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玉城とシロの過去編
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高校全土が敵と化した今日この頃、私は
弁解やら、否定などはしない、何故か?
元々信頼が無い私が、馬鹿みたいに正直に
話した所で無意味。
そして、この金城という男は、そんな私事
なんか気にもしないで平然と私に話しかけて
いる。
睨みが奥から、睨みが前から
丸見え状態である。
夕暮れ日が教室、屋上に陽が当たり
久しぶりに見る絶景だった、前には
微かに見える赤富士が綺麗。
「あの……なんなんですか? 」
クラスでイケイケな男子が、クラスで
一番モテない女子に話しかけるなんてのは
漫画だけの話、そう、漫画だけで充分なんだ
じゃないと、こうして私だけが反感の渦に
孤独にも巻き込まれてしまう。
「いや、別になんとなく、なんか教室
でも1人ボッチだったから 」
あ?
お前のせいだろ、嫌違うか、私があんな
素っ気ない態度を向けなければ良かったんだ
やっぱり私のせいか。
夕日は暖かいが、なんだか今日は
冷たく感じる。
「そうですか…… ありがとうございます 」
今更、更生して、誠実に、上品に
向き合おうなんて考えてはいないし、寧ろ
それをしたら反感の目は倍増するに
違いない。
「やっぱり、玉城さんって面白いよね 」
聞きなれない単語、私が面白い?
こんな仏頂面しか得意の無い私に?
まだ揶揄われているのか、そんなに
私のした行為って重罪なの?
玉城さんはその頃から精神が弱体化
してきた、心も色々と踏み躙られてきた。
「調子に乗んなよ玉城! ! 」
昇降口、下駄箱から靴を出そうとした
瞬間、背後からバケツに満帆に入った
水をかけられた。
「びしょ濡れ…… はぁ …… 」
反骨精神などは当然無く、もう心が
死んでいるのも当然の如く何も感じては
居なかった。
「あ、靴もびしょ濡れ…… 」
それからと言う物、私は何回も何回も
同じイジメ、変わりのないイジメに
飽き飽きとして来た、成れの果てが
私にも見えてきた。
そんな、びしょ濡れの私に金城は近づき
ハンカチで頬を吹いた。
「え……なに!!? 」
慌てふためく私、そんな私の姿を見て
微笑みかける金城。
「びしょ濡れじゃん、大丈夫?もしかして
俺のせい? 」
そんな些細な言葉が私の胸に突き刺さった
酷く、ぞんざいな扱いを受けた私には
その一つの言葉だけが奇跡的に見えた
この、言葉を簡単にそしてロマンチックに
言うなら「魔法」。
「やっぱりそうなんだ、なんかごめんね
俺、注意して来るよこんな馬鹿な真似は
やめろってね 」
そんな金城の表情は真剣そのものだった
辺りにいる私に対しての視線は……
その目は爛爛としていた。
そんな爛爛の中、金城は飛び出して行った
まるで、魔王から姫を救うみたいに。
「…… ぅぅ 」
泣きたくない、泣きたくない、泣きたくない
だけど、涙が止まらない、私が間違ってた
金城…… 金城君は
間違い無く私のプリンスだ。
そして、私は……
その日からイジメを受けなくなった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
そのイジメが止まってから、六ヶ月が
経過し、季節は夏になった、私にも
少ないながら大切な仲間が出来た、
どんな時も、いつの時も、一緒なそんな
愉快な仲間が出来た。
「よし! 明後日は! 夏祭りだぁぁぁ! 」
私達の先頭に立ち、場を盛り上げている
のは、一年先輩の中島 雪也君、そして
そんな中島君の後ろに立ち
「さて、何をするかだな、輪投げか?
射的か?それとも彫り物もいいな 」
的確な発言をしているのは
私達と同じ同級生の飯田 誠 君、頭がいい
のが唯一の自慢、まぁ、私には負ける
けどね。
「というか玉城! 次の期末テスト絶対に
お前抜いて一位になってやるからな 」
期末テストはいつも
私が一位で、誠君が二位、この地位は安定
だけど誠君は安定だとは思いたくは無い
みたい。
「勝てるもんなら勝ってみなさい 」
普通の青春、在り来たりな青春、だけど
こんな日々の青春を謳歌出来ているのは
金城君のお陰、私はそれから金城君には
会っては居ない、親の都合が、事務所の
都合かは知らないけど、あのイジメが
終わった後、すぐに新潟の方に引っ越して
しまった。
「まぁ、まぁ、2人とも落ちついて
ね?優奈ちゃんも落ち着いて 」
二人を落ち着かせるように優しく話しかけて
いるのは、真っ先に私をイジメて来た
塩谷 由奈、まぁ、それはもう昔の話
だけどね。
そして、今
この私含めての四人で楽しい青春を
謳歌している真っ只中である。
明後日の夏祭りを楽しみに待つ 、
ただの高校の生徒でもある。
「まぁ、とりあえず、みんな明後日
三山公園に集合な 」
高校から自転車で10分の位置にある
公園、そして、その公園は市内でも
広くて有名な公園だ、真ん中には池があり
そして、アスレチックもあり、遊ぶには
もってこいの場所。
「おい、時間は何時だ先輩? 」
「誠お前、敬語かタメ口か、ハッキリ
しろてか、次敬語を使ったら
蹴るからな 」
そう、この関係には敬語とか、仕来り
だとかそんなクダラナイ物は要らない。
これが、全て
そう、これからが私/僕 の 物語。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
祭り当日。
待ち合わせ場所には、私以外が
もう待っていた、そして私が皆の方に
走って行こうとした瞬間、辺りが真っ暗に
なり、ふと、視線を上げる。
「大丈夫かい?怪我はない? 」
優しく私に話しかけて来たのは……
「大丈夫です、、、、え? 」
そこに居たのは
紛れもなく金城その人だった。
「玉城ちゃんー 久しぶりだね~ 」
「え!?」
弁解やら、否定などはしない、何故か?
元々信頼が無い私が、馬鹿みたいに正直に
話した所で無意味。
そして、この金城という男は、そんな私事
なんか気にもしないで平然と私に話しかけて
いる。
睨みが奥から、睨みが前から
丸見え状態である。
夕暮れ日が教室、屋上に陽が当たり
久しぶりに見る絶景だった、前には
微かに見える赤富士が綺麗。
「あの……なんなんですか? 」
クラスでイケイケな男子が、クラスで
一番モテない女子に話しかけるなんてのは
漫画だけの話、そう、漫画だけで充分なんだ
じゃないと、こうして私だけが反感の渦に
孤独にも巻き込まれてしまう。
「いや、別になんとなく、なんか教室
でも1人ボッチだったから 」
あ?
お前のせいだろ、嫌違うか、私があんな
素っ気ない態度を向けなければ良かったんだ
やっぱり私のせいか。
夕日は暖かいが、なんだか今日は
冷たく感じる。
「そうですか…… ありがとうございます 」
今更、更生して、誠実に、上品に
向き合おうなんて考えてはいないし、寧ろ
それをしたら反感の目は倍増するに
違いない。
「やっぱり、玉城さんって面白いよね 」
聞きなれない単語、私が面白い?
こんな仏頂面しか得意の無い私に?
まだ揶揄われているのか、そんなに
私のした行為って重罪なの?
玉城さんはその頃から精神が弱体化
してきた、心も色々と踏み躙られてきた。
「調子に乗んなよ玉城! ! 」
昇降口、下駄箱から靴を出そうとした
瞬間、背後からバケツに満帆に入った
水をかけられた。
「びしょ濡れ…… はぁ …… 」
反骨精神などは当然無く、もう心が
死んでいるのも当然の如く何も感じては
居なかった。
「あ、靴もびしょ濡れ…… 」
それからと言う物、私は何回も何回も
同じイジメ、変わりのないイジメに
飽き飽きとして来た、成れの果てが
私にも見えてきた。
そんな、びしょ濡れの私に金城は近づき
ハンカチで頬を吹いた。
「え……なに!!? 」
慌てふためく私、そんな私の姿を見て
微笑みかける金城。
「びしょ濡れじゃん、大丈夫?もしかして
俺のせい? 」
そんな些細な言葉が私の胸に突き刺さった
酷く、ぞんざいな扱いを受けた私には
その一つの言葉だけが奇跡的に見えた
この、言葉を簡単にそしてロマンチックに
言うなら「魔法」。
「やっぱりそうなんだ、なんかごめんね
俺、注意して来るよこんな馬鹿な真似は
やめろってね 」
そんな金城の表情は真剣そのものだった
辺りにいる私に対しての視線は……
その目は爛爛としていた。
そんな爛爛の中、金城は飛び出して行った
まるで、魔王から姫を救うみたいに。
「…… ぅぅ 」
泣きたくない、泣きたくない、泣きたくない
だけど、涙が止まらない、私が間違ってた
金城…… 金城君は
間違い無く私のプリンスだ。
そして、私は……
その日からイジメを受けなくなった。
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そのイジメが止まってから、六ヶ月が
経過し、季節は夏になった、私にも
少ないながら大切な仲間が出来た、
どんな時も、いつの時も、一緒なそんな
愉快な仲間が出来た。
「よし! 明後日は! 夏祭りだぁぁぁ! 」
私達の先頭に立ち、場を盛り上げている
のは、一年先輩の中島 雪也君、そして
そんな中島君の後ろに立ち
「さて、何をするかだな、輪投げか?
射的か?それとも彫り物もいいな 」
的確な発言をしているのは
私達と同じ同級生の飯田 誠 君、頭がいい
のが唯一の自慢、まぁ、私には負ける
けどね。
「というか玉城! 次の期末テスト絶対に
お前抜いて一位になってやるからな 」
期末テストはいつも
私が一位で、誠君が二位、この地位は安定
だけど誠君は安定だとは思いたくは無い
みたい。
「勝てるもんなら勝ってみなさい 」
普通の青春、在り来たりな青春、だけど
こんな日々の青春を謳歌出来ているのは
金城君のお陰、私はそれから金城君には
会っては居ない、親の都合が、事務所の
都合かは知らないけど、あのイジメが
終わった後、すぐに新潟の方に引っ越して
しまった。
「まぁ、まぁ、2人とも落ちついて
ね?優奈ちゃんも落ち着いて 」
二人を落ち着かせるように優しく話しかけて
いるのは、真っ先に私をイジメて来た
塩谷 由奈、まぁ、それはもう昔の話
だけどね。
そして、今
この私含めての四人で楽しい青春を
謳歌している真っ只中である。
明後日の夏祭りを楽しみに待つ 、
ただの高校の生徒でもある。
「まぁ、とりあえず、みんな明後日
三山公園に集合な 」
高校から自転車で10分の位置にある
公園、そして、その公園は市内でも
広くて有名な公園だ、真ん中には池があり
そして、アスレチックもあり、遊ぶには
もってこいの場所。
「おい、時間は何時だ先輩? 」
「誠お前、敬語かタメ口か、ハッキリ
しろてか、次敬語を使ったら
蹴るからな 」
そう、この関係には敬語とか、仕来り
だとかそんなクダラナイ物は要らない。
これが、全て
そう、これからが私/僕 の 物語。
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祭り当日。
待ち合わせ場所には、私以外が
もう待っていた、そして私が皆の方に
走って行こうとした瞬間、辺りが真っ暗に
なり、ふと、視線を上げる。
「大丈夫かい?怪我はない? 」
優しく私に話しかけて来たのは……
「大丈夫です、、、、え? 」
そこに居たのは
紛れもなく金城その人だった。
「玉城ちゃんー 久しぶりだね~ 」
「え!?」
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