上 下
31 / 84
第二章王太子、オークの花嫁になる

王太子、オークの花嫁になる【15】*

しおりを挟む
「っ!は、恥ずかしい男だ……」

 シスルは顔を赤らめ、ややあって頬を撫でる手に己の手を重ねた。

「……まあ、悪い気はしない……」

 満更でもない様子のシスルに、オグルの胸はギュッと締め付けられた。

「シスルが何が好きで何が嫌いか、もっと教えてくれ」

 今日一日は、邸宅の案内をしつつゆっくり語り合おうとしたのだが……。

「……私もお前を知りたい」

 シスルの手がオグルの腕に触れ、意図を持って撫でさする。

「特に閨でなにが好きか……私に教えろ」

「シスル?お、おい。また発情……いだだだだだ!」

 シスルはムッとした顔でオグルの腕をつねった。人間だが武人なだけありなかなか痛い。オークの肉が千切れる勢いである。

「ふん!は、発情してなければ、だ、抱き合ってはならないのか?……新婚だというのに、私の花婿殿はつれないな」

「っ!シスル!俺が悪かった。今すぐ教えるから許してくれ」

 どこかでオグルの理性が『いや今日は休ませるか医師に診せた方がいい』と、言っていたが、可愛い花嫁の誘いの前では無力なのだった。

◆◆◆◆◆

 朝から卑猥なことをしている。シスルは頭の片隅で恥じらったが、すぐに快楽で塗りつぶされていった。

「んっ……ふぅっ……!んぉ……っ!~~っ!」

 シスルは、オグルの太くて長い逸物に自ら貫かれていく。悶えながらも腰を下ろし切った。いわゆる騎乗位の体位だ。肉壁が逸物でいっぱいな上に、腿や手にオグルの腹筋が触れて……しかも、暗い青い目がシスルへの欲と愛情を込めて見上げている。

「……ふぅっ。よく出来たな……。ふっ……シスル、上手だ。とても良い……」

鍛えているシスルよりも大きな手が、愛し気にシスルの脚を撫でて労る。

(オグルが喜んでる。嬉しい。俺も気持ちよくて幸せだ)

 騎乗位はオグルに閨での好みの一つらしいが、シスルも気に入った。シスルの体重がかかることで肉壁がより圧迫され、出来たばかりの雄子宮の入り口を押し上げる。

「あうぅ……っ!ぎ、ぎもちいぃっ……いぐぅ……!しりでいぐうっ!」

 入り口がチュパチュパと、オグルの亀頭をしゃぶるのがわかる。精液をねだる蠢き。シスルは一呼吸ごとに絶頂している。

「シスル……イイぞ……!ぐぅっ……!」

「あうぅっ!いくっ!いっ……ひぎっ!」

 オグルは半身を起こし、シスルを抱きしめて揺さぶる。

「ぃっ~~~!いくうぅっ!」

「おおっ!オレもだ!中に出すぞ!」

 ビュクビュクと熱い精液がほとばしり、雄子宮に注がれていく。シスルは全身で快楽と悦びを味わい、オグルの身体を強く抱き返した。
 一滴残らず出し切ったらしく、胎は精液とやや縮んだ逸物で満たされた。

(ああ……いっぱい……子種が……)

 いずれ、この胎でオグルとの子を孕む。そう確信する。不思議なほどに、嫌悪は無い。
 シスルは確かに、長年オークのことを蔑んでいたし醜いと思っていた。
 だが、戦争によって実際にオークと接したことで、その考えは変化していった。つい最近までそれを認めなかったが、本心では違った。
 あの戦争で、オークは誰もが勇猛果敢に戦っていた。さらに理知的に考える者も多く、シスルら捕虜に対しても敬意を持って接した。
 特にオグルは礼儀正しく丁寧で、それでいてシスルに媚びず対等に接した。時に諌めるようなことまで言われすらした。
 同母妹のアマリリス、婚約者のラベンナ、乳母や側近たちもシスルに諫言する事があったが、彼女らはあくまで臣下としてシスルに従っていた。両親はというと、母は幼い頃に亡くなった上に、父とは公務以外では疎遠だった。

(ああ、私はそれがずっと寂しかった。だからこそ、オグルとの会話が楽しかったのだな)

 捕虜だった頃、毎日のようにオグルが来てくれるのが嬉しかった。今は負けたが、いずれまた緑鉄国と戦う。勝った暁には、今度は自分がオグルを捕えて側に置こう。
 そう思っていた。

「はは……そうか……」

(それは、恋とは形が違っていたかもしれないが)

「シスル?どうした?」

 シスルはオグルの頬を両手で包んだ。ゴツゴツした感触の、汗で濡れた熱い肌。
 オグルの顔を美しいとは思わない。
 だが、とても雄々しくて、男前で、憂いを帯びた表情は色気があって、笑うととても。

「私はどうやら、初めからオグルが好きだったらしい」

 シスルは笑って口付け……。

「んおっ!ひぎっ!」

 下からシスルを突き上げる圧迫。オグルの逸物が、急に固さと大きさを取り戻したのだ。

「俺も!シスル!お前が!」

 オグルは興奮で目を爛々と光らせながら、繋がったままシスルをベッドに押し倒す。体重をかけながら、激しく腰を振って抽送する。

「ぉっ……!~~~っ!」

 シスルは中を抉られ、オグルの身体で圧迫され、声なき悲鳴を上げた。
 やがてまたたっぷりと精液を中出しされ、シスルの腹は妊娠したように膨らんだのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店

ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。

R18禁BLゲームの主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成りました⁉

あおい夜
BL
昨日、自分の部屋で眠ったあと目を覚ましたらR18禁BLゲーム“極道は、非情で温かく”の主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成っていた! 弟は兄に溺愛されている為、嫉妬の対象に成るはずが?

男子学園でエロい運動会!

ミクリ21 (新)
BL
エロい運動会の話。

媚薬使ってオナってたら絶倫彼氏に見つかって初めてなのに抱き潰される話♡

🍑ハンバーグ・ウワテナゲ🍑
BL
西村つばさ 21歳(攻め) めちゃくちゃモテる。が、高校時代から千尋に片思いしていたため過去に恋人を作ったことがない。 千尋を大切にしすぎて手を出すタイミングを見失った。 175cm 大原千尋 21歳(受け) 筋トレマニア。 童顔で白くてもちもちしてる。 絵に描いたかのようなツンデレ。 つばさが大好きだけど恥ずかしくて言えない。 160cm 何故かめちゃくちゃ長くなりました。 最初、千尋くんしか出てきません…🍑

【R18】奴隷に堕ちた騎士

蒼い月
BL
気持ちはR25くらい。妖精族の騎士の美青年が①野盗に捕らえられて調教され②闇オークションにかけられて輪姦され③落札したご主人様に毎日めちゃくちゃに犯され④奴隷品評会で他の奴隷たちの特殊プレイを尻目に乱交し⑤縁あって一緒に自由の身になった両性具有の奴隷少年とよしよし百合セックスをしながらそっと暮らす話。9割は愛のないスケベですが、1割は救済用ラブ。サブヒロインは主人公とくっ付くまで大分可哀想な感じなので、地雷の気配を感じた方は読み飛ばしてください。 ※主人公は9割突っ込まれてアンアン言わされる側ですが、終盤1割は突っ込む側なので、攻守逆転が苦手な方はご注意ください。 誤字報告は近況ボードにお願いします。無理やり何となくハピエンですが、不幸な方が抜けたり萌えたりする方は3章くらいまでをおススメします。 ※無事に完結しました!

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果

ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。 そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。 2023/04/06 後日談追加

イケメン王子四兄弟に捕まって、女にされました。

天災
BL
 イケメン王子四兄弟に捕まりました。  僕は、女にされました。

見せしめ王子監禁調教日誌

ミツミチ
BL
敵国につかまった王子様がなぶられる話。 徐々に王×王子に成る

処理中です...