剣聖』と『天魔王』
DESIRE────Epilogue〜この人たちがいる限り〜
しおりを挟む
青く澄み渡る空に、燦々と輝き浮かぶ太陽。少し暑く感じてしまう陽射しの下、僕ことクラハ=ウインドアは住民たちの心地良い喧騒を聞きながら、オールティアの街道を歩いていた。
あのラディウスでの一件から、早くも一週間が過ぎていた。三日間という短い期間ではあったが、凄まじく濃密な出来事の連続だった。しかし、今思い返せば遠い昔のことのように感じる。
オールティアに戻ってきてからも、忙しい日々が少しばかり続いた。依頼達成の手続きだったり、グインさん主催の『大翼の不死鳥』の面々による労いの宴会だったり──それはもう忙しい数日間だった。
そうしてようやっと昨日落ち着き、こうしてゆっくりと街道を歩いていられるようになったのだ。……まあ、この後もちょっとした予定があって、集合場所に向かっているだけなのだが。
それはさておき、ギルザに関しての結末も語ろうと思う。結果を先に述べるなら──ギルザ=ヴェディスという男は死んだ。
彼が抱えていた組織はサクラさんとフィーリアさんによって、再構築が不可能なまでに壊滅された。今後、ラディウスにてあれ以上の組織が誕生することはないだろうと思いたい。
そして当の本人であるギルザ=ヴェディスだが、『世界冒険者組合』によって拘束、確保された彼はすぐさま裁判にかけられることとなり、ほぼ間違いなく死刑判決を下される──と、思われていた。
しかし実際には彼が死刑判決を受けることはなかった。何故ならば──そもそもギルザが裁判などにかけられることがなかったからだ。
『たす、たすけっ、助けてくれぇええっ!怖いんだ!怖いんだぁぁっ』
『冒険者は化け物だ!あいつらがいないところに連れてってくれ!もう嫌だ!もう怖い思いをするのは嫌なんだ!』
『ああ殺されるっ、小僧が来るっ、小僧が殺しに来るぅううぅうううっ!』
……このように、僕に殴り飛ばされ失神し確保された後、意識を取り戻した彼は精神が崩壊していた。常に極度の恐怖を抱え、特に冒険者と聞くと狂ったように喚き回る。誰がどうしようとも、彼は恐慌し続けた。
そんな彼が裁判など到底できる訳もなく、最終的に彼は精神病棟に送られることになった。
そして病棟に送られてから二日後、ギルザは着ていた服を縄代わりに首を吊って自殺した──これがギルザ=ヴェディスという男の、結末だ。
正直に言ってしまえば、こんな結末など僕は受け入れたくない。ギルザには法で裁かれ、正しい方法で罪を償う義務があった。あの男が犯した罪は、あの男の薄汚い穢れた命一つなどで清算できるほど、軽いものではないのだから。
しかし、同時に僕は彼に対して後悔も感じていた。理由はどうであれ、最終的に彼をあんな風にしてしまった原因は、僕に変わりない。自分の行動が間違っていたとは決して思わないが──それでも、複雑な心境だった。
だがもうギルザ=ヴェディスはいない。彼は死んだ──もう、過ぎた話になってしまった。変えようのない過去に対して、今さらどうこう言っても意味はない。
──忘れよう。それでいい。それで、いいんだ……。
そこでギルザに関して考えることに区切りをつけて、僕は街道を歩く。するとしばらくして中央広場にへと出た。
噴水の近く──その場所で、サクラさんとフィーリアさん、そして先輩の三人が待っていた。僕が近づくと、真っ先に先輩が気づいた。
「クラハ!お前遅いぞ!」
内容こそ僕を咎めているが、声音は明るく楽しそうで、その表情は嬉しそうな笑顔である。僕の方へ駆け寄ってくる先輩に続いて、サクラさんとフィーリアさんも歩み寄ってくる。
「おはよう……と言うには少しばかり遅いか。やあウインドア、身体の調子はどうだい?」
「こんにちはですウインドアさん。今日はわざわざ付き合ってくれてありがとうございます」
それぞれ声をかけてくれる二人に、僕は笑顔で応する。
