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六章 秋薔薇は復讐の真紅
秋薔薇は復讐の真紅 十話
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ティリアは夜空を見上げた。
王城の明かりで少し見えにくいが、星が瞬き月が輝いている。十一月の夜風が、夜会用のドレスしかまとっていない肌を冷やす。
(少し寒いけれど、頭が冷えて気持ちいいわ)
ここは応接室のバルコニーだ。話し合いの後、ティリアと【おじ様】とジェドはこのまま王城に泊まることになった。
しかも、宴が中途半端に終わったので食事も用意してくれるらしい。グラディス曰く『わざわざ宴に呼んだのは、ティリアたちを慰労したかったから』らしい。
(どんな意図があるのかと警戒したわ。初めからそう言って下されば……。いえ、きっと【踊り子】様が面白がって黙っていたのでしょうけど)
ともかく、ティリアはそれらの準備が終わるまでバルコニーにいる事にした。少しだけ、一人になりたかったから。
グラディスの言葉……『ティリア。君にはルディア王国を救う手助けをして欲しい。恐らく、それが出来るのは君だけだ』に、ついて考えたかった。
(私はどうしたらいいのかしら?)
ティリアはそっと、我が身を抱きしめた。
グラディスから聞いた話は、ティリアを混乱させていた。事を起こすのはまだ先、断ってもいいとはいわれたが……。
(ルディア王国を救うのはいい。私にとっては捨てた国だけど、セレスティア様とアクアイアン様の故郷のある国なのだから。だけど……。
グラディス様が言うような力が、本当に私にあるの?)
グラディスがティリアの持つ力の話をした時、あの場にいた誰もが疑問に思わず受け入れていた。
受け入れられないのは、ティリアだけだ。
(でも、私が特別な存在なわけないわ。ずっと、花染めしか出来ない出来損ないと言われていたのよ)
自分を否定する過去が蘇る。惨めな思いに涙がにじむ。
(私なんて……)
「ティリア」
優しい声が呼んだ。振り返ると、バルコニーに出てすぐのところに、夕焼けのような赤髪と琥珀色の目をもつ青年がいた。
「ジェドさん」
ジェドはあたたかな笑みを浮かべた。太陽のような、ティリアが大好きな笑顔だ。
そしてティリアを見つめる眼差しからは、ティリアを案じているのが伝わってくる。
ジェドは少し離れたまま話した。
「言い忘れてたけど久しぶり。元気だったか?おっさんから仕事を大量に押し付けられたり、変な客に絡まれて疲れてないか?」
「ふふっ。ジェドさんったら【おじ様】に厳しいんだから。大丈夫、元気でしたよ。お仕事も楽しいです」
ジェドからかけられたのは、なんてことの無い日常会話だ。なのに、卑屈な気分も悩みも消えてしまった。
(不思議。さっきまで、どうしてあんなに暗い気分だったのかしら?それに、さっきまで一人になりたかったのに……ジェドさんの笑顔に安心している)
「先ほどのお話で少し混乱しましたが……それも大丈夫です。
そもそも、悩んで何か変わる事ではありませんしね」
「うん。でも、無理はしないでくれよ」
「はい。いざとなったら【おじ様】に助けていただくので大丈夫ですよ」
軽い口調で伝えれば、ジェドも安心した様子だった。
「俺も、ティリアがどちらを決意しても尊重する。そして守るよ」
あたたかな気持ちで胸がいっぱいになる。まるで花束を抱いているよう。
「ジェドさんはいつも、私を尊重して、助けて、守って下さっていますよ」
そう、ジェドはティリアの心の支えだ。出会った時からずっと、支えられ助けられ守られている。
「ティリア……」
「でも、今は私よりジェドさんですよ。お早いお帰りでしたが、お怪我や病気はされてませんか?それに、イジス様とアクアイアン様は?」
「俺もイジスたちも元気だよ。怪我も病気も無い。二人はルディアとの国境に残っている。心配事があるから、グラディス殿下への報告ついでに俺だけが帰ってきたんだ」
「心配事?」
「うん。君が心配だった。元気そうで安心したよ」
「ジェドさん……」
ジェドがまた太陽のような笑顔を浮かべ、ティリアに歩み寄った。近い。手を伸ばせば触れる距離だ。
ジェドの貴族礼服姿も、細かいところまで良く見れた。
深緑色を基調とした上下で、縁飾りとボタンと靴は黒、シャツとクラバットは白だ。クラバットピンについた宝石の新緑色が美しく、ジェドの赤髪を引き立てている。
ティリアは心の中で感嘆のため息を吐いた。
(本当に素敵。こんなに礼服姿が似合うなんて、知らなかったわ)
「今日のティリアは一段と綺麗だね。髪型も素敵だし、ドレスもアクセサリーもとても似合っている」
「!?あ、ありがとう……ご、ございます……ジェドさんも素敵です」
「ありがとう」
言われた瞬間、思い出した。自分がジェドの赤髪と同じ夕焼け色に髪を花染めていて、ドレスも同じ色だということを。
(ジェドさんに見てもらいたかったから嬉しい……けど……は、恥ずかしい!実際に見られるととても恥ずかしい!私の気持ちがあからさま過ぎる!私はどうしてさっきまで平気だったの!?)
真っ赤になるティリアを、ジェドは柔らかな眼差しで見つめた。その眼差しにも居た堪れなくなる。
「その髪色も似合っているけど、黒髪に戻せないかな?」
「え?ええ。すぐに戻せます。けど、どうしてですか?」
「君の黒髪が好きだから」
「すっ!?え!?」
慌てるティリア。ジェドは跪いてその手を取った。その眼差しは真剣だ。
「ティリア嬢、どうか私と踊ってくれませんか?」
「ジ、ジェドさん?」
ジェドはくしゃっと眉を下げて笑う。少年の面影の濃い笑顔。
「こんな事をしている場合じゃないし、貴族みたいなダンスなんて知らないけど……君があんまり綺麗だから、今すぐ君と踊りたいんだ。お願いだよ。ティリア」
「っ!……ふふっ。わかったわ。ジェドさん」
ティリアはジェドの手を取った。その瞬間、髪の色が赤髪から黒に変わる。
艶やかな黒髪、新緑色の目、夕焼け色のドレスをまとうティリアに、ジェドは眩しげに目を細めた。
「綺麗だよ。ティリア」
ジェドは立ち上がり、ティリアを抱き寄せる。二人は見つめ合い、ゆっくりと踊った。
室内からの灯りと星月の光が二人に降り注ぐ。ティリアの夕焼け色のドレスとジェドの新緑色のクラバットピン、そしてそれぞれの髪と目が光を受けてキラキラと輝く。
それはとても優雅とは言えない、真似事のダンスだった。
けれど、ティリアの人生の中で一、二を争う幸せなひと時になったのだった。
痺れを切らした【おじ様】がバルコニーに怒鳴り込むまで、二人は見つめ合い踊ったのだった。
◆◆◆◆◆
ティリアとジェドが踊っていた頃、第一王女グラディスと【踊り子】は別室に居た。
ここも応接室の一つだ。二人は赤葡萄酒を手にソファに向かい合って座っている。照明は絞ってあるが、豪奢な美女二人は光を帯びているかのように華やいでいた。
金の髪が揺れる。【踊り子】は悪戯な笑みを浮かべ、赤葡萄酒が満たされたグラスを掲げた。
「うふふ。【姫さま】、こんな所でお酒を飲んでいていいのですか?」
銀の瞳が冷めた眼差しを向ける。グラディスは、グラスの赤葡萄酒を一口飲んでから言った。
「構わない。私のすべき事は終わった。後は配下の仕事だ。それに、幾つかお前に確かめたいことがある」
「まあ?なんでしょうか?」
「父親に会う気はあるか?」
グラディスの質問に、【踊り子】の顔から笑みが消えた。
王城の明かりで少し見えにくいが、星が瞬き月が輝いている。十一月の夜風が、夜会用のドレスしかまとっていない肌を冷やす。
(少し寒いけれど、頭が冷えて気持ちいいわ)
ここは応接室のバルコニーだ。話し合いの後、ティリアと【おじ様】とジェドはこのまま王城に泊まることになった。
しかも、宴が中途半端に終わったので食事も用意してくれるらしい。グラディス曰く『わざわざ宴に呼んだのは、ティリアたちを慰労したかったから』らしい。
(どんな意図があるのかと警戒したわ。初めからそう言って下されば……。いえ、きっと【踊り子】様が面白がって黙っていたのでしょうけど)
ともかく、ティリアはそれらの準備が終わるまでバルコニーにいる事にした。少しだけ、一人になりたかったから。
グラディスの言葉……『ティリア。君にはルディア王国を救う手助けをして欲しい。恐らく、それが出来るのは君だけだ』に、ついて考えたかった。
(私はどうしたらいいのかしら?)
ティリアはそっと、我が身を抱きしめた。
グラディスから聞いた話は、ティリアを混乱させていた。事を起こすのはまだ先、断ってもいいとはいわれたが……。
(ルディア王国を救うのはいい。私にとっては捨てた国だけど、セレスティア様とアクアイアン様の故郷のある国なのだから。だけど……。
グラディス様が言うような力が、本当に私にあるの?)
グラディスがティリアの持つ力の話をした時、あの場にいた誰もが疑問に思わず受け入れていた。
受け入れられないのは、ティリアだけだ。
(でも、私が特別な存在なわけないわ。ずっと、花染めしか出来ない出来損ないと言われていたのよ)
自分を否定する過去が蘇る。惨めな思いに涙がにじむ。
(私なんて……)
「ティリア」
優しい声が呼んだ。振り返ると、バルコニーに出てすぐのところに、夕焼けのような赤髪と琥珀色の目をもつ青年がいた。
「ジェドさん」
ジェドはあたたかな笑みを浮かべた。太陽のような、ティリアが大好きな笑顔だ。
そしてティリアを見つめる眼差しからは、ティリアを案じているのが伝わってくる。
ジェドは少し離れたまま話した。
「言い忘れてたけど久しぶり。元気だったか?おっさんから仕事を大量に押し付けられたり、変な客に絡まれて疲れてないか?」
「ふふっ。ジェドさんったら【おじ様】に厳しいんだから。大丈夫、元気でしたよ。お仕事も楽しいです」
ジェドからかけられたのは、なんてことの無い日常会話だ。なのに、卑屈な気分も悩みも消えてしまった。
(不思議。さっきまで、どうしてあんなに暗い気分だったのかしら?それに、さっきまで一人になりたかったのに……ジェドさんの笑顔に安心している)
「先ほどのお話で少し混乱しましたが……それも大丈夫です。
そもそも、悩んで何か変わる事ではありませんしね」
「うん。でも、無理はしないでくれよ」
「はい。いざとなったら【おじ様】に助けていただくので大丈夫ですよ」
軽い口調で伝えれば、ジェドも安心した様子だった。
「俺も、ティリアがどちらを決意しても尊重する。そして守るよ」
あたたかな気持ちで胸がいっぱいになる。まるで花束を抱いているよう。
「ジェドさんはいつも、私を尊重して、助けて、守って下さっていますよ」
そう、ジェドはティリアの心の支えだ。出会った時からずっと、支えられ助けられ守られている。
「ティリア……」
「でも、今は私よりジェドさんですよ。お早いお帰りでしたが、お怪我や病気はされてませんか?それに、イジス様とアクアイアン様は?」
「俺もイジスたちも元気だよ。怪我も病気も無い。二人はルディアとの国境に残っている。心配事があるから、グラディス殿下への報告ついでに俺だけが帰ってきたんだ」
「心配事?」
「うん。君が心配だった。元気そうで安心したよ」
「ジェドさん……」
ジェドがまた太陽のような笑顔を浮かべ、ティリアに歩み寄った。近い。手を伸ばせば触れる距離だ。
ジェドの貴族礼服姿も、細かいところまで良く見れた。
深緑色を基調とした上下で、縁飾りとボタンと靴は黒、シャツとクラバットは白だ。クラバットピンについた宝石の新緑色が美しく、ジェドの赤髪を引き立てている。
ティリアは心の中で感嘆のため息を吐いた。
(本当に素敵。こんなに礼服姿が似合うなんて、知らなかったわ)
「今日のティリアは一段と綺麗だね。髪型も素敵だし、ドレスもアクセサリーもとても似合っている」
「!?あ、ありがとう……ご、ございます……ジェドさんも素敵です」
「ありがとう」
言われた瞬間、思い出した。自分がジェドの赤髪と同じ夕焼け色に髪を花染めていて、ドレスも同じ色だということを。
(ジェドさんに見てもらいたかったから嬉しい……けど……は、恥ずかしい!実際に見られるととても恥ずかしい!私の気持ちがあからさま過ぎる!私はどうしてさっきまで平気だったの!?)
真っ赤になるティリアを、ジェドは柔らかな眼差しで見つめた。その眼差しにも居た堪れなくなる。
「その髪色も似合っているけど、黒髪に戻せないかな?」
「え?ええ。すぐに戻せます。けど、どうしてですか?」
「君の黒髪が好きだから」
「すっ!?え!?」
慌てるティリア。ジェドは跪いてその手を取った。その眼差しは真剣だ。
「ティリア嬢、どうか私と踊ってくれませんか?」
「ジ、ジェドさん?」
ジェドはくしゃっと眉を下げて笑う。少年の面影の濃い笑顔。
「こんな事をしている場合じゃないし、貴族みたいなダンスなんて知らないけど……君があんまり綺麗だから、今すぐ君と踊りたいんだ。お願いだよ。ティリア」
「っ!……ふふっ。わかったわ。ジェドさん」
ティリアはジェドの手を取った。その瞬間、髪の色が赤髪から黒に変わる。
艶やかな黒髪、新緑色の目、夕焼け色のドレスをまとうティリアに、ジェドは眩しげに目を細めた。
「綺麗だよ。ティリア」
ジェドは立ち上がり、ティリアを抱き寄せる。二人は見つめ合い、ゆっくりと踊った。
室内からの灯りと星月の光が二人に降り注ぐ。ティリアの夕焼け色のドレスとジェドの新緑色のクラバットピン、そしてそれぞれの髪と目が光を受けてキラキラと輝く。
それはとても優雅とは言えない、真似事のダンスだった。
けれど、ティリアの人生の中で一、二を争う幸せなひと時になったのだった。
痺れを切らした【おじ様】がバルコニーに怒鳴り込むまで、二人は見つめ合い踊ったのだった。
◆◆◆◆◆
ティリアとジェドが踊っていた頃、第一王女グラディスと【踊り子】は別室に居た。
ここも応接室の一つだ。二人は赤葡萄酒を手にソファに向かい合って座っている。照明は絞ってあるが、豪奢な美女二人は光を帯びているかのように華やいでいた。
金の髪が揺れる。【踊り子】は悪戯な笑みを浮かべ、赤葡萄酒が満たされたグラスを掲げた。
「うふふ。【姫さま】、こんな所でお酒を飲んでいていいのですか?」
銀の瞳が冷めた眼差しを向ける。グラディスは、グラスの赤葡萄酒を一口飲んでから言った。
「構わない。私のすべき事は終わった。後は配下の仕事だ。それに、幾つかお前に確かめたいことがある」
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