13 / 31
リリの現在と過去 2年前 進まぬ教育と悪意
しおりを挟む
シルビアお姉様とクリスティアン殿下が婚約して、二年ほど過ぎた。
最悪の初顔合わせ以降も、あの馬鹿王子は最悪を更新し続けている。
相変わらず国王陛下の説教は聞き流し、シルビアお姉様と教師たちから逃げては遊んでいるのだ。
しかもこの二年で女遊びを覚えたらしく、シルビアお姉様の前ではしたない姿をさらしている。最低過ぎて腹が立つのを通り過ぎて呆れている。
「嫌だ嫌だ嫌だー!」
今も、クリスティアン殿下は執務室で駄々をこねている。幼児か?十六歳のデビュタントを迎えたはずだけど?
「公務?ふざけるな!この私に労働しろというのか!勉強だと?高貴で完璧な私には必要ない!」
とうとう捨て台詞を吐いて逃げ出した。
シルビアお姉様たちは後を追う。
そして、母后であるティアーレ殿下や祖父であるガーデニア公爵が用意した取り巻きを侍らせ、酒を飲んでは戯れているところを見つけるのだ。
毎回、国王陛下か、シルビアお姉様か、教師たちが苦言を呈して止める。
国王陛下が用意した側近候補たちが、クリスティアン殿下に嫌気がさしたり、ガーデニア公爵たちから嫌がらせをされてやめてからは、シルビアお姉様たちの負担が増える一方だ。
「クリスティアン殿下、失礼します」
返事を待たずにドアを開ける。シルビアお姉様は、国王陛下よりクリスティアン殿下の居室に入ることを許されている。もちろん、二人きりでない状況に限るけど。
「なっ!また勝手に私の部屋に……!」
「いやぁん。殿下ぁ。怖いですぅ」
クリスティアン殿下は今日も、金髪とピンクブロンドの令嬢たちを連れ込んでいた。どちらもデコルテを大胆にさらしたドレスで、甘ったるい声でさえずっている。
クリスティアン殿下は、彼女たちを両脇に侍らせて胸や膝を撫でていたらしい。
醜悪すぎて吐き気がした。
「シルビアーナ!取り込み中だ!失せろ!貴様の小言など聞きたくない!」
「きゃっクリスティアン殿下ぁ!カッコいいわぁ!」
「素敵ですぅ。頼もしいわぁ」
「お前たちも、どこかの誰かと違って愛らしいぞ。やはり女は、甘い声で可愛く鳴いてこそだな」
黄色い声に鼻の下をだらしなく伸ばすクリスティアン殿下。いやらしく令嬢たちの身体を弄りながら、シルビアお姉様をニヤニヤと見た。
「ああん。クリスティアン殿下ぁ。まだ日が高いですよぉ」
「固いことを言うな」
女たちとは一線を越えてはないらしいが、不実にも程がある。私も教師たちも険しい顔だが、シルビアお姉様は淡々と告げる。
「クリスティアン殿下、公務にお戻り下さい」
ニヤついた顔がまた怒りに染まった。
「嫌だ!シルビアーナが口うるさくて醜いからやる気が出ない!癒しが必要なのだ!」
「さようでございますか。では、そちらの御令嬢方に癒して頂いた後は公務にお戻り下さい。本日は明日からの視察の打ち合わせも……」
「黙れ!白髪頭の醜女め!見た目が醜い上に、言葉にも可愛げがないな!田舎にはお前だけで行け!」
「田舎などと言っては不敬です。国王陛下直々に、クリスティアン殿下が管理すべしとされた王領でございますよ」
「うるさいうるさーい!とにかく私は行かないからな!」
「なりません。……仕方ありません。騎士様方、よろしくお願いします」
「お、おい!離せ!私は第二王子だぞ!」
我儘ばかりの馬鹿王子をなだめ、注意し、説明し。それでも駄目なら、近衛騎士たちに運ばせて公務と勉強をさせるのが恒例になっていた。
その後もつきっきりで面倒を見る。
「クリスティアン殿下、お見事でございます。先日よりも書類を読む時間が早くなっておりますし、誤字も減っています」
「ふふん。当然だ。私は真に高貴な存在だからな!」
少しでも興味を持てるよう工夫し、褒めて讃えて、ようやくほんの少しだけやる気を出すクリスティアン殿下。
「お前のような可愛げのない女など、婚約してやるのは私ぐらいだろう。感謝するのだな!」
挙げ句の果てには、シルビアお姉様を口汚く罵る。
しかも、クリスティアン殿下の能力では公務も勉強も進みは遅い。それらを補うシルビアお姉様の負担は凄まじい。
シルビアお姉様は、クリスティアン殿下に献身的にお使えし、教育を与え公務を補っている。すでに幾つか功績を上げてすらいる。
なのにクリスティアン殿下はシルビアお姉様に感謝しないし、自らの行いを反省しない。
恥知らずにも、母后であるティアーレ殿下に愚痴ったり泣き付いたりしてるらしい。
そのせいで、シルビアお姉様の負担がさらに増えている。
◆◆◆◆◆
ティアーレ殿下は、いまだに離宮に謹慎されている。王城には行けないし、夜会や茶会への参加やガーデニア公爵家への里帰りも禁じられている。
けど、離宮に他人を招くことは禁止されていない。
毎週のように【未来の義母と義娘のお茶会】と称してシルビアお姉様を呼び出す。
ご多忙を理由にお断りするけれど、数回に一度程度はお招きに応えなければならない。
離宮は、数代前の国王陛下が愛妾のために建てさせたもの。
壮麗さと歴史を備え、見事な庭園と相まって美しい。
けれど王城から馬車で半日かかる郊外にある。いかに、国王陛下がティアーレ殿下を苦手とされているかを表していた。
離宮の中に入ると、今日はサンルームに通された。
室内は明るく、大きな窓からは庭園がよく見える。季節の花々が美しい。
ここの主人は、庭園の趣味だけはいい。
「良く来たわね。恥を知らないのかしら」
招いた癖に嫌味を吐くのは、第二側妃ティアーレ殿下。
ピンクブロンドの豊かな髪、大きな空色の瞳、庇護欲を誘う顔立ちの美女だ。もう四十になろうという年齢だが、言われなければ二十歳そこそこに見える。
フリルとリボンたっぷりのドレスがよく似合う。まるで物語のお姫様みたい。
だけど性格はクソ。
「また私のクリスティアンに、公務をしろだの勉強をするだのと言ったんですってね。おまけに、田舎に行くよう言ったとか?髪色だけでなく、余計なことしかしないところも似ているわねえ」
空色の瞳が憎悪、いや殺意に濁る。
最悪の初顔合わせ以降も、あの馬鹿王子は最悪を更新し続けている。
相変わらず国王陛下の説教は聞き流し、シルビアお姉様と教師たちから逃げては遊んでいるのだ。
しかもこの二年で女遊びを覚えたらしく、シルビアお姉様の前ではしたない姿をさらしている。最低過ぎて腹が立つのを通り過ぎて呆れている。
「嫌だ嫌だ嫌だー!」
今も、クリスティアン殿下は執務室で駄々をこねている。幼児か?十六歳のデビュタントを迎えたはずだけど?
「公務?ふざけるな!この私に労働しろというのか!勉強だと?高貴で完璧な私には必要ない!」
とうとう捨て台詞を吐いて逃げ出した。
シルビアお姉様たちは後を追う。
そして、母后であるティアーレ殿下や祖父であるガーデニア公爵が用意した取り巻きを侍らせ、酒を飲んでは戯れているところを見つけるのだ。
毎回、国王陛下か、シルビアお姉様か、教師たちが苦言を呈して止める。
国王陛下が用意した側近候補たちが、クリスティアン殿下に嫌気がさしたり、ガーデニア公爵たちから嫌がらせをされてやめてからは、シルビアお姉様たちの負担が増える一方だ。
「クリスティアン殿下、失礼します」
返事を待たずにドアを開ける。シルビアお姉様は、国王陛下よりクリスティアン殿下の居室に入ることを許されている。もちろん、二人きりでない状況に限るけど。
「なっ!また勝手に私の部屋に……!」
「いやぁん。殿下ぁ。怖いですぅ」
クリスティアン殿下は今日も、金髪とピンクブロンドの令嬢たちを連れ込んでいた。どちらもデコルテを大胆にさらしたドレスで、甘ったるい声でさえずっている。
クリスティアン殿下は、彼女たちを両脇に侍らせて胸や膝を撫でていたらしい。
醜悪すぎて吐き気がした。
「シルビアーナ!取り込み中だ!失せろ!貴様の小言など聞きたくない!」
「きゃっクリスティアン殿下ぁ!カッコいいわぁ!」
「素敵ですぅ。頼もしいわぁ」
「お前たちも、どこかの誰かと違って愛らしいぞ。やはり女は、甘い声で可愛く鳴いてこそだな」
黄色い声に鼻の下をだらしなく伸ばすクリスティアン殿下。いやらしく令嬢たちの身体を弄りながら、シルビアお姉様をニヤニヤと見た。
「ああん。クリスティアン殿下ぁ。まだ日が高いですよぉ」
「固いことを言うな」
女たちとは一線を越えてはないらしいが、不実にも程がある。私も教師たちも険しい顔だが、シルビアお姉様は淡々と告げる。
「クリスティアン殿下、公務にお戻り下さい」
ニヤついた顔がまた怒りに染まった。
「嫌だ!シルビアーナが口うるさくて醜いからやる気が出ない!癒しが必要なのだ!」
「さようでございますか。では、そちらの御令嬢方に癒して頂いた後は公務にお戻り下さい。本日は明日からの視察の打ち合わせも……」
「黙れ!白髪頭の醜女め!見た目が醜い上に、言葉にも可愛げがないな!田舎にはお前だけで行け!」
「田舎などと言っては不敬です。国王陛下直々に、クリスティアン殿下が管理すべしとされた王領でございますよ」
「うるさいうるさーい!とにかく私は行かないからな!」
「なりません。……仕方ありません。騎士様方、よろしくお願いします」
「お、おい!離せ!私は第二王子だぞ!」
我儘ばかりの馬鹿王子をなだめ、注意し、説明し。それでも駄目なら、近衛騎士たちに運ばせて公務と勉強をさせるのが恒例になっていた。
その後もつきっきりで面倒を見る。
「クリスティアン殿下、お見事でございます。先日よりも書類を読む時間が早くなっておりますし、誤字も減っています」
「ふふん。当然だ。私は真に高貴な存在だからな!」
少しでも興味を持てるよう工夫し、褒めて讃えて、ようやくほんの少しだけやる気を出すクリスティアン殿下。
「お前のような可愛げのない女など、婚約してやるのは私ぐらいだろう。感謝するのだな!」
挙げ句の果てには、シルビアお姉様を口汚く罵る。
しかも、クリスティアン殿下の能力では公務も勉強も進みは遅い。それらを補うシルビアお姉様の負担は凄まじい。
シルビアお姉様は、クリスティアン殿下に献身的にお使えし、教育を与え公務を補っている。すでに幾つか功績を上げてすらいる。
なのにクリスティアン殿下はシルビアお姉様に感謝しないし、自らの行いを反省しない。
恥知らずにも、母后であるティアーレ殿下に愚痴ったり泣き付いたりしてるらしい。
そのせいで、シルビアお姉様の負担がさらに増えている。
◆◆◆◆◆
ティアーレ殿下は、いまだに離宮に謹慎されている。王城には行けないし、夜会や茶会への参加やガーデニア公爵家への里帰りも禁じられている。
けど、離宮に他人を招くことは禁止されていない。
毎週のように【未来の義母と義娘のお茶会】と称してシルビアお姉様を呼び出す。
ご多忙を理由にお断りするけれど、数回に一度程度はお招きに応えなければならない。
離宮は、数代前の国王陛下が愛妾のために建てさせたもの。
壮麗さと歴史を備え、見事な庭園と相まって美しい。
けれど王城から馬車で半日かかる郊外にある。いかに、国王陛下がティアーレ殿下を苦手とされているかを表していた。
離宮の中に入ると、今日はサンルームに通された。
室内は明るく、大きな窓からは庭園がよく見える。季節の花々が美しい。
ここの主人は、庭園の趣味だけはいい。
「良く来たわね。恥を知らないのかしら」
招いた癖に嫌味を吐くのは、第二側妃ティアーレ殿下。
ピンクブロンドの豊かな髪、大きな空色の瞳、庇護欲を誘う顔立ちの美女だ。もう四十になろうという年齢だが、言われなければ二十歳そこそこに見える。
フリルとリボンたっぷりのドレスがよく似合う。まるで物語のお姫様みたい。
だけど性格はクソ。
「また私のクリスティアンに、公務をしろだの勉強をするだのと言ったんですってね。おまけに、田舎に行くよう言ったとか?髪色だけでなく、余計なことしかしないところも似ているわねえ」
空色の瞳が憎悪、いや殺意に濁る。
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

王子は婚約破棄を泣いて詫びる
tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。
目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。
「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」
存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。
王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
【完結】「君を愛することはない」と言われた公爵令嬢は思い出の夜を繰り返す
おのまとぺ
恋愛
「君を愛することはない!」
鳴り響く鐘の音の中で、三年の婚約期間の末に結ばれるはずだったマルクス様は高らかに宣言しました。隣には彼の義理の妹シシーがピッタリとくっついています。私は笑顔で「承知いたしました」と答え、ガラスの靴を脱ぎ捨てて、一目散に式場の扉へと走り出しました。
え?悲しくないのかですって?
そんなこと思うわけないじゃないですか。だって、私はこの三年間、一度たりとも彼を愛したことなどなかったのですから。私が本当に愛していたのはーーー
◇よくある婚約破棄
◇元サヤはないです
◇タグは増えたりします
◇薬物などの危険物が少し登場します
【本編完結】婚約者を守ろうとしたら寧ろ盾にされました。腹が立ったので記憶を失ったふりをして婚約解消を目指します。
しろねこ。
恋愛
「君との婚約を解消したい」
その言葉を聞いてエカテリーナはニコリと微笑む。
「了承しました」
ようやくこの日が来たと内心で神に感謝をする。
(わたくしを盾にし、更に記憶喪失となったのに手助けもせず、他の女性に擦り寄った婚約者なんていらないもの)
そんな者との婚約が破談となって本当に良かった。
(それに欲しいものは手に入れたわ)
壁際で沈痛な面持ちでこちらを見る人物を見て、頬が赤くなる。
(愛してくれない者よりも、自分を愛してくれる人の方がいいじゃない?)
エカテリーナはあっさりと自分を捨てた男に向けて頭を下げる。
「今までありがとうございました。殿下もお幸せに」
類まれなる美貌と十分な地位、そして魔法の珍しいこの世界で魔法を使えるエカテリーナ。
だからこそ、ここバークレイ国で第二王子の婚約者に選ばれたのだが……それも今日で終わりだ。
今後は自分の力で頑張ってもらおう。
ハピエン、自己満足、ご都合主義なお話です。
ちゃっかりとシリーズ化というか、他作品と繋がっています。
カクヨムさん、小説家になろうさん、ノベルアッププラスさんでも連載中(*´ω`*)
表紙絵は猫絵師さんより(。・ω・。)ノ♡
嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜
みおな
恋愛
伯爵令嬢のジュエルは、王太子であるシリウスから求婚され、王太子妃になるべく日々努力していた。
そんなある日、ジュエルはシリウスが一人の女性と抱き合っているのを見てしまう。
その日以来、何度も何度も彼女との逢瀬を重ねるシリウス。
そんなに彼女が好きなのなら、彼女を王太子妃にすれば良い。
ジュエルが何度そう言っても、シリウスは「彼女は友人だよ」と繰り返すばかり。
堂々と嘘をつくシリウスにジュエルは・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる