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後日談
2回目の2年生①
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「杏、今日から学校か。」
「うん、聖君が校門で待っててくれるって。」
今日から2回目の2年生の日。
教室に行く気はあんまりないけど、今年は少し行事に参加してみようかなって思ってる。
聖君は無事3年生になったみたいだから一緒に何かできるのも今年いっぱい。
「よし、行くぞ。」
「はーい。」
紫苑と同じ車に乗り込んで俺を学校で落としてから紫苑は会社に向かう。
運転手さんはもちろん篠宮さん。
「篠宮さん、おはようございます!」
「はい、姐さんおはようございます。」
篠宮さんは俺と紫苑が結婚してから杏様って呼ばずに姐さんって呼ぶようになった。
あの料理番の宮さんもそう。
性別関係なく姐さんなんだなと感心してしまった。
「杏、透と仲良くしなくていい。」
「挨拶してるだけだよ。」
「お待たせ致しました。」
紫苑の嫉妬を宥めていると徹さんが助手席に乗ってきた。
いつものこの感じが久しぶりで少し感動する。
「いってらっしゃいませ。杏様。」
「いってきます!」
「杏!」
「なに?」
「何かあったらすぐに呼べ。」
「わかった。」
「怪我したとか、熱が出たとかじゃなくて、しんどくなっても、俺に会いたくなっても呼べ。」
「スマホちゃんともっとくね。」
「あぁ。」
紫苑とそう話して、車が出発してしまったので校門を少し進む。
ちょっとだけ寂しい気持ちを感じながら歩く。
わかりやすい金髪の青年、聖君の眉のピアスは健在だ。
「聖君、おはよう!」
「あぁ、杏、おはよう。」
職員玄関から入って先生の隣の名前が入っていない靴箱に靴を入れる。
「聖君の教室はどこなの?」
「あ?しらね。」
昨日は始業式だったから知ってると思ってだんだけど…?
「聖くん、教室行かないの?」
「行く気ねぇけど。」
ちなみに聖くんが起こした事件については俺はまだ知らない。
誰にも言いたくない話なんて一つや二つあるから別にすごく聞いたいわけじゃないけどね。
「聖くん…俺ら今年行事出ようって話したじゃん?朝、紫苑に聞いたけど行事ってクラス単位らしいよ。」
「うん?そうだな?」
「それで、出るもの決めるときはロングホームルーム?って言うのに出ないといけないんだって。」
「つまり、教室に行かないといけないってことか?」
「俺、聖くんいないからちょっと気乗りしないけど紫苑に行事でてる姿見せたいから頑張る。」
「ちくしょう!」
保健室の扉を開けながらそんな暴言を吐く聖くんに苦笑いして俺も保健室の中へ入る。
久しぶりにきた保健室は懐かしくて奥の相談室も同じように懐かしい。
「もう、朝からなんの騒ぎかな?」
「夏井先生、おはようございます。」
「あ、うん、杏君おはよう。えぇーっとおかえり?」
「ただいま?です。」
夏井先生のほわほわした感じ久しぶりだな。
「あ、プリント置いといたからねー。」
「ありがとうございます。」
聖くんと一緒に相談室に入って雑談する。
「それでね、この前紫苑が…「!!!!」なんか、保健室が騒がしいね。」
「あぁ、ちょっと様子見てくるわ。」
「うん、いってらっしゃい。」
「ここから出るなよ?トイレ行きたくなったら言えよ?すぐ戻ってくるから。」
「うん。」
俺がトイレに行ったときに攫われたとこをかなりトラウマになっているらしく、聖くんには子供に言い聞かせるように何度も言われるけど、本人がそれで安心するなら従うまでだから別に気にしてないけどね。
「うん、聖君が校門で待っててくれるって。」
今日から2回目の2年生の日。
教室に行く気はあんまりないけど、今年は少し行事に参加してみようかなって思ってる。
聖君は無事3年生になったみたいだから一緒に何かできるのも今年いっぱい。
「よし、行くぞ。」
「はーい。」
紫苑と同じ車に乗り込んで俺を学校で落としてから紫苑は会社に向かう。
運転手さんはもちろん篠宮さん。
「篠宮さん、おはようございます!」
「はい、姐さんおはようございます。」
篠宮さんは俺と紫苑が結婚してから杏様って呼ばずに姐さんって呼ぶようになった。
あの料理番の宮さんもそう。
性別関係なく姐さんなんだなと感心してしまった。
「杏、透と仲良くしなくていい。」
「挨拶してるだけだよ。」
「お待たせ致しました。」
紫苑の嫉妬を宥めていると徹さんが助手席に乗ってきた。
いつものこの感じが久しぶりで少し感動する。
「いってらっしゃいませ。杏様。」
「いってきます!」
「杏!」
「なに?」
「何かあったらすぐに呼べ。」
「わかった。」
「怪我したとか、熱が出たとかじゃなくて、しんどくなっても、俺に会いたくなっても呼べ。」
「スマホちゃんともっとくね。」
「あぁ。」
紫苑とそう話して、車が出発してしまったので校門を少し進む。
ちょっとだけ寂しい気持ちを感じながら歩く。
わかりやすい金髪の青年、聖君の眉のピアスは健在だ。
「聖君、おはよう!」
「あぁ、杏、おはよう。」
職員玄関から入って先生の隣の名前が入っていない靴箱に靴を入れる。
「聖君の教室はどこなの?」
「あ?しらね。」
昨日は始業式だったから知ってると思ってだんだけど…?
「聖くん、教室行かないの?」
「行く気ねぇけど。」
ちなみに聖くんが起こした事件については俺はまだ知らない。
誰にも言いたくない話なんて一つや二つあるから別にすごく聞いたいわけじゃないけどね。
「聖くん…俺ら今年行事出ようって話したじゃん?朝、紫苑に聞いたけど行事ってクラス単位らしいよ。」
「うん?そうだな?」
「それで、出るもの決めるときはロングホームルーム?って言うのに出ないといけないんだって。」
「つまり、教室に行かないといけないってことか?」
「俺、聖くんいないからちょっと気乗りしないけど紫苑に行事でてる姿見せたいから頑張る。」
「ちくしょう!」
保健室の扉を開けながらそんな暴言を吐く聖くんに苦笑いして俺も保健室の中へ入る。
久しぶりにきた保健室は懐かしくて奥の相談室も同じように懐かしい。
「もう、朝からなんの騒ぎかな?」
「夏井先生、おはようございます。」
「あ、うん、杏君おはよう。えぇーっとおかえり?」
「ただいま?です。」
夏井先生のほわほわした感じ久しぶりだな。
「あ、プリント置いといたからねー。」
「ありがとうございます。」
聖くんと一緒に相談室に入って雑談する。
「それでね、この前紫苑が…「!!!!」なんか、保健室が騒がしいね。」
「あぁ、ちょっと様子見てくるわ。」
「うん、いってらっしゃい。」
「ここから出るなよ?トイレ行きたくなったら言えよ?すぐ戻ってくるから。」
「うん。」
俺がトイレに行ったときに攫われたとこをかなりトラウマになっているらしく、聖くんには子供に言い聞かせるように何度も言われるけど、本人がそれで安心するなら従うまでだから別に気にしてないけどね。
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(『ride』は2021年3月28日に追加します)
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