狼は腹のなか〜銀狼の獣人将軍は、囚われの辺境伯を溺愛する〜

花房いちご

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ファルロの蜜月【3】*

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 ラズワートは、銀色の下生えから撫でるようにファルロの逸物を触った。恐る恐るといった様子だが、次第に大胆になる。両手を使い、形を確かめるように撫でたり握ったりする。
 拙くぎこちない動きだが、夢に見たラズワートの手で触れられたのだ。ファルロの逸物は素直に張り詰めて反ってゆき、鈴口は先走りをこぼした。
 ラズワートは身をかがめ、先走りを舐めた。

「ラズワート?……っ!くっ……!」

「う……生臭くて苦い……お前、よく飲めたな」

「無理しないで下さいよ……」

 ラズワートは味に顔をしかめながらも、ぺろぺろと鈴口や亀頭を舐め、逸物を育てていく。気持ちいいし愛しいが、技巧が足りない。このままでは、いつまでも射精できなさそうだ。技術を仕込みたいところだが、夜は今宵ばかりではない。

「……もう充分です。またして下さい。次は私が……」

「嫌だ。やめない」

 ラズワートがキッと睨む。自分の逸物を大事そうに握って舐めまわしながら。ファルロの下腹に血が集まる。

「ははっ。ビクビクして可愛いな。もっと可愛がってやろう」

「……余裕がありますね。ですが、私も貴方を可愛がりたい」

 ファルロは身体をずらした。互いに横たわり、互いの股間に顔を埋める態勢だ。

「ファルロ、おい?これ……」

「続けてください」

 ラズワートは戸惑いつつも、素直に舌での愛撫を続けた。ファルロはラズワートの脚に挟まるようにして、股間をじっくり眺める。既に半勃ちの逸物は揺れて先走りを垂らし、精液を溜め込んだ睾丸もふっくらとしている。尻を軽く揉む。引き締まって弾力がある尻に力が入り、準備したという尻穴は期待しているかのようにヒクついていた。まずは、べろりと竿の根元を舐めてやった。

「ファル……!ひゃっ……あぁっ!」

 ラズワートは甘い声をあげ、ファルロの逸物から口が離れた。ファルロは睾丸を口に含んだり、会陰を舌で舐め回す。そうしながら、手で尻や腿を揉んでさすり、尻穴を擦ったり指の腹で押した。ゆるめたと言っていたし、既に香油が塗り込まれているが、ほんの少ししか開かない。

「ひぃっ?な、なにやっ……まっ……!ファル……!」

 舌を中に入れる。締め付けられるが、竿を扱きながら優しく舐めると、少しずつ緩んでいった。ゆっくり舌を奥へと差し込み、肉壁を舐めまわす。もうすっかりファルロを愛撫する余裕の無くなったラズワートは、異物感に耐えていた。しかし、ある場所を舌が舐めた瞬間、反応が変わった。

「んぉっ!おぉ!ああっ!……そこっ!くっ……!うぅっ!」

 ここが、善い所なのだろう。ファルロは舌を抜き、身体を動かして膝立ちの姿勢になる。

「んぁ……な、にを……?」

 そして余韻に浸るラズワートを四つん這いにさせ、枕元の香油を手繰り寄せた。手のひらに垂らし、指に摺り込む。指に馴染んで温まってから、ゆっくりとラズワートの尻穴に指を入れていった。最初よりはゆるんだ肉壁を優しく進み、捏ねて、あの場所を強く擦る。

「あっ!?な、か……んんっ……くぅっ……うっ……!ひぁっ!んああっ!あああぁ!」

 ラズワートの腰が跳ねる。ぷるんと揺れる逸物も張り詰めていた。ファルロは両方同時に愛撫し、ラズワートを二度目の絶頂に誘った。

「んあああっ!でるっ!またいっ……!イくっ!……あああぁっ!」

 ファルロは、一度目とあまり濃さの変わらない精液を手のひらで受け止めた。荒い息を吐くラズワートに見えるよう、手をかざす。

「いっぱい感じて出しましたね。お尻もちゃんと気持ちよかったですか?」

 濡れてない方の手で背中を撫でる。ラズワートは羞恥を浮かべつつも頷いた。

「ちゃんと教えてくれてありがとうございます。ラズワートは良い子だ」

「ん……」

 褒めてやりながら追加の香油を手で温め、ラズワートの会陰から太もも、そしてファルロの逸物に塗りつける。精液と香油と汗でドロドロの下半身は卑猥極まりない見た目だ。興奮で、ファルロの逸物がさらに張り詰める。痛いくらいだ。

「脚を少し交差するように……そうです。上手ですよ」

 ファルロはラズワートの背中を抱きしめ、腰を使って太ももの間に逸物を差し込む。下生えの感触、太もものの心地よい圧迫感に先走りが溢れる。

「ひっ!な、なにを?」

「まだ貴方のお尻は準備できていないので、こちらで……ああっ!貴方とこうできるなんて!」

 ラズワートの逸物に手を添え、会陰や睾丸ごと擦れるように抽送する。途端にラズワートの反応が良くなった。

「あっ!あっ!ファルロ!へん、へんになる!」

「なって下さい!貴方に!恋をっ……!はぁっ……して、狂った!……くっ!わたしのっ……!ようにっ!……っ!」

「うあああっ!ひぃっ!……!あつっ!」

 ビシャビシャとファルロの逸物が射精した。あまりに大量で勢いのいい精液がラズワートの腹から胸まで飛ぶ。ファルロは出しながらも腰を止めなかった。ざわざわと全身に毛が生え、爪が伸び、牙が伸びる。半獣体になっていく。

 ───ガチッ!───

 うなじに噛みつこうとして、隷属の首輪に阻まれた。途端に正気に戻り、人間体になった。

「っ!……ふう……我を忘れ……かけました……すみません……乱暴な真似をして」

 荒い息を吐きながらラズワートに語りかけ、腰を引こうとした。

(今夜はここまでにした方がいいですね。ああ、最高の夜で……)

 だが、ラズワートは潤んだ流し目を送り、太ももを閉じる力を強めた。
 そして、ファルロの精液を指ですくって舐めながら口の端を上げた。

「……もっと……お前も……足りない……だろう?」

 あまりに煽情的な姿に、ファルロはガツンと頭を殴られたような衝撃に襲われた。
 欲望は容易く理性を捻じ伏せる。

「……素直な良い子にはご褒美が必要ですね」

 夜が明け朝になっても、二人はひたすら淫らに絡み合ったのだった。
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