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登場人物紹介(本編最終話までのネタバレを含みます)随時更新予定です。
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登場人物紹介です。裏設定もちらほら。
次回は番外編更新です。
【ファルロ・ルイシャーン】
主人公その一。銀狼の獣人。銀髪金目。狼の耳と尾が常に出ている。獣の姿にもなる。かなりの偉丈夫。物語開始時は四十五歳。
ゴルハバル帝国ダルリズ守護軍総司令官。軍での階級は将軍。
貴族階級。ルイシャーン家は領地持ちの名家。
亡妻、息子二人、娘一人がいる。家族仲はいい方。領地運営に関心がなく、長男が十五歳の時に家を継がせた。
獣人の中でも飛び抜けて戦闘能力が高く、好戦的な性格をしている。同時に、常に冷静な判断を下せる名将。
基本的に敬語で穏やかに話す。周囲への気配りも忘れず、使用人や配下に対しても寛容。
ただし、そうしないと周囲を威圧し過ぎるので身につけた処世術の面が強い。反動で怒ると苛烈さが全面に出て残酷なことをやりがち。配下からは慕われつつも恐れられている。
ラズワートに戦場では最後までしないと言っていたのは、若い頃に痛い目にあったから。
ラズワートのことがめちゃくちゃ好き。大事にしたいし独占したい。嫉妬深くて色々ヤバい。死んでも離さない勢い。
【ラズワート・アールジュ】(旧:ラズワート・ド・アンジュール)
獣人の血を引く人間。紺色の髪、金混じりの青い目、獣人並みの身体能力を持つ。物語開始時は二十八歳。
ルフランゼ王国アンジュール辺境伯。アンジュール領領主および辺境軍総司令官。
後にゴルハバル帝国ダルリズ守護軍総司令ルイシャーン将軍の補佐官となる。また、ゴルハバル帝国での身分は貴族階級。
叔父と従兄弟たち以外の身内と死に別れている。亡妻がいた。
身体強化魔法と物質強化魔法、そしてなにより武勇で他を圧倒し、ルフランゼ王国と王家を守護していた。
職務に忠実な武人であり優秀な領主だが、王家には冷遇されている。冤罪によって身分以外の全てを奪われ、人質としてゴルハバル帝国に差し出されたのだが……。
しかし、全ては曽祖父の代からの復讐と己の願望を叶える為の計画だった。
苦労が多く暗い人生を歩んでいたが、周囲の愛情と持ち前の根性で幸福を掴み取る。
ファルロのことがめちゃくちゃ好き。大切に思っているし、ずっと甘えていたい。ファルロの愛情表現が強過ぎるから嫉妬はあまりしない。死んだ後も一緒にいたい。つまりはちゃめちゃに愛が重い。
【アリュシアン一世】
様々な種族の血を引く。恐らく寿命も長い。獅子を思わせる濃い金髪、紅玉色の目、褐色の肌、黒豹の耳と尾を持つ。
ゴルハバル帝国皇帝。物語開始時は三十歳。
同時進行で数十の策略を巡らせているとんでもない策略家。帝国をより栄えさせるためなら何でもする。
致命的なほどに個人に対する情が薄いが、為政者としては有能。
後年の歴史家は『ゴルハバル帝国の黄金時代を築き上げた名君』と称する。
父親からの指名で皇帝となった。逆らう兄弟姉妹は皆殺しにし、従う兄弟姉妹は生かして政治に利用している。
皇帝なので皇后と三十人以上の側室がいるが、全員に対して平等。ほとんど関心がないとも言う。
子供も何人かいるが、本人の出来を見て後継者を決める予定。為政に邪魔なら妻も子も無かった事にする気満々。
最近、番にしたい相手を見つけたらしい。ただし相手は七歳なので、まずは庇護と教育が必要だと考えている。
【サフィーリア・エルミーヌ・ルフランゼ】
人間。金茶色の髪、深い青色の目。枯れ木のように痩せた小さな青白い身体。
ルフランゼ王国第四王女。アンジュール辺境伯夫人。享年二十四歳。物語開始時故人。
ラズワートの亡妻。聡明で好奇心旺盛な女性。その知識、人脈、資産でアンジュール領を盛り立てた。
石が大好き。石から記憶や感情を読み取る能力がある。生まれた時から病弱で、二十歳まで生きれるかどうかと言われていた。
母である正妃も身体が弱く、サフィーリアを産んで一年後に亡くなっている。
家門のため、あえて毒を食らって祖父の目を覚まさせた。内臓に損傷を受けて寝たきりになっていたが、ラズワートによってある程度回復した。
しかも寿命が伸びたので、本気でラズワートに感謝していたし友情を感じていた。
最初にラズワートが送ってきた石に『本当に宝石ではないただの石だが、サフィーリア姫は気にいるだろうか?』『変わったお方だ。面白い手紙だった。お会いするのが楽しみだ』という感情が残っていたのも大きい。
あと二十年早く産まれるか、健康体で産まれていればこの物語は違ったものになっていたかもしれない。
【アジュリート・ド・アンジュール】
獣人の血を引く人間。金茶色の髪と目。ラズワートを甘やかにした顔立ちの美男。細身の優男。背は高くない。
元アンジュール辺境伯。物語開始時故人。享年は四十代後半。
ルフランゼ王国の王侯貴族らしい見た目、強力な自然魔法(特に炎、雷)を得意とし、優美な立ち振る舞いで老若男女問わず調略した。
同時に、自分が獣人の特徴を全く受け継いでいないことに強烈な劣等感と嫌悪感を抱いていた。かなり非力。
全ての元凶の一人であり、環境の被害者の一人。
ルフランゼ王家への憎悪を吸い上げて育った復讐の申し子。逆境にあってもアンジュール領を守り、復讐の礎を築いた祖父に心酔していた。
有能で、王侯貴族の堕落はアジュリートの代で一気に進む。とはいえ、アジュリート自身のルフランゼ王家への憎悪はそこまで強くなかった。
そのままであれば復讐を遂げつつも穏やかに生きれただろうが、シトリーヌと出会ったことで憎悪と罪悪感を募らせ歪んでいく。
家族や領民に対する愛情は真実だが、その愛はあまりに一方的すぎた。
そのせいでラズワートは深く苦しむ。弟であるリュビクもかなり苦労している。リュビクとは仲は悪くなかったが、劣等感と心の距離があった。
当初、ここまでドス黒くなる予定ではなかった人その一。多分あの世で息子の幸せ生活を見て発狂してると思う。シトリーヌが慰めてくれるといいね。
【リュビク・ド・ヴァンルージュ】
獣人の血を引く人間。黒髪金茶色の目。上背がかなりあり、厳つい顔立ち。
ラズワートほどではないが獣人並みの身体能力と、火おこし程度の炎魔法を使える。
ヴァンルージュ子爵。物語開始時五十代。
公的な場では礼節を持った騎士。ラズワートの叔父であり、武芸の師であり、腹心の配下。特に軍事面でラズワートを支えた。
私的な場では豪放磊落で気さくな好漢。
アンジュール家の憎悪と復讐に対しては一歩引いていた。迷いなく手を染めていた兄が精神的に不安定になっていったのも大きい。
ラズワートがアンジュール家を出ると決めて心配したが、本意を悟って安心した。同時に「恋に全力で命懸けなのは兄貴と一緒だな」と苦笑。
妻と子供が四人いる。妻とは政略結婚。不仲ではないが戦友のような間柄で、自由恋愛を認め合う仲。末子が十歳をこえたあたりで閨を共にすることも同居することも無くなった。
とはいえ、性欲を持て余してはいなかったので、恋も遊びもほとんど無かった。
最近、捕虜だったゴルハバル帝国の獣人と恋人になった。
酒は麦酒が好き。一角牛の干し肉作りが趣味。干し肉が不味いことで知られてたが、恋人によって矯正されたらしい。
【クロシュ】
人間。物語開始時六十代ぐらい。平民階級。
小柄な老爺。ルイシャーン家に古くから使える一族の一人。皇都の邸宅の一切を仕切る有能な家宰。ただし料理だけは出来ない。
ファルロが生まれた時から世話をしていた。ファルロの数少ない頭が上がらない存在。
使用人としての本分は守りつつも、主人のためならば時に諌める事のできる忠臣。
ラズワートにも真摯に仕える。というか、予想以上に純粋で優しい良家の坊ちゃんだったため、庇護欲が刺激された。
未婚、番なし。
【マフド】
人間。物語開始時五十代前半ぐらい。平民階級。中肉中背の壮年男性。
己の腕だけで各国を渡り歩いていた料理人。ある商人のお抱えだったが、料理の味に惚れ込んだファルロが買い取った。寡黙で実直な性格。
ファルロの美食に対する素直な反応と、ラズワートの誠実な言葉による感想がなによりの楽しみ。クロシュとは食材費などでバチバチにやり合う仲だが、たまに二人で酒盛りする。
最近は弟子たち(クロシュの親戚筋の少年少女)を育てるのに忙しい。
未婚、番なし。
【ジャルル・ルイ・ルフランゼ】
人間。物語開始時三十代くらい。
ルフランゼ王国第二王子および王太子。強力な風魔法の使い手だったが、今では毒虫と毒蛇の糞。
全ての元凶の一人であり、環境の被害者の一人……と言いたい所だが、ここまで外道になったのは本人の資質と母親である側妃(物語開始時故人。毒殺魔。サフィーリアの母親である正妃にも毒を盛っていた)の影響。
身内を遊び感覚で毒殺し、目についた者を虐待しては殺していた。特に助長せずとも予想をはるかにこえて醜悪に育ったので、実はアジュリートもドン引きしていた。
当初ここまでドス黒くなる予定ではなかった人そのニ。最初の構想ではラズワートに片思いして執着していたが、その設定は消滅した。
【ルフランゼ王国国王】
人間。物語開始時五十代から六十代。
怠惰で嫌味ったらしいお飾りの王。ジャルルとその母の家門に任せていた。
自分から残虐なことや陰謀を巡らす事は少なかったが、止める事もまた無かった。
自分より秀でた者や諫言する者を嫌う。最たるが宰相であったクレドゥール公爵と、己の正妃であるその娘だった。同じ理由でサフィーリア毒殺も黙認する。
【シトリーヌ・ド・アンジュール】
恐らく獣人の血を引く人間。名前の通りシトリンのような淡い色の金髪、水色に近い青い目。
儚げで品の良い淑女。物語開始時故人。病没。享年は二十代
元アンジュール辺境伯夫人。魔法は使えないが魔力が非常に強かった。
環境の被害者の一人。
母親はグランド公国の獣人と獣人の混血の多い地域出身。それなりに裕福な平民の娘だったが、奴隷狩りにあいルフランゼ王国マールゴワル侯爵家の奴隷となる。
侯爵の手がつきシトリーヌが産まれる。母親は死ぬまでありとあらゆる虐待を受けた。
シトリーヌも虐待されていたが、マールゴワル侯爵家に子女が少なく見目がよかったため、令嬢としての教育を受ける。
生まれてから一度も人間扱いされてこなかったが、アジュリートが自分に一目惚れして求婚したことで全てが変わる。
アジュリートは自分に対して優しく誠実な上、マールゴワル侯爵家を叩き潰して母親の墓を建ててくれた。
強い感謝と敬愛を抱き、死ぬまで夫を支えた。夫の秘密と、アンジュール家の策略については薄々勘づいていたが、本人が話すまで待っていた。また、どんな秘密があっても夫を愛し抜く覚悟があった。
ラズワートが産まれた時、髪の色と目の色があまりにも夫に似てなくて動揺したが、アジュリートも周囲も『先祖返りだ!やったー!』と、大盛り上がりし、さらに大切にされた。
成長するほど夫に似ていくラズワートが可愛くて仕方なかった。『孫の顔が見れるくらい長生きしたい』という呟きが夫と息子に爪痕を残すことになる。
たぶんあの世でアジュリートを慰めてくれてると思うし、ラズワートの幸せを誰よりも喜んでいる。
【イオリート・ド・アンジュール】(旧:イオリート・ド・ヴァンルージュ)
獣人の血を引く人間。物語開始時二十五歳くらい。黒髪淡い菫色の目。ラズワートの従兄弟でリュビクの息子。他に三人くらい兄弟がいる。
人脈が広く語学堪能で交渉力に優れる。水と氷魔法が得意。剣術と馬術も達者。
また、ラズワートに万が一があった場合に備え、共に領主、軍司令官としての教育を幼い頃より受けていた。
出来ないことがほぼ無い完璧超人。
本人はラズワート(獣人並の身体能力、特異な魔法、カリスマ性)、アジュリート(強力な魔法の使い手、人心掌握術、カリスマ性)、リュビク(獣人並の身体能力、軍才、カリスマ性)たちのような突出した才が無いと思っている。
周りが有能すぎて麻痺している好例。
有能ゆえに、死期を悟ったアジュリートより王都に忍ばせたアンジュール領出身者の指揮、ゴルハバル帝国との窓口を任された。
その為、十五歳で外務大臣の従者として送り込まれる。経験をつみ出世し下級官人となる。
二十二歳でアンジュール領に戻り、ラズワートからの引き継ぎを受けるが「自分は器ではない」「貴方様にお仕えさせてくれないのか」と、反発。
なお、イオリートがいなくなった後の外務大臣とその周りの仕事ぶりはお察しである。
ラズワートに忠誠を誓い心酔していたが、同時にラズワートがアンジュール家の歪みに苦しんでいたことも悟っていたので最後には引き継ぐ。幸せそうなラズワートの顔を見てホッとした。
仕事人間で融通が効かない所があるが、なんだかんだで辺境軍からも領民からも慕われている。
後に妻を娶り、子にも恵まれる。
【アダシュ】
虎の獣人。正規兵→降格して見習い兵に。
物語開始時十八歳くらい。平民階級。
父譲りの体躯と怪力を持つ。同時に剣術、体術、騎竜術を磨いている。同世代では突出した実力者。
十二年前にラズワートが討ち取ったアルザー(ファルロの配下。騎竜兵。高名な戦士)の息子。父親を尊敬し、目指していた。
当時十六歳のラズワートに討ち取られたアルザーを揶揄する者もいたため、ラズワートへの復讐心を募らせた。
鍛錬を積み、ファルロの皇都滞在の同行に選ばれるまでになる。
なお同行は、若手兵の中でも優秀な者が選ばれ、熟練兵の指導のもと皇都および皇城でのしきたり、振る舞いを学び見聞を深める。選ばれれば出世コース入り。
その後、ファルロに『ラズワートを傷つけない』誓約を立ててラズワートの見張り兵の一人になる。ラズワートの実力と人柄を見極め、場合によっては決闘を申し込んで復讐するつもりだった。
決闘ではなく手合わせを申し込む。
思いを遂げたが、命令に違反したこと、誓約を破りラズワートに傷をつけたこと、伝達ミスなどによってファルロに殺されかける。
ファルロの怒りと自分への失望、自分を庇うラズワートの姿に己の身勝手さと軽率さを深く反省し、思慮深さが備わる。
見習い兵に降格後、真面目に勤め上げる。正規兵に昇格後は、ファルロ以外の将軍の元に編成される。(ファルロの温情。見かけたらうっかり殺しそうだから)後に騎竜兵として頭角を表す。
十年後くらいにファルロに再会してちゃんと和解するかも知れない。
【ファルホン】
十八歳くらい。蛇の獣人。常に肌に薄ら鱗が浮いている。女性。平民階級。背が高く細身。
身体が柔らかく俊敏。普段は細身の剣を使うが、真打ちは鞭。
ファルロに憧れて敬語口調を使っていた。皇都に同行したことで色々と夢が壊れる。
メフルドと仲がいい。アダシュとは幼馴染で気心が知れてるが、そこまで仲良くはない。
後に騎竜兵として頭角を表す。また、斥候や隠密行動にも優れているので重宝されている。
【メフルド】
十八歳くらい。猪の獣人。平民階級。背が低く筋肉質。凄まじい突進力と怪力の持ち主。
巨大な戦斧を使う。
経験不足から予想外の事態に弱く、動揺すると盲目的に突っ走ってしまう。ファルロの怒りにすくみ上がって失神しかけた。
伝達ミスはメフルドだけのせいではないが、アダシュを殺すところだったので自己嫌悪におちいった。反省し、成長していく。
アダシュ、ファルホンと仲がいい。
後に騎竜兵部隊つき歩兵として頭角を表す。
【外務大臣】
人間。ルフランゼ王国の外務大臣。外務大臣時代は侯爵。五十代くらい。
ルフランゼの王侯貴族にしては善良で真面目な方。でも収賄してたのでルフランゼ王国滅亡後は平民階級に落とされた。
語学能力が高いが、交渉事が苦手。後に、部下共々イオリートに拾われて翻訳や通訳を担当する。
【ラズワート付きの騎士四人】
人間と獣人の血を引く人間。二十代から三十代。
ラズワートの側近っぽい位置付けの四人。全員性格が違うが、基本的に陽気に話す。ラズワートの気が少しでも軽くなるようにとの配慮だった。
実は捕虜交換の時『ファルロとラズワートが逢引きするなら手伝うか邪魔するか』で、ファルロの部下たちと激論を交わした。四人の中でも意見は割れるは、酒は入っているはでグダグダのまま終わる。
おまけに肝心の二人は手も握らなかったので、全員なんとも言えない顔になったという。
全員、ルフランゼ王国滅亡後もアンジュール領にいるが、うち一人はこの時に知り合った獣人と番になった。
次回は番外編更新です。
【ファルロ・ルイシャーン】
主人公その一。銀狼の獣人。銀髪金目。狼の耳と尾が常に出ている。獣の姿にもなる。かなりの偉丈夫。物語開始時は四十五歳。
ゴルハバル帝国ダルリズ守護軍総司令官。軍での階級は将軍。
貴族階級。ルイシャーン家は領地持ちの名家。
亡妻、息子二人、娘一人がいる。家族仲はいい方。領地運営に関心がなく、長男が十五歳の時に家を継がせた。
獣人の中でも飛び抜けて戦闘能力が高く、好戦的な性格をしている。同時に、常に冷静な判断を下せる名将。
基本的に敬語で穏やかに話す。周囲への気配りも忘れず、使用人や配下に対しても寛容。
ただし、そうしないと周囲を威圧し過ぎるので身につけた処世術の面が強い。反動で怒ると苛烈さが全面に出て残酷なことをやりがち。配下からは慕われつつも恐れられている。
ラズワートに戦場では最後までしないと言っていたのは、若い頃に痛い目にあったから。
ラズワートのことがめちゃくちゃ好き。大事にしたいし独占したい。嫉妬深くて色々ヤバい。死んでも離さない勢い。
【ラズワート・アールジュ】(旧:ラズワート・ド・アンジュール)
獣人の血を引く人間。紺色の髪、金混じりの青い目、獣人並みの身体能力を持つ。物語開始時は二十八歳。
ルフランゼ王国アンジュール辺境伯。アンジュール領領主および辺境軍総司令官。
後にゴルハバル帝国ダルリズ守護軍総司令ルイシャーン将軍の補佐官となる。また、ゴルハバル帝国での身分は貴族階級。
叔父と従兄弟たち以外の身内と死に別れている。亡妻がいた。
身体強化魔法と物質強化魔法、そしてなにより武勇で他を圧倒し、ルフランゼ王国と王家を守護していた。
職務に忠実な武人であり優秀な領主だが、王家には冷遇されている。冤罪によって身分以外の全てを奪われ、人質としてゴルハバル帝国に差し出されたのだが……。
しかし、全ては曽祖父の代からの復讐と己の願望を叶える為の計画だった。
苦労が多く暗い人生を歩んでいたが、周囲の愛情と持ち前の根性で幸福を掴み取る。
ファルロのことがめちゃくちゃ好き。大切に思っているし、ずっと甘えていたい。ファルロの愛情表現が強過ぎるから嫉妬はあまりしない。死んだ後も一緒にいたい。つまりはちゃめちゃに愛が重い。
【アリュシアン一世】
様々な種族の血を引く。恐らく寿命も長い。獅子を思わせる濃い金髪、紅玉色の目、褐色の肌、黒豹の耳と尾を持つ。
ゴルハバル帝国皇帝。物語開始時は三十歳。
同時進行で数十の策略を巡らせているとんでもない策略家。帝国をより栄えさせるためなら何でもする。
致命的なほどに個人に対する情が薄いが、為政者としては有能。
後年の歴史家は『ゴルハバル帝国の黄金時代を築き上げた名君』と称する。
父親からの指名で皇帝となった。逆らう兄弟姉妹は皆殺しにし、従う兄弟姉妹は生かして政治に利用している。
皇帝なので皇后と三十人以上の側室がいるが、全員に対して平等。ほとんど関心がないとも言う。
子供も何人かいるが、本人の出来を見て後継者を決める予定。為政に邪魔なら妻も子も無かった事にする気満々。
最近、番にしたい相手を見つけたらしい。ただし相手は七歳なので、まずは庇護と教育が必要だと考えている。
【サフィーリア・エルミーヌ・ルフランゼ】
人間。金茶色の髪、深い青色の目。枯れ木のように痩せた小さな青白い身体。
ルフランゼ王国第四王女。アンジュール辺境伯夫人。享年二十四歳。物語開始時故人。
ラズワートの亡妻。聡明で好奇心旺盛な女性。その知識、人脈、資産でアンジュール領を盛り立てた。
石が大好き。石から記憶や感情を読み取る能力がある。生まれた時から病弱で、二十歳まで生きれるかどうかと言われていた。
母である正妃も身体が弱く、サフィーリアを産んで一年後に亡くなっている。
家門のため、あえて毒を食らって祖父の目を覚まさせた。内臓に損傷を受けて寝たきりになっていたが、ラズワートによってある程度回復した。
しかも寿命が伸びたので、本気でラズワートに感謝していたし友情を感じていた。
最初にラズワートが送ってきた石に『本当に宝石ではないただの石だが、サフィーリア姫は気にいるだろうか?』『変わったお方だ。面白い手紙だった。お会いするのが楽しみだ』という感情が残っていたのも大きい。
あと二十年早く産まれるか、健康体で産まれていればこの物語は違ったものになっていたかもしれない。
【アジュリート・ド・アンジュール】
獣人の血を引く人間。金茶色の髪と目。ラズワートを甘やかにした顔立ちの美男。細身の優男。背は高くない。
元アンジュール辺境伯。物語開始時故人。享年は四十代後半。
ルフランゼ王国の王侯貴族らしい見た目、強力な自然魔法(特に炎、雷)を得意とし、優美な立ち振る舞いで老若男女問わず調略した。
同時に、自分が獣人の特徴を全く受け継いでいないことに強烈な劣等感と嫌悪感を抱いていた。かなり非力。
全ての元凶の一人であり、環境の被害者の一人。
ルフランゼ王家への憎悪を吸い上げて育った復讐の申し子。逆境にあってもアンジュール領を守り、復讐の礎を築いた祖父に心酔していた。
有能で、王侯貴族の堕落はアジュリートの代で一気に進む。とはいえ、アジュリート自身のルフランゼ王家への憎悪はそこまで強くなかった。
そのままであれば復讐を遂げつつも穏やかに生きれただろうが、シトリーヌと出会ったことで憎悪と罪悪感を募らせ歪んでいく。
家族や領民に対する愛情は真実だが、その愛はあまりに一方的すぎた。
そのせいでラズワートは深く苦しむ。弟であるリュビクもかなり苦労している。リュビクとは仲は悪くなかったが、劣等感と心の距離があった。
当初、ここまでドス黒くなる予定ではなかった人その一。多分あの世で息子の幸せ生活を見て発狂してると思う。シトリーヌが慰めてくれるといいね。
【リュビク・ド・ヴァンルージュ】
獣人の血を引く人間。黒髪金茶色の目。上背がかなりあり、厳つい顔立ち。
ラズワートほどではないが獣人並みの身体能力と、火おこし程度の炎魔法を使える。
ヴァンルージュ子爵。物語開始時五十代。
公的な場では礼節を持った騎士。ラズワートの叔父であり、武芸の師であり、腹心の配下。特に軍事面でラズワートを支えた。
私的な場では豪放磊落で気さくな好漢。
アンジュール家の憎悪と復讐に対しては一歩引いていた。迷いなく手を染めていた兄が精神的に不安定になっていったのも大きい。
ラズワートがアンジュール家を出ると決めて心配したが、本意を悟って安心した。同時に「恋に全力で命懸けなのは兄貴と一緒だな」と苦笑。
妻と子供が四人いる。妻とは政略結婚。不仲ではないが戦友のような間柄で、自由恋愛を認め合う仲。末子が十歳をこえたあたりで閨を共にすることも同居することも無くなった。
とはいえ、性欲を持て余してはいなかったので、恋も遊びもほとんど無かった。
最近、捕虜だったゴルハバル帝国の獣人と恋人になった。
酒は麦酒が好き。一角牛の干し肉作りが趣味。干し肉が不味いことで知られてたが、恋人によって矯正されたらしい。
【クロシュ】
人間。物語開始時六十代ぐらい。平民階級。
小柄な老爺。ルイシャーン家に古くから使える一族の一人。皇都の邸宅の一切を仕切る有能な家宰。ただし料理だけは出来ない。
ファルロが生まれた時から世話をしていた。ファルロの数少ない頭が上がらない存在。
使用人としての本分は守りつつも、主人のためならば時に諌める事のできる忠臣。
ラズワートにも真摯に仕える。というか、予想以上に純粋で優しい良家の坊ちゃんだったため、庇護欲が刺激された。
未婚、番なし。
【マフド】
人間。物語開始時五十代前半ぐらい。平民階級。中肉中背の壮年男性。
己の腕だけで各国を渡り歩いていた料理人。ある商人のお抱えだったが、料理の味に惚れ込んだファルロが買い取った。寡黙で実直な性格。
ファルロの美食に対する素直な反応と、ラズワートの誠実な言葉による感想がなによりの楽しみ。クロシュとは食材費などでバチバチにやり合う仲だが、たまに二人で酒盛りする。
最近は弟子たち(クロシュの親戚筋の少年少女)を育てるのに忙しい。
未婚、番なし。
【ジャルル・ルイ・ルフランゼ】
人間。物語開始時三十代くらい。
ルフランゼ王国第二王子および王太子。強力な風魔法の使い手だったが、今では毒虫と毒蛇の糞。
全ての元凶の一人であり、環境の被害者の一人……と言いたい所だが、ここまで外道になったのは本人の資質と母親である側妃(物語開始時故人。毒殺魔。サフィーリアの母親である正妃にも毒を盛っていた)の影響。
身内を遊び感覚で毒殺し、目についた者を虐待しては殺していた。特に助長せずとも予想をはるかにこえて醜悪に育ったので、実はアジュリートもドン引きしていた。
当初ここまでドス黒くなる予定ではなかった人そのニ。最初の構想ではラズワートに片思いして執着していたが、その設定は消滅した。
【ルフランゼ王国国王】
人間。物語開始時五十代から六十代。
怠惰で嫌味ったらしいお飾りの王。ジャルルとその母の家門に任せていた。
自分から残虐なことや陰謀を巡らす事は少なかったが、止める事もまた無かった。
自分より秀でた者や諫言する者を嫌う。最たるが宰相であったクレドゥール公爵と、己の正妃であるその娘だった。同じ理由でサフィーリア毒殺も黙認する。
【シトリーヌ・ド・アンジュール】
恐らく獣人の血を引く人間。名前の通りシトリンのような淡い色の金髪、水色に近い青い目。
儚げで品の良い淑女。物語開始時故人。病没。享年は二十代
元アンジュール辺境伯夫人。魔法は使えないが魔力が非常に強かった。
環境の被害者の一人。
母親はグランド公国の獣人と獣人の混血の多い地域出身。それなりに裕福な平民の娘だったが、奴隷狩りにあいルフランゼ王国マールゴワル侯爵家の奴隷となる。
侯爵の手がつきシトリーヌが産まれる。母親は死ぬまでありとあらゆる虐待を受けた。
シトリーヌも虐待されていたが、マールゴワル侯爵家に子女が少なく見目がよかったため、令嬢としての教育を受ける。
生まれてから一度も人間扱いされてこなかったが、アジュリートが自分に一目惚れして求婚したことで全てが変わる。
アジュリートは自分に対して優しく誠実な上、マールゴワル侯爵家を叩き潰して母親の墓を建ててくれた。
強い感謝と敬愛を抱き、死ぬまで夫を支えた。夫の秘密と、アンジュール家の策略については薄々勘づいていたが、本人が話すまで待っていた。また、どんな秘密があっても夫を愛し抜く覚悟があった。
ラズワートが産まれた時、髪の色と目の色があまりにも夫に似てなくて動揺したが、アジュリートも周囲も『先祖返りだ!やったー!』と、大盛り上がりし、さらに大切にされた。
成長するほど夫に似ていくラズワートが可愛くて仕方なかった。『孫の顔が見れるくらい長生きしたい』という呟きが夫と息子に爪痕を残すことになる。
たぶんあの世でアジュリートを慰めてくれてると思うし、ラズワートの幸せを誰よりも喜んでいる。
【イオリート・ド・アンジュール】(旧:イオリート・ド・ヴァンルージュ)
獣人の血を引く人間。物語開始時二十五歳くらい。黒髪淡い菫色の目。ラズワートの従兄弟でリュビクの息子。他に三人くらい兄弟がいる。
人脈が広く語学堪能で交渉力に優れる。水と氷魔法が得意。剣術と馬術も達者。
また、ラズワートに万が一があった場合に備え、共に領主、軍司令官としての教育を幼い頃より受けていた。
出来ないことがほぼ無い完璧超人。
本人はラズワート(獣人並の身体能力、特異な魔法、カリスマ性)、アジュリート(強力な魔法の使い手、人心掌握術、カリスマ性)、リュビク(獣人並の身体能力、軍才、カリスマ性)たちのような突出した才が無いと思っている。
周りが有能すぎて麻痺している好例。
有能ゆえに、死期を悟ったアジュリートより王都に忍ばせたアンジュール領出身者の指揮、ゴルハバル帝国との窓口を任された。
その為、十五歳で外務大臣の従者として送り込まれる。経験をつみ出世し下級官人となる。
二十二歳でアンジュール領に戻り、ラズワートからの引き継ぎを受けるが「自分は器ではない」「貴方様にお仕えさせてくれないのか」と、反発。
なお、イオリートがいなくなった後の外務大臣とその周りの仕事ぶりはお察しである。
ラズワートに忠誠を誓い心酔していたが、同時にラズワートがアンジュール家の歪みに苦しんでいたことも悟っていたので最後には引き継ぐ。幸せそうなラズワートの顔を見てホッとした。
仕事人間で融通が効かない所があるが、なんだかんだで辺境軍からも領民からも慕われている。
後に妻を娶り、子にも恵まれる。
【アダシュ】
虎の獣人。正規兵→降格して見習い兵に。
物語開始時十八歳くらい。平民階級。
父譲りの体躯と怪力を持つ。同時に剣術、体術、騎竜術を磨いている。同世代では突出した実力者。
十二年前にラズワートが討ち取ったアルザー(ファルロの配下。騎竜兵。高名な戦士)の息子。父親を尊敬し、目指していた。
当時十六歳のラズワートに討ち取られたアルザーを揶揄する者もいたため、ラズワートへの復讐心を募らせた。
鍛錬を積み、ファルロの皇都滞在の同行に選ばれるまでになる。
なお同行は、若手兵の中でも優秀な者が選ばれ、熟練兵の指導のもと皇都および皇城でのしきたり、振る舞いを学び見聞を深める。選ばれれば出世コース入り。
その後、ファルロに『ラズワートを傷つけない』誓約を立ててラズワートの見張り兵の一人になる。ラズワートの実力と人柄を見極め、場合によっては決闘を申し込んで復讐するつもりだった。
決闘ではなく手合わせを申し込む。
思いを遂げたが、命令に違反したこと、誓約を破りラズワートに傷をつけたこと、伝達ミスなどによってファルロに殺されかける。
ファルロの怒りと自分への失望、自分を庇うラズワートの姿に己の身勝手さと軽率さを深く反省し、思慮深さが備わる。
見習い兵に降格後、真面目に勤め上げる。正規兵に昇格後は、ファルロ以外の将軍の元に編成される。(ファルロの温情。見かけたらうっかり殺しそうだから)後に騎竜兵として頭角を表す。
十年後くらいにファルロに再会してちゃんと和解するかも知れない。
【ファルホン】
十八歳くらい。蛇の獣人。常に肌に薄ら鱗が浮いている。女性。平民階級。背が高く細身。
身体が柔らかく俊敏。普段は細身の剣を使うが、真打ちは鞭。
ファルロに憧れて敬語口調を使っていた。皇都に同行したことで色々と夢が壊れる。
メフルドと仲がいい。アダシュとは幼馴染で気心が知れてるが、そこまで仲良くはない。
後に騎竜兵として頭角を表す。また、斥候や隠密行動にも優れているので重宝されている。
【メフルド】
十八歳くらい。猪の獣人。平民階級。背が低く筋肉質。凄まじい突進力と怪力の持ち主。
巨大な戦斧を使う。
経験不足から予想外の事態に弱く、動揺すると盲目的に突っ走ってしまう。ファルロの怒りにすくみ上がって失神しかけた。
伝達ミスはメフルドだけのせいではないが、アダシュを殺すところだったので自己嫌悪におちいった。反省し、成長していく。
アダシュ、ファルホンと仲がいい。
後に騎竜兵部隊つき歩兵として頭角を表す。
【外務大臣】
人間。ルフランゼ王国の外務大臣。外務大臣時代は侯爵。五十代くらい。
ルフランゼの王侯貴族にしては善良で真面目な方。でも収賄してたのでルフランゼ王国滅亡後は平民階級に落とされた。
語学能力が高いが、交渉事が苦手。後に、部下共々イオリートに拾われて翻訳や通訳を担当する。
【ラズワート付きの騎士四人】
人間と獣人の血を引く人間。二十代から三十代。
ラズワートの側近っぽい位置付けの四人。全員性格が違うが、基本的に陽気に話す。ラズワートの気が少しでも軽くなるようにとの配慮だった。
実は捕虜交換の時『ファルロとラズワートが逢引きするなら手伝うか邪魔するか』で、ファルロの部下たちと激論を交わした。四人の中でも意見は割れるは、酒は入っているはでグダグダのまま終わる。
おまけに肝心の二人は手も握らなかったので、全員なんとも言えない顔になったという。
全員、ルフランゼ王国滅亡後もアンジュール領にいるが、うち一人はこの時に知り合った獣人と番になった。
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