半魔の勇者は第三王子を寵愛する

花房いちご

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私たち結婚しました

私たち結婚しました【10】*

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「俺もお前が好きだ。愛してる。……なし崩しだったが、結婚出来てよかった」

「……うん。私も嬉しい」

 ルナルシオンは泣きながらダガンに抱きついた。

「あのね、私、ダガンに好きになってもらいたかった。愛して欲しかった。ずっと側にいさせて欲しい」

 ダガンは感動で胸がいっぱいになった。ダガンの役目柄、常に側に居続けるのは難しいだろう。だが、ずっと愛し続けることは約束できる。

「ああ、俺はずっとルナルシオンを愛し続ける。側にいれない時もあるだろうが、この思いだけは変わらないと誓う。……それでも、いいか?」

「うん。嬉しい……」

 二人はしばらくしっとりと抱き合っていたが、やがてルナルシオンが動き出した。

「私も君を気持ちよくしたい……」

 ルナルシオンは身体を滑らせてダガンの股間に顔を埋めた。ダガンが止める間も無く口を開き、手を添えて尖った先端を招いた。

「……っ!ルナルシオン……!」

 ちゅ、ちゅと、拙く唇と舌で愛撫する。興奮しているのか艶かしく腰を揺らしながら。

(あのルナルシオンが!俺のモノに!)

 若く美しいルナルシオンが必死に奉仕し、奉仕していることに興奮する。
 ルナルシオンは夢中で亀頭を舐めたり、幹に口付けたり、指でしごいていった。ますます、ダガンの剛直は固さと重さを増していく。ルナルシオンは、ぶるんと膨らんだ睾丸もまたやわやわと撫でた。

「どこで……!こんな手管を……!」

 ルナルシオンは剛直から口を離し笑った。色気と無垢が混ざった艶やかな笑みに目を奪われる。

「んっ……。本で、学んだんだ。ねえ、気持ちいい?ダガン。さっきからすごく熱くて固くて……それにダガンの味……すごい、濃いね……すごい……」

 ルナルシオンはぽわんと蕩けた目で剛直を見つめ、とうとう口の中深くへと招いていった。
 ダガンはたまらず、精を吐き出しそうになった。

「待て!……ぐっ……!」

 あわてて口から引き抜き、ベッドの上にぶちまけた。かなり久しぶりだったので量が多く濃い。これがルナルシオンの口に入っていたらと思うとゾッとした。

「……な、なんで?……私、よかったのに」

 先走りや唾液で口元を濡らしたルナルシオンが、どろりと熱のこもった眼差しを精液に送る。先走りだけでも相当な効果があったのだろう。先ほど出したばかりの陰茎はすっかり勃ち上がっていた。
 ダガンもまた媚態にもよおしたが、気合いで抑えた。ルナルシオンの顔を拭ってやりながら説明する。

「悪い。言っておくべきだった。俺の精液は人間のとは違うんだ」

 半魔であるダガンの精液は、催淫作用と相手の身体を抱きやすく作り変える力を持つ。ある程度は自分で力の濃さを変えれるが、興奮すると制御が難しい。だからダガンは、魔族や半魔の相手に慣れた玄人か、遊び慣れた色狂いしか抱いた事はない。
 説明が終わるとルナルシオンは目を瞬かせ、はにかんだ。

「……知ってた。君を好きだと自覚してから色々調べたから……覚悟してるよ。……受け入れる準備もしてる」

 ぐらっと、既に満身創痍の理性が傾いた。ルナルシオンはさらに続ける。

「それより嬉しい。恋人や伴侶がいなかったって事だよね。……私もだよ。私たち初めて同士なんだね」

 他の誰かが言えばあざと過ぎて引く言葉も、ルナルシオンが言えば別だ。理性が音を立てて崩れていく。今すぐ白い尻を割り開き、弄って突き刺してやりたかった。たとえそうしても、ルナルシオンは受け入れてくれる。精液は大いに助けになり、ダガンなしでは生きられない身体にするだろう。
 が、ダガンの理性はかろうじて持った。

「わかった。ただ、あまり初めから飛ばし過ぎるとどんな悪影響があるかわからない。ゆっくり進めよう」

「うん……ダガンに任せるよ」

 ルナルシオンはダガンが導くに任せて姿勢を変えた。胸の下にクッションを入れ、四つん這いで尻を突き出す形だ。ダガンは汗と精液でぐちゃぐちゃに濡れた薄絹を取り外し、あらわになった尻たぶを撫でて揉んだ。尻は薄いが形が良く、何よりダガンの愛撫にひくひくと動く窄まりが、情欲をさらに掻き立てた。

「ダガン……来て」
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