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元地縛霊と男子大学生のクリスマスイヴ【1】*
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二人は寝室のローテーブルをはさんで向き合った。どちらもコートは脱いだ。
天治は、濃紺のセーターと黒のスキニーパンツだ。よく似合っている。志馬はときめきつつ、真面目に話し出した。
「まず、俺の名前からだな。俺は太弦寺志馬っていう」
志馬が、自分が『地縛霊のジバ』であったと思い出したのは、今からわずか数日前だ。
リハビリが終わり退院したその日に、神凪翠蓮と名乗る男の術で記憶の蓋を開けられたのである。
そう、リハビリだ。志馬は生きた人間だった。地縛霊ではなく生き霊だったのだ。
「今年の三月に事故にあって、意識が戻らないままだった。八月のあの日に意識を取り戻したんだ」
両親は喜んだ。志馬は、両親のあんなにげっそりと憔悴した顔を初めて見た。また、疎遠だった旧友たちや、仲が良くないはずの上司たちも見舞いに来てくれていたと知る。
とても嬉しかった。これまで感じていた孤独が癒された。だが、何かが足りなくて寂しい。
大切なことを忘れている気がする。
探しに、いや、会いに行かなければならない。
志馬は驚異的な速さで回復し、リハビリに取り組み退院した。
そして翠蓮によって記憶が戻され、天治に会いに来たのだった。
「天治、好きだ。恋人になりたい」
「はい!なります!ジバさ、志馬さんの恋人になります!」
天治はぱっと頬を染めて食い気味に頷いた。志馬は勢いに少し身を引く。
「本当にいいのか?俺はもう地縛霊でも守護霊でもない。ただの人間だ。前みたいに守ってはやれない。しかも二十九歳のオッさんだ」
「いいの!志馬さんがいいの!大体それを言ったら、俺なんてただの性欲の強い人間じゃん!ちょうどいいよ!」
「……そうか。そうだな」
志馬は目頭が熱くなり、うつむいた。
「志馬さん。ただの人間同士、仲良く恋人になろうね」
衣擦れの音がして、天治が志馬の横に座ってしなだれかかる。
「天治……」
天治の言葉が、触れ合えることが嬉しくて、とうとう志馬は涙をこぼした。
「泣かないで。志馬さん」
天治の柔らかな唇が頬に触れる。頷くのが精一杯だったが、カチャカチャという音に我に返った。
天治の手が志馬のスラックスのベルトを外す音だった。
「はあはあ……やっと触れた」
天治の息が荒い。明らかに発情している様子だ。志馬の目から涙が引き、下っ腹が熱くなった。ジッパーが降りる音がして、下着に手が触れる。
「天治、何してる?」
「何って、志馬さんのチンコをヨシヨシしようとしてるんだよ。駄目?」
志馬は、駄目に決まっているだろ!と、言いかけて詰まる。止めなければいけない理由が無くなっているし、全く嫌ではないのだ。
「いや、しかし、再会してこんなすぐ……うっ!」
下着越しに撫でられて思わず唸る。志馬の肉棒は既に反応していた。天治はうっとりと笑い、下着越しに撫でながら志馬の唇にキスをする。
「志馬さん好き。我慢しないで」
「天治……!……うぅっ!」
食いしばって唸る唇と歯列を舌で舐められ、柔らかな唇を押し当てられ、下着越しに刺激され、志馬の性器はみるみるうちに固く熱くなっていく。
「うわ……すご」
少し下着を引けばガチガチに反り返った、正に肉棒としか言えないモノがまろび出た。天治は顔を寄せて見つめる。
「これが志馬さんの生チンコ。ずっと見たくて触りたかった……」
天治は陶酔した顔で亀頭にキスをした。
「ぐぅっ!」
鈴口からぶしゅりと先走りがあふれる。天治はためらいなくそれを舐めた。
「んっ苦……あっ……はぁ……男臭……この匂いすき……」
天治は荒い息を吐きながらくちゅくちゅぺろぺろと、いやらしい舌使いで肉棒を舐める。志馬は舌の温かさとぬるぬるした感触に眩暈がした。
「志馬さんチンコ、美味しいよお……」
そして竿をねっとり舐めて見上げ、こう言われ……志馬のどこかがブチりと切れる。
「このっ……エロガキ!」
志馬は天治を引き剥がし、その場に押し倒す。唇にかぶりつき、舌を入れて中をまさぐった。自分の味が残っていたが、どうでもいい。天治の舌を絡め取り、唾液をすすって味わった。
「志馬さ……んんっ……ぐちゅっ……んぁっ……!」
志馬の手がインナーとセーターをたくし上げ、スキニーパンツの前を開けて下着ごと引き下げる。
志馬はキスをやめ、天治のピンクベージュの乳首を舐めた。
「あんっ!しばさ、はげしっ……ああっ!」
もう片方の乳首をコリコリと摘んでやると、天治の身体が跳ねる。触ってもない性器が勃っていく。半勃ちのそれを優しく握りながら、志馬は天治を見つめた。
◆◆◆◆◆
次回、最終話
天治は、濃紺のセーターと黒のスキニーパンツだ。よく似合っている。志馬はときめきつつ、真面目に話し出した。
「まず、俺の名前からだな。俺は太弦寺志馬っていう」
志馬が、自分が『地縛霊のジバ』であったと思い出したのは、今からわずか数日前だ。
リハビリが終わり退院したその日に、神凪翠蓮と名乗る男の術で記憶の蓋を開けられたのである。
そう、リハビリだ。志馬は生きた人間だった。地縛霊ではなく生き霊だったのだ。
「今年の三月に事故にあって、意識が戻らないままだった。八月のあの日に意識を取り戻したんだ」
両親は喜んだ。志馬は、両親のあんなにげっそりと憔悴した顔を初めて見た。また、疎遠だった旧友たちや、仲が良くないはずの上司たちも見舞いに来てくれていたと知る。
とても嬉しかった。これまで感じていた孤独が癒された。だが、何かが足りなくて寂しい。
大切なことを忘れている気がする。
探しに、いや、会いに行かなければならない。
志馬は驚異的な速さで回復し、リハビリに取り組み退院した。
そして翠蓮によって記憶が戻され、天治に会いに来たのだった。
「天治、好きだ。恋人になりたい」
「はい!なります!ジバさ、志馬さんの恋人になります!」
天治はぱっと頬を染めて食い気味に頷いた。志馬は勢いに少し身を引く。
「本当にいいのか?俺はもう地縛霊でも守護霊でもない。ただの人間だ。前みたいに守ってはやれない。しかも二十九歳のオッさんだ」
「いいの!志馬さんがいいの!大体それを言ったら、俺なんてただの性欲の強い人間じゃん!ちょうどいいよ!」
「……そうか。そうだな」
志馬は目頭が熱くなり、うつむいた。
「志馬さん。ただの人間同士、仲良く恋人になろうね」
衣擦れの音がして、天治が志馬の横に座ってしなだれかかる。
「天治……」
天治の言葉が、触れ合えることが嬉しくて、とうとう志馬は涙をこぼした。
「泣かないで。志馬さん」
天治の柔らかな唇が頬に触れる。頷くのが精一杯だったが、カチャカチャという音に我に返った。
天治の手が志馬のスラックスのベルトを外す音だった。
「はあはあ……やっと触れた」
天治の息が荒い。明らかに発情している様子だ。志馬の目から涙が引き、下っ腹が熱くなった。ジッパーが降りる音がして、下着に手が触れる。
「天治、何してる?」
「何って、志馬さんのチンコをヨシヨシしようとしてるんだよ。駄目?」
志馬は、駄目に決まっているだろ!と、言いかけて詰まる。止めなければいけない理由が無くなっているし、全く嫌ではないのだ。
「いや、しかし、再会してこんなすぐ……うっ!」
下着越しに撫でられて思わず唸る。志馬の肉棒は既に反応していた。天治はうっとりと笑い、下着越しに撫でながら志馬の唇にキスをする。
「志馬さん好き。我慢しないで」
「天治……!……うぅっ!」
食いしばって唸る唇と歯列を舌で舐められ、柔らかな唇を押し当てられ、下着越しに刺激され、志馬の性器はみるみるうちに固く熱くなっていく。
「うわ……すご」
少し下着を引けばガチガチに反り返った、正に肉棒としか言えないモノがまろび出た。天治は顔を寄せて見つめる。
「これが志馬さんの生チンコ。ずっと見たくて触りたかった……」
天治は陶酔した顔で亀頭にキスをした。
「ぐぅっ!」
鈴口からぶしゅりと先走りがあふれる。天治はためらいなくそれを舐めた。
「んっ苦……あっ……はぁ……男臭……この匂いすき……」
天治は荒い息を吐きながらくちゅくちゅぺろぺろと、いやらしい舌使いで肉棒を舐める。志馬は舌の温かさとぬるぬるした感触に眩暈がした。
「志馬さんチンコ、美味しいよお……」
そして竿をねっとり舐めて見上げ、こう言われ……志馬のどこかがブチりと切れる。
「このっ……エロガキ!」
志馬は天治を引き剥がし、その場に押し倒す。唇にかぶりつき、舌を入れて中をまさぐった。自分の味が残っていたが、どうでもいい。天治の舌を絡め取り、唾液をすすって味わった。
「志馬さ……んんっ……ぐちゅっ……んぁっ……!」
志馬の手がインナーとセーターをたくし上げ、スキニーパンツの前を開けて下着ごと引き下げる。
志馬はキスをやめ、天治のピンクベージュの乳首を舐めた。
「あんっ!しばさ、はげしっ……ああっ!」
もう片方の乳首をコリコリと摘んでやると、天治の身体が跳ねる。触ってもない性器が勃っていく。半勃ちのそれを優しく握りながら、志馬は天治を見つめた。
◆◆◆◆◆
次回、最終話
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