ヤンデレの妹がマジで俺に懐きすぎてだるい。

クロエ マトエ

文字の大きさ
上 下
55 / 91
玉城とシロの過去編

私の理由

しおりを挟む
鮫島が、俺を殺そうとしている。
玉城さんが、顔を蒼白と化している。
皆が、皆の行動を止めようとはせずに
無視を決めている。

背中に当たるこの、冷たくて、硬い物は
何?

「怖気付いたか?ガキ 」

大した事ないよ、本当にこの鮫島って奴は
弱いんだって、玉城さん笑っちゃうね。

「玉城ォォ! テメェ! 兄貴分の俺に
対して鉄砲玉しかけるなんて、舐めた真似
しやがって 」

圧倒的価値観、格差、それが鮫島お前の
敗因になる、わかったな?
そして、鮫島は、俺の背中に付けている
銃を終おうとはしない。

眼前には怯えている玉城さんがいる。

「鮫島さんに逆らおうなんて、考えて
ないです…… 」

そこまで、怯える事は無いのにね。

「じゃあ、その鉄砲玉はなんだ?あ?
テメェ!もし仮にも弟分が出来るんなら
俺に挨拶すんのは普通なんじゃあねぇ
のか!? 」

弟分が出来たら、兄貴分に挨拶し
きちんと仕来り、礼儀、身の程を
教えるのは…… 玉城の当たり前の行為
だが、シロは決して姉弟の盃を交わして
居ないのだから……
鮫島に紹介する理由は無い、だが鮫島は
勝手に誤解しているウチらが姉弟だと。

「鮫島さん違うんですよ…… そいつは
ただの…… 」

酷いよ、玉城さん、
また、前みたいに、
同じ事を繰り返すんだね。

空は、快晴で、冷たい風が頬を過ぎる。

そして、そこは、とある高校。
名門で、風景も良く、近くには喫茶店や
本屋、レストランなどがあり、そして
学園の近くには綺麗な川が流れている。

私立 桜丘学園
そこに、玉城は居た。

「よし!弁護士を目指す為にも、この
場所は卒業必須!!」

そして、桜丘を卒業した後は、あの有名な
龍神大に出て、弁護士一直線コース
私の人生は、全て計画通り。

入学式が終わり、それぞれが指定された
クラスに向かう。

「えっと…… 一年D組は 」

玉城の通うクラスはD組、一番端のクラス
それに気付くのには少し時間が掛かって
しまった。
焦りを見出し、教室に向かうと
他のクラスメイトはもう既に席に座って
居た、恥ずかしさを隠しきれない玉城は
顔を下に向きながら、指定された席に
座った。

「えっーこれで全員かな?、嫌違うな
あの馬鹿がまだ来てねぇな 」

あの馬鹿?
先生から雑な言葉が出て来たのを皆は
見逃さなかった。

そう言うと、前の席に居る女子生徒が
手を挙げ質問する。

「先生あの!馬鹿って誰ですか? 」

そして、先生は口を開け説明をした。
この高校には留年制度があり、その馬鹿って
人は三回程、留年しているらしく、どの
教師からも馬鹿と言われている。

そんな、説明をし終えた途端。
教室の扉がパァーッと開くと、女子達は
賑やかな声を発した。

「すいません、遅れました 」
それは、玉城でも驚愕する程。

CRAN×CRANと言う、日本で今最も
知名度がある男性アイドルグループだ
そして、その中でも今教室に入って来たのは
ファンが一番多いと言われている
金城 シンと言う男。

「え?シン様ー!! 」

「きゃあああああああ 」

皆が浮かれている。
玉城は、アイドルには興味が無かった
寧ろ、それより、弁護士になる事で
頭がいっぱいだった。

頭が悪い声だ、同じ人間なのに
何故、こんなにも扱いが違うの?
アイドルだろうが、大統領だろうが
同じ人間。

そんな風に考えている私が居た。

「えっと、自分の席はここか……
えっ~と、玉城さん?一年間よろしくね 」

ウチの高校には席替えという物は無い
らしく、入学式に決まった席は一年間
同じらしく、だが、クラス替えは一年に
一回必ずある。


「よろしくね…… クランクランの
金城さん 」

皮肉交じりの発言、それを私は大胆にも
初っ端の第一声として発してしまった。


「う…… うん 」

そこから綺麗なライフ生活がスタート
するかと思ってたけど、案外人生とは
皮肉なもので、数ヶ月が経過しても
友達は出来なかった、何がいけなかった?
と考えてはみるものの思い浮かばない。

何で、何でよ……。

大胆にも、すぐに分かった。

廊下、すれ違う中、他クラスの生徒が
私に指を指し

「あーあの女か、シン様に敵対する
わる~い女~は~ 」

「決めたはずよ、絶対に口を聞いちゃあ
ダメだよ! 」

そっか、あの時か……
私の敗因は入学式の時に決まっていた
何て、馬鹿な事をしたのかな、自分でも
呆れてしまう。

そんな中、私の眼前に、あの人が現れた。

「あ、大丈夫?辛そうだけど?? 」

私がハブられてる元凶、原因、元、
だけど、この人は悪くない。

金髪のサラサラヘアー、綺麗な目
ハーフかな?
髪がなびく、風が廊下を抜ける。

「大丈夫…… 」
大丈夫じゃなかったとしても、そう
言い張るしか無かった、私は私の理由を
持って居たから。

「ねぇ?昼 空いてる? 」

思いがけない発言だった、私は貴方に対して
忌み嫌う言い方をしたのに。

「空いてるけど…… 」

辺りは沈黙、それはそうだ
皆が嫌ってた存在が、皆が好きの存在の
眼前に居るのだから、そしてそんな
皆の憧れの人は、なんと、皆の嫌いな人を
食事に誘った。

「シン様なんで…… 」

「ありえない…… 」

「あの女まさか、弱みなんか握ってるん
じゃあないわよね 」

あの、睨みが一層増した気がする
今日この頃。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

処理中です...