78 / 200
78
しおりを挟む
王妃の間に急ぐ。
陛下が帰ってくる前になんとか部屋に着いていたい。
出来れば着替えも済ませておきたいので、走って戻る。
陛下の様に抜け路を覚えようかと考えながら息を切らせて走る。
部屋のドアを開けると、残念ながら陛下がいる。
最高に不機嫌な顔で迎えられてしまった。
「遅かったな」
「はぁ、はぁ、へ、へいか……ご、ごめん、なさい」
「軍師の許可は取っておったみたいだが、儂は許可した覚えはない」
いつもの様に長い脚を組んで長椅子の肘掛けに頬杖を作って凭れている。
「ちょっと……だけ、息を、ととのえ、はぁ、させて、はぁ、ください」
心臓がバクバクと音を立てて、汗が滴り、はぁはぁと肩で息をする。
全力で廊下を走ってしまった。後で侍女のヨアンナかレーナ辺りに叱られるんだろうな。
陛下付きの侍女長のベテラン、フローラさんに見つかってしまったらお叱りでは済まないだろう。一応現行犯ではないので大丈夫だと思う。
それよりも今は陛下だ。
ずっと押し黙ったまま私をじっと見据えている。
早く息を整えて、申し開きしなければ。
少し息が整ってきてそろそろ喋れそうだ。
「陛下、黙って出てしまってごめんなさい」
陛下が無言で長椅子の陛下の横の座面を人差し指の爪で突く。
私は促されるまま、陛下の横に腰掛ける。
とても心許ない。
陛下は姿勢を崩さず一言だけ、「で?」と仰る。
「あの、本当は今日の夕食後にお渡ししたかったのですけど……」
私はポケットから陛下への贈り物を出して、陛下の前に差し出した。
「……これを買いに出かけたかったのです」
陛下が差し出された木箱をじっと見る。
「これは?」
「国王のベネディクト陛下には目録にあるものを差し上げたのですけど……、アナバス様に、私から個人的にお誕生日のお祝いをしたかったんです」
陛下の不機嫌が少し緩和した。
「お誕生日おめでとうございます、アナバス様」
アナバス様が生まれてきてくれた事に感謝する。
そう思うと自然と笑顔になる。
「……儂の不機嫌の理由がわかるか?」
陛下はぽそりと私に問う。
「それは……勝手に出てしまったから?」
「それもあるが、約束を反故にされたからだ」
思い至った。確かに次城下に降りる時は陛下と一緒にという約束をしてた。
「本当だ! 約束しておりました! 申し訳ありません!」
内緒にして驚かせる事ばかり考えて、約束を失念していた。
これは完全に私が悪い。
「しかし姫は儂を驚かせる為に儂には黙っていたかったのだろう?」
「はい……」
「そういう事情であったなら、儂も許す事、吝かではない」
なんとなく、嫌な予感がする。
こういう言い方をする時の陛下は……
「……許して、下さるのですか?」
恐る恐る聞いてみる。
「儂が手本で見せた頬へのキスを所望する」
陛下がイジワルに薄く笑う。
やっぱり、イジワルする気だった。
でも明らかに私に非があるのだから、この位で許して下さる事は寛大なのかもしれない。
約束を破ってしまった訳だし。
私はやっぱり赤面しながらも、今回ばかりはぐっと覚悟を決めた。
「……わかりました。陛下がお望みになるのであれば」
私は恥ずかしいのを堪えて陛下の頬へとゆっくり顔を近付ける。
陛下の頬に唇が触れる。
長く触れ続ける間、息もせず、唇も緊張で震えていた。
息の続く限り触れ続けて、そっと唇を離した。
陛下は満足げに笑って言う。
「これほど情熱的で長く続くキスを受けたのは初めてだ」
その言葉に私は余計に赤く逆上せてしまった。
「そっ、そんな、情熱的だなんて、だって」
ふわりと陛下が笑う。
「これを、開けても良いか?」
「は、はい、もちろんです」
陛下は木箱をそっと開く。
先程選んだ御守りを陛下が手に取る。
「それは、庶民の間で長らく贈られてる御守りだそうです。恋人や伴侶に航海や漁、闘いの無事を祈って渡すんだそうです。大体は帯や帯刀ベルトや鞘などにぶら下げている様ですよ」
「そういえばこれをつけている軍人をよく見かけるな」
「有事の際にはそれで身元などが判明する事も多いらしいです。
国の見栄えに耐えられる様なものではないので、アナバス様として市井に出られる時にでもお供にして下さればと思います」
「石には意味があるのか?」
「はい。鷹眼石には守護の意味がありますし、紋章と同じ鷹なので。琥珀は癒しで、天河石は希望を意味するらしいです」
「……姫は愛を乞う様なものは贈らんのだな」
「そういうものは乞うものではないと思うので、私はあまり好みません」
「姫のそういった所、実に心地よい」
陛下は繊細な方だから、多分人が自分に想いを乗せる事が重いのだと思う。
私は陛下のそういう弱い所に何故だか気がついてしまう。
だから避けられるだけで、普通はわからないものなんだろう。
他の人達だってただ想いを乗せてるだけじゃないのだと思うんだけど……
「姫。……いや、レイティア。ありがとう。大切にする」
今度は陛下のお顔が近づいてくる。
陛下の唇が私の頬に触れる。
やっぱり恥ずかしい。私はなすがままに永遠とも思える長いキスを受ける。
陛下が唇を離す。
私の顔は火照って真っ赤だろう。恥ずかしい。
でもこれを渡す時にお話ししたいと思っていた事を思い出す。
「……あの、陛下?」
「なんだ?」
「今日、へリュ様との試合のお話を聞きました」
「古い話だな」
「……陛下?どうかお願いですから、もうそんな危ない事はしないで下さいね?」
「試合うなという事か?」
「……いいえ。死のうとしないで下さい」
陛下は黙って私を見つめる。
「お相手が錬磨の剣士のへリュ様だったから御無事だったのですよ? それをお忘れなき様」
陛下がイジワルに笑う。だけど、私は陛下を真っ直ぐ見つめる。
「……姫は実に小うるさい……その唇を塞いでしまうか」
陛下のお顔再び近づく。
今度は唇の進行方向が頬ではなくて、私の唇に向かってる。
「え? あの? 陛下? あれ?」
私は今度こそ耳まで赤くなる。
どんどん迫ってくる陛下になす術なくいると、本当に触れ合うギリギリで止まる。
「……冗談だ」
陛下が囁く。
私は長椅子の背もたれに凭れかかる。
「へ?」
陛下がくつくつと笑い出す。
「どうせひと月後には姫は名実共に儂のものだ。それまでは猶予をやろう」
陛下は私の様子を見てくつくつと笑い続けてた。
……次の日、へリュ様が強盗を捕まえてしまった。
わかったってそういう意味だったのか……。
陛下が帰ってくる前になんとか部屋に着いていたい。
出来れば着替えも済ませておきたいので、走って戻る。
陛下の様に抜け路を覚えようかと考えながら息を切らせて走る。
部屋のドアを開けると、残念ながら陛下がいる。
最高に不機嫌な顔で迎えられてしまった。
「遅かったな」
「はぁ、はぁ、へ、へいか……ご、ごめん、なさい」
「軍師の許可は取っておったみたいだが、儂は許可した覚えはない」
いつもの様に長い脚を組んで長椅子の肘掛けに頬杖を作って凭れている。
「ちょっと……だけ、息を、ととのえ、はぁ、させて、はぁ、ください」
心臓がバクバクと音を立てて、汗が滴り、はぁはぁと肩で息をする。
全力で廊下を走ってしまった。後で侍女のヨアンナかレーナ辺りに叱られるんだろうな。
陛下付きの侍女長のベテラン、フローラさんに見つかってしまったらお叱りでは済まないだろう。一応現行犯ではないので大丈夫だと思う。
それよりも今は陛下だ。
ずっと押し黙ったまま私をじっと見据えている。
早く息を整えて、申し開きしなければ。
少し息が整ってきてそろそろ喋れそうだ。
「陛下、黙って出てしまってごめんなさい」
陛下が無言で長椅子の陛下の横の座面を人差し指の爪で突く。
私は促されるまま、陛下の横に腰掛ける。
とても心許ない。
陛下は姿勢を崩さず一言だけ、「で?」と仰る。
「あの、本当は今日の夕食後にお渡ししたかったのですけど……」
私はポケットから陛下への贈り物を出して、陛下の前に差し出した。
「……これを買いに出かけたかったのです」
陛下が差し出された木箱をじっと見る。
「これは?」
「国王のベネディクト陛下には目録にあるものを差し上げたのですけど……、アナバス様に、私から個人的にお誕生日のお祝いをしたかったんです」
陛下の不機嫌が少し緩和した。
「お誕生日おめでとうございます、アナバス様」
アナバス様が生まれてきてくれた事に感謝する。
そう思うと自然と笑顔になる。
「……儂の不機嫌の理由がわかるか?」
陛下はぽそりと私に問う。
「それは……勝手に出てしまったから?」
「それもあるが、約束を反故にされたからだ」
思い至った。確かに次城下に降りる時は陛下と一緒にという約束をしてた。
「本当だ! 約束しておりました! 申し訳ありません!」
内緒にして驚かせる事ばかり考えて、約束を失念していた。
これは完全に私が悪い。
「しかし姫は儂を驚かせる為に儂には黙っていたかったのだろう?」
「はい……」
「そういう事情であったなら、儂も許す事、吝かではない」
なんとなく、嫌な予感がする。
こういう言い方をする時の陛下は……
「……許して、下さるのですか?」
恐る恐る聞いてみる。
「儂が手本で見せた頬へのキスを所望する」
陛下がイジワルに薄く笑う。
やっぱり、イジワルする気だった。
でも明らかに私に非があるのだから、この位で許して下さる事は寛大なのかもしれない。
約束を破ってしまった訳だし。
私はやっぱり赤面しながらも、今回ばかりはぐっと覚悟を決めた。
「……わかりました。陛下がお望みになるのであれば」
私は恥ずかしいのを堪えて陛下の頬へとゆっくり顔を近付ける。
陛下の頬に唇が触れる。
長く触れ続ける間、息もせず、唇も緊張で震えていた。
息の続く限り触れ続けて、そっと唇を離した。
陛下は満足げに笑って言う。
「これほど情熱的で長く続くキスを受けたのは初めてだ」
その言葉に私は余計に赤く逆上せてしまった。
「そっ、そんな、情熱的だなんて、だって」
ふわりと陛下が笑う。
「これを、開けても良いか?」
「は、はい、もちろんです」
陛下は木箱をそっと開く。
先程選んだ御守りを陛下が手に取る。
「それは、庶民の間で長らく贈られてる御守りだそうです。恋人や伴侶に航海や漁、闘いの無事を祈って渡すんだそうです。大体は帯や帯刀ベルトや鞘などにぶら下げている様ですよ」
「そういえばこれをつけている軍人をよく見かけるな」
「有事の際にはそれで身元などが判明する事も多いらしいです。
国の見栄えに耐えられる様なものではないので、アナバス様として市井に出られる時にでもお供にして下さればと思います」
「石には意味があるのか?」
「はい。鷹眼石には守護の意味がありますし、紋章と同じ鷹なので。琥珀は癒しで、天河石は希望を意味するらしいです」
「……姫は愛を乞う様なものは贈らんのだな」
「そういうものは乞うものではないと思うので、私はあまり好みません」
「姫のそういった所、実に心地よい」
陛下は繊細な方だから、多分人が自分に想いを乗せる事が重いのだと思う。
私は陛下のそういう弱い所に何故だか気がついてしまう。
だから避けられるだけで、普通はわからないものなんだろう。
他の人達だってただ想いを乗せてるだけじゃないのだと思うんだけど……
「姫。……いや、レイティア。ありがとう。大切にする」
今度は陛下のお顔が近づいてくる。
陛下の唇が私の頬に触れる。
やっぱり恥ずかしい。私はなすがままに永遠とも思える長いキスを受ける。
陛下が唇を離す。
私の顔は火照って真っ赤だろう。恥ずかしい。
でもこれを渡す時にお話ししたいと思っていた事を思い出す。
「……あの、陛下?」
「なんだ?」
「今日、へリュ様との試合のお話を聞きました」
「古い話だな」
「……陛下?どうかお願いですから、もうそんな危ない事はしないで下さいね?」
「試合うなという事か?」
「……いいえ。死のうとしないで下さい」
陛下は黙って私を見つめる。
「お相手が錬磨の剣士のへリュ様だったから御無事だったのですよ? それをお忘れなき様」
陛下がイジワルに笑う。だけど、私は陛下を真っ直ぐ見つめる。
「……姫は実に小うるさい……その唇を塞いでしまうか」
陛下のお顔再び近づく。
今度は唇の進行方向が頬ではなくて、私の唇に向かってる。
「え? あの? 陛下? あれ?」
私は今度こそ耳まで赤くなる。
どんどん迫ってくる陛下になす術なくいると、本当に触れ合うギリギリで止まる。
「……冗談だ」
陛下が囁く。
私は長椅子の背もたれに凭れかかる。
「へ?」
陛下がくつくつと笑い出す。
「どうせひと月後には姫は名実共に儂のものだ。それまでは猶予をやろう」
陛下は私の様子を見てくつくつと笑い続けてた。
……次の日、へリュ様が強盗を捕まえてしまった。
わかったってそういう意味だったのか……。
10
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
男装騎士はエリート騎士団長から離れられません!
Canaan
恋愛
女性騎士で伯爵令嬢のテレサは配置換えで騎士団長となった陰険エリート魔術師・エリオットに反発心を抱いていた。剣で戦わない団長なんてありえない! そんなテレサだったが、ある日、魔法薬の事故でエリオットから一定以上の距離をとろうとすると、淫らな気分に襲われる体質になってしまい!? 目の前で発情する彼女を見たエリオットは仕方なく『治療』をはじめるが、男だと思い込んでいたテレサが女性だと気が付き……。インテリ騎士の硬い指先が、火照った肌を滑る。誰にも触れられたことのない場所を優しくほぐされると、身体はとろとろに蕩けてしまって――。二十四時間離れられない二人の恋の行く末は?
嫌われ女騎士は塩対応だった堅物騎士様と蜜愛中! 愚者の花道
Canaan
恋愛
旧題:愚者の花道
周囲からの風当たりは強いが、逞しく生きている平民あがりの女騎士ヘザー。ある時、とんでもない痴態を高慢エリート男ヒューイに目撃されてしまう。しかも、新しい配属先には自分の上官としてそのヒューイがいた……。
女子力低い残念ヒロインが、超感じ悪い堅物男の調子をだんだん狂わせていくお話。
※シリーズ「愚者たちの物語 その2」※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる