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番外編一 元第二側妃ティアーレの過去と末路 後編
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ガン!ガン!ガン!
「きゃっ?な、なに?」
ティアーレは鉄の扉を叩く音で現実に引き戻された。
音がした方を向く。鉄格子越しのその人と目が合う。
「ああ!ライゼリアン様!私を迎えに来て下さったので……ひっ!」
鉄格子に縋り付く前に、剣の切先が同時に二つ。ティアーレの腕を狙った。間一髪で避けたが、冷ややかな感触に血の気が引く。
その場にへたり込み、ティアーレは呆然とライゼリアンを見上げた。
「ら、ライゼリ……」
「余を気安く呼ぶな」
(な、なぜ、どうして?私は貴女の妃なのに……)
ティアーレは、おろおろと周囲を見回した。
ライゼリアンの左右それぞれに近衛騎士がいて、ティアーレに剣の切先を向けている。
ティアーレが動こうとした瞬間、剣を抜き鉄格子の隙間から刃を滑らせ突きつけたのだった。
(酷いわ!何故?私はライゼリアン様のために頑張ったのに。それに近衛騎士だなんて邪魔者を……。っ!あそこにいるのは……!そうかあの女が誑かしたのね!)
ティアーレの瞳が憎悪で燃え上がる。ライゼリアンの周りにいるのは近衛騎士ばかりではなかった。
王妃ヴァルニカと、その隣に銀髪の美女第一側妃エスタリリーがいる。
「エスタリリー!この悪女!ライゼリアン様から離れなさ……きゃぁっ!」
ティアーレの肩に刃が突き立てられ、すぐさま引き抜かれた。激痛に悲鳴が上がる。
「いやあぁっ!痛い痛い!やめてえぇっ!」
「何度言ってもわからん愚か者だな。余を気安く呼ぶな」
「ひっ……うぅっ……な、ど、どうして?私は、私は、ライ……あ、貴方様のために……いぎっ!ぎああっ!」
今度は二の腕を切り裂かれた。血生臭い匂いと鋭い痛み。どっと涙と恐怖があふれて顔が崩れる。
「いぃい!いだいぃ!た、たすけ……!」
「貴様を助ける?何故だ?余に媚薬を使い子種を盗んだ強姦魔を何故助けなければならない?」
「そ、それは……!」
否定したいが、息が乱れているし痛みで舌が回らない。内心で反論する。
(この私が強姦魔ですって?酷い誤解だわ!私たちは愛し合っただけだというのに!)
それは二十年前の出来事。
ガーデニア公爵家の隣の領地に、ライゼリアンと臣下たちが視察に訪れた時のことだ。ガーデニア公爵は、謹慎中のティアーレを遠縁の令嬢と偽って送り込んだ。
この国では、輿入れ前の令嬢が行儀見習いとして他家に働きに出る風習がある。まんまとそれを利用したのだ。
さらに、ティアーレの補佐をする【影】も潜入させた。彼らはライゼリアンの食事に媚薬を混ぜ、ティアーレを寝所に引き込むことに成功した。
後は、媚薬で興奮したライゼリアンにティアーレが身を任せれば良かった。
ティアーレは、正気を失ったライゼリアンの荒々しさと破瓜の痛み、そして愛する男を手に入れた喜びによがり狂った。
正気に返ったライゼリアンの絶望の表情は、己と結ばれた驚きと喜びの表情と信じた。
孕みやすい日を選んだ甲斐もあり、ティアーレは無事に子を孕み第二側妃に収まったのである。
「貴様の罪はそれだけではない。数が多すぎて述べるのも面倒だが、最たるは余を弑してクリスティアンを擁立しようとした叛逆の罪だ。王家に弓を引き、国を転覆せんとした叛逆者め。余が貴様を助けるわけなかろう」
(違う!誤解だと説明しなきゃ!)
ティアーレは痛みに耐えながら言葉を紡ぐ。
「そ、それは、その女に誑かされた貴方の目を覚まさせるためです!殺すつもりなんてなかっ……ぎゃあ!いぎゃあああ!」
ライゼリアンが近衛騎士から剣を奪い、肩の傷にさらに刃を押し込んでいく。
「やかましい。何を痛がっている。余は肩を叩いただけで、痛みを与えるつもりはないのだが?」
「いだ、いだいぃ!やめ!だずげでえぇ!」
ティアーレはもがくが、ぐちゃぐちゃと傷口を広げられていく。鮮血があふれて気が遠くなっていった。
エスタリリーが、ライゼリアンの手にそっと手を重ねた。
「ライゼリアン様、これ以上は命に関わります。下衆な罪人ではありますが、処刑までは生かしておかなければなりません」
「ああ、そうだったな。済まない」
ライゼリアンは大人しく剣を近衛騎士に返した。ヴァルニカの明るい声が響く。
「ライゼリアン、エスタリリー、そろそろ出よう。この罪人はまともな話が出来そうもないし、この場所は不衛生すぎる。せっかく宿った君との子供に障ってしまうよ」
「いぎ……!いだいぃ……いだ……え?こ……ども?」
血塗れでのたうち回っていたティアーレが見上げると、笑みを浮かべながら己の腹を撫でるヴァルニカと目が合う。
その腹は、明らかにまるく膨らんでいた。
「ああ、私とライゼリアンの第一子が宿っている。貴様も新たな王族の誕生を祝福してくれるだろう?薄汚く賤しい罪人に堕ちたとはいえ、エデンローズの民なのだから」
「な……そ……そんな……」
「さあ、この腹を目に焼き付けて祝福しろ。お前の執着した男が、私を求めて出来た愛の結晶だ」
「あ……あぁ……いや、いっ……いや……あ……ーーーーーーーーーーーーっ!」
ティアーレの絶叫が地下に響く。悲痛な声はいつまでも反響した。
その後、ティアーレは傷の治療を受けた。
処刑まで生きていればいいので、とても雑な処置だ。醜い傷痕が残った上に、ティアーレの苦しみは終わらない。
ガーデニア公爵たちと同じように苛烈な拷問を受け、さらには一般牢に収容されて身も心もボロボロになるまで嬲られた。
拷問官や取調べ人や看守から、どれだけ自分が罪深いか説かれながら。それでも。
「どうして……私が……こんな目に……どうして?ライゼリアン様のためにしたのに……」
それでもティアーレは、生きながら焼かれるその瞬間ですら、自分の何が悪かったのか自覚できないままだったという。
おしまい
◆◆◆◆◆
ここまでお付き合い頂きありがとうございます。
明日は新しい番外編を更新しています。シルビアーナとリリがイチャイチャしています。
「きゃっ?な、なに?」
ティアーレは鉄の扉を叩く音で現実に引き戻された。
音がした方を向く。鉄格子越しのその人と目が合う。
「ああ!ライゼリアン様!私を迎えに来て下さったので……ひっ!」
鉄格子に縋り付く前に、剣の切先が同時に二つ。ティアーレの腕を狙った。間一髪で避けたが、冷ややかな感触に血の気が引く。
その場にへたり込み、ティアーレは呆然とライゼリアンを見上げた。
「ら、ライゼリ……」
「余を気安く呼ぶな」
(な、なぜ、どうして?私は貴女の妃なのに……)
ティアーレは、おろおろと周囲を見回した。
ライゼリアンの左右それぞれに近衛騎士がいて、ティアーレに剣の切先を向けている。
ティアーレが動こうとした瞬間、剣を抜き鉄格子の隙間から刃を滑らせ突きつけたのだった。
(酷いわ!何故?私はライゼリアン様のために頑張ったのに。それに近衛騎士だなんて邪魔者を……。っ!あそこにいるのは……!そうかあの女が誑かしたのね!)
ティアーレの瞳が憎悪で燃え上がる。ライゼリアンの周りにいるのは近衛騎士ばかりではなかった。
王妃ヴァルニカと、その隣に銀髪の美女第一側妃エスタリリーがいる。
「エスタリリー!この悪女!ライゼリアン様から離れなさ……きゃぁっ!」
ティアーレの肩に刃が突き立てられ、すぐさま引き抜かれた。激痛に悲鳴が上がる。
「いやあぁっ!痛い痛い!やめてえぇっ!」
「何度言ってもわからん愚か者だな。余を気安く呼ぶな」
「ひっ……うぅっ……な、ど、どうして?私は、私は、ライ……あ、貴方様のために……いぎっ!ぎああっ!」
今度は二の腕を切り裂かれた。血生臭い匂いと鋭い痛み。どっと涙と恐怖があふれて顔が崩れる。
「いぃい!いだいぃ!た、たすけ……!」
「貴様を助ける?何故だ?余に媚薬を使い子種を盗んだ強姦魔を何故助けなければならない?」
「そ、それは……!」
否定したいが、息が乱れているし痛みで舌が回らない。内心で反論する。
(この私が強姦魔ですって?酷い誤解だわ!私たちは愛し合っただけだというのに!)
それは二十年前の出来事。
ガーデニア公爵家の隣の領地に、ライゼリアンと臣下たちが視察に訪れた時のことだ。ガーデニア公爵は、謹慎中のティアーレを遠縁の令嬢と偽って送り込んだ。
この国では、輿入れ前の令嬢が行儀見習いとして他家に働きに出る風習がある。まんまとそれを利用したのだ。
さらに、ティアーレの補佐をする【影】も潜入させた。彼らはライゼリアンの食事に媚薬を混ぜ、ティアーレを寝所に引き込むことに成功した。
後は、媚薬で興奮したライゼリアンにティアーレが身を任せれば良かった。
ティアーレは、正気を失ったライゼリアンの荒々しさと破瓜の痛み、そして愛する男を手に入れた喜びによがり狂った。
正気に返ったライゼリアンの絶望の表情は、己と結ばれた驚きと喜びの表情と信じた。
孕みやすい日を選んだ甲斐もあり、ティアーレは無事に子を孕み第二側妃に収まったのである。
「貴様の罪はそれだけではない。数が多すぎて述べるのも面倒だが、最たるは余を弑してクリスティアンを擁立しようとした叛逆の罪だ。王家に弓を引き、国を転覆せんとした叛逆者め。余が貴様を助けるわけなかろう」
(違う!誤解だと説明しなきゃ!)
ティアーレは痛みに耐えながら言葉を紡ぐ。
「そ、それは、その女に誑かされた貴方の目を覚まさせるためです!殺すつもりなんてなかっ……ぎゃあ!いぎゃあああ!」
ライゼリアンが近衛騎士から剣を奪い、肩の傷にさらに刃を押し込んでいく。
「やかましい。何を痛がっている。余は肩を叩いただけで、痛みを与えるつもりはないのだが?」
「いだ、いだいぃ!やめ!だずげでえぇ!」
ティアーレはもがくが、ぐちゃぐちゃと傷口を広げられていく。鮮血があふれて気が遠くなっていった。
エスタリリーが、ライゼリアンの手にそっと手を重ねた。
「ライゼリアン様、これ以上は命に関わります。下衆な罪人ではありますが、処刑までは生かしておかなければなりません」
「ああ、そうだったな。済まない」
ライゼリアンは大人しく剣を近衛騎士に返した。ヴァルニカの明るい声が響く。
「ライゼリアン、エスタリリー、そろそろ出よう。この罪人はまともな話が出来そうもないし、この場所は不衛生すぎる。せっかく宿った君との子供に障ってしまうよ」
「いぎ……!いだいぃ……いだ……え?こ……ども?」
血塗れでのたうち回っていたティアーレが見上げると、笑みを浮かべながら己の腹を撫でるヴァルニカと目が合う。
その腹は、明らかにまるく膨らんでいた。
「ああ、私とライゼリアンの第一子が宿っている。貴様も新たな王族の誕生を祝福してくれるだろう?薄汚く賤しい罪人に堕ちたとはいえ、エデンローズの民なのだから」
「な……そ……そんな……」
「さあ、この腹を目に焼き付けて祝福しろ。お前の執着した男が、私を求めて出来た愛の結晶だ」
「あ……あぁ……いや、いっ……いや……あ……ーーーーーーーーーーーーっ!」
ティアーレの絶叫が地下に響く。悲痛な声はいつまでも反響した。
その後、ティアーレは傷の治療を受けた。
処刑まで生きていればいいので、とても雑な処置だ。醜い傷痕が残った上に、ティアーレの苦しみは終わらない。
ガーデニア公爵たちと同じように苛烈な拷問を受け、さらには一般牢に収容されて身も心もボロボロになるまで嬲られた。
拷問官や取調べ人や看守から、どれだけ自分が罪深いか説かれながら。それでも。
「どうして……私が……こんな目に……どうして?ライゼリアン様のためにしたのに……」
それでもティアーレは、生きながら焼かれるその瞬間ですら、自分の何が悪かったのか自覚できないままだったという。
おしまい
◆◆◆◆◆
ここまでお付き合い頂きありがとうございます。
明日は新しい番外編を更新しています。シルビアーナとリリがイチャイチャしています。
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