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第四章ガードマン、オークの花嫁になる

ガードマン、オークの花嫁になる【14】

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◆◆◆◆

ミツバ視点に戻ります

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「……ん。ざっく?」

「ミツバ、おはよう」

 優しい眼差しが目に入る。どうやら僕はまた意識を失っていたらしい。ベッドの上で寝ていた。ザックはベッド脇に座って、ずっと僕の寝顔を見ていたらしかった。

「可愛くて見飽きなかったし癒された」

 慈愛に満ちた眼差しで言われた。緑色の肌がピカピカ光ってるあたり、癒されたのは本当だろう。しかし可愛いって言われるの、やっぱりちょっと恥ずかしいな。
 嫌じゃないのは惚れた弱みかな?でも抗議はしておこう。

「ええー?僕、別にそんな可愛い顔じゃないし若くもないよ」

「いや、物凄く可愛い。ところで何歳だ?人間の年齢はわかりにくいが、成人はしているよな?」

「24歳だよ。とっくに成人して……」

「想像より若い!物凄く若くて可愛い!通りで若さが弾けているはずだ!こ、こんな若くて可愛い男の子に手を出したのか俺は……」

「急におじさんムーブするじゃん。いらない罪悪感を抱いちゃうし。成人してるからセーフだよ。ちなみにザックは何歳?」

「あー……38歳のおっさんだ」

「まだまだ若いじゃん。下半身が特に」

「ぐっ……!否定は出来ないな」

 キャッキャと一通りいちゃついた後、ザックは真面目な顔になった。

「痛いところや違和感はないか?」

「ん。大丈夫だよ」

 ふわふわ幸せな気分で僕はベッドから降りた。
 また知らない服を着せられていた。そういえば身体も綺麗になっている。
 さっきまで着てた服は洗濯してくれたらしい。色んな汁がついてるし皺だらけだからね……。

「えへへ。ありがとう」

「当然だ。しかし、やはり俺の服は大きすぎるな」

 確かに、ベージュ色のシャツは大きくて膝丈ワンピースみたいだ。ズボンも下着も無くてスースーするし、身体の一部が落ち着かない。

「そうだね。でも、家の中で過ごす分には問題ないよ」

 試しに歩いてくるんと回ってみる。意外と動きやすい。

「いや、脚が眩しすぎて問題だ」

「ザックのすけべ。真面目な顔で何言ってるの。流石に今日はもうしないからね」

 昨夜と今朝でお腹いっぱいだ。まだ少し膨れている下腹を撫でる。ちょっとこれみよがしに。脚も見せつけながら。

「うっ!み、ミツバ、刺激が強い……!」

 前屈みになるザックに優越感が湧く。

「ふふ。あんなに出したのに元気だね。……明日はまだ休みだから……いっぱいしようね」

「!ぜ、絶対だからな!」

 僕らはやっぱりイチャイチャしながらリビングに行き、遅い昼食を取った。

 ザックは「昨日の残り物ばかりだ」なんて恐縮するけど、当然ながら物凄く美味しい。
 チーズたっぷりのパングラタン、新鮮な野菜サラダ、さっぱりした風味のお茶を頂く。

「これって昨日のシチューをアレンジしたの?最高に美味しいよ!」

「口にあってよかった。おかわりもあるからな」

 僕らは夢中で食べてたくさん話をした。これまでの人生と、これからについて。
 食べ終わる頃、ザックは切り出した。

「異世界と繋がったことは、いずれ魔法局に観測され国が知ることになるだろう。君との関係を認めてもらうためにも、先んじて上官に報告する。同席してもらってもいいだろうか?」

 もちろん僕は同意した。

 これからザックの上司さんに、『ザックの家が異世界に繋がってしまったことと、異世界人である僕と恋に落ちたこと、僕はすでに雄子宮ができていること』を報告する。

 異世界かつ異種族同士の恋だ。反対される可能性は高いけど……認めてもらうためにも頑張らなきゃ。

 僕は決心して、ザックと共にリビングを出た。


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