30 / 65
ファルロの蜜月【7】*
しおりを挟む
この日は、ラズワートの寝室で共寝した。寝台の中、正面から抱き合しめあう。互いに夜衣は着たままだ。ラズワートのつむじに軽く口付け、匂いと体温を感じる。最初は抱きしめられることに慣れていなかったラズワートも、身を委ねることを覚えた。その変化が愛おしい。たまらなくなって、頭や額に口付けを落としていく。
「ふふっファルロ、くすぐったい」
どこか幼く甘い声。その声もたまらないなと、口付けようと身をよじる。なかなかの力で阻まれた。
「嫌だ。離れるな」
まるで駄々っ子だ。いつもと逆だなと、ファルロはおかしくなった。
「離れません。可愛い子に口付けたいんです」
「……俺は可愛くないし、子供じゃない」
「可愛いです。子供扱いなんてしてませんよ。こんなに魅力的なのに」
ファルロは拗ねた声の一つ一つに丁寧に返しながら、今度こそ身動いでラズワートに口付けた。少し睨みつけるようだった金混じりの青い目も、あっという間に甘くとろける。
唇は従順にファルロの舌を受け入れ、舌と舌が絡み合う。ファルロは温かく柔らかい舌と口内を存分に味わい、ラズワートに快楽を与えた。
「ん……ふ……はぁっ……」
ラズワートの唇から、甘い声と唾液がこぼれる。ファルロはそれらを舐めて吸いながら、ラズワートの顔を観察する。
「はぁ……ふぁる、ろ……」
うっとりと目を閉じて感じるラズワートが愛しい。今夜は口付けだけのつもりだったが、欲がもたげる。
(ですが、シャーディとサフィーリア様のことを話した後というのは少し……)
流石のファルロもためらっていると、ラズワートが唇を離した。口元が互いの唾液で濡れていて淫靡だ。その淫靡な唇がファルロの首筋に吸い付き、鍛えられた脚が卑猥にファルロの股間を擦る。
「お前をもっと感じたい。今夜は少し……寂しい」
ここまで言われて応えないほど、ファルロは野暮ではない。
「では、寂しさなんて感じなくなるまで、たくさん可愛がってあげましょう」
「ん……ふぁ……あっ……」
再び口付けながら、ラズワートの夜衣を脱がしていく。艶かしい肌の匂いが濃くなる。口付けをやめ、胸筋の発達した胸を揉みつつ片方の乳首を舐めしゃぶる。
「あっ!いきなりっ!ひあぁっ!」
胸と乳首が弱いラズワートは容易く乱れた。ファルロの頭を抱いて身悶えする。無意識だろうか。腰が揺れている。しっかり立ち上がった乳首を摘みながら顔を見上げた。
「ラズワートの身体は、どこもかしこも可愛いですね。もう死ぬまで、いえ死んでも離してあげれそうに無いです」
一瞬、ラズワートは泣きそうな顔になった。愛しそうにファルロを見つめながら、額に口付けを落とす。
「俺もお前を離してなんてやらない」
嬉しい。今度はファルロが泣きそうになった。
また深く口付けあいながら、ファルロは自分の夜衣の前をはだけ、逸物を取り出した。まだ兆し出したばかりのそれと、ラズワートの逸物を束ねてしごく。ラズワートは腰を動かして応えた。
「あっ!はぁっ……!ああぁっ!」
ねちねちと、いやらしい音が激しくなっていく。ファルロは己よりも、ラズワートが快感を感じれるよう努めたかった。しかしいつの間にか手管も何もなく、夢中で手を動かしていた。
ラズワートと身体を貪りあっているこの状況に酔っている。何度夜を迎えても夢中だ。
(本当に、もうラズワートを手離せない。そしてラズワートからも離れて欲しくない。その為なら、私は何でもできる。……きっと、ラズワートも同じ想いでしょう)
その証拠のように、ラズワートの手はファルロの頭と肩をしっかり抱いて離さなかった。
「ふふっファルロ、くすぐったい」
どこか幼く甘い声。その声もたまらないなと、口付けようと身をよじる。なかなかの力で阻まれた。
「嫌だ。離れるな」
まるで駄々っ子だ。いつもと逆だなと、ファルロはおかしくなった。
「離れません。可愛い子に口付けたいんです」
「……俺は可愛くないし、子供じゃない」
「可愛いです。子供扱いなんてしてませんよ。こんなに魅力的なのに」
ファルロは拗ねた声の一つ一つに丁寧に返しながら、今度こそ身動いでラズワートに口付けた。少し睨みつけるようだった金混じりの青い目も、あっという間に甘くとろける。
唇は従順にファルロの舌を受け入れ、舌と舌が絡み合う。ファルロは温かく柔らかい舌と口内を存分に味わい、ラズワートに快楽を与えた。
「ん……ふ……はぁっ……」
ラズワートの唇から、甘い声と唾液がこぼれる。ファルロはそれらを舐めて吸いながら、ラズワートの顔を観察する。
「はぁ……ふぁる、ろ……」
うっとりと目を閉じて感じるラズワートが愛しい。今夜は口付けだけのつもりだったが、欲がもたげる。
(ですが、シャーディとサフィーリア様のことを話した後というのは少し……)
流石のファルロもためらっていると、ラズワートが唇を離した。口元が互いの唾液で濡れていて淫靡だ。その淫靡な唇がファルロの首筋に吸い付き、鍛えられた脚が卑猥にファルロの股間を擦る。
「お前をもっと感じたい。今夜は少し……寂しい」
ここまで言われて応えないほど、ファルロは野暮ではない。
「では、寂しさなんて感じなくなるまで、たくさん可愛がってあげましょう」
「ん……ふぁ……あっ……」
再び口付けながら、ラズワートの夜衣を脱がしていく。艶かしい肌の匂いが濃くなる。口付けをやめ、胸筋の発達した胸を揉みつつ片方の乳首を舐めしゃぶる。
「あっ!いきなりっ!ひあぁっ!」
胸と乳首が弱いラズワートは容易く乱れた。ファルロの頭を抱いて身悶えする。無意識だろうか。腰が揺れている。しっかり立ち上がった乳首を摘みながら顔を見上げた。
「ラズワートの身体は、どこもかしこも可愛いですね。もう死ぬまで、いえ死んでも離してあげれそうに無いです」
一瞬、ラズワートは泣きそうな顔になった。愛しそうにファルロを見つめながら、額に口付けを落とす。
「俺もお前を離してなんてやらない」
嬉しい。今度はファルロが泣きそうになった。
また深く口付けあいながら、ファルロは自分の夜衣の前をはだけ、逸物を取り出した。まだ兆し出したばかりのそれと、ラズワートの逸物を束ねてしごく。ラズワートは腰を動かして応えた。
「あっ!はぁっ……!ああぁっ!」
ねちねちと、いやらしい音が激しくなっていく。ファルロは己よりも、ラズワートが快感を感じれるよう努めたかった。しかしいつの間にか手管も何もなく、夢中で手を動かしていた。
ラズワートと身体を貪りあっているこの状況に酔っている。何度夜を迎えても夢中だ。
(本当に、もうラズワートを手離せない。そしてラズワートからも離れて欲しくない。その為なら、私は何でもできる。……きっと、ラズワートも同じ想いでしょう)
その証拠のように、ラズワートの手はファルロの頭と肩をしっかり抱いて離さなかった。
21
お気に入りに追加
183
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
僕だけの番
五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。
その中の獣人族にだけ存在する番。
でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。
僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。
それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。
出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。
そのうえ、彼には恋人もいて……。
後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
みなしご白虎が獣人異世界でしあわせになるまで
キザキ ケイ
BL
親を亡くしたアルビノの小さなトラは、異世界へ渡った────……
気がつくと知らない場所にいた真っ白な子トラのタビトは、子ライオンのレグルスと出会い、彼が「獣人」であることを知る。
獣人はケモノとヒト両方の姿を持っていて、でも獣人は恐ろしい人間とは違うらしい。
故郷に帰りたいけれど、方法が分からず途方に暮れるタビトは、レグルスとふれあい、傷ついた心を癒やされながら共に成長していく。
しかし、珍しい見た目のタビトを狙うものが現れて────?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる