31 / 36
登場人物紹介・番外編など
番外編・ある平和な一日【中編】*
しおりを挟む
魔王を倒し、ルナルシオンと結婚してからもダガンは忙しかった。特に最初の半年は怒涛だった。一年以上が過ぎた今、やっと時間を作れるようになってきた。
今日はそんな一日だ。騎士団の調練の指導や演習も、公式行事などの社交関連も、それらにまつわる書類仕事その他も無い休日である。しかも、ルナルシオンも昼からは休める。それまで時間を潰して待つことにした。
「ノーチェ、元気だったか?」
最初は愛馬の様子を見に行った。共に旅をした黒毛の愛馬は、老いてもダガンを慕ってくれる。声をかけながらブラッシングしたり、健康状態を確認した。調子が良さそうなので、離宮のすぐ側にある森に向かう。森の中には、調練場があるのだ。
調練場は、簡素な石造りの施設だ。ルナルシオンや護衛騎士たちも鍛錬に使っている。今日は誰もいなかった。
(巻き込む恐れがなくて助かる)
しばしダガンは、思う存分身体を動かした。
形稽古を一通り済ませて休憩する。まだ昼には間がある。もう少し剣を振るおう。他にすることもない。
と、そこでダガンは唐突に気づいた。
(することならある。自領について学ぶことだ)
正確には、ルナルシオンが受領し管理している領地だ。いずれ、夫であるダガンにも運営に関わって欲しいと言われている。ダガンはその領地についても、領地運営についても知識がない。平民から貴族に成り上がったとはいえ、領地は持たなかったせいだ。
(これは不味いな)
ダガンの仕事は別にあるので、その辺りはおいおい学べばいいと言われている。が、いずれ学ぶなら早ければ早いほどいい。せめてルナルシオンの足を引っ張らない程度にはなりたい。
そうと決まれば早かった。井戸で手早く汗を流し、調練場を後にして離宮に戻る。
(資料は書庫にいけばあるか)
月花離宮の書庫は、本来ならばルナルシオンか書庫の管理官の許可がなければ入れない。ダガンは許可なしで入れる。特別である。優越感を感じ、そんな自分に苦笑いしながら書庫に向かった。足取りは軽い。五十路過ぎの中年親父が浮かれてみっともないという意識はまだあるが、同時に『幸せだから仕方ない』と、開き直ってもいた。
『やっと幸せに慣れてきたね』とは、愛しい夫の評である。閨の中でもそれ以外でも、ルナルシオンはダガンを慈しみ、幸福と安寧を注ぐ。ダガンは、とっくの昔に溺れて中毒になっている。
(もう、誰かを愛する事を諦めていた頃には戻れないだろう)
自分の寿命が人間より長いかもしれない恐怖はあるが、喪った後の覚悟はしている。以前、白状したらルナルシオンに怒られた。
◆◆◆◆◆
「ダガンの馬鹿!後ろ向き過ぎる!そこは私に長生きしろと言うところだよ!」
「す、すまん。悪かった」
寝室のベッドの上、ダガンはルナルシオンに涙目で怒られた。狼狽えて謝ることしか出来ない。そんなダガンを、ルナルシオンはじっとりした目で見つめた。
「君を独りになんてしないからね……今夜は、私が君を気持ちよくしてあげる。不安になる間もないくらい」
ルナルシオンは夜着をゆっくり見せつけながら脱ぎ、ダガンを押し倒してまたがった。
「る、ルナルシオン?なにを……」
「ふふ。じっとしてて。……ああ、もう固くなりかけてる」
「うっ!る、ルナルシオン!」
夜着の上から股間を撫でられ、腰が浮く。ルナルシオンは、己の下半身を擦り付けながら手を動かす。
白く美しい手がダガンの夜着をはぎ、形よく柔らかな唇が太い首に吸い付く。ちゅっちゅと、可愛い音が立つ。ルナルシオンは唇と舌で、ダガンの赤黒く逞しい身体を軽く吸ったり、甘噛みしたり、舐めて愛撫していった。
「ダガン、気持ちいいんだね。もうこんな……」
ルナルシオンはすっかり勃ち上がった剛直に息をかけた。剛直がビクビクと揺れ、先走りが滲む。
「私ももう……待てないよ。ダガン」
濡れた剛直を握り、ルナルシオンは己の肉壁に誘った。ちゅこっと、肛門に亀頭が当たる。ルナルシオンは恍惚とした顔で、腰を下ろしていった。
それからはもう、めくるめく一夜だった。
「あんっ!ダガン、愛してる……!」
「俺も……うぅっ!また、でるっ……!」
「だして!わたしのなか……!ああぁっ!」
ダガンは騎乗位で搾り取られ、ドロドロに甘やかされたのだった。
◆◆◆◆◆
(駄目だ。まだルナルシオンは休みじゃ無い。これ以上思い出すな)
甘い記憶を浮かべている内に書庫に着いた。見張り兵と軽い挨拶を交わし、魔術ランプを受け取って中に入る。中は真っ暗で、幾つもの本棚がぎっしり詰まっている。入り口脇にある地図で場所を確認して歩く。領地関連の本が納められた棚は奥まった場所にあった。
(思ったより多いな……)
どれを選ぶか。ざっと見ただけでも駐留騎士団の名簿、事件事故の記録、地域産業の資料、歴史や伝承、地域別の徴税記録、などなど多岐に渡る。とりあえず、現地に駐留している騎士団については既に知っているので、地域産業関連の本を数冊選んだ。夜会や茶会で王侯貴族と話をする機会も増えた。夫の領地の特産品も知らないのは不味いだろう。
今でこそダガンは、周囲に受け入れられている。
「いくら勇者でも半魔はちょっと……と、思ってたけど、あの引っ込み思案のルナくんがあんなに幸せそうだからいいわぁ。貴方って話してみると紳士だし。誤解されやすいのね」とか「はあはあ……ゴツくて赤黒い肌の厳つい中年男と均整のとれた白い肌の高貴な美青年……はあはあ……原稿しよ」
などと好意的?に。しかし、半魔への差別が完全になくなったわけではない。いつ足元を掬われるかわかったものではない。掬われる前に、スカイレッドかテオドラが相手を様々な意味で沈めるだろうが、闇に葬られる者は少ない方がいい。
ともかく、自発的に学ぶことは大事だ。歳を取るとつくづく感じる。
(そうだ。どうせならルナルシオンの仕事ぶりをながめながら読むか)
こちらから話しかけなければ邪魔にはならないだろう。ダガンは早速、執務室に向かった。
今日はそんな一日だ。騎士団の調練の指導や演習も、公式行事などの社交関連も、それらにまつわる書類仕事その他も無い休日である。しかも、ルナルシオンも昼からは休める。それまで時間を潰して待つことにした。
「ノーチェ、元気だったか?」
最初は愛馬の様子を見に行った。共に旅をした黒毛の愛馬は、老いてもダガンを慕ってくれる。声をかけながらブラッシングしたり、健康状態を確認した。調子が良さそうなので、離宮のすぐ側にある森に向かう。森の中には、調練場があるのだ。
調練場は、簡素な石造りの施設だ。ルナルシオンや護衛騎士たちも鍛錬に使っている。今日は誰もいなかった。
(巻き込む恐れがなくて助かる)
しばしダガンは、思う存分身体を動かした。
形稽古を一通り済ませて休憩する。まだ昼には間がある。もう少し剣を振るおう。他にすることもない。
と、そこでダガンは唐突に気づいた。
(することならある。自領について学ぶことだ)
正確には、ルナルシオンが受領し管理している領地だ。いずれ、夫であるダガンにも運営に関わって欲しいと言われている。ダガンはその領地についても、領地運営についても知識がない。平民から貴族に成り上がったとはいえ、領地は持たなかったせいだ。
(これは不味いな)
ダガンの仕事は別にあるので、その辺りはおいおい学べばいいと言われている。が、いずれ学ぶなら早ければ早いほどいい。せめてルナルシオンの足を引っ張らない程度にはなりたい。
そうと決まれば早かった。井戸で手早く汗を流し、調練場を後にして離宮に戻る。
(資料は書庫にいけばあるか)
月花離宮の書庫は、本来ならばルナルシオンか書庫の管理官の許可がなければ入れない。ダガンは許可なしで入れる。特別である。優越感を感じ、そんな自分に苦笑いしながら書庫に向かった。足取りは軽い。五十路過ぎの中年親父が浮かれてみっともないという意識はまだあるが、同時に『幸せだから仕方ない』と、開き直ってもいた。
『やっと幸せに慣れてきたね』とは、愛しい夫の評である。閨の中でもそれ以外でも、ルナルシオンはダガンを慈しみ、幸福と安寧を注ぐ。ダガンは、とっくの昔に溺れて中毒になっている。
(もう、誰かを愛する事を諦めていた頃には戻れないだろう)
自分の寿命が人間より長いかもしれない恐怖はあるが、喪った後の覚悟はしている。以前、白状したらルナルシオンに怒られた。
◆◆◆◆◆
「ダガンの馬鹿!後ろ向き過ぎる!そこは私に長生きしろと言うところだよ!」
「す、すまん。悪かった」
寝室のベッドの上、ダガンはルナルシオンに涙目で怒られた。狼狽えて謝ることしか出来ない。そんなダガンを、ルナルシオンはじっとりした目で見つめた。
「君を独りになんてしないからね……今夜は、私が君を気持ちよくしてあげる。不安になる間もないくらい」
ルナルシオンは夜着をゆっくり見せつけながら脱ぎ、ダガンを押し倒してまたがった。
「る、ルナルシオン?なにを……」
「ふふ。じっとしてて。……ああ、もう固くなりかけてる」
「うっ!る、ルナルシオン!」
夜着の上から股間を撫でられ、腰が浮く。ルナルシオンは、己の下半身を擦り付けながら手を動かす。
白く美しい手がダガンの夜着をはぎ、形よく柔らかな唇が太い首に吸い付く。ちゅっちゅと、可愛い音が立つ。ルナルシオンは唇と舌で、ダガンの赤黒く逞しい身体を軽く吸ったり、甘噛みしたり、舐めて愛撫していった。
「ダガン、気持ちいいんだね。もうこんな……」
ルナルシオンはすっかり勃ち上がった剛直に息をかけた。剛直がビクビクと揺れ、先走りが滲む。
「私ももう……待てないよ。ダガン」
濡れた剛直を握り、ルナルシオンは己の肉壁に誘った。ちゅこっと、肛門に亀頭が当たる。ルナルシオンは恍惚とした顔で、腰を下ろしていった。
それからはもう、めくるめく一夜だった。
「あんっ!ダガン、愛してる……!」
「俺も……うぅっ!また、でるっ……!」
「だして!わたしのなか……!ああぁっ!」
ダガンは騎乗位で搾り取られ、ドロドロに甘やかされたのだった。
◆◆◆◆◆
(駄目だ。まだルナルシオンは休みじゃ無い。これ以上思い出すな)
甘い記憶を浮かべている内に書庫に着いた。見張り兵と軽い挨拶を交わし、魔術ランプを受け取って中に入る。中は真っ暗で、幾つもの本棚がぎっしり詰まっている。入り口脇にある地図で場所を確認して歩く。領地関連の本が納められた棚は奥まった場所にあった。
(思ったより多いな……)
どれを選ぶか。ざっと見ただけでも駐留騎士団の名簿、事件事故の記録、地域産業の資料、歴史や伝承、地域別の徴税記録、などなど多岐に渡る。とりあえず、現地に駐留している騎士団については既に知っているので、地域産業関連の本を数冊選んだ。夜会や茶会で王侯貴族と話をする機会も増えた。夫の領地の特産品も知らないのは不味いだろう。
今でこそダガンは、周囲に受け入れられている。
「いくら勇者でも半魔はちょっと……と、思ってたけど、あの引っ込み思案のルナくんがあんなに幸せそうだからいいわぁ。貴方って話してみると紳士だし。誤解されやすいのね」とか「はあはあ……ゴツくて赤黒い肌の厳つい中年男と均整のとれた白い肌の高貴な美青年……はあはあ……原稿しよ」
などと好意的?に。しかし、半魔への差別が完全になくなったわけではない。いつ足元を掬われるかわかったものではない。掬われる前に、スカイレッドかテオドラが相手を様々な意味で沈めるだろうが、闇に葬られる者は少ない方がいい。
ともかく、自発的に学ぶことは大事だ。歳を取るとつくづく感じる。
(そうだ。どうせならルナルシオンの仕事ぶりをながめながら読むか)
こちらから話しかけなければ邪魔にはならないだろう。ダガンは早速、執務室に向かった。
10
お気に入りに追加
130
あなたにおすすめの小説

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる