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玉城とシロの過去編
弱いままの私はもうさよならだ
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ZARAさんは死んだ。
俺の目の前で。
その後の事は全く覚えていない。
__
__
玉城さんが走ってかけつけた頃には
もう、俺は、俺で居る事を諦めてた。
「あああああああああああああ 」
発狂。咆哮。
玉城はその場で、銃を出し
全員に銃口を向けた。
「何スカ、この女? 」
韋駄天は玉城の方に、歩み寄った。
その時、バーンと音が鳴り響き、韋駄天を
見ると、何が起こったのか分からない表情
をしていた。
「今、何が起きたってわけ? 」
「お前、自分の腹みてみろよ? 」
そう言うと、韋駄天は自分の腹を見た
真っ赤だった。赤い赤い赤い赤い赤い。
痛い痛い痛い痛い痛い。
腹が血が沢山溢れてる。
「玉城お前何の真似だ? 半端組の最高幹部
殺して、お前生きていけると思ってんのか?
玉城コラァ!! 」
もう、今は怖くない。
「ぅぅ…… ああああああああああああ
ああああああああ 」
シロ何で、お前が泣いてるんだよ?
駄目じゃんか、お前が泣いてたら。
今にでも枯れそうな泣き声、渇いた喉。
今眼前に居るのは、鮫島と腹を刺され
発狂している半端組のNo.持ちと、え?
ZARA???
でも、もう亡くなってる。
「俺はまだ、死なない、あっあああああ
ああああああ 」
銃を出そうとしたその時、
玉城は躊躇なく何発も韋駄天を撃った。
「黙ってろよ …… 」
韋駄天は死んだ。
「やりやがった…… 半端組のしかも
No.持ちの龍牙を殺しやがった…… 」
何発も何発も打ち込まれた韋駄天の姿を
見て、鮫島は怯える事しか出来なかった。
私は、その時
シロが言った言葉を思い出した。
__ 鮫島は弱い。
シロやっぱりお前は、私の相棒だ。
「玉城お前は死ぬ、絶対にな!!! 」
私は、こんな奴にずっとビビってたのか?
あの時、一歩でも前に出てれば
こんなには追い詰められなかったんだろ。
「死ぬ?そんなのはこの世界に来てた
時から覚悟の上さ 」
弱いままの私はもうさよならだ。
「あんな泣き虫のゴミが、なんでこんなに
強くなれた? 」
「純粋に生きるのを諦めたから 」
そう、前までは
腐っても、純粋に生きようとした、だから
私は、怖がってばっかりだった。
でも?
それを諦め、尚その事実を受け入れれば
人は、純粋を求めず、そこで強く生きよう
と思い上がれる。
「純粋? 何言ってんだ玉城 、お前
舐めてんのか? 」
「私は、鮫島さんを尊敬してました
初めて会った時、こんな小汚い私を鮫島さんは立派に育て上げてくれた。私は、それだけ
で嬉しかった。 でも、もう、私は何者にも
縛られない、自由な生き方をする!!」
自由、簡単そうに見えて、実はとても
難しい。人は自由を追い求め、支配からも
逃げ、その果てを夢見る。
人は自由の為に生き、そして死ぬ。
自由の探求者。
「この世界に来て自由とか抜かしてん
のかボケカス!! 」
シロを見ると、もう私の知ってる
シロではなかった。
「ボケカス?そんなのはもう聞きなれたんだわ!! 鮫島さん歯を食いしばって下さい 」
「あ? 」
玉城の震える憎き拳は、鮫島の頬に
直撃する。 拳を出し切った後の興奮
高まる鼓動、これが激情と言う物だろう。
「ひぃぃ、すまんかった、玉城
許してくれ頼む 」
鼻から血が出るのを抑えながら
怯えながら、後ろに下がる鮫島を見て
興ざめしたのか。玉城は銃口を向けた。
「…… 」
ねぇ、見てるシロ?
私、強くなった、僅かな物語に
過ぎないのかも知れない。
「く、くるな…… くるな……! 」
逃げるは恥、逃げた奴等から潰されて
いくのがこの世界の掟。
「鮫島さん……死に様くらいは
カッコつけて下さいよ 」
鮫島さん昔、言ってくれましたよね?
私が兄貴分の吉岡さんに怒られたときに。
「なぁ玉城、ヤクザってのは理不尽な
世界だ! 上が黒と言えば黒だし、白
じゃないって言えばそれが正解になる
くらいな……。 だからよ笑ってろ
この世界に入った以上は笑った奴の勝ちさ」
だから、笑って下さい。
「そんな事言ったかな? 」
忘れてたっていい、私は確かに覚えている
鮫島さんの言ってくれた言葉を。
暗がりの中、この世界に
光を教えてくれたのは鮫島さん
だけなんですから。
「鮫島さんカッコつけてください 」
潔さ、それもこの世界には必須。
そして、覚悟。
最後まで笑え。死に様は笑え。
「そっか…… そうだったな 」
鮫島は安堵の表情を出した、そして
ゆっくりと顔を上げ、笑った、覚悟を
決めたのか?
だが、しかし。
油断した玉城の隙を狙って、鮫島は
ナイフを玉城の腹に刺そうとしたが
玉城は手でナイフを抑え、銃で二、三発
撃ち、そして、鮫島は悔しそうな表情の
まま死んでいった。
「笑ってって言ったのに…… 」
そして、シロを縛ってる
ロープを外し、シロに「立って」と
言った。
「お姉さん誰?? 」
それは、驚きの発言だった。
シロは耐えきれない程のショックで
記憶が吹っ飛んでしまったのと同時に
精神も崩壊してしまった。
「私は、お前の相棒だよ…… 」
戦いを忘れた勇者は要らないと
国は言うだろう。
だが、玉城はそんな風には思わなかった。
助けてとは縋っては居ないが、玉城には
無償だろうと、何だろうと、シロを
助けたかった。
「え……? 」
玉城とシロの過去編
完結。
俺の目の前で。
その後の事は全く覚えていない。
__
__
玉城さんが走ってかけつけた頃には
もう、俺は、俺で居る事を諦めてた。
「あああああああああああああ 」
発狂。咆哮。
玉城はその場で、銃を出し
全員に銃口を向けた。
「何スカ、この女? 」
韋駄天は玉城の方に、歩み寄った。
その時、バーンと音が鳴り響き、韋駄天を
見ると、何が起こったのか分からない表情
をしていた。
「今、何が起きたってわけ? 」
「お前、自分の腹みてみろよ? 」
そう言うと、韋駄天は自分の腹を見た
真っ赤だった。赤い赤い赤い赤い赤い。
痛い痛い痛い痛い痛い。
腹が血が沢山溢れてる。
「玉城お前何の真似だ? 半端組の最高幹部
殺して、お前生きていけると思ってんのか?
玉城コラァ!! 」
もう、今は怖くない。
「ぅぅ…… ああああああああああああ
ああああああああ 」
シロ何で、お前が泣いてるんだよ?
駄目じゃんか、お前が泣いてたら。
今にでも枯れそうな泣き声、渇いた喉。
今眼前に居るのは、鮫島と腹を刺され
発狂している半端組のNo.持ちと、え?
ZARA???
でも、もう亡くなってる。
「俺はまだ、死なない、あっあああああ
ああああああ 」
銃を出そうとしたその時、
玉城は躊躇なく何発も韋駄天を撃った。
「黙ってろよ …… 」
韋駄天は死んだ。
「やりやがった…… 半端組のしかも
No.持ちの龍牙を殺しやがった…… 」
何発も何発も打ち込まれた韋駄天の姿を
見て、鮫島は怯える事しか出来なかった。
私は、その時
シロが言った言葉を思い出した。
__ 鮫島は弱い。
シロやっぱりお前は、私の相棒だ。
「玉城お前は死ぬ、絶対にな!!! 」
私は、こんな奴にずっとビビってたのか?
あの時、一歩でも前に出てれば
こんなには追い詰められなかったんだろ。
「死ぬ?そんなのはこの世界に来てた
時から覚悟の上さ 」
弱いままの私はもうさよならだ。
「あんな泣き虫のゴミが、なんでこんなに
強くなれた? 」
「純粋に生きるのを諦めたから 」
そう、前までは
腐っても、純粋に生きようとした、だから
私は、怖がってばっかりだった。
でも?
それを諦め、尚その事実を受け入れれば
人は、純粋を求めず、そこで強く生きよう
と思い上がれる。
「純粋? 何言ってんだ玉城 、お前
舐めてんのか? 」
「私は、鮫島さんを尊敬してました
初めて会った時、こんな小汚い私を鮫島さんは立派に育て上げてくれた。私は、それだけ
で嬉しかった。 でも、もう、私は何者にも
縛られない、自由な生き方をする!!」
自由、簡単そうに見えて、実はとても
難しい。人は自由を追い求め、支配からも
逃げ、その果てを夢見る。
人は自由の為に生き、そして死ぬ。
自由の探求者。
「この世界に来て自由とか抜かしてん
のかボケカス!! 」
シロを見ると、もう私の知ってる
シロではなかった。
「ボケカス?そんなのはもう聞きなれたんだわ!! 鮫島さん歯を食いしばって下さい 」
「あ? 」
玉城の震える憎き拳は、鮫島の頬に
直撃する。 拳を出し切った後の興奮
高まる鼓動、これが激情と言う物だろう。
「ひぃぃ、すまんかった、玉城
許してくれ頼む 」
鼻から血が出るのを抑えながら
怯えながら、後ろに下がる鮫島を見て
興ざめしたのか。玉城は銃口を向けた。
「…… 」
ねぇ、見てるシロ?
私、強くなった、僅かな物語に
過ぎないのかも知れない。
「く、くるな…… くるな……! 」
逃げるは恥、逃げた奴等から潰されて
いくのがこの世界の掟。
「鮫島さん……死に様くらいは
カッコつけて下さいよ 」
鮫島さん昔、言ってくれましたよね?
私が兄貴分の吉岡さんに怒られたときに。
「なぁ玉城、ヤクザってのは理不尽な
世界だ! 上が黒と言えば黒だし、白
じゃないって言えばそれが正解になる
くらいな……。 だからよ笑ってろ
この世界に入った以上は笑った奴の勝ちさ」
だから、笑って下さい。
「そんな事言ったかな? 」
忘れてたっていい、私は確かに覚えている
鮫島さんの言ってくれた言葉を。
暗がりの中、この世界に
光を教えてくれたのは鮫島さん
だけなんですから。
「鮫島さんカッコつけてください 」
潔さ、それもこの世界には必須。
そして、覚悟。
最後まで笑え。死に様は笑え。
「そっか…… そうだったな 」
鮫島は安堵の表情を出した、そして
ゆっくりと顔を上げ、笑った、覚悟を
決めたのか?
だが、しかし。
油断した玉城の隙を狙って、鮫島は
ナイフを玉城の腹に刺そうとしたが
玉城は手でナイフを抑え、銃で二、三発
撃ち、そして、鮫島は悔しそうな表情の
まま死んでいった。
「笑ってって言ったのに…… 」
そして、シロを縛ってる
ロープを外し、シロに「立って」と
言った。
「お姉さん誰?? 」
それは、驚きの発言だった。
シロは耐えきれない程のショックで
記憶が吹っ飛んでしまったのと同時に
精神も崩壊してしまった。
「私は、お前の相棒だよ…… 」
戦いを忘れた勇者は要らないと
国は言うだろう。
だが、玉城はそんな風には思わなかった。
助けてとは縋っては居ないが、玉城には
無償だろうと、何だろうと、シロを
助けたかった。
「え……? 」
玉城とシロの過去編
完結。
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