9 / 68
一章 春を告げる黄金
春を告げる黄金 八話
しおりを挟む
静寂の森から王都に戻り、ラリアの家に着く頃には昼過ぎになっていた。
「間が空いてごめん。ラリアに治癒魔法をかけさせて欲しい」
「ごめんなんて言わないで!来てくれてありがとう!私たちみんなイジス兄さんに感謝してるんだから!」
対応してくれた少女はエリス。ラリアの歳の離れた妹だ。
他の家族は仕事中でいないらしく、快く部屋に通してくれる。予想していたが、冷気に身がすくむ。
ベッドで眠るラリア。最後に見た時と同じだった。
「ラリア……」
傷はないが、あまりに痛々しい。
あの魅力的な明るい笑顔はどこにもない。光の加減で赤にも見える茶髪にも、健康的な肌にも薄らと霜が降りている。顔色はどこまでも青白く、生き生きとした茶色い眼差しは凍えた瞼の下。
「エリスちゃん、悪いけどしばらく二人きりにしてもらえるかな?」
「うん。わかった」
エリスは目を潤ませて出て行ってくれた。
(もう大丈夫だと言ってやりたいが、先に最上級治癒魔法をかけてやらなければ)
部屋の中は、ラリアの身体から発する冷気で寒い。部屋には暖炉が赤々と燃えているが、吐く息は白く一息ごとに喉が凍るようだ。
まるでここだけの真冬のようだが。今は三月。春だ。
「冬は去った。雪影女王、ラリアを返してもらうぞ」
イジスは懐から【黄金の慈悲】を取り出し、ラリアに掲げた。【黄金の慈悲】は淡い光を放ち、ラリアの顔を照らす。イジスは、全身の魔力を【黄金の慈悲】に注ぐ。
「全てを癒す光よ。我が求めに答えよ。我が声に応えよ。か細き命に光を注ぎ、その命を長らえさせよ【最上級治癒魔法】」
詠唱と共に【黄金の慈悲】の輝きが増していく。まるで小さな太陽が出現したかのようだ。
部屋を覆っていた真冬の冷気が去り春の陽気が訪れ……ラリアの髪と肌の霜は消え、頬に赤みがさしていく。
やがて光は消え、再び白茶けた【黄金の慈悲】が残った。
イジスは一気に魔力を失ったことによる疲労感に崩れ落ちそうになりつつ、ラリアの容体を確認しようとして……ラリアの瞼がぱちりと開いた。
「……春の……におい……が……する……ルル村……仕入れ……いかなきゃ」
ラリアは掠れた声で呟きながら、眩しそうに瞬いた。
「ラリア!君はこんな時まで!ははは!」
ラリアは仮死状態から生き返ったのに、こんな時まで仕事の話だ。イジスは、ラリアらしすぎて笑った。
「ははは!ラリア!ラリアよかった!よかった……!」
「イジ……ス……?……どうしたの?」
「どうしたじゃない!よかった!よかっ……!ううっ!」
イジスはベッドに突っ伏して泣いた。ラリアは横になったまま、不思議そうな顔でイジスを見ていたが、手を伸ばして頭をなではじめた。ぎこちない動きだが、とても優しい手のひらにさらに涙が出る。
「イジス、そんなに泣いて……あの、気取った……坊ちゃんに、虐め……られた?……大丈夫だよ……アタシも……力をつけてきたから……守れるよ」
気取った坊ちゃんとは、バンスのことだ。やはり、ラリアはバンスを嫌っているらしい。
初対面で馬鹿にされた上に、貴族相手にも引かない商売人と平民に偏見たっぷりで傲慢な貴族だ。仕方ないと言えば仕方ない。
(それに、ラリアの件を知っていたのはおかしい。だから信じられなかった。だけど、わざわざ調べたにせよ悪意があったとは限らないじゃないか)
バンスにも良いところがある。イジスのような平民出の魔法使いたちに礼儀作法を指導したり、他部署や上司との交渉をしてくれている。それに、イジスから見ても努力家だ。
(なにより、バンスはラリアのために家宝を持ち出そうとした。疑ったことを謝らないとな。……けれど、ラリアがバンスを嫌っていて安心している自分もいる。それはともかく)
「バンスのせいじゃない!ラリアのせいだ!心配したんだからな!ああもう!商売第一も大概にしろ!無茶な仕事をして!俺たちがどんなに心配したか!」
「そっか……よく……わからないけど……イジスが……言うなら……そうなんだろうね……ごめんね、イジス」
「はあ……。いいよもう……ラリアが生きてくれるなら、それで」
「イジス……ありがとう……」
イジスの泣き声を聞きつけたエリスが部屋に入ってくるまで、二人はずっと寄りそい言葉を交わし合ったのだった。
◆◆◆◆◆
ラリアを助けて三日後、イジスは今だにラリアの家にいた。熱烈に感謝されてもてなされたせいで家に返してもらえないのだ。
それをどこで知ったのか宮廷から迎えが来た。厳しい顔の男だ。
「イジス・エフォート。速やかに登城せよ」
まだ休暇中だが拒絶できない。何故なら、呼び出したのは直属の上司であり、魔法局の局長だからだ。しかも、迎えに来たのはその側近でもある副局長。
逆らってはならない上司の一位と二位である。特に局長は、頭脳明晰で魔法使いとしても剣士としても突出しているが、人使いが荒い厄介な人物である。
(いきなり呼び出されるのは初めてだが、副局長の様子から言って俺が何か不味いことをした訳ではなさそうだな。その場合は問答無用で拘束されてる)
どちらにせよ、下手に逆らうと余計にややこしい事になる。イジスはこれまでの経験で悟った。
「かしこまりました」
イジスは副局長に促されるまま馬車に乗り、共に王宮に向かった。
魔法局は王宮の一角を敷地としており、その中には密談に適した来賓室がいくつかある。副局長はその一つにイジスを連れて行き、扉を叩いて自分とイジスの来訪を告げた。
「うむ。入れ」
涼やかな女性の声で入室を許可されてから、側近とイジスは中に入った。
まず目に入ったのは、品の良いソファセットだ。真ん中の机を囲むように、扉側をのぞく三方にソファが置かれている。
次に、扉の対面に置かれたソファに座る局長と目が合った。
「エフォート、休暇中に呼び出して悪いな」
「いえ……」
局長……フリジア王国第一王女グラディス・アーシャ・フリジアが微笑む。
白銀の魔法姫とも呼ばれる銀髪銀目の美女だ。歳は二十八歳。女性騎士服に宮廷魔法使いのローブを組み合わせた独特の装いをしており、凛々しく優美である。
「今回の件は、お前にも関係のある話なので来てもらった」
グラディスは、実に朗らかに話すが……イジスは固まって返事ができない。
イジス、つまり扉から向かって左右のソファに座る面々のせいだ。
向かって左側の奥にいるのはグリフトン・フィランス。フィランス侯爵だ。広大な領地を収めつつ、宮廷においては財務局にて要職にある有能な人物である。彼の顔は常と変わらぬ無表情だ。なんの感情も浮かんでいない。
その向かい、右側のソファの奥に座るのはクレオン・カルムルディ。カルムルディ侯爵だ。こちらは怒りも露わに、フィランス侯爵の隣、扉から手前側に座り、机に頭を突っ伏している人物を睨んでいる。
その人物が、イジスを見た。
「間が空いてごめん。ラリアに治癒魔法をかけさせて欲しい」
「ごめんなんて言わないで!来てくれてありがとう!私たちみんなイジス兄さんに感謝してるんだから!」
対応してくれた少女はエリス。ラリアの歳の離れた妹だ。
他の家族は仕事中でいないらしく、快く部屋に通してくれる。予想していたが、冷気に身がすくむ。
ベッドで眠るラリア。最後に見た時と同じだった。
「ラリア……」
傷はないが、あまりに痛々しい。
あの魅力的な明るい笑顔はどこにもない。光の加減で赤にも見える茶髪にも、健康的な肌にも薄らと霜が降りている。顔色はどこまでも青白く、生き生きとした茶色い眼差しは凍えた瞼の下。
「エリスちゃん、悪いけどしばらく二人きりにしてもらえるかな?」
「うん。わかった」
エリスは目を潤ませて出て行ってくれた。
(もう大丈夫だと言ってやりたいが、先に最上級治癒魔法をかけてやらなければ)
部屋の中は、ラリアの身体から発する冷気で寒い。部屋には暖炉が赤々と燃えているが、吐く息は白く一息ごとに喉が凍るようだ。
まるでここだけの真冬のようだが。今は三月。春だ。
「冬は去った。雪影女王、ラリアを返してもらうぞ」
イジスは懐から【黄金の慈悲】を取り出し、ラリアに掲げた。【黄金の慈悲】は淡い光を放ち、ラリアの顔を照らす。イジスは、全身の魔力を【黄金の慈悲】に注ぐ。
「全てを癒す光よ。我が求めに答えよ。我が声に応えよ。か細き命に光を注ぎ、その命を長らえさせよ【最上級治癒魔法】」
詠唱と共に【黄金の慈悲】の輝きが増していく。まるで小さな太陽が出現したかのようだ。
部屋を覆っていた真冬の冷気が去り春の陽気が訪れ……ラリアの髪と肌の霜は消え、頬に赤みがさしていく。
やがて光は消え、再び白茶けた【黄金の慈悲】が残った。
イジスは一気に魔力を失ったことによる疲労感に崩れ落ちそうになりつつ、ラリアの容体を確認しようとして……ラリアの瞼がぱちりと開いた。
「……春の……におい……が……する……ルル村……仕入れ……いかなきゃ」
ラリアは掠れた声で呟きながら、眩しそうに瞬いた。
「ラリア!君はこんな時まで!ははは!」
ラリアは仮死状態から生き返ったのに、こんな時まで仕事の話だ。イジスは、ラリアらしすぎて笑った。
「ははは!ラリア!ラリアよかった!よかった……!」
「イジ……ス……?……どうしたの?」
「どうしたじゃない!よかった!よかっ……!ううっ!」
イジスはベッドに突っ伏して泣いた。ラリアは横になったまま、不思議そうな顔でイジスを見ていたが、手を伸ばして頭をなではじめた。ぎこちない動きだが、とても優しい手のひらにさらに涙が出る。
「イジス、そんなに泣いて……あの、気取った……坊ちゃんに、虐め……られた?……大丈夫だよ……アタシも……力をつけてきたから……守れるよ」
気取った坊ちゃんとは、バンスのことだ。やはり、ラリアはバンスを嫌っているらしい。
初対面で馬鹿にされた上に、貴族相手にも引かない商売人と平民に偏見たっぷりで傲慢な貴族だ。仕方ないと言えば仕方ない。
(それに、ラリアの件を知っていたのはおかしい。だから信じられなかった。だけど、わざわざ調べたにせよ悪意があったとは限らないじゃないか)
バンスにも良いところがある。イジスのような平民出の魔法使いたちに礼儀作法を指導したり、他部署や上司との交渉をしてくれている。それに、イジスから見ても努力家だ。
(なにより、バンスはラリアのために家宝を持ち出そうとした。疑ったことを謝らないとな。……けれど、ラリアがバンスを嫌っていて安心している自分もいる。それはともかく)
「バンスのせいじゃない!ラリアのせいだ!心配したんだからな!ああもう!商売第一も大概にしろ!無茶な仕事をして!俺たちがどんなに心配したか!」
「そっか……よく……わからないけど……イジスが……言うなら……そうなんだろうね……ごめんね、イジス」
「はあ……。いいよもう……ラリアが生きてくれるなら、それで」
「イジス……ありがとう……」
イジスの泣き声を聞きつけたエリスが部屋に入ってくるまで、二人はずっと寄りそい言葉を交わし合ったのだった。
◆◆◆◆◆
ラリアを助けて三日後、イジスは今だにラリアの家にいた。熱烈に感謝されてもてなされたせいで家に返してもらえないのだ。
それをどこで知ったのか宮廷から迎えが来た。厳しい顔の男だ。
「イジス・エフォート。速やかに登城せよ」
まだ休暇中だが拒絶できない。何故なら、呼び出したのは直属の上司であり、魔法局の局長だからだ。しかも、迎えに来たのはその側近でもある副局長。
逆らってはならない上司の一位と二位である。特に局長は、頭脳明晰で魔法使いとしても剣士としても突出しているが、人使いが荒い厄介な人物である。
(いきなり呼び出されるのは初めてだが、副局長の様子から言って俺が何か不味いことをした訳ではなさそうだな。その場合は問答無用で拘束されてる)
どちらにせよ、下手に逆らうと余計にややこしい事になる。イジスはこれまでの経験で悟った。
「かしこまりました」
イジスは副局長に促されるまま馬車に乗り、共に王宮に向かった。
魔法局は王宮の一角を敷地としており、その中には密談に適した来賓室がいくつかある。副局長はその一つにイジスを連れて行き、扉を叩いて自分とイジスの来訪を告げた。
「うむ。入れ」
涼やかな女性の声で入室を許可されてから、側近とイジスは中に入った。
まず目に入ったのは、品の良いソファセットだ。真ん中の机を囲むように、扉側をのぞく三方にソファが置かれている。
次に、扉の対面に置かれたソファに座る局長と目が合った。
「エフォート、休暇中に呼び出して悪いな」
「いえ……」
局長……フリジア王国第一王女グラディス・アーシャ・フリジアが微笑む。
白銀の魔法姫とも呼ばれる銀髪銀目の美女だ。歳は二十八歳。女性騎士服に宮廷魔法使いのローブを組み合わせた独特の装いをしており、凛々しく優美である。
「今回の件は、お前にも関係のある話なので来てもらった」
グラディスは、実に朗らかに話すが……イジスは固まって返事ができない。
イジス、つまり扉から向かって左右のソファに座る面々のせいだ。
向かって左側の奥にいるのはグリフトン・フィランス。フィランス侯爵だ。広大な領地を収めつつ、宮廷においては財務局にて要職にある有能な人物である。彼の顔は常と変わらぬ無表情だ。なんの感情も浮かんでいない。
その向かい、右側のソファの奥に座るのはクレオン・カルムルディ。カルムルディ侯爵だ。こちらは怒りも露わに、フィランス侯爵の隣、扉から手前側に座り、机に頭を突っ伏している人物を睨んでいる。
その人物が、イジスを見た。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜
るあか
ファンタジー
僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。
でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。
どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。
そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。
家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。

【書籍化・取り下げ予定】今世も裏切られるのはごめんなので、最愛のあなたはもう要らない
曽根原ツタ
恋愛
隣国との戦時中に国王が病死し、王位継承権を持つ男子がひとりもいなかったため、若い王女エトワールは女王となった。だが──
「俺は彼女を愛している。彼女は俺の子を身篭った」
戦場から帰還した愛する夫の隣には、別の女性が立っていた。さらに彼は、王座を奪うために女王暗殺を企てる。
そして。夫に剣で胸を貫かれて死んだエトワールが次に目が覚めたとき、彼と出会った日に戻っていて……?
──二度目の人生、私を裏切ったあなたを絶対に愛しません。
★小説家になろうさまでも公開中

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる