6 / 15
お人好しは黒狼獣人を想う②*
しおりを挟む
僕のおちんちんは、下着の中で固くなり始めていた。右手で握り込んで、上下に動かして擦る。
目をつぶって、ダンの匂いや寝息に意識を集中する。
(ダンの大きい手……どんな感触だろう?もしも恋人になったら、どうやって触ってくれる?こんな風に優しく?それとも激しく?)
妄想しながら手の動きに緩急をつける。僕のおちんちんが完全に勃ち上がり、先走りがじわじわと出てきた。
(こうやって……それから……お尻を……)
僕は左手をお尻の割れ目に回して、指の腹で肛門をなでた。最近覚えた愉しみだ。
(ダンのおちんちん、欲しい……)
戦場では性の話は赤裸々にされるし、同性でまぐわっている人たちの姿をみる。見聞きする内に、彼らのようにダンに抱かれて身体を繋げたいと思ってしまった。
肛門に指を少しだけ入れる。道具も潤滑油もないから、浅い所だけで我慢しているけど……。
「んっ……ぅっ……っ……っ!」
ダンに抱かれる想像をしているせいか、気持ちよくて腰が揺れる。声が出そうで、寝具を噛んでこらえる。
(ダン、ごめん。ダンできもちよくなって、ああ、きもちい。おちんちんもおしりも、きもち、いっ……)
「……っ!」
ダンの身体に組み敷かれる様を妄想しながら、射精した。
(……ダン、こんな友達でごめん)
罪悪感を抱きつつ、僕は周りに気づかれないよう処理をした。古布で手とおちんちんを拭きながら、僕は少し泣いた。
それからも悶々とした日々は続き、終戦を迎えた。
◆◆◆◆◆
ゴトゴトガタガタ。荷馬車がゆく。
秋空の下、終戦の報せを受けた僕ら兵士を乗せて。
みんな、悲喜交々で落ち着きがない。
僕もだ。故郷の村に帰れるのは嬉しいけど、ダンと別れるのは寂しい。
いつも通り軽口を交わすけど切なかった。
ダンも元気がない。寂しそうだ。僕との別れが原因だと思う。
たぶん、自惚れじゃない。ダンはぶっきらぼうで素直じゃないところがあるけど、寂しがり屋で情に厚い人だから。
だからつい、誘ってしまった。
「ダン。僕の村に来て欲しい。一緒に暮らそう」
(言っちゃったー!僕の馬鹿!……もういいや、開き直って誘おう!)
とにかく、故郷の良さとかメリットを必死になってまくし立てた。ダンは笑って頷いてくれた。
「いいな。楽しそうだ。冒険者資格を取ったら行ってやる」
(あ!尻尾も振ってる!本当に喜んでくれてるんだ!)
僕は飛び上がりそうなくらい嬉しくて、だからつい……。
「うん!みんな良い人だから大丈夫!安心して来て!僕が君の『衣食住と心身の安寧を誓う』から!」
勢い余って、故郷でのプロポーズの言い回しを使っちゃった!
あわてて誤魔化す。
「こ、故郷の言い回しで『貴方の衣食住と安全を保障します』みたいな意味なんだ。おかしな言葉じゃなくって……」
「へえ。そうなのか。他にもあるのか?」
「え、えーと。『貴方の影に蛇が巣食いませんように』とかかな?旅の安全を祈る言い回しで……」
ダンの金目がキラキラ光る。好奇心でかな?可愛い。好き。
「面白いな。もっと聞かせてくれよ。お前の故郷の話。綺麗な景色の話も聞きたい」
「う、うん!君に一番見せたい景色は……」
やっちゃったけど言ったことに後悔はない。本当に来てくれたら、絶対に一緒に暮らすし大切にする。開き直り?そうだよ!
その後、ダンと別れて村に帰った。
ダンが来てくれることを期待すると同時に、もし来てくれなくてもいいと思った。
それくらい、ダンは幸せな思い出を沢山くれたから。
◆◆◆◆◆
村に着くと大歓迎を受けた。
「ルーク!無事だったんだな!良く帰ってきてくれた!」
「ああ……こんなに痩せて……傷跡も……ごめんなさい!守ってあげれなくてごめんなさい!」
「お兄ちゃん!生きててよかったよお!」
「うん……!父さん!僕は生きて帰れたよ……!母さんたちだってこんなに痩せて……!サナ!大丈夫!もう大丈夫だからね!」
この辺りも戦火にさらされたけど、父さんも母さんも妹のサナも無事だった。僕たちは抱き合って泣いた。
同じように、家族と再会している人たちがあちこちにいる。だけど同時に、帰って来れなかったり、大怪我や大病で傷ついたままの人も多かった。
(やっぱり、あの領主だけは許せない!)
◆◆◆◆◆
ここまでお読みいただきありがとうございます。
閲覧、お気に入り登録、ハート、エールなどの反応ありがとうございます。大変励みになっております。引き続きよろしくお願いいたします。
目をつぶって、ダンの匂いや寝息に意識を集中する。
(ダンの大きい手……どんな感触だろう?もしも恋人になったら、どうやって触ってくれる?こんな風に優しく?それとも激しく?)
妄想しながら手の動きに緩急をつける。僕のおちんちんが完全に勃ち上がり、先走りがじわじわと出てきた。
(こうやって……それから……お尻を……)
僕は左手をお尻の割れ目に回して、指の腹で肛門をなでた。最近覚えた愉しみだ。
(ダンのおちんちん、欲しい……)
戦場では性の話は赤裸々にされるし、同性でまぐわっている人たちの姿をみる。見聞きする内に、彼らのようにダンに抱かれて身体を繋げたいと思ってしまった。
肛門に指を少しだけ入れる。道具も潤滑油もないから、浅い所だけで我慢しているけど……。
「んっ……ぅっ……っ……っ!」
ダンに抱かれる想像をしているせいか、気持ちよくて腰が揺れる。声が出そうで、寝具を噛んでこらえる。
(ダン、ごめん。ダンできもちよくなって、ああ、きもちい。おちんちんもおしりも、きもち、いっ……)
「……っ!」
ダンの身体に組み敷かれる様を妄想しながら、射精した。
(……ダン、こんな友達でごめん)
罪悪感を抱きつつ、僕は周りに気づかれないよう処理をした。古布で手とおちんちんを拭きながら、僕は少し泣いた。
それからも悶々とした日々は続き、終戦を迎えた。
◆◆◆◆◆
ゴトゴトガタガタ。荷馬車がゆく。
秋空の下、終戦の報せを受けた僕ら兵士を乗せて。
みんな、悲喜交々で落ち着きがない。
僕もだ。故郷の村に帰れるのは嬉しいけど、ダンと別れるのは寂しい。
いつも通り軽口を交わすけど切なかった。
ダンも元気がない。寂しそうだ。僕との別れが原因だと思う。
たぶん、自惚れじゃない。ダンはぶっきらぼうで素直じゃないところがあるけど、寂しがり屋で情に厚い人だから。
だからつい、誘ってしまった。
「ダン。僕の村に来て欲しい。一緒に暮らそう」
(言っちゃったー!僕の馬鹿!……もういいや、開き直って誘おう!)
とにかく、故郷の良さとかメリットを必死になってまくし立てた。ダンは笑って頷いてくれた。
「いいな。楽しそうだ。冒険者資格を取ったら行ってやる」
(あ!尻尾も振ってる!本当に喜んでくれてるんだ!)
僕は飛び上がりそうなくらい嬉しくて、だからつい……。
「うん!みんな良い人だから大丈夫!安心して来て!僕が君の『衣食住と心身の安寧を誓う』から!」
勢い余って、故郷でのプロポーズの言い回しを使っちゃった!
あわてて誤魔化す。
「こ、故郷の言い回しで『貴方の衣食住と安全を保障します』みたいな意味なんだ。おかしな言葉じゃなくって……」
「へえ。そうなのか。他にもあるのか?」
「え、えーと。『貴方の影に蛇が巣食いませんように』とかかな?旅の安全を祈る言い回しで……」
ダンの金目がキラキラ光る。好奇心でかな?可愛い。好き。
「面白いな。もっと聞かせてくれよ。お前の故郷の話。綺麗な景色の話も聞きたい」
「う、うん!君に一番見せたい景色は……」
やっちゃったけど言ったことに後悔はない。本当に来てくれたら、絶対に一緒に暮らすし大切にする。開き直り?そうだよ!
その後、ダンと別れて村に帰った。
ダンが来てくれることを期待すると同時に、もし来てくれなくてもいいと思った。
それくらい、ダンは幸せな思い出を沢山くれたから。
◆◆◆◆◆
村に着くと大歓迎を受けた。
「ルーク!無事だったんだな!良く帰ってきてくれた!」
「ああ……こんなに痩せて……傷跡も……ごめんなさい!守ってあげれなくてごめんなさい!」
「お兄ちゃん!生きててよかったよお!」
「うん……!父さん!僕は生きて帰れたよ……!母さんたちだってこんなに痩せて……!サナ!大丈夫!もう大丈夫だからね!」
この辺りも戦火にさらされたけど、父さんも母さんも妹のサナも無事だった。僕たちは抱き合って泣いた。
同じように、家族と再会している人たちがあちこちにいる。だけど同時に、帰って来れなかったり、大怪我や大病で傷ついたままの人も多かった。
(やっぱり、あの領主だけは許せない!)
◆◆◆◆◆
ここまでお読みいただきありがとうございます。
閲覧、お気に入り登録、ハート、エールなどの反応ありがとうございます。大変励みになっております。引き続きよろしくお願いいたします。
66
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説


完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。

番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。
石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。
雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。
一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。
ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。
その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。
愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。
巨獣怠惰目録
煮て焼く
BL
マイペースな巨獣が人の姿になったり、
昼寝したり、悪戯したり、散歩したりする物語。
意のままに生きる巨大なもふもふの塊。
それは古来の伝記に載る伝説の巨獣。
それとない前置きは以上です
本音を言いますともふもふの獣になれる麗しい男子が総受けキャキャウフフする小説を描きたいが為に生み出された文章でございます。私の癖を煮凝りにして凝縮したような設定がもりもりにございますので苦手なお方はそっ閉じして頂けたらなと...
どうぞよしなに
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる