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後日談
初めての…①
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「連絡は?」
「1時間ごと!」
「何かあったら?」
「すぐ連絡する!」
「何もなくても?」
「自分の体調が悪くなる前に連絡する!…紫苑、俺耳に穴開いちゃうよ。」
この予定の許可を紫苑にもらってから毎日のように言われているのだ。
本当に耳に穴が開いたんじゃないかな。
「一回でも連絡が来なかったら迎えに行くからな。」
「大丈夫だって。聖君はいるし、光輝君もいるから!」
「それしかいないんだろ。」
「もー…。帰ってきたら紫苑の好きなこと一個だけしていいよ。」
「言ったな?言質はとったからな。」
「ほどほどにしてね。」
「さぁな。」
ぎゅーした状態で会話をしていると紫苑の個人用の携帯が鳴った。
「あぁ。わかった。…聖達が来たそうだ。」
「行ってくるね。」
「あぁ、気をつけてな。」
今日は人生で初めてお友達とお外で遊ぶ。
ショッピングセンターでお買い物と紫苑には伝えたが、本命は紫苑の誕生日プレゼントを買うことだ。
お金もかつての家から持って来た分が一銭も減ってないのでそのお金が資金だ。
光輝君とは4月の始まりにいろいろあったけど聖君の大切な人としてかなり仲良くなった。
元はといえば、俺を優先しすぎて嫉妬させた聖君が悪いし。
「大切な人なんだったらもっと紫苑ぐらい強引にすればいいのに。」って言ったら、「監禁まがいができるのも軽い犯罪をできるのも、紫苑さんだからだよ。」と苦笑いで言われた。
光輝君がわざわざ聖君と一緒に謝りに来てくれた時に紫苑とも会っているし、なんだかんだ紫苑が認めてくれたのでこうやって一緒に遊べるのだ。
もうあれから1ヶ月とちょっと経って季節も梅雨に入ろうとしている。
「はよ。」
「おはよー。」
「紫苑にはバレなかったからこのまま作戦通りよろしくね。」
「あぁ。」
篠宮さんの運転で近くのショッピングセンターに向かう。
「姐さん楽しそうっすね。」
「うん!今日はね紫苑の誕生日プレゼントを買いに行くの!あ、紫苑には内緒ね。」
などと篠宮さんと話していて気が付かなかったけど、後ろで聖君と光輝君がひそひそと話している。
「俺、中が見えないフルスモークで黒塗りのいかにもっていう車だと思わなかったわ。ちょっと想像してたけど、現実になるとは…。楽し。」
「杏といりゃ、いつでもこうなんだよ。」
「いつか、ゲームに出てくるような画も見られるってこと?最高。」
「ヤクザって褒められた存在じゃないからな?よくない存在だからな?」
「聖が言うとギャグみたい。」
車で向かうこと15分。
「じゃあ、姐さん。終わりはまた連絡くださいね。」
「送ってくれてありがとうございました。また帰りもお願いします。」
篠宮さんの車が立ち去る。
「ショッピングセンターってこんなにでかいんだね。迷子になっちゃいそう。」
「俺も、ここには初めて来たわ。」
「え、聖も杏君も初めてなの?ここじゃなかったらどこで買い物すんの?」
「「ネット?」」
「お金持ち…お金持ちだ。」
「紫苑には連絡したからさっそくいこ?紫苑に合うものをあげなきゃ。」
「1時間ごと!」
「何かあったら?」
「すぐ連絡する!」
「何もなくても?」
「自分の体調が悪くなる前に連絡する!…紫苑、俺耳に穴開いちゃうよ。」
この予定の許可を紫苑にもらってから毎日のように言われているのだ。
本当に耳に穴が開いたんじゃないかな。
「一回でも連絡が来なかったら迎えに行くからな。」
「大丈夫だって。聖君はいるし、光輝君もいるから!」
「それしかいないんだろ。」
「もー…。帰ってきたら紫苑の好きなこと一個だけしていいよ。」
「言ったな?言質はとったからな。」
「ほどほどにしてね。」
「さぁな。」
ぎゅーした状態で会話をしていると紫苑の個人用の携帯が鳴った。
「あぁ。わかった。…聖達が来たそうだ。」
「行ってくるね。」
「あぁ、気をつけてな。」
今日は人生で初めてお友達とお外で遊ぶ。
ショッピングセンターでお買い物と紫苑には伝えたが、本命は紫苑の誕生日プレゼントを買うことだ。
お金もかつての家から持って来た分が一銭も減ってないのでそのお金が資金だ。
光輝君とは4月の始まりにいろいろあったけど聖君の大切な人としてかなり仲良くなった。
元はといえば、俺を優先しすぎて嫉妬させた聖君が悪いし。
「大切な人なんだったらもっと紫苑ぐらい強引にすればいいのに。」って言ったら、「監禁まがいができるのも軽い犯罪をできるのも、紫苑さんだからだよ。」と苦笑いで言われた。
光輝君がわざわざ聖君と一緒に謝りに来てくれた時に紫苑とも会っているし、なんだかんだ紫苑が認めてくれたのでこうやって一緒に遊べるのだ。
もうあれから1ヶ月とちょっと経って季節も梅雨に入ろうとしている。
「はよ。」
「おはよー。」
「紫苑にはバレなかったからこのまま作戦通りよろしくね。」
「あぁ。」
篠宮さんの運転で近くのショッピングセンターに向かう。
「姐さん楽しそうっすね。」
「うん!今日はね紫苑の誕生日プレゼントを買いに行くの!あ、紫苑には内緒ね。」
などと篠宮さんと話していて気が付かなかったけど、後ろで聖君と光輝君がひそひそと話している。
「俺、中が見えないフルスモークで黒塗りのいかにもっていう車だと思わなかったわ。ちょっと想像してたけど、現実になるとは…。楽し。」
「杏といりゃ、いつでもこうなんだよ。」
「いつか、ゲームに出てくるような画も見られるってこと?最高。」
「ヤクザって褒められた存在じゃないからな?よくない存在だからな?」
「聖が言うとギャグみたい。」
車で向かうこと15分。
「じゃあ、姐さん。終わりはまた連絡くださいね。」
「送ってくれてありがとうございました。また帰りもお願いします。」
篠宮さんの車が立ち去る。
「ショッピングセンターってこんなにでかいんだね。迷子になっちゃいそう。」
「俺も、ここには初めて来たわ。」
「え、聖も杏君も初めてなの?ここじゃなかったらどこで買い物すんの?」
「「ネット?」」
「お金持ち…お金持ちだ。」
「紫苑には連絡したからさっそくいこ?紫苑に合うものをあげなきゃ。」
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