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宴はまだ続くが、暇を取る。
姫を伴い、王の間に入る。
今日から閨は王の間に姫を呼び寄せるのが通常となる。
互いの侍女達がせっせと儂と姫の閨の準備を始める。
先ずは儂が湯殿を使う。
姫はその間長椅子で座って待っていた様だがこの時点で侍女達に起こされていた。
儂の湯浴みが終わった後、
殆どうつらうつらと船を漕ぐ姫を侍女達が湯殿へ連れて行く。
姫が湯浴みを終え、半ば支えられて、ベッドに座らされた。
儂が姫を支えるのを替わり、侍女達に下がる様に命じる。
「姫、もう眠るか?」
「……はい……もう、げんかいです……」
「わかった。よく頑張った」
姫を横たわらせる。
本当に限界だった様で、すぐに寝息を立てて眠ってしまった。
今日は儂の横で慣れぬ社交を全てやってみせた。
賓客だけではなく、諸侯や官吏の名前までしっかり覚え、声をかけていたのには感心した。
ダンスの時にプトレド王国のあの似非王子と何を話したのかが気にかかる。
あの似非王子は見てくれこそ取り繕うのが上手いが、恐らくは儂と同種の人間だ。同じ匂いがする。
姫に会ったのが儂との婚姻の儀で非常に悔しい事だろう。
儂の様な手合いは姫の様な女が好みだ。
そういう女に無茶な要求を飲ませたがる。
さすがに本気で奪いにかかる事は無いだろうが。
だが残念ながらこの女はもう儂のものだ。
誰にも渡す気はない。
すっかり深く眠ってしまった姫の寝顔を見つめる。
今宵はこの寝顔を見つめていよう。
明日の儂の予定は要人との会談など色々とある。
とは言って交易の輸入、輸出量、価格調整など煩雑とした取り決めを事前に話してある。殆どが外相が固めた内容を書面にして調印するだけだ。
ヴィンザンツ大陸からグリムヒルトまで船で2、3週間はかかる。今の季節なら3週間だろう。あまり長い航海に非戦闘員の女は連れ立って来ない。故に今回の式に女の賓客はいないので、姫がもてなす相手はいない。
姫は明日の午前は身体が空く。
明日は一日ゆっくりさせてやろう。
焦る事は無い。一年待ったのだから。
ーーーー……次の日の朝
姫、いや、王妃の声に起こされる。
「……陛下?そろそろ起きなくてはいけませんよ?」
「……まだ眠い……」
「今日は各国の要人との会談と調印式がおありでしょ?もう起きなきゃ遅れてしまいます」
微睡みの中、隣にレイティアの体温を感じる。
「そろそろ侍女達が起こしに来る時間ですよ。今日ばかりはお目溢しはしてもらえないでしょうから、予めお起こししました」
「……そうか……わかった」
やや、覚醒した所で、レイティアを抱き寄せる。
そして口付ける。
「……陛下……」
レイティアは頬を染める。
「夫婦になったのだから、この位は慣れろ」
「……はい……」
肯定するにも関わらず、照れ臭そうに目を逸らし俯く仕草が可愛い。
もっとこういう顔を見たい。
更にその先の、
泣き濡れて懇願する顔を見てみたい。
この一年、ずっと耐えていた衝動を許されている事に興奮を覚えるが、今はお預けだ。
どうせもう、逃す気はない。
儂はこの儂の腕の中に収まり、幸せそうに笑いかけるこの顔をめちゃくちゃに穢してしまうだろう。
レイティアはどう思うのだろうか。
酷いと泣くだろうか?
それでももう手放してやれない。
この衝動を一身に受けてもらう。
やはり儂の妻になるなど生き地獄だろう。
レイティアの髪を撫でながら、儂はそんな想いを巡らせていた。
姫を伴い、王の間に入る。
今日から閨は王の間に姫を呼び寄せるのが通常となる。
互いの侍女達がせっせと儂と姫の閨の準備を始める。
先ずは儂が湯殿を使う。
姫はその間長椅子で座って待っていた様だがこの時点で侍女達に起こされていた。
儂の湯浴みが終わった後、
殆どうつらうつらと船を漕ぐ姫を侍女達が湯殿へ連れて行く。
姫が湯浴みを終え、半ば支えられて、ベッドに座らされた。
儂が姫を支えるのを替わり、侍女達に下がる様に命じる。
「姫、もう眠るか?」
「……はい……もう、げんかいです……」
「わかった。よく頑張った」
姫を横たわらせる。
本当に限界だった様で、すぐに寝息を立てて眠ってしまった。
今日は儂の横で慣れぬ社交を全てやってみせた。
賓客だけではなく、諸侯や官吏の名前までしっかり覚え、声をかけていたのには感心した。
ダンスの時にプトレド王国のあの似非王子と何を話したのかが気にかかる。
あの似非王子は見てくれこそ取り繕うのが上手いが、恐らくは儂と同種の人間だ。同じ匂いがする。
姫に会ったのが儂との婚姻の儀で非常に悔しい事だろう。
儂の様な手合いは姫の様な女が好みだ。
そういう女に無茶な要求を飲ませたがる。
さすがに本気で奪いにかかる事は無いだろうが。
だが残念ながらこの女はもう儂のものだ。
誰にも渡す気はない。
すっかり深く眠ってしまった姫の寝顔を見つめる。
今宵はこの寝顔を見つめていよう。
明日の儂の予定は要人との会談など色々とある。
とは言って交易の輸入、輸出量、価格調整など煩雑とした取り決めを事前に話してある。殆どが外相が固めた内容を書面にして調印するだけだ。
ヴィンザンツ大陸からグリムヒルトまで船で2、3週間はかかる。今の季節なら3週間だろう。あまり長い航海に非戦闘員の女は連れ立って来ない。故に今回の式に女の賓客はいないので、姫がもてなす相手はいない。
姫は明日の午前は身体が空く。
明日は一日ゆっくりさせてやろう。
焦る事は無い。一年待ったのだから。
ーーーー……次の日の朝
姫、いや、王妃の声に起こされる。
「……陛下?そろそろ起きなくてはいけませんよ?」
「……まだ眠い……」
「今日は各国の要人との会談と調印式がおありでしょ?もう起きなきゃ遅れてしまいます」
微睡みの中、隣にレイティアの体温を感じる。
「そろそろ侍女達が起こしに来る時間ですよ。今日ばかりはお目溢しはしてもらえないでしょうから、予めお起こししました」
「……そうか……わかった」
やや、覚醒した所で、レイティアを抱き寄せる。
そして口付ける。
「……陛下……」
レイティアは頬を染める。
「夫婦になったのだから、この位は慣れろ」
「……はい……」
肯定するにも関わらず、照れ臭そうに目を逸らし俯く仕草が可愛い。
もっとこういう顔を見たい。
更にその先の、
泣き濡れて懇願する顔を見てみたい。
この一年、ずっと耐えていた衝動を許されている事に興奮を覚えるが、今はお預けだ。
どうせもう、逃す気はない。
儂はこの儂の腕の中に収まり、幸せそうに笑いかけるこの顔をめちゃくちゃに穢してしまうだろう。
レイティアはどう思うのだろうか。
酷いと泣くだろうか?
それでももう手放してやれない。
この衝動を一身に受けてもらう。
やはり儂の妻になるなど生き地獄だろう。
レイティアの髪を撫でながら、儂はそんな想いを巡らせていた。
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