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登場人物紹介・番外編など
番外編・ある平和な一日【後編】
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ここでも見張り兵はあっさりとダガンを通す。
(おっ。集中してるな)
入って正面、長い髪を一つに結んだルナルシオンは執務机に向かっている。ダガンに気づく様子はない。周りにいる文官たちは即座に挨拶しようとしたが、ダガンは手と視線で黙らせ、入り口側の長椅子に座った。
ルナルシオンの執務室は本を傷めぬよう常に薄暗い。おまけに狭い。ダガンが旅立つ前より窮屈に感じるのは気のせいではないだろう。本来は広い部屋のはずだが、複数の書棚と資料棚、ルナルシオンの執務机と椅子、文官用の執務机と椅子が二つずつ、本と資料を広げる用の大机、扉近くに応接用の机を挟んで長椅子が二つもあるせいだ。
本とインクと様々な資料が醸し出す匂いが混ざり合い、お世辞にも居心地がいいとは言えない空間だ。しかし、ダガンは幸福を噛み締めていた。
(何に集中しているルナルシオンは、凛々しい)
本からの情報を頭に叩き込みつつ、時折ルナルシオンを観察する。ルナルシオンが仕事や読書に取り組むのを眺めているのは楽しい。家族以外の前では常に気を張っているルナルシオンだが、集中すると周りが見えなくなる。
(まあ、いいことばかりでも無いが。昔は行方不明になることもあったな)
ルナルシオンは第三王子という立場ではあるが、離宮内での行動は比較的自由だ。従者を連れずにあちこち歩き回ることが少なくなかった。ダガンが護衛騎士だった頃は、よく手が空いた家臣総出でルナルシオン殿下探しをしたものだ。執事に頼まれてだったり、自発的に参加していたのだが、これがなかなか難しかった。
ルナルシオンは、書庫で本探しに熱中するあまり奥まった場所まで入りこんでいたり、庭園の花の中に埋もれて長考していたり、普段は使われていない部屋で翻訳作業をしてうっかり閉じ込められていたりした。
大体見つけ出すのはダガンで、離宮内とはいえ油断し過ぎであることや、臣下を心配させたことを諌めた。とはいえ、内心ではゆっくり好きなことをして欲しいと思っていたので、二人揃ってまったりすることもあったが。
ルナルシオンが十六歳の頃、森の木陰で食い入るように本を読んでいた光景が浮かぶ。あれも、初夏の晴れた日だった。
◆◆◆◆◆
「殿下、こちらに居られましたか。皆が探して……ルナルシオン殿下?」
ダガンは、離宮にも庭園にも居ない探し人をやっと見つけ、何度も話しかけた。が、全く気づかれない。探していたとはいえ急ぎの用はない。諦めて側に控え、その横顔をながめつつ周囲を警戒した。
(どこに不埒者がいるとも限らないからな)
ルナルシオンの、テオドラ譲りの美貌は当時から神々しいほどだった。おまけに今ほど立場も強くなかったため、心を奪われ邪な思いに駆られる者も後を立たない。ダガンたち周囲は、ルナルシオンが直接来客対応する時と、王城に参内する時はかなり警戒して気を配ったものだ。とはいえダガンもまた、美貌に目を奪われていた。
木漏れ日をはじく白金色の長いまつ毛、まつ毛に縁取られた薄青い目、白くまろい頬、ページをめくる細い指……ルナルシオンの全てが美しく、いくら見ても飽きない。
(見惚れるな。周囲を警戒しろ)
ダガンは自分を律し、視線を逸らす。誓ってやましい思いはなかったが、己が主人を盗み見て凝視するのは褒められたことではない。
気を逸らすため、ルナルシオンの読んでいる本に目を移した。書かれているのは、ダガンの全く知らない言語だ。少なくとも近隣諸国の言語ではない。それを辞書などの資料もなく読んでいる様子だ。
ダガンは、己が主人の頭の中に詰まった知識と、知識に対する貪欲さに感じ入ったのだった。
◆◆◆◆◆
今も、ルナルシオンの薄青色の眼差しは書類や本に向けられている。他を一切意識していない。淀みない動きでペンを動かしたと思えば、悩んだ様子で中空に視線を動かし、立ち上がって書棚や資料棚に手を伸ばしたり、従者や文官らに指示を飛ばす。
どうやら、今は領地の治水について頭を悩ませているらしい。領地は水が豊かな反面、水害への備えを怠れない。ダガンが持ち出した本にも記述があった。
『本の中の知識と現実が繋がる瞬間が好きなんだ』いつだったか、ルナルシオンが言っていた言葉が浮かんだ。
「過去の記録と比較したい。書庫から五十、いや百年分の降水量と水害の記録を持ってきてくれ」
「わかりました。周辺地域の資料も必要でしょうか?」
「そうだな。あった方が助かるよ。後は……」
生き生きと働くルナルシオンは、凛々しく頼もしい。真剣なので表情も固く『凍てつく月の君』だの『笑わない月の佳人』だのと綽名されたのも納得だ。
ダガンと二人きりの時のホワッホワの幸せ状態、あるいはお色気状態との落差が凄い。前者は日向に咲くタンポポのようにあどけなく可愛らしいし、後者は月夜に咲く月下美人のように艶かしく美しい。
(俺の前だけでな!)
内心で惚気るダガン。ルナルシオンを見つめる眼差しは温かったり、情熱的であったり、わりとあからさまだ。気を利かせて茶を用意した文官が生温い笑みを浮かべる。周囲は和むやら当てられるやらであった。
ダガンが本を一冊読み終わり、二冊目を読み始めたあたりでルナルシオンの仕事が終わった。
「ああ、あの書類のまとめ方はよかったから、次も同じようにしてもらえると助かる。……皆、今日はこれで下がっていい。休み明けもよろしく頼むよ。……えっ!あれ?ダガン居たの?いつから?」
部下が全員外に出てようやく、ルナルシオンはダガンに気づいた。パッと顔を赤らめ、慌てて声をあげる。ダガンは可愛らしさに吹き出してしまった。
『えっ?ダガン、いつからそこに居たんだい?』
十六歳のルナルシオンと殆ど同じ表情と言葉だ。自分たちの関係も、自分たち自身も色々と変わったが、大事なことは何一つ変わっていない気がした。
「笑わないで!恥ずかしいな、もう」
十六歳のルナルシオンも拗ねた顔でそういった。あの頃のダガンは、かしこまって許しを乞うたものだ。ルナルシオンはそこまでするとは思わなかったのだろう。また慌てて『私も気づかなくてごめんよ』と、眉を下げた。ダガンはやり過ぎを反省したものだ。
しかし、今は違う。
本を置いてたち上がり歩み寄る。結ばれた白金の髪を掬い上げ、口付けた。
「お前が可愛くて、ついな。笑って悪かった。……詫びに言うことをなんでも聞くから許せ」
ダガンは、あの頃よりもはるかにルナルシオンを喜ばせるのが上手くなった。証拠に、先ほどとは違う理由でルナルシオンの頬が染まり、婀娜っぽい笑みが浮かぶ。
「なんでも……だね。わかった。許してあげよう」
寄り添う身体を抱きとめながら、これからもこんな穏やかな日々が続けばいい。そう、強く願った。
めでたしめでたし
(おっ。集中してるな)
入って正面、長い髪を一つに結んだルナルシオンは執務机に向かっている。ダガンに気づく様子はない。周りにいる文官たちは即座に挨拶しようとしたが、ダガンは手と視線で黙らせ、入り口側の長椅子に座った。
ルナルシオンの執務室は本を傷めぬよう常に薄暗い。おまけに狭い。ダガンが旅立つ前より窮屈に感じるのは気のせいではないだろう。本来は広い部屋のはずだが、複数の書棚と資料棚、ルナルシオンの執務机と椅子、文官用の執務机と椅子が二つずつ、本と資料を広げる用の大机、扉近くに応接用の机を挟んで長椅子が二つもあるせいだ。
本とインクと様々な資料が醸し出す匂いが混ざり合い、お世辞にも居心地がいいとは言えない空間だ。しかし、ダガンは幸福を噛み締めていた。
(何に集中しているルナルシオンは、凛々しい)
本からの情報を頭に叩き込みつつ、時折ルナルシオンを観察する。ルナルシオンが仕事や読書に取り組むのを眺めているのは楽しい。家族以外の前では常に気を張っているルナルシオンだが、集中すると周りが見えなくなる。
(まあ、いいことばかりでも無いが。昔は行方不明になることもあったな)
ルナルシオンは第三王子という立場ではあるが、離宮内での行動は比較的自由だ。従者を連れずにあちこち歩き回ることが少なくなかった。ダガンが護衛騎士だった頃は、よく手が空いた家臣総出でルナルシオン殿下探しをしたものだ。執事に頼まれてだったり、自発的に参加していたのだが、これがなかなか難しかった。
ルナルシオンは、書庫で本探しに熱中するあまり奥まった場所まで入りこんでいたり、庭園の花の中に埋もれて長考していたり、普段は使われていない部屋で翻訳作業をしてうっかり閉じ込められていたりした。
大体見つけ出すのはダガンで、離宮内とはいえ油断し過ぎであることや、臣下を心配させたことを諌めた。とはいえ、内心ではゆっくり好きなことをして欲しいと思っていたので、二人揃ってまったりすることもあったが。
ルナルシオンが十六歳の頃、森の木陰で食い入るように本を読んでいた光景が浮かぶ。あれも、初夏の晴れた日だった。
◆◆◆◆◆
「殿下、こちらに居られましたか。皆が探して……ルナルシオン殿下?」
ダガンは、離宮にも庭園にも居ない探し人をやっと見つけ、何度も話しかけた。が、全く気づかれない。探していたとはいえ急ぎの用はない。諦めて側に控え、その横顔をながめつつ周囲を警戒した。
(どこに不埒者がいるとも限らないからな)
ルナルシオンの、テオドラ譲りの美貌は当時から神々しいほどだった。おまけに今ほど立場も強くなかったため、心を奪われ邪な思いに駆られる者も後を立たない。ダガンたち周囲は、ルナルシオンが直接来客対応する時と、王城に参内する時はかなり警戒して気を配ったものだ。とはいえダガンもまた、美貌に目を奪われていた。
木漏れ日をはじく白金色の長いまつ毛、まつ毛に縁取られた薄青い目、白くまろい頬、ページをめくる細い指……ルナルシオンの全てが美しく、いくら見ても飽きない。
(見惚れるな。周囲を警戒しろ)
ダガンは自分を律し、視線を逸らす。誓ってやましい思いはなかったが、己が主人を盗み見て凝視するのは褒められたことではない。
気を逸らすため、ルナルシオンの読んでいる本に目を移した。書かれているのは、ダガンの全く知らない言語だ。少なくとも近隣諸国の言語ではない。それを辞書などの資料もなく読んでいる様子だ。
ダガンは、己が主人の頭の中に詰まった知識と、知識に対する貪欲さに感じ入ったのだった。
◆◆◆◆◆
今も、ルナルシオンの薄青色の眼差しは書類や本に向けられている。他を一切意識していない。淀みない動きでペンを動かしたと思えば、悩んだ様子で中空に視線を動かし、立ち上がって書棚や資料棚に手を伸ばしたり、従者や文官らに指示を飛ばす。
どうやら、今は領地の治水について頭を悩ませているらしい。領地は水が豊かな反面、水害への備えを怠れない。ダガンが持ち出した本にも記述があった。
『本の中の知識と現実が繋がる瞬間が好きなんだ』いつだったか、ルナルシオンが言っていた言葉が浮かんだ。
「過去の記録と比較したい。書庫から五十、いや百年分の降水量と水害の記録を持ってきてくれ」
「わかりました。周辺地域の資料も必要でしょうか?」
「そうだな。あった方が助かるよ。後は……」
生き生きと働くルナルシオンは、凛々しく頼もしい。真剣なので表情も固く『凍てつく月の君』だの『笑わない月の佳人』だのと綽名されたのも納得だ。
ダガンと二人きりの時のホワッホワの幸せ状態、あるいはお色気状態との落差が凄い。前者は日向に咲くタンポポのようにあどけなく可愛らしいし、後者は月夜に咲く月下美人のように艶かしく美しい。
(俺の前だけでな!)
内心で惚気るダガン。ルナルシオンを見つめる眼差しは温かったり、情熱的であったり、わりとあからさまだ。気を利かせて茶を用意した文官が生温い笑みを浮かべる。周囲は和むやら当てられるやらであった。
ダガンが本を一冊読み終わり、二冊目を読み始めたあたりでルナルシオンの仕事が終わった。
「ああ、あの書類のまとめ方はよかったから、次も同じようにしてもらえると助かる。……皆、今日はこれで下がっていい。休み明けもよろしく頼むよ。……えっ!あれ?ダガン居たの?いつから?」
部下が全員外に出てようやく、ルナルシオンはダガンに気づいた。パッと顔を赤らめ、慌てて声をあげる。ダガンは可愛らしさに吹き出してしまった。
『えっ?ダガン、いつからそこに居たんだい?』
十六歳のルナルシオンと殆ど同じ表情と言葉だ。自分たちの関係も、自分たち自身も色々と変わったが、大事なことは何一つ変わっていない気がした。
「笑わないで!恥ずかしいな、もう」
十六歳のルナルシオンも拗ねた顔でそういった。あの頃のダガンは、かしこまって許しを乞うたものだ。ルナルシオンはそこまでするとは思わなかったのだろう。また慌てて『私も気づかなくてごめんよ』と、眉を下げた。ダガンはやり過ぎを反省したものだ。
しかし、今は違う。
本を置いてたち上がり歩み寄る。結ばれた白金の髪を掬い上げ、口付けた。
「お前が可愛くて、ついな。笑って悪かった。……詫びに言うことをなんでも聞くから許せ」
ダガンは、あの頃よりもはるかにルナルシオンを喜ばせるのが上手くなった。証拠に、先ほどとは違う理由でルナルシオンの頬が染まり、婀娜っぽい笑みが浮かぶ。
「なんでも……だね。わかった。許してあげよう」
寄り添う身体を抱きとめながら、これからもこんな穏やかな日々が続けばいい。そう、強く願った。
めでたしめでたし
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