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第二章王太子、オークの花嫁になる
元サラリーマン、どすけべウェディングドレスを着る【10】
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「ああ、そういう事もあるよな。一応、赤花国とは和解したことになってるもんなー。受け入れるしかないかな。クオーン、どう思う?」
隣に座るクオーンにたずねた。
「早急に受け入れるべきだと考えている」
発言した瞬間、臣下の何人かが覇気にあてられピャッと悲鳴を上げた。スルーして聞く。
「うん。理由は?」
クオーンは少しだけ頬を染めた。かわいい。
「面倒事は早く済ませておきたい。……私は、君との結婚式を邪魔されたくないのだ」
「えっ好き。うん、わかった。さっさと受け入れてお帰り願おう。決める事なくなったし、いまから俺をめちゃくちゃに抱いて」
「ツカサ、こんな所で大胆なことを言ってはいけないよ……後でお仕置きしなければならないな」
クオーンは俺を膝に乗せて服の上からいやらしく身体を撫で出した。俺はうっとりと身を寄せる。ああ、雄子宮がキュンキュンする。はやくしたい。御ちんぽ様ぺろぺろしゃぶって、雄子宮に子種注いで欲しい。俺は興奮して腰を揺らしてしまった。
「お前らいい加減にしろおおお!」
「オグル殿!落ち着いてください!新婚ですし仲睦まじいのは良いことですよ!」
「近衛騎士!押さえろ!オグル殿を謀反人にする訳にはいかん!」
「国王陛下もまだまだお若いからなあ……」
俺たちは、外野の騒ぎを聞きながら夫夫の寝室に引っ込んで熱い夜を過ごしたのだった。
致して片付けた後、寝物語代わりに赤花国の話をした。俺の知識に過不足がないか心配だったからだが、おおむね間違いはなかったようで安心した。
ただ、クオーンたちも新国王アマリリスについてはほとんど知らないらしい。赤花国からの亡命者たちからも、ざっくりした情報しかない。
「わかっているのはこの程度だ」
昔から、革新派と呼ばれる臣下から支持されていたこと。
王位への野心を見せたことはなかったこと。
聡明さと魔法の才能で名高いこと。
この三つくらいだという。
赤花国は人間ばかりが住むが、彼らのほとんどが魔法を使える。中でも王族は強力な魔法使いだという。
「間諜からの報告によれば、かなり特殊な魔法も使えるそうだ。それがあったからこそ、一人で宮殿を制圧することが出来たのだろう。後は王太子と同母妹で、十八歳だということくらいしかわからないな」
情報を頭に叩き込みつつ、あることに気づく。
「魔法対策は念入りにしとかなくちゃな……ところで、前国王と一緒に俺を召喚しやがったクソ王太子はどうなったんだ?」
「そういえば、特に情報は入っていないな。前国王は幽閉されたらしいが……王太子も強力な魔法と剣の使い手だ。あれで人望もある。勝ち気な性格をしているし、妹に王位を簒奪されて黙っているとは思えないが……」
なんだか嫌な予感がした。その予感は三日後に的中する。
隣に座るクオーンにたずねた。
「早急に受け入れるべきだと考えている」
発言した瞬間、臣下の何人かが覇気にあてられピャッと悲鳴を上げた。スルーして聞く。
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クオーンは少しだけ頬を染めた。かわいい。
「面倒事は早く済ませておきたい。……私は、君との結婚式を邪魔されたくないのだ」
「えっ好き。うん、わかった。さっさと受け入れてお帰り願おう。決める事なくなったし、いまから俺をめちゃくちゃに抱いて」
「ツカサ、こんな所で大胆なことを言ってはいけないよ……後でお仕置きしなければならないな」
クオーンは俺を膝に乗せて服の上からいやらしく身体を撫で出した。俺はうっとりと身を寄せる。ああ、雄子宮がキュンキュンする。はやくしたい。御ちんぽ様ぺろぺろしゃぶって、雄子宮に子種注いで欲しい。俺は興奮して腰を揺らしてしまった。
「お前らいい加減にしろおおお!」
「オグル殿!落ち着いてください!新婚ですし仲睦まじいのは良いことですよ!」
「近衛騎士!押さえろ!オグル殿を謀反人にする訳にはいかん!」
「国王陛下もまだまだお若いからなあ……」
俺たちは、外野の騒ぎを聞きながら夫夫の寝室に引っ込んで熱い夜を過ごしたのだった。
致して片付けた後、寝物語代わりに赤花国の話をした。俺の知識に過不足がないか心配だったからだが、おおむね間違いはなかったようで安心した。
ただ、クオーンたちも新国王アマリリスについてはほとんど知らないらしい。赤花国からの亡命者たちからも、ざっくりした情報しかない。
「わかっているのはこの程度だ」
昔から、革新派と呼ばれる臣下から支持されていたこと。
王位への野心を見せたことはなかったこと。
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この三つくらいだという。
赤花国は人間ばかりが住むが、彼らのほとんどが魔法を使える。中でも王族は強力な魔法使いだという。
「間諜からの報告によれば、かなり特殊な魔法も使えるそうだ。それがあったからこそ、一人で宮殿を制圧することが出来たのだろう。後は王太子と同母妹で、十八歳だということくらいしかわからないな」
情報を頭に叩き込みつつ、あることに気づく。
「魔法対策は念入りにしとかなくちゃな……ところで、前国王と一緒に俺を召喚しやがったクソ王太子はどうなったんだ?」
「そういえば、特に情報は入っていないな。前国王は幽閉されたらしいが……王太子も強力な魔法と剣の使い手だ。あれで人望もある。勝ち気な性格をしているし、妹に王位を簒奪されて黙っているとは思えないが……」
なんだか嫌な予感がした。その予感は三日後に的中する。
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