10 / 91
人望
しおりを挟む「な訳ねえじゃん…… 和也を殺したの
私だし アッハッハッハッハッハッハ 」
「え? 」
「だから~み~んなで和也を集団リンチに
して殺したんだよー! 」
涙は流れを止めた…… 命なんて限りが
あるんだ……それが早かれ遅かれ命に永遠
なんてないんだ……。
だけど、その命を奪うなんて行為は決して
してはいけない……。
「それほんとかよ 」
「あー最初は山の中でリンチしてて……
和也急に動かなくなったからさ…… あー
それで死んだんだなって思って、山の中に
埋めようとしたんだけどさ……スコップとか
で掘るのめんどくさいからさ、河川敷に
ポイッて投げた アッハッハッハッハ 」
真実は残酷で、絶対に聞きたくない事実
悲しいと言う以前に…… 何も言葉が出て
来ない……。
「まあ和也は調子に乗りすぎたね 」
調子に乗りすぎた?なにが?え?和也は
アサに殺されたのか……
「友達じゃなかったのか…… 」
「違うよ!私に友達とかって言う存在
はたった一人しかいないから 」
「じゃあそれ以外はお前にとって
なんなの? 」
「道具にすぎない…… 私が最後に笑って
ればそれでオッケー 」
そうか、このアサと言う女は、自分優先主義
そんなのは最初からわかってた
「で?旦那さんはどうすんの? 私を殺す? 」
殺したら殺し返す、それしか頭に思い
浮かばない…… ならが俺がすることは一つ
しかないだろ
「ああ…… 」
「少年院に行きたいんだ 」
「少年院でも鑑別所でもなんでも
行ってやるよ 」
和也俺はお前がいないこの世界を過ごす
と言うか…… 生きるのですらツライんだ
だからよ……いまは和也お前が望むことを
しようと思うんだ、和也の死はあまりにも
悲しく…… 悲しく…… そしてそんな死に方
はお前には相応しくない、だからまあ何の
タシになるかはわかんねぇけど…… いまは
お前の仇ってのをとってみるさ……。
「あっそ! 」
相手は女、そんな「女は殴らない 」と言う
マナーはもう要らないだろ。
俺は真っ先にアサに殴りをいれようとした
俺の顔は泣いていた…… 冷静ではなかった
「ねー シン でてきて 他の人達も! 」
「うわあああああ 」
その足は止まることを忘れた、そして
俺はアサの顔を殴ろうとした瞬間
「いやっ 」
アサは少し怯え怯む、だが俺の拳はアサの
顔を狙い、その瞬間一人の男が俺の拳を
止めた
「誰だ? おまえ 」
「きっき アサが名前言ってたじゃん 」
「シンか…… 」
「せいーかい 」
金髪にグラサン、背は少し高く、見た目は
ただのイキってるだけのヤンキーにしか
見えないが…… でもその辺にいるバカな
ヤンキーとは力が違う。
俺の拳を手のひらで止め、アサは助かった
「危ない…… シン おそい 」
「ごめんごめん アサ ちょっとさっき
チンピラみたいな奴に絡まれててさ 」
「で? 」
「まあ余裕に半殺しにしたけどね 」
「殺しちゃえば良かったのに…… 」
「そしたら、俺捕まるやん 」
「捕まんないよ 揉み消せるし、チンピラ
の百や二百 そんなの普通に ね? 」
「あーじゃあ殺せば良かった 」
命をオモチャのように扱う人種
それを見て納得するこの壊れた世界
こんな地上に生きる楽しさを見出せるのか?
俺は、シンの顔を何も言わずに蹴った
だがシンに蹴りは命中したが、無反応
だった…… つまり痛さを感じていないという
この見た目はただのギャル男にしか見えない
のに……。
「次は俺の番な 」
その瞬間、シンは俺の頬を殴った……
何発も何発も。
何だこの重さ、尋常じゃない……やばい
意識が吹っ飛ぶ
シンの拳は何度も、何度も、何度もアユを
殴る。
もう……ダメだ……。
そして、俺はそのまま 前のめりに倒れた
「あれ?死んだ? 」
「気絶しただけでしょ 」
シンは俺の顔を足で踏み
「おーい 生きてますか? ねー生きてる? 」
「…… 」
気絶している為、返事がない
「弱っ …… ただのザコじゃん 」
「シン これからどこいく? 」
そして、俺はそのままコンビニに放置された。
「お兄様 帰りおそいですね 」
家で、心配に待ってる妹
「もう朝の六時、いつもなら、もっと
早く帰ってきてるのに…… 」
妹は心配になり、裸足のままかけだした
「お兄様…… お兄様…… 」
そして、近くにあるコンビニに目を向ける
妹…… 奥に倒れている人が妹の目にははいる
妹は恐る恐る近づいた。
「…… 」
そこに倒れていたのはお兄様だった
しかも血まみれで。
「お兄様!! おにいさまぁぁぁぁ!! 」
全く返事がない…… そして、コンビニの朝は
建築関係の人達でいっぱい……朝急いでる為
皆が私達を無視する。
「すいません…… 救急車を呼んで下さい 」
「ごめんね、お嬢ちゃん救急車を呼んでる
場合じゃないの…… もう仕事だし、どうせ
喧嘩した後なんだからすぐ治るよ 」
そんな様子ではない、お兄様は血まみれで
下手したら…… もう……。
そして、私の目からは涙が流れた
「お兄様…… ぅぅお兄様 」
「どうした?はぁ…… はぁ…… 」
お兄様は目覚め、一言
「帰ろう お家に 」
「帰りましょう 」
朝日が照らす中、俺はボロボロな姿で
妹は肩を貸し、俺をささえながら帰った。
「…… 」
お兄様を見つめると、お兄様は大量の涙を
流していた。
「ごめんな…… 和也 」
0
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
【R18完結】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
見知らぬ男に監禁されています
月鳴
恋愛
悪夢はある日突然訪れた。どこにでもいるような普通の女子大生だった私は、見知らぬ男に攫われ、その日から人生が一転する。
――どうしてこんなことになったのだろう。その問いに答えるものは誰もいない。
メリバ風味のバッドエンドです。
2023.3.31 ifストーリー追加
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる