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【13】★

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 とっくに本来の役目を失っていたドレスから下着が奪い取られる。閉じていた脚を開かれ、そこにカインが滑り込んだ。脚を閉じることができず、視線を逸らすことも許されない。
 見せつけるように数度自らの手でそれを抜き、先端が割れ目に沿って押しつけられる。互いの蜜を纏い、ぐちゅりとい信じられない音を立てた。

「あ、っ――!」

 狭い秘所には明らかに許容を超えている。それでもカインは腰を沈め、シレイネを求めた。

「はっ、せま」

 見上げた先ではカインが苦しそうに表情を歪ませる。けれどそれを気遣う余裕もない。

「んっ――!」

 カインの呟きに、迷惑をかけていることを申し訳なく思う。けれど謝る暇もなく衝撃に貫かれた。

「いっ、あぁぁっ!」

 ベッドが跳ねて身体が浮く。けれど再び縫い止められ、受け入れたばかりの膣が痛みを訴える。

「う、あ……はいって……?」

「ごめんね。我慢できなくて挿れちゃった」

 可愛く言いながらも、身を引こうとすれば容赦なく腰を押し付けられる。暴れようと、全てが無駄に思える力の差だ。普段は魔術ばかりが目立ているけれど、彼はいつだって力で従わせることもできたのだと知る。

「んぅ……ふっ、あ」

 苦しさから溢れた涙で視界に滲む。秘部は自分のものではないように収縮を繰り返し、胎の奥が熱い。
 二人の間に隙間はなく、あれほど立派だったものが見えずに驚愕する。重なった腰は、つまりこの内側に全て入っているということで……

「信じられないって顔だね。でもほら。俺はちゃんと、ここにいるよ」

 最高と、うっとりするカインの表情は、初めて目にするものだ。少しだけ辛そうに、けれど嬉しそうなことが伝わってくる。彼にもまだ自分が見たことのない顔がたくさんあるらしい。

「ねえ、あんたも感じてる?」

「っ!」

 そっと腹を撫でられ、存在を意識させられる。

「ひ、ゃっ!」

 ぞくぞくとした感覚が這い上がり、悲鳴のような声を漏らす。その刺激に耐えきれず締め付けてしまい、内側で彼の形を感じ取る。不規則に肌が引きつり、広げられた秘所はびくびくと震えているようだ。どこもかしこも、自分の身体ではないように勝手に動いている。

「はっ、熱烈だね」

「っ、何……?」

 何もかもが初めてのシレイネは混乱するばかりだ。
 ぴったりとくっついたまま、そっと奥を突かれる。怖ろしい質量に胎はあっさりと限界を訴えた。

「だめ、もう挿いらない」

「そうだね。ここがあんたの一番深いところかな」

 顔の横に手を置いたカインが腰を引く。

「ひっ、あ!」

 陰茎が内壁を刺激しながらゆっくりと出て行こうとする。細い道を強引に引き返すそれは、嫌というほど存在を刻んでいく。
 僅かに抜かれたものには血が滲み、白い服を汚した。

「あんたの初めて、もらっちゃった」

 嬉しそうな呟きに、痛みも忘れて彼を見上げる。
 また気のせいかもしれないけれど、今にも泣き出しそうな笑みが放っておけなくて、力の入らない身体を酷使して手を伸ばす。なんとか頬に触れると、愛おしそうに目を細めた彼が手を取ってくれる。

「ありがとう」

 猫のようにすり寄る姿に愛しさを覚える。貴方も可愛いと伝えたなら、彼はどんな反応を見せるだろう。

「ごめんね」

 どうして謝るの?
 理由がわからずに見つめると、唇で笑う。
 重ねられていた手をベッドに押しつけられたかと思えば、一突きに奥を抉られた。

「うっ、あぁぁぁっ!」

 みっともなく秘所を晒し、もっと明け渡せと広げられる。強く握られた指先が肌に食い込む。逃げようともがく腰を押さえつけられ、容赦なく責められる。

「シレイネ……」

「あ、あっ、待って、待ってぇ!」

「ずっと、欲しかった。あんたが!」

 好き勝手に揺さぶられ、上手く言葉が紡げない。どちらのものかもわからない愛液がはしたない音を立てる。それを聞いているだけでも頭がおかしくなりそうだ。
 膝裏を救われて上から体重を掛けられると、快楽を逃したいのにどうすることもできない。

「いやあっ! だめ、それっ、もう!」

 初めて知る感覚に身体は強張り、少しでも止まって欲しいと彼の手を握る。けれど帰って来たのは無情な宣告だ。

「いいよ。俺しか見てないから――いって」

 突き上げられた瞬間、意識が飛んだ。
 身体中が発熱している。纏った服が煩わしい。
 ぼんやりしているうちに異物が引き抜かれ、極めた身体が敏感に刺激を拾った。
 口付けとは比べものにならないほど力が入らない。だらりと肢体を投げ出しているとカインが労るように乱れた髪を梳いてくれる。

「疲れた?」

 なんとか首を動かして小さく頷けば、お疲れ様とカインが労ってくれる。
 しかしカインは真っ赤な顔で激しく胸を上下させるシレイネを見ていると、再び欲望が湧きあがるのを感じていた。
 たとえば今度は自身の上で揺さぶったら、この純粋な人はどうなってしまうのだろう。銀色の髪が乱れ、白い肌が赤く染まる様を想像し、もっと知りたくなってしまう。

「ごめんね。ちょっと激しくしすぎた」

 カインは謝ってくれたけれど、シレイネにとっては何も悪い事ではない。冷たいとも言われるカインの反省する様子が可笑しくて、大事にされているのだと実感する。

「大丈夫です。ただ、とても熱くて」

 シレイネは本当に何気なく呟いただけだった。しかし濡れた唇から零れた一言に、カインはしっかりと欲情されられていた。

「そっか。じゃあその服、もういらないよね」

「え?」

 想定外の流れに瞬くと、カインの手にナイフが現れる。暗闇で鈍い光を放つ物騒なものに視線が固定されてしまった。
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