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二人の求愛と初夜①*
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引き続きルーク視点で話が続きます
◆◆◆◆◆
再会したダンは、僕にべったり引っ付いて匂いを嗅いだ。こんなこと戦場ではしてなかったのに!というかここは外!村のみんなとか観光のお客様とかが見てる!
おまけに、ダンは信じられないくらい甘い眼差しで僕を見つめて、『会いたかった』と情熱的に囁いて……。
「ルーク!俺もお前を愛してる!お前と一緒になりたいから此処にきたんだ!俺と番ってくれ!」
最終的にはその場で押し倒して、プ、プロポーズした!
(ま、まさか僕とダンと両想いで、しかもプロポーズされるなんて!?いや、プロポーズなの?)
「え?あ、あの、ダン?愛してる?番って?ほ、本気?これって夢?」
混乱していると、ダンが僕ごと身を起こした。
金目が優しくすがめられて、黒い鼻先が近づいて、唇がなんだか柔らかくてあったかい物に触れて。
「んっ……ふっ……んんっ」
(あれ?これってキスでは?ダンにキスされてるのでは?)
唇が離れて、鼻先が僕の頬に擦り付けられた。
「夢じゃない。俺はお前を愛している。番……お前たちで言う結婚をしたい。もう離れなくていいように」
ボロッと涙が出た。ダンがギョッとして慌てている。
「嫌だったか?怖かったか?す、すまん。泣かせるつもりでは……」
離れようとするのを、今度は僕が抱きついて止めた。ダンの毛を掴んで叫ぶ。
「違う!嬉し泣きに決まってるじゃん!」
「っ!じゃ、じゃあ……」
「うん。僕もダンを愛してる。結婚する」
またダンからぎゅうぎゅう抱きしめられて、キスされた。
その後はとりあえず、ヒューヒュー!と、囃し立てる村の皆と観光客の皆様から逃げた。
とにかく、僕らは話をしないといけない。
だから、いま僕が住んでる離れへと案内したのだけど。
多分、同時に意識してしまった。二人きりだということを。
「ルーク……」
「ダン……」
どろどろに欲に濡れた目と目が合い、雄臭い匂いを嗅いだ。ああ、もう駄目。
僕らは丸一日かけて身体で話し合ったのだった。
◆◆◆◆◆
もつれ込むようにして僕の寝室に入り、寝台の上で押し倒された。
ふうふうと、互いの荒い息と衣擦れの音が響く。
ダンは僕をギラギラした目で見おろした。剥き出しになった牙の隙間から、だらりと唾液が垂れて僕の頬に落ちて……。
(ダン、本当に僕で興奮してるんだ)
僕の身体は素直に反応してしまう。身体中熱いし、おちんちんは固く勃ち上がってしまう。脱いでもないのにわかるくらいだ。
僕の身体があまりにいやらしくて恥ずかしい。隠したいのに、ダンの手足が許してくれない。返って、見せつけるように身体をひねっただけになってしまった。
「や、やだ。見ないで。恥ずかしい」
「嫌だ。もっと見たい。触りたい。ルーク、頼む」
大きな手が僕の頬を撫でる。短い毛と薄い肉球のある指が肌を撫でる。そしてもう片方の手が、裾から入って腹を撫で回す。
ダンの手と毛は固い。だけど、戦闘中と違って爪は短いから傷つく恐れも痛みもない。
何よりも、触れ方がとても優しい。気持ちいい。僕を大事にしてくれていることが伝わる。
昔、爪が出たままダンに腕を掴まれて怪我をしたことがあった。敵の攻撃から回避するためだったから仕方ないのに、その時のダンはひどく落ちこんでたっけ。
(いつだって、ダンは、僕の好きな人は僕に優しい。大切にしてくれている)
なんだか幸せ過ぎて泣きそうだ。
「ルーク、愛してる。抱かせてくれ。俺と番ってくれ」
好きな人にこう言われて、拒否できる訳もない。
僕はダンの手に頬を擦り寄せて、指を口に含んで吸った。
舌に爪が当たる。この爪を使って戦う姿や、僕を守ってくれた姿が思い出された。
ダンの大切な一部。愛おしくて仕方ない。丹念にねぶり、僕の唾液で濡れた指先に口付けながら告げる。
「……僕もダンを愛してる。抱いて欲しい」
「っ!ガルゥッ!ルーク!」
ダンは唸り声を上げながら、僕と自分の服を脱がしていった。
(僕の身体、やっぱり見られるのは恥ずかしいな。興奮で汗まみれだし、さっきより勃ってて先走りが出てるし……)
いたたまれなくて目を閉じたけど……。
「ルークの身体は綺麗だな」
ダンの言葉で目を見開いた。息は荒いけど、どうやら冷静さを取り戻したらしい。
「き、綺麗?僕が?」
「ああ。綺麗だ。それに、肌が桃色に染まってるところは可愛い」
ダンの指が、ゆっくりと胸元の傷跡を辿る。
「あっ!……か、可愛くないし綺麗でもないよ。……ゴツいし、傷跡まみれだし」
僕は綺麗じゃない。何故か、ダンは昔から『お前は可愛い』とか『あまり誰にでも可愛い顔をするな』と言っていたけど。
人間にしては背が高いし、痩せてはいるけど筋肉がついてるし、骨張っている。
しかも、細かい傷跡が無数にある。勲章のようなものだけど、本当は女の子が好きなダンに見せるのは気が引ける。
「いいや。体術と槍術で鍛えた立派な身体だ。まだ痩せ気味なのが心配だし、傷跡は傷ましいけどな。全部ひっくるめて色っぽくて綺麗だ。恥じらってるのも可愛い。お前の全部が愛しい」
ダンはうっとりとした顔で見つめ、僕の手を取って傷跡にキスした。やっぱり恥ずかしい。
「み、見ないでってば!恥ずかしい!ダンの身体はどうな……」
僕ばっかり見られてるのが恥ずかしくて、睨むようにしてその身体を見た。
「あ……」
ダンの身体は、相変わらず鍛えられていて惚れ惚れする。何もかもが僕より大きくて立派だ。
特に、腕と胸から腹にかけての筋肉はすごい。他の場所より毛が薄いので、発達した筋肉がわかりやすいのだ。
うわムッキムキで雄って感じで色っぽい。僕よりは少ないけど傷跡があって、それがまたたまらない魅力になっている。
そして、下腹からまた毛量が増えて股関には……。僕の身体が期待で熱くなる。
「すご……大っきい……」
◆◆◆◆◆
ここまでお読みいただきありがとうございます。
閲覧、お気に入り登録、ハート、エールなどの反応ありがとうございます。大変励みになっております。引き続きよろしくお願いいたします。
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再会したダンは、僕にべったり引っ付いて匂いを嗅いだ。こんなこと戦場ではしてなかったのに!というかここは外!村のみんなとか観光のお客様とかが見てる!
おまけに、ダンは信じられないくらい甘い眼差しで僕を見つめて、『会いたかった』と情熱的に囁いて……。
「ルーク!俺もお前を愛してる!お前と一緒になりたいから此処にきたんだ!俺と番ってくれ!」
最終的にはその場で押し倒して、プ、プロポーズした!
(ま、まさか僕とダンと両想いで、しかもプロポーズされるなんて!?いや、プロポーズなの?)
「え?あ、あの、ダン?愛してる?番って?ほ、本気?これって夢?」
混乱していると、ダンが僕ごと身を起こした。
金目が優しくすがめられて、黒い鼻先が近づいて、唇がなんだか柔らかくてあったかい物に触れて。
「んっ……ふっ……んんっ」
(あれ?これってキスでは?ダンにキスされてるのでは?)
唇が離れて、鼻先が僕の頬に擦り付けられた。
「夢じゃない。俺はお前を愛している。番……お前たちで言う結婚をしたい。もう離れなくていいように」
ボロッと涙が出た。ダンがギョッとして慌てている。
「嫌だったか?怖かったか?す、すまん。泣かせるつもりでは……」
離れようとするのを、今度は僕が抱きついて止めた。ダンの毛を掴んで叫ぶ。
「違う!嬉し泣きに決まってるじゃん!」
「っ!じゃ、じゃあ……」
「うん。僕もダンを愛してる。結婚する」
またダンからぎゅうぎゅう抱きしめられて、キスされた。
その後はとりあえず、ヒューヒュー!と、囃し立てる村の皆と観光客の皆様から逃げた。
とにかく、僕らは話をしないといけない。
だから、いま僕が住んでる離れへと案内したのだけど。
多分、同時に意識してしまった。二人きりだということを。
「ルーク……」
「ダン……」
どろどろに欲に濡れた目と目が合い、雄臭い匂いを嗅いだ。ああ、もう駄目。
僕らは丸一日かけて身体で話し合ったのだった。
◆◆◆◆◆
もつれ込むようにして僕の寝室に入り、寝台の上で押し倒された。
ふうふうと、互いの荒い息と衣擦れの音が響く。
ダンは僕をギラギラした目で見おろした。剥き出しになった牙の隙間から、だらりと唾液が垂れて僕の頬に落ちて……。
(ダン、本当に僕で興奮してるんだ)
僕の身体は素直に反応してしまう。身体中熱いし、おちんちんは固く勃ち上がってしまう。脱いでもないのにわかるくらいだ。
僕の身体があまりにいやらしくて恥ずかしい。隠したいのに、ダンの手足が許してくれない。返って、見せつけるように身体をひねっただけになってしまった。
「や、やだ。見ないで。恥ずかしい」
「嫌だ。もっと見たい。触りたい。ルーク、頼む」
大きな手が僕の頬を撫でる。短い毛と薄い肉球のある指が肌を撫でる。そしてもう片方の手が、裾から入って腹を撫で回す。
ダンの手と毛は固い。だけど、戦闘中と違って爪は短いから傷つく恐れも痛みもない。
何よりも、触れ方がとても優しい。気持ちいい。僕を大事にしてくれていることが伝わる。
昔、爪が出たままダンに腕を掴まれて怪我をしたことがあった。敵の攻撃から回避するためだったから仕方ないのに、その時のダンはひどく落ちこんでたっけ。
(いつだって、ダンは、僕の好きな人は僕に優しい。大切にしてくれている)
なんだか幸せ過ぎて泣きそうだ。
「ルーク、愛してる。抱かせてくれ。俺と番ってくれ」
好きな人にこう言われて、拒否できる訳もない。
僕はダンの手に頬を擦り寄せて、指を口に含んで吸った。
舌に爪が当たる。この爪を使って戦う姿や、僕を守ってくれた姿が思い出された。
ダンの大切な一部。愛おしくて仕方ない。丹念にねぶり、僕の唾液で濡れた指先に口付けながら告げる。
「……僕もダンを愛してる。抱いて欲しい」
「っ!ガルゥッ!ルーク!」
ダンは唸り声を上げながら、僕と自分の服を脱がしていった。
(僕の身体、やっぱり見られるのは恥ずかしいな。興奮で汗まみれだし、さっきより勃ってて先走りが出てるし……)
いたたまれなくて目を閉じたけど……。
「ルークの身体は綺麗だな」
ダンの言葉で目を見開いた。息は荒いけど、どうやら冷静さを取り戻したらしい。
「き、綺麗?僕が?」
「ああ。綺麗だ。それに、肌が桃色に染まってるところは可愛い」
ダンの指が、ゆっくりと胸元の傷跡を辿る。
「あっ!……か、可愛くないし綺麗でもないよ。……ゴツいし、傷跡まみれだし」
僕は綺麗じゃない。何故か、ダンは昔から『お前は可愛い』とか『あまり誰にでも可愛い顔をするな』と言っていたけど。
人間にしては背が高いし、痩せてはいるけど筋肉がついてるし、骨張っている。
しかも、細かい傷跡が無数にある。勲章のようなものだけど、本当は女の子が好きなダンに見せるのは気が引ける。
「いいや。体術と槍術で鍛えた立派な身体だ。まだ痩せ気味なのが心配だし、傷跡は傷ましいけどな。全部ひっくるめて色っぽくて綺麗だ。恥じらってるのも可愛い。お前の全部が愛しい」
ダンはうっとりとした顔で見つめ、僕の手を取って傷跡にキスした。やっぱり恥ずかしい。
「み、見ないでってば!恥ずかしい!ダンの身体はどうな……」
僕ばっかり見られてるのが恥ずかしくて、睨むようにしてその身体を見た。
「あ……」
ダンの身体は、相変わらず鍛えられていて惚れ惚れする。何もかもが僕より大きくて立派だ。
特に、腕と胸から腹にかけての筋肉はすごい。他の場所より毛が薄いので、発達した筋肉がわかりやすいのだ。
うわムッキムキで雄って感じで色っぽい。僕よりは少ないけど傷跡があって、それがまたたまらない魅力になっている。
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