「お久しぶりです、サクラさん。フィーリアさん。僕はこの通り至って元気ですよ。今日はよろしくお願いします」
合流し、一通りの挨拶を終えた僕たちは、このまま街の外──ヴィブロ平原に向かった。
──冒険者、か……。
風が吹き渡るヴィブロ平原。揺れる足元の草や遠方の木々を眺めて、僕はふと足を止めた。
僕が足を止めたことに気づかず、先を歩く先輩たちの背中を見て、唐突に考えてしまう。
ギルザ=ヴェディス──彼は非常に優れた《S》冒険者であり、少なくともあのような凶行に走る人物とは考えられなかった。しかし彼には周囲の期待に応え続けられる度量が、なかった。その精神も脆く、最後には折れ曲がり歪んで狂ってしまった。
自分が所属していた冒険者組合の面々を一人残らず惨殺し、GMすら手にかけて。組合そのものを潰し、その行方を晦ませた。
冒険者を辞めた彼は裏社会にへと沈み、そしてラディウスにて怪物となってしまった。人の道を外れた、ただの怪物に。
僕はそんな彼と────己を、重ね見た。もし僕も、彼と同じような環境に身を置いていたら、彼と同じような人生を歩んでいたのかもしれないと。
我ながら馬鹿らしい考えだとは思う。つまらない杞憂だと思う。……それでも、少しは考えてしまうのだ。
ギルザ=ヴェディス。一体どうすれば、彼は救われたのだろう。彼は──折れ曲がらず、歪むことも狂うこともなかったのだろう。
あくまでも、これは僕の憶測に過ぎない。過ぎないが、敢えて言うなら────
「……む?どうしたウインドア。そんなところに立ち止まって」
「そうですよ。早く来ないと置いて行っちゃいますよー?」
「早くこっち来いクラハ!」
僕が立ち止まっていたことに気づき、三人とも振り返ってこちらを急かす。慌てて、僕も駆け出した。
「す、すみません!今行きます!」
…………もう、このことについて考えることも、止めにしよう。何故ならば────
──この人たちがいる限り、僕は歪まないだろうから。
あのラディウスでの一件から、早くも一週間が過ぎていた。三日間という短い期間ではあったが、凄まじく濃密な出来事の連続だった。しかし、今思い返せば遠い昔のことのように感じる。
オールティアに戻ってきてからも、忙しい日々が少しばかり続いた。依頼達成の手続きだったり、グインさん主催の『大翼の不死鳥』の面々による労いの宴会だったり──それはもう忙しい数日間だった。
そうしてようやっと昨日落ち着き、こうしてゆっくりと街道を歩いていられるようになったのだ。……まあ、この後もちょっとした予定があって、集合場所に向かっているだけなのだが。
それはさておき、ギルザに関しての結末も語ろうと思う。結果を先に述べるなら──ギルザ=ヴェディスという男は死んだ。
彼が抱えていた組織はサクラさんとフィーリアさんによって、再構築が不可能なまでに壊滅された。今後、ラディウスにてあれ以上の組織が誕生することはないだろうと思いたい。
そして当の本人であるギルザ=ヴェディスだが、『世界冒険者組合』によって拘束、確保された彼はすぐさま裁判にかけられることとなり、ほぼ間違いなく死刑判決を下される──と、思われていた。
しかし実際には彼が死刑判決を受けることはなかった。何故ならば──そもそもギルザが裁判などにかけられることがなかったからだ。
『たす、たすけっ、助けてくれぇええっ!怖いんだ!怖いんだぁぁっ』
『冒険者は化け物だ!あいつらがいないところに連れてってくれ!もう嫌だ!もう怖い思いをするのは嫌なんだ!』
『ああ殺されるっ、小僧が来るっ、小僧が殺しに来るぅううぅうううっ!』
……このように、僕に殴り飛ばされ失神し確保された後、意識を取り戻した彼は精神が崩壊していた。常に極度の恐怖を抱え、特に冒険者と聞くと狂ったように喚き回る。誰がどうしようとも、彼は恐慌し続けた。
そんな彼が裁判など到底できる訳もなく、最終的に彼は精神病棟に送られることになった。
そして病棟に送られてから二日後、ギルザは着ていた服を縄代わりに首を吊って自殺した──これがギルザ=ヴェディスという男の、結末だ。
正直に言ってしまえば、こんな結末など僕は受け入れたくない。ギルザには法で裁かれ、正しい方法で罪を償う義務があった。あの男が犯した罪は、あの男の薄汚い穢れた命一つなどで清算できるほど、軽いものではないのだから。
しかし、同時に僕は彼に対して後悔も感じていた。理由はどうであれ、最終的に彼をあんな風にしてしまった原因は、僕に変わりない。自分の行動が間違っていたとは決して思わないが──それでも、複雑な心境だった。
だがもうギルザ=ヴェディスはいない。彼は死んだ──もう、過ぎた話になってしまった。変えようのない過去に対して、今さらどうこう言っても意味はない。
──忘れよう。それでいい。それで、いいんだ……。
そこでギルザに関して考えることに区切りをつけて、僕は街道を歩く。するとしばらくして中央広場にへと出た。
噴水の近く──その場所で、サクラさんとフィーリアさん、そして先輩の三人が待っていた。僕が近づくと、真っ先に先輩が気づいた。
「クラハ!お前遅いぞ!」
内容こそ僕を咎めているが、声音は明るく楽しそうで、その表情は嬉しそうな笑顔である。僕の方へ駆け寄ってくる先輩に続いて、サクラさんとフィーリアさんも歩み寄ってくる。
「おはよう……と言うには少しばかり遅いか。やあウインドア、身体の調子はどうだい?」
「こんにちはですウインドアさん。今日はわざわざ付き合ってくれてありがとうございます」
それぞれ声をかけてくれる二人に、僕は笑顔で応する。
「お久しぶりです、サクラさん。フィーリアさん。僕はこの通り至って元気ですよ。今日はよろしくお願いします」
合流し、一通りの挨拶を終えた僕たちは、このまま街の外──ヴィブロ平原に向かった。
──冒険者、か……。
風が吹き渡るヴィブロ平原。揺れる足元の草や遠方の木々を眺めて、僕はふと足を止めた。
僕が足を止めたことに気づかず、先を歩く先輩たちの背中を見て、唐突に考えてしまう。
ギルザ=ヴェディス──彼は非常に優れた《S》冒険者であり、少なくともあのような凶行に走る人物とは考えられなかった。しかし彼には周囲の期待に応え続けられる度量が、なかった。その精神も脆く、最後には折れ曲がり歪んで狂ってしまった。
自分が所属していた冒険者組合の面々を一人残らず惨殺し、GMすら手にかけて。組合そのものを潰し、その行方を晦ませた。
冒険者を辞めた彼は裏社会にへと沈み、そしてラディウスにて怪物となってしまった。人の道を外れた、ただの怪物に。
僕はそんな彼と────己を、重ね見た。もし僕も、彼と同じような環境に身を置いていたら、彼と同じような人生を歩んでいたのかもしれないと。
我ながら馬鹿らしい考えだとは思う。つまらない杞憂だと思う。……それでも、少しは考えてしまうのだ。
ギルザ=ヴェディス。一体どうすれば、彼は救われたのだろう。彼は──折れ曲がらず、歪むことも狂うこともなかったのだろう。
あくまでも、これは僕の憶測に過ぎない。過ぎないが、敢えて言うなら────
「……む?どうしたウインドア。そんなところに立ち止まって」
「そうですよ。早く来ないと置いて行っちゃいますよー?」
「早くこっち来いクラハ!」
僕が立ち止まっていたことに気づき、三人とも振り返ってこちらを急かす。慌てて、僕も駆け出した。
「す、すみません!今行きます!」
…………もう、このことについて考えることも、止めにしよう。何故ならば────
──この人たちがいる限り、僕は歪まないだろうから。
0
お気に入りに追加
85
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
一般トレジャーハンターの俺が最強の魔王を仲間に入れたら世界が敵になったんだけど……どうしよ?
大好き丸
ファンタジー
天上魔界「イイルクオン」
世界は大きく分けて二つの勢力が存在する。
”人類”と”魔族”
生存圏を争って日夜争いを続けている。
しかしそんな中、戦争に背を向け、ただひたすらに宝を追い求める男がいた。
トレジャーハンターその名はラルフ。
夢とロマンを求め、日夜、洞窟や遺跡に潜る。
そこで出会った未知との遭遇はラルフの人生の大きな転換期となり世界が動く
欺瞞、裏切り、秩序の崩壊、
世界の均衡が崩れた時、終焉を迎える。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
D○ZNとY○UTUBEとウ○イレでしかサッカーを知らない俺が女子エルフ代表の監督に就任した訳だが
米俵猫太朗
ファンタジー
ただのサッカーマニアである青年ショーキチはひょんな事から異世界へ転移してしまう。
その世界では女性だけが行うサッカーに似た球技「サッカードウ」が普及しており、折りしもエルフ女子がミノタウロス女子に蹂躙されようとしているところであった。
更衣室に乱入してしまった縁からエルフ女子代表を率いる事になった青年は、秘策「Tバック」と「トップレス」戦術を授け戦いに挑む。
果たしてエルフチームはミノタウロスチームに打ち勝ち、敗者に課される謎の儀式「センシャ」を回避できるのか!?
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
異世界災派 ~1514億4000万円を失った自衛隊、海外に災害派遣す~
ス々月帶爲
ファンタジー
元号が令和となり一年。自衛隊に数々の災難が、襲い掛かっていた。
対戦闘機訓練の為、東北沖を飛行していた航空自衛隊のF-35A戦闘機が何の前触れもなく消失。そのF-35Aを捜索していた海上自衛隊護衛艦のありあけも、同じく捜索活動を行っていた、いずも型護衛艦2番艦かがの目の前で消えた。約一週間後、厄災は東北沖だけにとどまらなかった事を知らされた。陸上自衛隊の車両を積載しアメリカ合衆国に向かっていたC-2が津軽海峡上空で消失したのだ。
これまでの損失を計ると、1514億4000万円。過去に類をみない、恐ろしい損害を負った防衛省・自衛隊。
防衛省は、対策本部を設置し陸上自衛隊の東部方面隊、陸上総隊より選抜された部隊で混成団を編成。
損失を取り返すため、何より一緒に消えてしまった自衛官を見つけ出す為、混成団を災害派遣する決定を下したのだった。
派遣を任されたのは、陸上自衛隊のプロフェッショナル集団、陸上総隊の隷下に入る中央即応連隊。彼等は、国際平和協力活動等に尽力する為、先遣部隊等として主力部隊到着迄活動基盤を準備する事等を主任務とし、日々訓練に励んでいる。
其の第一中隊長を任されているのは、暗い過去を持つ新渡戸愛桜。彼女は、この派遣に於て、指揮官としての特殊な苦悩を味い、高みを目指す。
海上自衛隊版、出しました
→https://ncode.syosetu.com/n3744fn/
※作中で、F-35A ライトニングⅡが墜落したことを示唆する表現がございます。ですが、実際に墜落した時より前に書かれた表現ということをご理解いただければ幸いです。捜索が打ち切りとなったことにつきまして、本心から残念に思います。搭乗員の方、戦闘機にご冥福をお祈り申し上げます。
「小説家になろう」に於ても投稿させて頂いております。
→https://ncode.syosetu.com/n3570fj/
「カクヨム」に於ても投稿させて頂いております。
→https://kakuyomu.jp/works/1177354054889229369
シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~
尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。
だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。
全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。
勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。
そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。
エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。
これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。
…その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。
妹とは血の繋がりであろうか?
妹とは魂の繋がりである。
兄とは何か?
妹を護る存在である。
かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる