半魔の勇者は第三王子を寵愛する

花房いちご

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私たち結婚しました

私たち結婚しました【11】*第一章完

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 ダガンは、ルナルシオンに怪我をさせないよう慎重に触れる。香油を使ったのか、すでにしっとりと濡れていた。指先を少しだけ沈めると第一関節まで入ったが、それ以上動かせないので抜いた。

「あっ……はぁ……はっ……」

 準備はしたらしいが、ルナルシオンの窄まりは固く狭い。今日は指で可愛がり、これは気持ちいい行為だと身体に教える事にした。
 ダガンは白く細い腰を掴み、剛直を尻の割れ目に当てて擦り付けた。先ほど出した精液と先走りがいやらしい音を立てる。

「本当にいいのか?ここで気持ちよくなれるよう身体を作り変えるんだぞ?」

 この期に及んでダガンは臆病だった。ルナルシオンの身体を作り変え、剛直で割り開き、快楽に溺れさせたくてたまらないが、嫌われるのが恐ろしかった。そんな優柔不断さをルナルシオンは笑う。

「いいよ。私……ここで君を受け入れて……一緒に気持ちよくなりたい」

「ルナルシオン!……ぐうっ!出るっ……!」

 ダガンはあっという間に気をやった。ビチャビチャと、ルナルシオンの背中から尻にかけて精液がかかる。二度目だが一度目より濃く、多かった。

「あ、熱い……いい匂いがする……欲しい。ダガン、欲しいっ!」

 匂いに当てられたのか、ルナルシオンがいやらしく尻を振ってねだる。

「ああ、今から食わせてやる」

 ダガンは精液を指にからめ、窄まりに入れる。
 馴染ませるため無理に奥には入れず、浅く肉壁に擦り付けるように指を出し入れする。ぐちゃぐちゃという音と互いの荒い息が響いた。やがて、ルナルシオンの声が激しく狂おしくなっていく。

「あぁっ……!へん、へんだ、あつぃ……!」

 ルナルシオンの窄まりがうごめき、ダガンの指を飲み込んでいく。ダガンは精液を足し、指を増やして中をこねて耕した。節くれだった太い指を二本も咥え、ルナルシオンは悶える。

「ひぃっ!そこだめっ……!あぁっ!ひっ!─────っ!」

 やがて、ルナルシオンは甲高い声を上げて陰茎から精液を飛び散らせた。知識でしかない、男が乱れる場所を当てたらしい。此処だなと、しっかり覚え込む。

「ちゃんとここで気持ちよくなれたな。えらいぞ」

 指を抜き、愛しさを込めて後ろから抱きしめたが反応がない。顔を見ると焦点があっていなかった。

(あ。やり過ぎた)

 ダガンは自らの血の気が引く音を聞いた。

 ◆◆◆◆◆◆

 翌朝、ダガンはベッドの端に座って一人反省会を開催していた。
 あれから大変だった。失神したルナルシオンを清めたり、まだ猛る身体を自ら慰め鎮めたり、召使いたちに精液まみれのシーツやクッションをかえさせたりした。生温い眼差しが居た堪れなかった。
 なにより、ルナルシオンに負担をかけ過ぎた。白い肌のあちこちに、生々しい手形が残っているし、窄まりも縦に割れてしまった。

「やっちまった」

 ダガンは、あんな風に夢中で欲望を叩きつけたのは初めてだった。しかも、三十近く歳下の男にだ。なんとか挿入するのは我慢できたが、かなり危なかった。
 思い出すとまたムラッと来たので頭を振る。

「……後悔してるのか?」

 ルナルシオンだ。いつの間にか起きていたらしい。ダガンは振り返って答えた。

「ああ、してる。もっと優しくしたかったしするべきだった」

「……なんだ。よかった。私とのことを後悔してるのかと思ったよ」

「なら初めから手を出していない。お前に負担をかけた以外は最高の夜だった」

「……よかった」

 ルナルシオンはうっとりと微笑み、ダガンのそばに寄ってしなだれかかった。さらりと白金の髪が流れる。ダガンはあまりの色気に固まった。

「私は貧弱だし閨の作法も知らないから……満足させれるか不安だった」

 白い指が勇者の腹筋をなぞり、下生えの中を弄る。拙い手つきだが、兆し出していたモノがさらに固くなっていく。

「杞憂でよかったよ。お尻も気持ちよかったし……これからももっと私を好きにして、君好みにして欲しい」

 甘い囁きがダガンの理性を奪い、その日は夜まで寝室から出られなかったのだった。
 こうして、勇者ダガンと第三王子ルナルシオン・ローゼラントは仲睦まじい夫夫ふうふとして名を轟かせたのだった。

第一章おしまい

 ◆◆◆◆◆

第二章加筆修正のため、少し更新が止まります。10月30日に再開予定です。
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