4 / 68
一章 春を告げる黄金
春を告げる黄金 三話
しおりを挟む
その日。ラリアたちは野営していた。
冒険者の中で最も斥候に優れている男が、最適な場所を選んでいた。しかし、男は疲労からか雪影女王の前兆を見落としていたのだ。
(もし、見落としてなければ……ラリアは)
イジスは唇を噛んだ。
「雪影女王の前兆は、青白い水晶に似た溶けぬ雪片です。風に混じるそれを見落とした結果、ラリアたちは雪影女王に襲われてしまいました」
現れたのはたった一体だが、強烈な雪嵐、生命力を吸い上げる力、そして魔物ゆえに物理攻撃が効かないため厳しい戦いとなる。
冒険者たちの奮闘のお陰で巣に連れ去られた者はいない。死者もいない。だが、怪我人が出てしまった。
最も重症なのは、雪影女王によって仮死状態にされたラリアだ。部下と共に馬車の中にいたのだが、激しい戦闘の末に雪影女王に入り込まれてしまった。
雪影女王はまずラリアの部下を襲った。
「ラリアは責任感の強い人です。部下をかばったため、雪風女王に襲われて仮死状態になってしまいました」
この仮死状態は【雪の眠り】と呼ばれ、最上級治癒魔法でしか治せない。
そこまでの治癒魔法を受けれるのは、今のフリジア王国では王族かそれに近しい貴族だけだ。このままでは、ゆるやかな死を受け入れるしかない。
「今から十日前。ラリアの家族は私にすがりました」
宮廷魔法使いイジス・エフォートが最も得意とする魔法こそが、治癒魔法だ。
二年前。その力を遺憾なく発揮し、大病を患った第三王女を治療したのもイジスである。そのような功績があったからこそ、平民出でありながら男爵位に陞爵されたのだ。
だが【雪の眠り】を治療できるのは最上級治癒魔法のみ。宮廷から支給されるレベルの魔道具なしには発動できない。支給の魔道具は、任務以外で使えば厳しく罰せられる。
平民であるラリアのために使うなど不可能だ。強力なコネがあれば別かもしれないが。
しかし、どこで情報を得たのかある人物……イジスの同僚であり友人のバンスロット・プライディア子爵が、自分の実家にある魔道具を貸すと言いだした。
「驚きました。私は、バンスに何も言っていませんでしたから」
◆◆◆◆◆
今から八日前のことだ。イジスは終業後、ラリアの元に行こうとしていた。見舞いと、気休め程度だが治癒のためだ。
魔道具なしだから低級治癒魔法しかかけれないが、かけてやると少しだけだが顔色が良くなる。魔法をかけながら、何か手はないか考えるつもりだった。
『イジス、来てくれ』
しかし、宮廷から出る前にバンスに捕まる。バンスはイジスを自分の馬車に乗せ、自分の邸宅に連れて行った。
イジスはあっという間に応接室に通され、バンスと机を挟んで向き合った。当惑していると、バンスは人払いしたのちラリアの件を知っていると言った。かなり驚いた。
『バンス、何故それを知っているんだ?』
ラリアは表向き仕入れ旅に出ていることになっている。真実を知るのは、ラリアの両親をはじめリュトン商会のごく一部、護衛した冒険者たち、そしてラリアに仕入れを依頼した貴族だけのはずだ。
(いくらバンスが俺と違い、貴族らしい権謀術数と情報収集に長けているとはいえ不自然だ)
『そんなことはどうでもいいだろう。それより、癒しの魔道具を手に入れなければならない。違うかい?』
『あ、ああ。その通りだ。何か策があるのか?』
バンスは力強く頷いた。
『フィランスの【慈悲の杖】を用意する。私なら可能だ』
【慈悲の杖】は、バンスの実家であるフィランス侯爵家が所有する有名な癒しの魔道具だ。
たしかに、【慈悲の杖】があれば問題ないだろう。
『イジス、私は君の友人だ。君の大切な人であるラリア嬢とも、友人になりたいと思っている。私は君たちの力になりたいんだ』
誠実な声だ。本気で言っているのだろう。平民を見下しがちなバンスだが、能力を認めた者に対しては寛容で庇護したがる。ラリアに対しても、初対面以降は態度も緩和していた。
『バンス、しかし……』
だがイジスは、申し出を受けることを躊躇した。理由は二つだ。
一つ目の理由はわかりやすい。【慈悲の杖】は、かつて王家からフィランス侯爵家に下賜された家宝だ。
当然、当主であるバンスの父フィランス侯爵の許可なく持ち出すことはできない。
魔道具は使えば使うほど劣化する。いくら実の息子に言われたとしても、フィランス侯爵が許可するはずもない。
だが、バンスはとんでもないことを言い出した。
『私が持ち出せばバレない。宝物庫の場所はわかっているし、私の力なら開錠できる』
『馬鹿を言うな!』
露見すれば、イジスはもとよりバンスも無事では済まない。
『大体、君はフィランス家を継ぐのが夢なんだろう?現当主と対立しかねない行動は慎むべきだ』
フィランス侯爵家は、二代前までは魔法使いの名家だった。代々宮廷魔法使いを輩出していたが、魔法使いが産まれなくなっていた。バンスは、一族で久しぶりに産まれた魔法使いだ。
周りの期待を背負って育った彼は、幼い頃から自分がフィランス侯爵家を継いで魔法使いの名家として復活させることが夢だった。
『それなのに……駄目だ。バンス』
バンスは顔を曇らせつつも、覚悟の上だと言う。
『終わった夢だ。父上……いや、フィランス侯爵閣下は、兄上を当主にすると決めている。私は期待外れだったのだろう。その証拠に、私は本家を出されている。爵位は与えられてはいるが、贈与された財産は微々たるものだ』
『バンス、それはお父上から直接聞いたことなのか?思い込みでは……』
『……私のことはいい。イジス、任せてくれるな?一刻の猶予もないぞ』
その通りだ。雪影女王の【雪の眠り】は、半月以上経つと手遅れになる。
『いいや、駄目だ』
だが、イジスは首を横に振った。バンスとフィランス侯爵を対立させるような真似はしたくない。
さらに、もう一つ理由がある。
この理由は、やや曖昧だ。ただの勘と言っていい。だが。
(ラリアはバンスに借りを作るのを許さない。絶対に)
ラリアの野望は大商人になること。貴族を後ろ盾にするならともかく、大きすぎる借りを作るのを望まない。
それに、ラリアはバンスに対して思うところがある様子だった。
それはイジスも同じだ。
(気持ちはありがたい。同僚としても友人としても信頼している。だが、いち早く情報をつかんだことといい引っかかる……)
バンスは悪い奴ではない。イジスたち下級貴族に宮廷の慣習や礼儀を教えてくれたり、他部署への根回しを引き受けるなど、面倒見がよく世話好きな所もある。
だがしかし、見下している相手には冷淡だ。高位貴族らしい傲慢さもある。
バンスはラリアと初めて会った時『君、立場を弁えなよ。イジスは下位とはいえ貴族になったんだ。平民風情が気安く話しては彼の品位を下げる』と言って激怒させた。
イジスが暴言に抗議したので改めたし、優秀な商人だと知ってからは敬意を表していたが……。
(本当に、平民のラリアを助けるためにここまでするか?)
イジスが様々な想いを錯綜させていると、バンスはじれた様子で机を叩いた。
『イジス!なにをためらっている!まさか彼女を救いたくないのか!』
『それは違う!だが!……バンス、申し出はありがたいが受けることは出来ない』
イジスは席を立ち、邸宅を後にした。
『イジス!考えなおせ!ラリア嬢を救うにはこれしかないんだぞ!』
友の声がどこまでも追いかけてきたが、一度も振り返らなかった。
冒険者の中で最も斥候に優れている男が、最適な場所を選んでいた。しかし、男は疲労からか雪影女王の前兆を見落としていたのだ。
(もし、見落としてなければ……ラリアは)
イジスは唇を噛んだ。
「雪影女王の前兆は、青白い水晶に似た溶けぬ雪片です。風に混じるそれを見落とした結果、ラリアたちは雪影女王に襲われてしまいました」
現れたのはたった一体だが、強烈な雪嵐、生命力を吸い上げる力、そして魔物ゆえに物理攻撃が効かないため厳しい戦いとなる。
冒険者たちの奮闘のお陰で巣に連れ去られた者はいない。死者もいない。だが、怪我人が出てしまった。
最も重症なのは、雪影女王によって仮死状態にされたラリアだ。部下と共に馬車の中にいたのだが、激しい戦闘の末に雪影女王に入り込まれてしまった。
雪影女王はまずラリアの部下を襲った。
「ラリアは責任感の強い人です。部下をかばったため、雪風女王に襲われて仮死状態になってしまいました」
この仮死状態は【雪の眠り】と呼ばれ、最上級治癒魔法でしか治せない。
そこまでの治癒魔法を受けれるのは、今のフリジア王国では王族かそれに近しい貴族だけだ。このままでは、ゆるやかな死を受け入れるしかない。
「今から十日前。ラリアの家族は私にすがりました」
宮廷魔法使いイジス・エフォートが最も得意とする魔法こそが、治癒魔法だ。
二年前。その力を遺憾なく発揮し、大病を患った第三王女を治療したのもイジスである。そのような功績があったからこそ、平民出でありながら男爵位に陞爵されたのだ。
だが【雪の眠り】を治療できるのは最上級治癒魔法のみ。宮廷から支給されるレベルの魔道具なしには発動できない。支給の魔道具は、任務以外で使えば厳しく罰せられる。
平民であるラリアのために使うなど不可能だ。強力なコネがあれば別かもしれないが。
しかし、どこで情報を得たのかある人物……イジスの同僚であり友人のバンスロット・プライディア子爵が、自分の実家にある魔道具を貸すと言いだした。
「驚きました。私は、バンスに何も言っていませんでしたから」
◆◆◆◆◆
今から八日前のことだ。イジスは終業後、ラリアの元に行こうとしていた。見舞いと、気休め程度だが治癒のためだ。
魔道具なしだから低級治癒魔法しかかけれないが、かけてやると少しだけだが顔色が良くなる。魔法をかけながら、何か手はないか考えるつもりだった。
『イジス、来てくれ』
しかし、宮廷から出る前にバンスに捕まる。バンスはイジスを自分の馬車に乗せ、自分の邸宅に連れて行った。
イジスはあっという間に応接室に通され、バンスと机を挟んで向き合った。当惑していると、バンスは人払いしたのちラリアの件を知っていると言った。かなり驚いた。
『バンス、何故それを知っているんだ?』
ラリアは表向き仕入れ旅に出ていることになっている。真実を知るのは、ラリアの両親をはじめリュトン商会のごく一部、護衛した冒険者たち、そしてラリアに仕入れを依頼した貴族だけのはずだ。
(いくらバンスが俺と違い、貴族らしい権謀術数と情報収集に長けているとはいえ不自然だ)
『そんなことはどうでもいいだろう。それより、癒しの魔道具を手に入れなければならない。違うかい?』
『あ、ああ。その通りだ。何か策があるのか?』
バンスは力強く頷いた。
『フィランスの【慈悲の杖】を用意する。私なら可能だ』
【慈悲の杖】は、バンスの実家であるフィランス侯爵家が所有する有名な癒しの魔道具だ。
たしかに、【慈悲の杖】があれば問題ないだろう。
『イジス、私は君の友人だ。君の大切な人であるラリア嬢とも、友人になりたいと思っている。私は君たちの力になりたいんだ』
誠実な声だ。本気で言っているのだろう。平民を見下しがちなバンスだが、能力を認めた者に対しては寛容で庇護したがる。ラリアに対しても、初対面以降は態度も緩和していた。
『バンス、しかし……』
だがイジスは、申し出を受けることを躊躇した。理由は二つだ。
一つ目の理由はわかりやすい。【慈悲の杖】は、かつて王家からフィランス侯爵家に下賜された家宝だ。
当然、当主であるバンスの父フィランス侯爵の許可なく持ち出すことはできない。
魔道具は使えば使うほど劣化する。いくら実の息子に言われたとしても、フィランス侯爵が許可するはずもない。
だが、バンスはとんでもないことを言い出した。
『私が持ち出せばバレない。宝物庫の場所はわかっているし、私の力なら開錠できる』
『馬鹿を言うな!』
露見すれば、イジスはもとよりバンスも無事では済まない。
『大体、君はフィランス家を継ぐのが夢なんだろう?現当主と対立しかねない行動は慎むべきだ』
フィランス侯爵家は、二代前までは魔法使いの名家だった。代々宮廷魔法使いを輩出していたが、魔法使いが産まれなくなっていた。バンスは、一族で久しぶりに産まれた魔法使いだ。
周りの期待を背負って育った彼は、幼い頃から自分がフィランス侯爵家を継いで魔法使いの名家として復活させることが夢だった。
『それなのに……駄目だ。バンス』
バンスは顔を曇らせつつも、覚悟の上だと言う。
『終わった夢だ。父上……いや、フィランス侯爵閣下は、兄上を当主にすると決めている。私は期待外れだったのだろう。その証拠に、私は本家を出されている。爵位は与えられてはいるが、贈与された財産は微々たるものだ』
『バンス、それはお父上から直接聞いたことなのか?思い込みでは……』
『……私のことはいい。イジス、任せてくれるな?一刻の猶予もないぞ』
その通りだ。雪影女王の【雪の眠り】は、半月以上経つと手遅れになる。
『いいや、駄目だ』
だが、イジスは首を横に振った。バンスとフィランス侯爵を対立させるような真似はしたくない。
さらに、もう一つ理由がある。
この理由は、やや曖昧だ。ただの勘と言っていい。だが。
(ラリアはバンスに借りを作るのを許さない。絶対に)
ラリアの野望は大商人になること。貴族を後ろ盾にするならともかく、大きすぎる借りを作るのを望まない。
それに、ラリアはバンスに対して思うところがある様子だった。
それはイジスも同じだ。
(気持ちはありがたい。同僚としても友人としても信頼している。だが、いち早く情報をつかんだことといい引っかかる……)
バンスは悪い奴ではない。イジスたち下級貴族に宮廷の慣習や礼儀を教えてくれたり、他部署への根回しを引き受けるなど、面倒見がよく世話好きな所もある。
だがしかし、見下している相手には冷淡だ。高位貴族らしい傲慢さもある。
バンスはラリアと初めて会った時『君、立場を弁えなよ。イジスは下位とはいえ貴族になったんだ。平民風情が気安く話しては彼の品位を下げる』と言って激怒させた。
イジスが暴言に抗議したので改めたし、優秀な商人だと知ってからは敬意を表していたが……。
(本当に、平民のラリアを助けるためにここまでするか?)
イジスが様々な想いを錯綜させていると、バンスはじれた様子で机を叩いた。
『イジス!なにをためらっている!まさか彼女を救いたくないのか!』
『それは違う!だが!……バンス、申し出はありがたいが受けることは出来ない』
イジスは席を立ち、邸宅を後にした。
『イジス!考えなおせ!ラリア嬢を救うにはこれしかないんだぞ!』
友の声がどこまでも追いかけてきたが、一度も振り返らなかった。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
婚約者は、今月もお茶会に来ないらしい。
白雪なこ
恋愛
婚約時に両家で決めた、毎月1回の婚約者同士の交流を深める為のお茶会。だけど、私の婚約者は「彼が認めるお茶会日和」にしかやってこない。そして、数ヶ月に一度、参加したかと思えば、無言。短時間で帰り、手紙を置いていく。そんな彼を……許せる?
*6/21続編公開。「幼馴染の王女殿下は私の元婚約者に激おこだったらしい。次期女王を舐めんなよ!ですって。」
*外部サイトにも掲載しています。(1日だけですが総合日間1位)
貴方様の後悔など知りません。探さないで下さいませ。
ましろ
恋愛
「致しかねます」
「な!?」
「何故強姦魔の被害者探しを?見つけて如何なさるのです」
「勿論謝罪を!」
「それは貴方様の自己満足に過ぎませんよ」
今まで順風満帆だった侯爵令息オーガストはある罪を犯した。
ある令嬢に恋をし、失恋した翌朝。目覚めるとあからさまな事後の後。あれは夢ではなかったのか?
白い体、胸元のホクロ。暗めな髪色。『違います、お許し下さい』涙ながらに抵抗する声。覚えているのはそれだけ。だが……血痕あり。
私は誰を抱いたのだ?
泥酔して罪を犯した男と、それに巻き込まれる人々と、その恋の行方。
★以前、無理矢理ネタを考えた時の別案。
幸せな始まりでは無いので苦手な方はそっ閉じでお願いします。
いつでもご都合主義。ゆるふわ設定です。箸休め程度にお楽しみ頂けると幸いです。
夫の不貞現場を目撃してしまいました
秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。
何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。
そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。
なろう様でも掲載しております。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
断罪されているのは私の妻なんですが?
すずまる
恋愛
仕事の都合もあり王家のパーティーに遅れて会場入りすると何やら第一王子殿下が群衆の中の1人を指差し叫んでいた。
「貴様の様に地味なくせに身分とプライドだけは高い女は王太子である俺の婚約者に相応しくない!俺にはこのジャスミンの様に可憐で美しい女性こそが似合うのだ!しかも貴様はジャスミンの美貌に嫉妬して彼女を虐めていたと聞いている!貴様との婚約などこの場で破棄してくれるわ!」
ん?第一王子殿下に婚約者なんていたか?
そう思い指さされていた女性を見ると⋯⋯?
*-=-*-=-*-=-*-=-*
本編は1話完結です(꒪ㅂ꒪)
…が、設定ゆるゆる過ぎたと反省したのでちょっと色付けを鋭意執筆中(; ̄∀ ̄)スミマセン
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる